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任天堂(株)【7974】の掲示板 2018/03/15〜2018/03/17

>>301

【「キャズム」を超えられるか】

「Switchがすぐに買えるようになった」ことをどう解釈するか。なるほど面白いテーマかもしれませんね。

個人的には,このステージの変化で思い起こすのははかつて流行した「キャズム理論」です。この理論は主にハイテク製品のような「目新しい」商品やサービスのライフサイクルに適用され,初期に購入する2.5%の「イノベーター」と次の12.5%を構成する「アーリーアダプター」への普及が済んだあと,次に控える34%の「アーリーマジョリティー」にいかにつなげるかに注目します。

というのも,「アーリーアダプター」まではある意味「新しいもの好き」だったり「製品・サービスそのものに魅力を感じている」ため普及は早いのですが,次の「アーリーマジョリティ」層はその製品に実用的な価値や安心感,すなわち「○○さんと楽しい時を過ごすため」とか「みんなやってるから」といったような,明らかに異なる購買動機で動くため,うまく橋渡しをすることが難しく,そこに「キャズム(溝)」が存在するからです。

「キャズム理論」ではその「溝」をいかに超えるかを議論するのですが,先ほどの日経の記事を読むにつけ,Switchはまさに今ここに到達したところかな,と思うわけです。ヨドバシの店員が言った「ゲームファンには行き渡った」というのはおそらく「アーリーアダプター層までは届いた」ということでしょう。

そして任天堂もこのステージをよく理解していて,次の層にいかに訴求するかを考えて手を打っており,それがLaboであったりIP訴求であったりネット利用の付加価値であったりするのでしょう。

キャズム理論が当てはまるのなら,Switchはある意味正念場に差し掛かった場面と言えます。しかし任天堂はそれを見越して効果的な手を打っているわけです。

もし教科書通りの「溝」の地点にいると仮定すれば,Switchはトータル販売数の16%地点まで到達しているということ。現在の世界販売数はおおよそ1,600万台でしょうから,ここからの逆算でもトータル販売数が1億台レベルという想定はできますね(「溝」をうまく乗り越えられれば)。

というわけで,アホルダーとしては「Switchがすぐに手に入る状況をどう見る」と問われれば「キャズムという正念場まで来たと思う」と答えたいと思います。しかしその溝を超える手立ては十分に見えるので,結果としてアホールド一択になります。