ここから本文です
  • 百田尚樹氏の『日本国紀』現象に思う “常識”と“事実”の価値



    ケント・ギルバート ニッポンの新常識


    2018.11.17 



     作家、百田尚樹氏の最新刊『日本国紀』(幻冬舎)は、初版25万部に5万部の発売前重版を加えた計30万部でスタートした。さらに正式発売日の12日、10万部増刷が決まった。

     書籍や雑誌など、出版物の総販売部数は毎年減り続けている。半面、出版点数は増加し、現在は年間約8万点に及ぶ。つまり1日平均220冊の出版物が発売されるのだ。結果、近年の出版業界では、「1万部でベストセラー」が常識である。『日本国紀』は非常識すぎる。

     百田氏本人も、夕刊フジのインタビューや、インターネット番組「真相深入り! 虎ノ門ニュース」、ツイッターなどで語っているが、この歴史的ベストセラーは、百田氏と私の共著『いい加減に目を覚まさんかい、日本人!』(祥伝社)の対談をきっかけに執筆された。そのときの様子は同著の第5章「平和ボケした日本人が戦うときが来た!」(257ページ~)で再現されている。

     残念ながら私は現在、本コラム執筆のほか、連日の講演会や新刊原稿のチェックに追われていて、手元にある『日本国紀』をまだ1ページも読めずにいる。だから感想を書けないが、『日本国紀』の周辺で起きている現象は、興味深く観察中だ。

     まず、ネット上では発売前から、「フェイク歴史本」や「ヘイト本」「ネトウヨ本」などのレッテルを貼る人たちが、たくさん現れた。中には、某国立大の名誉教授という人物もいたが、本書に書かれていない話を憶測で批判し、百田氏本人から見事返り討ちにされていた。

    内容について賛否両論あることは、日本が民主主義国として健全な証拠だ。だが、「従来の歴史観と違う内容は許せない」「だから読む必要すらない」「排斥すべきだ」と考える人たちは全体主義者であり、日本よりも近隣国に住むべきである。

     好奇心の欠如か、怠慢か、傲慢(ごうまん)か、中二病なのかは人それぞれだろうが、自分の常識を疑わない人は危険だ。「まっとうな大人」を自称したければ常識を疑い、アップデートする重要性に気付くべきである。

     百田氏や私は世間から「保守」と呼ばれる。だが、従来の常識が「事実ではない」と知れば、常識の方を捨てる。つまり、私たちより、自虐史観の歴史教科書や、「平和憲法の神話」に基づいて形成された常識を捨てられない人々こそ、真の「戦後保守」かもしれない。

     私の著書『儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇』(講談社+α新書)は、電子書籍を含むと50万部を突破し、2017年の新書販売部数第1位だった。だが、テレビなどは存在すら無視した。
    https://youtu.be/eJxPiLqHYPY


     米国同様、左派が牛耳るメディアが今後、『日本国紀』をどう扱うのか、とても楽しみである。

     ■ケント・ギルバート 米カリフォルニア州弁護士、タレント。1952年、米アイダホ州生まれ。71年に初来日。著書に『儒教に支配された中国人・韓国人の悲劇』(講談社+α新書)、『トランプ大統領が嗤う日本人の傾向と対策』(産経新聞出版)、『日本覚醒』(宝島社)など。

  • <<
  • 4 1
  • >>
並べ替え:
古い順
新しい順
ヤフーグループの投資信託。口座開設はもちろん、購入手数料も0円! PR YJFX!