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(株)ブイ・テクノロジー【7717】の掲示板 2018/12/09〜2019/01/16

(その2)
 それでは、視察で中国のディスプレイ企業6社の情報を得たが、その内、中国のOLED大手企業3社の設備投資状況を述べよう。

◎中国最大手のBOE:
 BOEは、2018年下期設備発注開始→2019年設備納入開始→2020年上期稼働開始というB12工場当初計画を昨年先送り表明していたが、中国業界情報によると、昨年12月にBOEは第三のフレキシブル重慶OLED工場の起工式を突如実施しました。そして、当初計画より、1年遅れで2019年設備発注開始→2021年に稼働開始するとのこと。

 更に、2021年稼働開始計画で先送りを表明し、建設拠点を決めかねていた第四OLED工場のB15を福州に決め、地方政府と協定を結んで合計465億元を投入して、月に4万8000枚の生産能力の規模の工場を建設するとのこと。今回の投資を確定したB15は2022年に稼働を予定しており、B15の量産稼働が軌道に乗れば、サムスンディスプレイが現在保有している月16万5000枚の生産能力を抜いて世界最大の6世代中小型フレキシブルOLEDの生産能力を備える見込み。あくまでも現時点の予想だが。

 しかし、OLEDの生産能力をここまで拡大するためには多くの課題が山積みであることも否定できない。BOEもまだ、第6世代OLED工場での生産ラインにおいて問題点を抱え悪戦苦闘している。成都B7工場の歩留まりが一向に改善せず、アップルの要求するSMD品質基準を適用すると、歩留まり約20~30%の実力と言われている。そのため、今後の設備投資のために、印刷生産方式の試作ラインを並行して検討中という。また、綿陽に建設済みのB11工場では、2017年に発注した設備の納入手配を先送りしていたが、ようやく製造・検査装置の納入を開始した。今後、生産ラインの試行期間を経て、第二のOLED工場綿陽B11(2020年量産開始計画)の早急な量産立ち上げも待っている。

 要約すれば、BOEは、B7(成都)工場の立ち上げに続き、課題は山積みであるが、2020年→B11(綿陽)、2021年→B12(重慶)、2022年→B15(福州)工場を相次いで立ち上げ、現在中小型OLED市場を独占している韓国のSMDを生産能力の面で追い抜き、世界一を目指そうという壮大な戦略を推進しようとしている。