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(株)南都銀行【8367】の掲示板 2018/05/23〜2019/08/02

日本最古級の仏像「飛鳥大仏」、国宝に返り咲くか 最新研究で顔の成分が7世紀と判明

「日本最古」といわれながら、国宝になれない仏像がある。飛鳥寺(安(あん)居(ご)院、奈良県明日香村)にある飛鳥大仏(銅造釈迦如来坐像、重要文化財)だ。国宝になれないのは、後世の補修箇所が多く、造られた7世紀当時の部分がほとんど残っていないからとされているが、最新の研究では、オリジナル部分が従来考えられていたよりも多く残っているとの結果も。飛鳥大仏に国宝指定の報は届くか。

修学旅行生ら、多くの参拝者が集う飛鳥寺本堂。飛鳥大仏を目の前に、植島寶(ほう)照(しょう)住職の明朗な解説が響き渡った。「日本で最も古い仏像といわれております

飛鳥大仏は609年には完成したとされ、鋳造年が絞れる仏像としては日本で最古級。面長の顔やアーモンドのような形をした目は大陸の影響が色濃く、江戸時代に飛鳥大仏と対面した国学者、本居宣長(もとおりのりなが)は「菅(すが)笠(がさ)日記」に「げにいとふるめかしく、たふとく見ゆ」との一文を残している。

しかし、飛鳥寺は鎌倉時代の建久7(1196)年の火災で廃れた。火にさらされた飛鳥大仏は、オリジナル部分は目周辺や右手中央の指3本などで、その姿のほとんどが後世の作というのが通説。それが日本最古でありながら、国宝になれない理由といわれている。

藤岡教授の研究チームは平成28年に蛍光エックス線を用い、飛鳥大仏の約150カ所で含まれる金属の割合を調査した。すると、顔の大半は成分に差がなかった。藤岡教授は「顔はほぼオリジナルとみていい」と話す。顔の補修したような跡は、鋳造時にできた穴などを埋めた跡とみられるという。このほか、右の手のひらの上半分もオリジナルの可能性があることが分かった。

飛鳥大仏は火災など数々の危機を乗り越え、1400年のときを刻んだ。植島住職は「人々の信仰心のたまもの」と評した上で、国宝への“返り咲き”を静かに願う。「日本最古の仏様なのに国宝ではないと知り、驚く方もいる