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復調アップルの深謀 成熟スマホ市場で販売最高

2017/3/5 1:30
国際

 減産が続いていた米アップル、iPhoneの販売が増え始めた。最新モデル「7」は革新性に乏しいと受け止められたものの、昨年末は過去最高のペースで出荷した。スマートフォン(スマホ)の世界市場の成長が止まりかけたとたんの再加速は韓国サムスン電子の発火問題という敵失だけが理由ではない。コモディティー(汎用品)化にあらがうアップルの囲い込みモデルが成熟市場で

 世界のスマホ市場は2016年に転換点を迎えた。米IDCによると市場規模は14億7千万台。5年前に比べ3倍だが前年比では1桁成長に落ち込み、2%しか増えない。先進国では2、3回目の買い替えサイクルに入っている。
 機能の向上が鈍化し、購入時の製品への満足度が下がると、多くの消費者は割安さを求めるようになる。米グーグルの基本ソフト、アンドロイド搭載端末の平均価格は200ドル程度と5年で約半分まで下がり製品価値の下落に伴う低価格競争が始まった。
 市場の成熟によりアップルも伸び悩んだ。同社製品の機能向上が鈍化する一方、中国勢は次々にiPhoneに似た製品を発売する。16年の年初からはiPhoneの減産が始まり、昨年は「アップルの最良の日々が過ぎ去った」(米運用会社サンフォード・バーンスタイン)と評された。
 だが年末商戦では、目立った機能の向上が防水などにとどまった「7」が売れた。16年10~12月のiPhoneの世界販売は前年同期比5%増の7829万台と、四半期ベースで過去最高となった。
 市場の成長鈍化に逆行するように復調した理由はiPhoneに慣れたユーザーが離れないためだ。市場の中心が買い替え需要に移る中、iPhoneのリピート率は8割。慣れた操作感を捨て、アンドロイド端末を選ぶ利用者は少ない。サムスン機の発火問題で目立ったトラブルがないアップルの安定性も改めて評価が高まった。
毎年2億台超を出荷するiPhoneは大量の買い替え予備軍がいる。需要を伸ばすのは革新性だけではない。一定の機能向上と変わらぬ使い心地のバランスを重視し、顧客に自然に買い替えを促すアップルの深謀が成熟市場で浮き立つ。

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