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2160 ‐(株)ジーエヌアイグループの掲示板

③最終

GLP-1受容体作動薬については「インスリン分泌促進やグルカゴン分泌抑制に加え、食欲抑制による体重減少効果もある。それによって結果的に抗炎症作用や抗線維化作用を示す。理論上はNASHのかなりの部分に効くと考えられる。安全性も今のところ問題はない」とこちらも評価。課題としては週1回の注射が必要である点や、まだP2試験段階であり申請や承認までに時間を要することを挙げた。
 
●バイオマーカーで課題解決へ
 NASH治療薬の開発を巡っては、解決すべき課題もある。効果判定では肝生検を行い線維化の変化を評価するが、肝組織は均一な変化を示さないため、採取した場所によって結果が変わってしまう「サンプリングエラー」が起こり得る。さらに病理医の主観の差によって結果に違いが生じることもある。そのため、効果判定を正しく行えない可能性があるという。
 こうした課題の解決に向け、岡上氏らは血液検査で「ヒアルロン酸」と「IV型コラーゲン7S」を測定し、計算式に当てはめるだけで線維化の程度を調べられるバイオマーカーを開発。全国各地の施設で行った治験で有用性が確認されており、保険適用を目指している。実用化されれば、効果判定を巡る課題を解決できる可能性がある。
 
 新薬開発が活発化している状況や、開発上の課題を解決するための取り組みが進んでいる状況を考えれば、初のNASH治療薬が誕生する日もそう遠くないかもしれない。ゴールに近い場所にいるギリアドが最初に承認を取り、C型肝炎治療薬に続いてNASHでも成功を収めるのか。それとも競合他社の巻き返しがあるのか。大型化の可能性を秘めている領域だけに今後の開発競争から目が離せない。(佐藤 慎也)

長文失礼🙇