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  • 「金正恩が非核化!? ウソに決まっている」北朝鮮国内の声



    2018年3月21日 6時44分



    デイリーNKジャパン




    韓国政府の発表によれば、北朝鮮の金正恩党委員長は5~6日に訪朝した文在寅大統領の特使団に対し、非核化の意思を明言したという。

    これを受け、4月末には南北首脳会談、5月には米朝首脳会談の開催が予定されることとなった。

    ところがこの件に関して、朝鮮中央通信や労働新聞などの北朝鮮メディアは、いまだに何ひとつ言及していない。

    金正恩氏はその気になれば、いつでも言葉を翻し、その責任を韓国になすりつけることができるということだ。

    客観的メディアによるチェックの入らない、独裁国家ならではの芸当だ。特に金正恩氏は、メディア戦略に自ら深く関与している可能性が高い。そうでなければ、自分のヘンな写真を次々に公開させるはずがない。

    現段階で、北朝鮮国内で非核化や南北・米朝首脳会談の情報を知っているのは、高級幹部や海外のラジオを密かに聞いている人、海外に行ける立場の人などに限られるが、実際にニュースに接した人の間からは、金正恩氏が示したとされる「非核化の意思」について疑問の声が上がっている。

    米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋に「金正恩氏が韓国の特使団に朝鮮半島を非核化する意思を示したが、どう思うか」と質問したところ、次のような答えが返ってきたという。

    「一言で言うと『カネをくれ』ということだ。それ以上でもそれ以下でもない。核を放棄すると言い出したところを見ると、相当に追い詰められているのだろう。

    しかし、金正日総書記は、国民を餓死させても核をあきらめようとしなかった。それを(金正恩氏が)簡単に手放すわけがない。ウソに決まっている」

    非核化を持ち出したのは、制裁がもたらした危機の打開策に過ぎないと情報筋は見ているわけだ。

    咸鏡南道(ハムギョンナムド)の情報筋も同様の見方を示している。韓国や国際社会が北朝鮮の非核化を叫んだところでまったく無駄であり、いくら人民経済が悪化して危機に瀕しても、金正恩体制が非核化を受け入れることはないだろうというものだ。

    それよりもこの情報筋の関心は、制裁による国内経済の急激な悪化に向いている。

    「人々の間では『第2の苦難の行軍』や『大苦難の行軍』が始まったのではないかという恐怖が広がっている」

    北部国境地帯では、制裁による物資不足と売り惜しみで市場から物が消えたと伝えられている。

    数十万人とも数百万人とも言われる餓死者を出した1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」を経験した北朝鮮の人々にとって、これほど恐ろしいことはないだろう。

    北朝鮮の食糧事情はかつてに比べ、大きく改善した。しかし、同時になし崩し的な資本主義化が進行したことで、貧富の格差が拡大。

    いくら働いても、市場で食べ物を買うことのできない層が出現しているのである。そのような人々は、経済制裁による景気悪化の影響をもろに受けてしまうのである。

    上述の通り、現段階で南北・米朝首脳会談と非核化について北朝鮮国内で知っているのはごく一部の人に限られている。

    しかし、当局が隠蔽しようと躍起になっていた金正恩氏の兄、金正男氏殺害事件のニュースは、口コミで全国に広まったことを考えると、今回の件も遅かれ早かれ多くの国民が知ることになるだろう。そうなればまた違った形の見方が出てくる可能性もある。

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