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スルガ銀行(株)【8358】の掲示板 2018/09/05

最近のスルガに関係した一連の報道を踏まえて機関投資家がスルガの「企業価値」をどのように判断するかということについて言及した投稿が少ないようなので、ここに投稿しておく。

【不適切融資の総額が2兆円という報道から推定できること】
 マスコミ報道によれば、全部が焦げ付くことは無く正常な支払がなされているものも多いとのことだが、これは私から見れば預金者を安心させるためのリップ・サービスのように思える。

 この報道を別の視点(救済もしくは買収する側)から見ると違った結果になる。最大の問題はこれらの融資には相当に大量に「生ゴミ」や「う〇こ」が混じっている事だ。
 2兆円の融資の中身のほとんどは1~2億円未満の小口融資で、契約の中には「銀行側の瑕疵」による問題が相当に大量に含まれているとみられる。しかも訴訟リスクを抱えた融資債権も相当に大量に含まれている。反社関連融資も相当に大量にあるようだ・・・つまり融資の中身は2兆円以上の「ジャンク融資」だったという事になる。

 問題融資は当初、シェアハウス向け融資だけと思われたが、実際には5年程度の期間内に爆発する可能性の高い時限爆弾のついたアパート・マンション向け融資が3兆円の融資のうちの2兆円はあるとみられ、これを考慮すると(融資)資産の実態価値(売買価値)が相当に低いことになる。

【自己資本3000億円を貸倒引当金に振替えてみる】
 こんなに大量の問題融資(資産)をたった10%程度の持参金(自己資本)で買うバカは同業の金融機関にはいないと断言できる。
 スルガ銀行の自己資本はおよそ3000億円あり、リスク資産に対しておよそ10%あるが、それは言いかえれば全額を「貸倒引当金」に振替えても、たった10%の貸倒引当金にしか相当しないことになる。

 賃貸不動産の価格は市況が悪くなれば10%どころか20%や30%はすぐに下がってしまう。しかも水増し価格でフル・ローンどころか、オーバー・ローンも珍しくないと来ている。しかも高属性とされた融資先の中には相当多数の属性偽装者が含まれており、本業以外の収入からの回収も疑問だ。

 おまけにオーナー企業向けの500億円にも及ぶ問題融資債権もある。こんなもののが「処理」されないまま、ここを買うバカはいない。しかも、問題を起こした融資担当職員は300名はいるとされる。自社の職員すら信じられない状況で正確にデューデリジェンスをし、適切に業務が遂行できるとは到底思えない。

 正常債権と問題債権を分離してみたら正常なものが何もなかったという結果にならないとも限らない。

【買受先はいない】
 仮に1円で買ったとしても、そのあとに下手をすると1兆円に迫るような追加支出が必要になるのなら、だれが買うのかということだ。結論はすでに出ていると思う。
 問題は、その結論に持ってゆく為には様々なプロセスを経てゆくことが必要になると言うことだ。
 重要なのは第三者委員会の結論よりも強制力のある当局の処分とその後に続く上半期の決算。
 おそらく最終章は年末になる事だろう。