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2160 ‐(株)ジーエヌアイグループの掲示板

>>6068

いつも情報ありがとうございます。

>ピルフェニドン拡大品はDNが難しいと思う。これが出来たら化ける。

日本の論文では、
「ある時点までなら腎線維化が可逆性である可能性があり,pirfenidoneにはその効果が期待」だそうです。

GNIの臨床試験の進展を期待したいです。

           ・・・・・・・・・・
腎臓疾患と線維化    
         岡田浩一 日内会誌 104:1658~1664,2015

☆要約
腎線維化は慢性腎不全に対応する尿細管の萎縮と間質の線維化を主体とした組織変化であり,末期腎不全への進行を阻止するための良い治療標的と考えられる.

腎線維化の進展には蛋白尿や虚血・低酸素による尿細管上皮細胞の病的な活性化が関与しており,NFκB経路などの細胞内情報伝達系を介して,TGF-β1などの線維化促進性のメディエーターが産生・放出され,間質領域に線維芽細胞が誘導されて病巣が形成される.

治療介入のポイントとしては,線維化抑制性のメディエーター産生を誘導する細胞内情報伝達系の賦活化(例:bardoxolonemethylによるNrf2経路の活性化)や線維化促進性メディエーターの作用阻害(例:pirfenidoneによるTGF-β1作用の阻害)などが想定され,様々な基礎・臨床研究が進行中である.

腎線維化の進展・消褪を定量的に評価するためには,現状では腎生検が必須であるが,今後はより低侵襲性の画像検査(例:機能的MRI)やバイオマーカーによる評価が期待されている。(本文は略)

☆まとめ
腎線維化の可逆性に関しては,進行したCKD 患者の腎機能障害を回復させる治療が見当たらないことからも,困難な事象と考えられる.

しかし,糖尿病性腎症患者への膵臓移植によって糖尿病を完治させると糸球体硬化病変のみならず,萎縮尿細管や間質線維化まで改善することが報告されており,ある時点までならばCKD患者においても腎線維化が可逆性である可能性があり,bardoxolone methylやpirfenidoneなどの薬剤にはその効果が期待される.

今後,抗腎線維化治療薬の有効性を検討する臨床研究において,その腎機能障害の進行抑制効果が間質線維化の改善を介しているのか否かを明らかとするためには,腎生検に替わる非侵襲的な定量的評価法が必須である、、