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ジャスダックインデックス【23337】の掲示板 2015/04/01〜2020/11/29

【こんな意見もある②】
……なぜ、トランプ、サンダースが事前の予想を裏切って支持を集めたのか。トランプに対する支持基盤は、知識人、イスラム教徒、黒人、アジア系以外の間では意外と厚い。「本来の米国人の権利を取り戻す」というトランプの基本戦略は、グローバル化や情報化の恩恵にあずかれず、競争のしわ寄せだけを受けた人びとの心に強く訴える力を持っている。彼らが「トランプはオレたちの代表だ」と支持し、求心力が生まれている。
 サンダースの典型的な支持層は、20~30台の若年層だ。「強いアメリカ」をしらず、レーガノミクスによる格差拡大と、リーマン・ショックの不況のあおりをもろに受けた世代。職に就けず、就いたとしても不安定で賃金も低い。親世代より生活水準が低くなる、いわば「右肩下がり」の世代ともいうべき彼らは、働けども楽にならざる暮らしに苛立ち、既存の政治家を信用していない。
 左右の両極にある彼らへの支持は、経済格差の拡大、社会的流動性の低下、庶民の生活レベルの低下という共通の土壌から生まれたものだ。上位1パーセントの所得シェアは、1980年では10パーセントだったのが、2008年には21パーセントに増加している。これは米国の大恐慌前の1920年代と同レベルである。さらにエリート層が世襲化している。アメリカで、結局はエリート層が富のほとんどを独占していくというしくみは、教育にもあらわれている。東京大学をトップで卒業し、財務省に勤めたのち弁護士になり、現在はハーバード大学留学中の山口真由氏によれば、授業料が10ヵ月で7万ドル、つまり約800万円かかるという。ロースクール卒業まで6年かかるとすれば、授業料だけで4800万円かかることになる。これでは超富裕層の子供しか入ることはできない。普通の家庭の子供にしてみれば、例外的な幸運に恵まれ奨学金が得られるのでなければ、とうてい支払うことのできない額だ。米国大学への留学サイト(「アメリカ大学の留学選び」栄陽子留学研究所)などでも紹介されるように、ハーバード大学とおなじような授業料を設定している一流大学は珍しくない。格差を逆転する希望を抱くことすら難しいのが現実である。(続く)