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ジャスダックインデックス【23337】の掲示板 2015/04/01〜2020/11/29

【こんな話もある】
…日本の場合は、国内にイスラム教徒が少ないこともあって、欧州のようなイスラム恐怖症は存在しません。ただ在日韓国人[フランスでは「韓国系日本人」と呼んでいます]との関係、それから国内での外国人問題は日本にとって永遠の課題でしょう。一般的に日本は外国に対して寛容です。一方、社会に外国人を統合していく、一緒に生きていくという点では、客観的に成功しているとは言いがたい。
 しかし、歴史人口学者としての見解を述べさせてもらうと、出生率の低下と人口減少は、日本における最大にして唯一の課題です。そして少子高齢化が解決できない中で、一定数の移民が必要になるはずです。
 欧米の知識人はよく「日本人は排他的で差別主義だ」といいます。しかし、私は少し裏側から物事を見なければいけないのではないかと思っています。日本人は、決して異質な人間を憎んでいるわけではなく、仲間同士で暮らしている状態が非常に幸せなので、その現状を守ろうとしているだけではないのでしょうか。日本の社会はお互いのことを慮る、迷惑をかけないようにする、そういう意味では完成されたパーフェクトな世界だからです。
 フランスの場合は、そもそも国内が無秩序で、フランス人同士でも互いにいざこざは絶えません。つまり、外国から異質な人が入ってきたところで、そもそも失う「パーフェクトな状態」がないタフな社会です。同じことはアメリカにも言えるでしょう。
 子供という存在は、そもそも無秩序なものです。そして、外国人、移民も、社会にある種の無秩序をもたらします。日本人は日本が存続し続けるために、こうした一定の無秩序を受け入れる、混乱、完璧でないことを受け入れる必要がある。私たち日本好きの人間にとっては、日本が人口減少で没落していくことは残念なことです。より徹底した少子化対策の実行と移民受け入れは、明治維新にも匹敵する国家的改革になりますが、国として存続できる道を真剣に探ってほしいと考えています。
(エマニュエル・トッド)