ここから本文です
Yahoo!ファイナンス
投稿一覧に戻る

西日本旅客鉄道(株)【9021】の掲示板 2016/10/28〜2018/05/19


尼崎脱線 兄失った上田さん「組織罰実現、遺族の役割」


 尼崎JR脱線事故で兄を亡くした看護師、上田篤史さん(27)=神戸市中央区=が遺族らでつくる「組織罰を実現する会」のホームページ(HP)を管理し、インターネット上で署名を募っている。事故防止に向けて行動を続ける父の弘志さん(62)の思いを継ぎ、再発防止や鉄道の安全を求めて行動を始めて1年。「遺族として事故と向き合いたい」と話し、25日にはメンバーとして初めてJR尼崎駅前で街頭署名を行う。


 兄の昌毅さん=当時(18)=は大阪の大学へ通う途中で事故に遭った。当時高校生だった篤史さんは「兄の分まで人の命を救いたい」と志し看護師として働き始める一方で、事故について表だって発言することを避けていた。だが2014年の追悼慰霊式で遺族代表の言葉を述べたことをきっかけに、「少しでも風化を防ぐ力になれたら」と思い始めた。

 「実現する会」は重大事故を起こした企業の刑事責任を問う「組織罰」の制定を求め、昨年4月に発足。メンバーの多くは60~70代だが、篤史さんは弘志さんのすすめで前身の勉強会に参加し、現在は同会HPを管理する。

 制定へ賛同を求め、同会は昨年10月から毎月1回街頭署名を行うが、それに加えてHP上での署名も実施。インターネット署名は今月までに約350人分が集まった。

 コメント欄には、道路の崩落事故や学校行事で子どもを亡くしたという遺族らの書き込みも。「組織罰は安全確保に大きく役立つと思います」「悔しくて悲しくて…。活動に期待しています」。脱線事故の現場に居合わせて救助活動をしたという人は「まだまだ何かできたのではないか」と悔やみ、「二度と事故が起きないようちゃんと責任を取ってほしい」と記した。

 篤史さんはそれらのメッセージに自分の悲しみを重ねながら目を通して励まされる。「組織罰は事故を抑止する力になるはず」と信じ、25日は慰霊式に参列した後に街頭に立つ。「事故を経験した遺族にしか言えないことがあるなら、自分はその役割を果たしたい」

 署名は午前11時半ごろからJR尼崎駅前で行う。

(神戸新聞 金 慶順) 2017/4/24