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住友商事(株)【8053】の掲示板 2017/07/10〜2018/02/02

住友商事を襲う2つの減損リスク 2017/10/6 日経新聞
 株式市場で住友商事に2つの懸念が浮上している。1つがマダガスカルで進める鉱山開発事業「アンバトビー」。もう1つが北米のタイヤ小売り子会社「TBC」だ。いずれもこれまで積極投資したにもかかわらず収益が低迷しており、多額の減損が発生する恐れがある。2018年3月期の好業績を見込んでいる住友商だが、市場関係者の中には警戒する声が出ている。
マダガスカルで手掛ける「アンバトビー」は2018年3月期に178億円の赤字の見込み。「我々はニッケルの長期価格の前提が非常に高く、減損は避けられないと見ている」。マッコーリー・キャピタル証券のポリーナ氏は話す。住友商のアンバトビーの持ち分比率は47.7%で、投融資残高は17億ドル(約1900億円)。これに対し、ポリーナ氏はアンバトビーの時価評価を400億円前後と試算する。仮に今期に発生しなくとも、いずれ減損が必要になるとの見方を示す。
 アンバトビーは住友商がカナダ、韓国の企業と組んで参画した世界最大級のニッケル鉱山開発プロジェクトだ。2007年から開発を始め、鉱山から地金まで一貫生産し、コバルトも採掘している。設備の不具合による稼働率低下やメンテナンス費用の発生により、今期は178億円の赤字を見込んでいる。稼働率は「直近では8割程度まで回復している」(高畑恒一最高財務責任者)としているが、これまで設備の安定稼働にてこずっており、予断を許さない。
 アンバトビーよりも減損の可能性が高いとの見方で市場関係者が一致するのは、TBCだ。05年に約1200億円で買収したが、業績が振るわない。今期は前期の18億円の赤字から黒字に転換するものの、黒字額は8億円にとどまる見通しだ。米国のタイヤ販売は販売数量が伸びても単価の下落傾向が続いており、採算が低迷している。百億円規模の追加減損が生じる可能性もある。TBCについては15年3月期にも約200億円の減損損失を計上している。市場では「タイヤ販売などの小売事業は絶えず変化する消費者のニーズを的確に把握する必要があり、住友商事にとって得意な分野とは言えない」(国内証券)との見方もある。事業の戦線を縮小し、パートナーとの協業に戦略を転換するのも今後の選択肢となりそうだ。  字数制限で一部割愛