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ジャスダックインデックス【23337】の掲示板 2015/04/01〜2020/11/29

【こんな意見もある①】
……グローバリゼーションによるストレスと苦しみの結果、何が起こっているか? 先進諸国の社会は、一層開放的になって互いに一致していくどころか、むしろ反対に、それぞれの内部に、それぞれの伝統の内に、それぞれの人類学的基底の内に、グローバリゼーションに対処して自らを再建する力を見出しつつあります。
 たとえば日本は、日本回帰の時期を迎えています。日本人は、ヨーロッパのあずかり知らぬところで自律的な発展を遂げた江戸時代を懐かしんでいます。
 これと同じ力が、アメリカでバーニー・サンダースやドナルド・トランプのような大統領候補の出現を可能にしたのです。その力はネイション(国民)としてのアメリカの再建を夢見て、「ワシントン・コンセンサス」やグローバル化の言説からの脱却を要求しています。
……ヨーロッパに目を転じると、いっそう興味深い現象が確認されます。というのも、われわれヨーロッパは、より古くから存在する諸国民の集まりだからです。いまお話しした全体的なプロセスに、ヨーロッパはいち早く入りました。なにしろドイツこそが、先頭を切ってこのプロセスを経験したのですから。ネイションへの回帰は、1990年の東西再統一の際、ドイツの課題となりました。それはドイツにとって、引き受けないわけにはいかないタスクでした。ドイツ東部を再建する必要がありました。このような一種の時間的先行の結果、ほとんど偶然にもドイツは2010年頃から、ヨーロッパ大陸で圧倒的な優位を手に入れることになったのです。
……ヨーロッパで国民的な理想に回帰した二番手の国はロシアで、この国は多くの混乱を経て自らを回復しました。ソ連邦が崩壊し、1990年から2000年にかけて、ロシアは苛酷で困難な時期を耐え忍びました。しかし、プーチンの大統領就任がロシアらしい国民的理想への回帰を現実化しました。…ロシア人たちは、およそ15年の歳月を経てようやく、経済的に、技術的に、軍事的にアメリカを恐れる必要から解放されたのです。ロシアがもはやアメリカを恐れていないことは、ジョージア[グルジア]問題、クリミア問題、シリア問題と段階を追って次第に確認できました。今日では西側諸国であっても、シリア上空を飛行するのにロシアの許可を必要とするまでに至っています。(続く)