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九州電力(株)【9508】の掲示板 2018/08/06〜2018/09/30

浮体式洋上風力/響灘(北九州沖)で9月に実証運転/NEDO日立造船ら
2018-08-16 建設通信新聞

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は10日、北九州市の北九州港響灘地区で、2016年度から実証研究を進めている次世代浮体式洋上風力発電設備の実証機を報道陣に公開した。水深50mの浅い海域で設置が可能で低コストな洋上風力発電システムの技術の確立を目指す。今後は、北九州市沖15㎞、水深50m設置海域まで曳航し、浮体の係留や電源ケーブルの接続、9月中旬からの試運転を経て、21年度まで実証運転する。 実証運転は、計測データによる設計検証や発電システムの効率的な保守管理方法の調査が目的で、NEDOが進めている実証研究に日立造船、丸紅、東京大学、九電みらいエナジー、エコ・パワー、グローカルで構成するコンソーシアムが参加した。洋上風力発電は海底に基礎を設置する「着床式」が一般的だが、水深50m未満での利用に限定される。日本近海では発電設備を浮かべる「浮体式」の導入可能な海域面積が広いため浮体式の導入に向けて検証を進める。
 実証機は、国内初となる台船(バージ)型浮体を採用し、浮体構造物に2枚翼の3メガワット風車を搭載する。浮体構造物は、長さと幅が51m、高さ10m、重量は3100t。従来のスパー型浮体は水面下に沈む構造物の深さ(喫水)が約80mで、水深100m以上の海域でしか利用できなかったが、浮体の表面積を増やすことで喫水を約7.5mとし、水深の浅い海域での設置を可能にした。今回は3メガワット風車を搭載するが、最大5メガワットまで搭載可能。
 風車は、ハブ高さ72m、ロータ径100m、重量約133t。3枚翼と比べて重量が軽く、強風に強い特徴を生かし常に安定した環境で利用できる。発電コストは、23年に1kW時当たり23円を目標に設定している。
 10日の記者会見でNEDOの佐藤嘉晃理事は、「水深50mから適用できる浮体式洋上風力発電システムの完成で、風力発電の歴史を1歩進めることができる」と語った。