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ソフトバンクグループ(株)【9984】の掲示板 2018/10/20〜2018/10/21

2017年5月に立ち上がった10兆円ファンドは、世界の有力スタートアップ企業に次々と投資してきた。孫氏は出資を通じてソフトバンクを中心とした新しい企業グループの形成を目指しているという。
 最大の資金の出し手が、政府系の「公共投資ファンド(PIF)」を通じて、10兆円ファンドに450億ドル(約5兆円)を出資するサウジ。とりわけ孫氏の理解者がムハンマド氏だ。
 2人の出会いは16年9月3日。当時は副皇太子として来日していたムハンマド氏は日本の政財界の関係者との面会を次々とこなしていた。
 この日、孫氏は安倍晋三首相のロシア訪問に随行する予定だったが、急きょドタキャンしてまでムハンマド氏との面談を選んだ。10兆円ファンド構想のパートナーと見込んでいたからだ。ここから2人の蜜月関係が始まった。
 孫氏は、10兆円ファンドの資金が向かう最大の投資先である米国にも布石を打った。トランプ氏が16年の大統領選に勝利すると、同氏のスポンサーとして知られる米財界人とのツテをたどって会談。米国への巨額投資と雇用創出を約束した。
 米・サウジの両国首脳の懐に飛び込む孫氏の巨大ファンド構想。象徴的だったのがファンド設立時のことだ。サウジの首都リヤド郊外にある王宮で開かれたトランプ氏とサルマン国王のトップ会談に孫氏が登場。2人の前でファンド立ち上げの調印を済ませた。
 今回のサウジ疑惑は、孫氏のもくろみを根底から覆しかねない。
 米連邦準備理事会(FRB)が段階的な利上げに踏み切っているとはいえ、米国内はいまだカネ余りの状況にある。資金調達で「売り手市場」の立場にある米国の有力スタートアップの間では、どの投資家から資金を調達したかがステータスとなる風潮がある。米国内で「サウジマネー」を嫌う動きが広まれば孫氏にとっては打撃となる。
 頼みのトランプ氏は親サウジの姿勢を崩さないが、長年の不動産ビジネスを通じた関係に矛先が向かいつつある。
 最大のリスクはサウジ国内の政情だ。仮にムハンマド氏が失脚すれば、サウジ国内では同氏の肝煎りで進めてきた孫氏との投資戦略を覆す動きが出かねない。孫氏が持ち前の行動力で築いた米・サウジとの投資トライアングルに激震が走っている。サウジに対し今後どう対峙するのか。孫氏の次の一手を関係者は固唾をのんで見守っている。