新機能のお知らせ
各銘柄ページに新設された「適時開示」タブより、最新の適時開示情報を簡単にご覧いただけるようになりました。
ぜひご利用ください。
【新機能】適時開示情報が閲覧可能に!
ここから本文です
投稿一覧に戻る

ブロックチェーン未来図の掲示板

No2

 そして今、この情報を組織する巨大プラットフォームからなるインターネット業界は、新しい段階に来ています。かつてTCP/IPプロトコルとパケット交換がAT&Tのような巨人を打ち負かすことができたように、ブロックチェーンによってインターネットにおける非中央集権化の時代が訪れ、また一つの長く統一されたものが分裂する時代が来たのです。人々はブロックチェーンを通してP2Pのような交流方法に戻ることができるようになります。ですがさらに凄いのは、人々はこのプラットフォーム上で価値の交換をすることができるということです。

 価値は非常に交換が難しいものです。インターネットの第一段階はただ情報の交換をするだけでした。しかし第二段階になってから価値の交換を望むようになりました。なぜなら、価値の核心とは皆に一つの共通認識(コンセンサス)があるということであるからです。

 一つの分散オペレーションシステムの中で、共通認識を得るというのは非常に難しいことです。それぞれのネットのノードはどれも時間の遅延があり、計算能力も異なります。一部の計算機は良い働きをしますが、一部の計算機は良くない行いをすることがあります。この複雑なネットワークシステムの中で、どのように一つの共同の価値にたどり着くか、これはコンピューターサイエンスの世界においてずっと解決していなかった問題でした。だからFLP不可能性(フィッシャー、リンチ、パターソンによって1985年に証明された情報理論)というのがあり、完全な決定的アルゴリズムを用いるときに共通認識は永遠に達することができないと言われています。なぜならネットワークのシステムは本当に複雑すぎるからです。

 後に人々はブロックチェーンの技術が経済行為とランダムな数学アルゴリズムを加えて、ネットワークで共通認識を得ることができないかと考えました。例えばあるハッシュ関数を計算し、共通認識に投票を行う。これがブロックチェーン上で共通認識を得る新たなメカニズムです。

 どうしてこの共通認識のメカニズム自体にとても大きな価値があるのか分からないかもしれません。実は物理学に『エントロピー増大の法則』という深いコンセプトがあります。つまり、物理世界はいつも無秩序の方向に進むということです。しかし、生命世界と物理世界は少し異なっていて、生命世界は確かにどんどん秩序の方向に向かっています。秩序に向かっていく行為はエントロピーを減少させる行為であり、しかしながら全体のシステムのエントロピーはやはり増大しています。ゆえに、生命行為は自分のエントロピーを減少させ、周囲のエントロピーを増大させているのです。

 これは共通認識を作るメカニズムにおいても同じです。私たちが共通認識を得ようとすればエントロピーを減少させることになり、もし皆の意見がまったく異なるものであれば、無秩序ゆえにエントロピーはとても大きくなります。しかし、もし意見を統一し非常に秩序定期な状態に達することができれば、それは必然的にエントロピーを減少させる行為になります。したがって、エントロピーを減少する行為は必ず周囲の世界のエントロピーを高めるのです。

 当時出てきた(ブロックチェーンの)アルゴリズムはハッシュ関数の計算を行います。これは一見、周囲の世界のエネルギーを浪費しているように見えますが、実際にはさらに尊い富、つまり共通認識を得ているのです。

 この意義において、ブロックチェーンの共通認識システムは少し生命システムそのものに似ています。自分のエントロピーは弱くなり、しかし共通認識に達すれば周囲のシステムのエントロピーは大きくなります(編集部注:マイニング等でエネルギーを消耗することを指すと思われる)。これは一つの代価でありますが、他のシステムに比べれば、やはり小さい代価です。

 そのため、一旦私たちに共通認識ができたとき、ある種の信頼が生まれ、人と人の間に新しい協業機会が生じます。そのため、私はこの新しい時代のことをこう表現しています。『In math we trust』。数学の上に信頼を築く時代というわけです。今後のシステムにおいて、中央集権型のプラットフォームはもはや必要ではなく、P2Pのブロックが取って代わります。我々はオープンソースの投票モデルを通して、透明なアルゴリズムを用いてこのコミュニティにおけるゲームのルールを定義することができます。これはさらに新しいインターネットの革命をもたらし、長く統一されたものが分裂する時代が再びやってくるでしょう。