北陸電力(株)【9505】の掲示板 2018/08/05〜2018/11/03

>>75

読了。そんなに難しくはないから、株の基本的知識があれば1日で読める。
　1990年から始まった株価の暴落、いわゆる「平成バブル」の崩壊を当時実際にファンド・マネージャーだった著者の視点から分析したもの。結論から言えば、バブル崩壊の原因を突き止めた！とまで言えるかどうかわからない。当時の現場にいた一ファンド・マネージャーからみたバブル崩壊のメカニズムの分析の域を出ていないのではないかという感じはする。
　とはいえ読んで価値のない本ではない。特に現物株と先物との裁定取引が、現実のマーケットにどのような影響を及ぼすのか、そのメカニズムを理解する上ではとてもよい。なんとなく知識では知っているけれど、個人が実際の機関投資家が行うような裁定取引を経験することはまずないから、実際に裁定取引をしていたトレーダーの経験談はとても貴重だと思う。またそこからわかるように、PER等から算出した「理論株価」というものは、実際のマーケットではほとんど無意味で、重要なのは「実際の価格の分析」だという指摘も説得力がある。
　個人投資家が株取引の経験を積んでくると誰もが感じること、つまり大きなマーケットの中でマネーがどんなふうに動き流れてゆくのか（つまりキャッシュフロー）、そのダイナミズムを、たとえば現物・先物の裁定取引等の視点から教えてくれている。平成バブルの崩壊の分析書というよりも、そういったところがとても勉強になる。