ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

(株)ブイ・テクノロジー【7717】の掲示板 2018/07/07〜2018/07/24

(その8)
続いて、6月のディスプレイ製造装置並びに生産ライン関連情報を記載します。

(7)ディスプレイ製造装置並びに生産ライン:
7-1.LOT vacuum(韓国):
 昨年の売上高2007億ウォン、営業利益277億ウォンの実績を記録し、証券業界では、国内半導体業界の投資拡大と中国の顧客の確保に支えられLOT vacuumの今年の売上高が昨年より17%以上増加した2360億ウォンを、営業利益は30%以上増加した360億ウォン台を記録すると予想されている製造装置関連企業として絶好調の企業の一つである。更に、LOT vacuumは2020年の売上高3000億ウォンを達成することが中短期目標だとされている。
 主力製品はドライ真空ポンプ。 ディスプレイパネルの前工程の多くは、真空状態で行われる。真空チャンバーに真空ポンプが接続されている構造である。真空ポンプには、スクリュー方式とルーツ方式があり、当社のポンプはスクリュー方式で、競合他社が活用するルーツ(Roots)と比較して部品数が少なく、排気量が高い。同社は最近、スクリューとルーツ方式を混合したハイブリッド方式の真空ポンプも開発したと伝えられる。排気量が高く、ノイズと消費電力を減らせるのが特徴である。このような技術力を、国内はもちろん、中国の顧客にも高く評価されたものと解釈される。
 LOT vacuumが、4月に合肥のBOE10.5世代LCD工場に14億ウォン規模の真空ポンプ装置を納入してBOEとの最初の取引関係を開始した。また、BOEの綿陽工場からも42億ウオン規模の眞空ポンプを受注して、今年の年末までに納入する予定であることをこの度公表した。BOEが来年下期に稼働する第二の小型OLEDパネル生産ラインである。最近、BOEはこの製造ライン用として、製造装置の発注を相次いで出している。LOT vacuumも、このような発注の動きに恩恵を受けたものである。

7-2.APシステム:
 Vテクの最大のライバル製造装置会社のAPシステムが主力分野であるレーザリフトオフ(LLO)とレーザー結晶化(ELA)市場を越えて、薄膜封止(TFE)とファインメタルマスク(FMM)市場参入を狙う。このため、材料・部品など、様々な専門分野の企業と協業して技術力を向上させることができる「グローバル研究開発(R&D)センター」を韓国・京畿道東灘本社内に設立した。
 先ず、次世代FTE装置に関して、従来使用されてきたプラズマ化学気相蒸着(PECVD)の代わりに、原子層堆積(ALD)プロセス装置を開発した。この装置は薄膜に生じるパーティクルを効果的に制御することができ、画素不良を大幅に低減することができる。薄膜の品質が良くなると、何万回も曲げたり広げたりするフォルダブルディスプレイなどでも、高い信頼性と安定性を実現することができる。低曲率半径を実装することができ、光透過率も制御でき、次世代フォルダブルディスプレイ技術に適用することができると評価している。
 また、Vテクと同様な手法で開発しているFMM技術に関しては、複数の関連企業と協業してスマートフォンの解像度を決定する重要な部品であるファインメタルマスク(FMM)の性能を引き上げ、スマートフォンでUHDの解像度を実現できる微細レーザーベースのFMM技術も開発している。レーザーベースのFMM装置は、インバーにフォトレジストを塗布し、UVでマスクパターンを形成した後にエッチングする既存のウェットエッチング方式や電柱メッキ方式よりも、厚さを薄く形成することができると同社は説明した。
  更に、インクジェットプリンタ、自動光学検査(AOI)などの機器も試作品を開発し展示している。

7-3.サムスンディスプレイ:
 業界関係者は「サムスンディスプレイは大型パネル事業で先端の次世代技術がなく、LCDに依存している」とし「内部でQD-OLEDを成功させなければTVパネル事業の将来が消えることがあるという危機感が強い」と伝えた。
 この危機感から、サムスンディスプレイは第8世代の機器を開発するためのパイロットラインをL8工場にQD-OLEDパイロットラインを設けてQDをインクジェットで印刷するプロセス技術を検証することになる。サムスンディスプレイが開発しているQD-OLEDパネルの技術は、青色OLEDを発光源として、その上のカラーフィルタと塗布された赤と緑の量子ドット材料で実現する方式である。
 第8世代用装置の開発を加速化している。カティーバとコラボして、インクジェット方式装置を、キャノントッキと秘密保持契約(NDA)を結んで、今回の契約で、第8世代基板規格のRGB形成装置を開発する。QD-OLED装置と材料などを備えて、来年下半期までパイロットラインを運用した後、結果を見て量産投資時期と規模を決定する方針と伝えられている。その戦略とは、OLED材料での印刷の導入を検討する競合他社とは異なり、既存の蒸着方式に最適化されたOLEDとインクジェット印刷に最適化されたQDの両方を適用するハイブリッド方式で差別化して、技術のパラダイムを変えて、市場をリードするという戦略である。もし、この技術が確立すれば、ホワイトOLED(WOLED)技術を持つLGディスプレイを脅かすことができる。
 しかし、QD- OLED量産性を備えるためには、まだ解決すべき課題が多い。
先ず、サムスン電子総合技術院でQDCF技術を研究開発しているが技術難度が高い。QDとカラーフィルターを混合して一体型に実装する技術、カラーフィルタとQDを塗布する技術などが挙げられる。
 更に、OLED材料の中で寿命と発光効率が最も低い青色材料を主光源として使用するので、青色OLED自体の寿命と効率が改善されなければならないという根本的な問題も抱えている。
 また、第8世代オキサイドTFTの量産経験が豊富なLGディスプレーと違って、第8世代でのオキサイド量産経験がLGディスプレーより不足している。
 世界初のQD-OLEDに挑戦するものであり、 世界初挑戦する新技術が多くの商用化までの困難が予想される。

次回は、有機EL照明&車載用有機ELパネル関連情報を。