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(株)セルシード【7776】の掲示板 〜2015/04/28

基礎からわかるiPS細胞臨床応用(4)作製時の異常 細かく管理

 Q 安全どう確認

 高橋政代プロジェクトリーダーは、臨床研究の主な目的を「安全性の確認」と位置づける。iPS細胞から作った細胞を患者に移植するのは世界初で、作製工程には徹底した安全管理が求められた。

 患者の皮膚の細胞からiPS細胞を作製し、網膜色素上皮細胞に変化させる作業はすべて、理研の細胞培養施設で行われた。人間に移植する細胞培養のために作られた特別な施設で、無菌状態を維持できる。

 作製の途中、十分に初期化がされなかったiPS細胞や、網膜色素上皮細胞以外に変化してしまった細胞、iPS細胞の作製時に使った環状DNA「プラスミド」の断片など、がん化の原因になりかねないものが混入していないか、何度も確認した。

 患者の皮膚の細胞、iPS細胞、網膜色素上皮細胞のゲノム(全遺伝情報)を解析。互いに比較して、作製の過程で、細胞の遺伝子に異常が生じていないかも、詳しく調べた。

 移植後で最も重要なのは、がんや感染症などの合併症のチェックだ。移植後4年目までがん検査を行い、万が一、がんができた場合は再手術を行い、速やかにレーザーでがんを焼いて治療する。

 世界初の臨床応用の対象に、加齢黄斑変性が選ばれたのは、網膜の細胞が元々がんになりにくい上、脳や内臓に比べ、目の異常は外から観察しやすく、がんができても早期に発見できるからだ。移植に必要な細胞数は数万個で、重症心不全の治療などの1万分の1以下で足りる。

 研究チームはこれまで、マウスやラット計約140匹に人のiPS細胞由来の網膜の細胞を移植したが、一度もがん化は確認されなかったという。


(大阪科学部、医療部、科学部が担当しました)


(2014年9月23日 読売新聞)