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バイオ株(博打株)で一勝負の掲示板

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掲示板のコメントはすべて投稿者の個人的な判断を表すものであり、
当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

  • セルシード、食道再生上皮細胞シートの2019年の承認を目指す
    日経バイオテク

     セルシードは、2018年8月24日、2018年12月期第2四半期決算説明会を開催した。中期経営計画に沿った事業の進捗状況などを説明した。

  • >>1020

    ありがとうございます。
    この板は、多分見てくれている人などいないと思っていました。
    励みになります。

    私も一度はそのようにやってみようかとも思いましたが、
    やはり、めんどい。

    私もここへの投稿は別途に保存していますが、
    その分にはドット問題は関係ないので、
    多少不便でも、関心のある方だけに見ていただければそれで良いと思っています。

  • 【ソレイジア・ファーマ】
    中国で第1号製品が承認‐来年初めに上市予定、市場シェア3割が目標
    2018年8月21日 (火) 薬事日報

     ソレイジア・ファーマの荒井好裕社長は、16日に都内で開催した決算説明会で、7月に中国で承認され、上市準備中にある経皮吸収型制吐剤「サンキューソ」(一般名:グラニセトロン塩酸塩、開発コード:SP-01)について、「年内に中国での販売体制を構築し、来年初めには上市を目指したい」と述べた。中国でのグラニセトロン製剤市場は750億円程度で注射剤が市場をほぼ独占する中、世界で唯一の経皮吸収型セロトニン5HT3受容体拮抗剤となるサンキューソを投入することで、「市場全体の2~3割を獲得したい」との目標を掲げた。

     同社は、08年に創業し、アジアにおいて癌治療薬や癌支持療法医薬品などの開発・販売を行うベンチャー。他社から導入し、ヒトでの有効性・安全性を実証したプルーフ・オブ・コンセプト取得済みの開発品を受け継ぎ、開発・販売を行う。重点市場である中国市場では、癌化学療法による悪心・嘔吐の適応症でサンキューソの承認を取得。同社にとって中国での第1号製品だ。

  • 【急性リンパ性白血病に新たな治療法が登場 がん細胞だけを攻撃するメカニズムとは?
    <週刊朝日>】

    遺伝子操作した免疫細胞を体内へ戻してがんを治療する「CARーT(カーティー)細胞療法」という新たな治療法の開発が進んでいる。2018年2月から名古屋大学病院で、急性リンパ性白血病に対して臨床試験が始まっている。好評発売中の週刊朝日ムック「がんで困ったときに開く本2019」では、今後期待の最新治療として「CARーT細胞療法」を取り上げ、同院小児科教授の高橋義行医師取材している。

    * * *
    急性リンパ性白血病は、骨髄でつくられる血液細胞のうち、リンパ球が幼い段階でがん化し無制限に増殖する白血病だ。成人では比較的まれで10万人に1人程度の発症率だが、2-4歳の小児でもっとも頻度が高く10万人に7-8人発症し、小児でもっとも多い。このなかで骨髄移植をしても再発してしまうような難治性の症例に対して、画期的な治療法が登場している。CARーT細胞療法(キメラ抗原受容体遺伝子導入T細胞療法)だ。

    名古屋大学病院小児科教授の高橋義行医師は、こう説明する。

    「CARーT細胞療法は、免疫に関与する治療ですが、免疫チェックポイント阻害薬とは異なり、薬物を投与するのではなく、患者さん自身の免疫細胞を体外へ取り出して、遺伝子操作で加工したものを体内へ戻して、がんを攻撃するという治療です。急性リンパ性白血病は、小児がんの死亡原因の1位の病気です。小児では薬物療法で寛解しないか、再発してしまう難治例は約2割で、そのうちの約半数は骨髄移植で助けることができます。しかし、残る1割は、救命が難しいのです。また成人は小児より難治例が多く、それらの症例に対して、効果が期待されるのが、CARーT細胞療法です」

    CARーT細胞とは、キメラ抗原受容体(CAR)の遺伝子を導入したT細胞という意味だ。T細胞は、免疫細胞の一つ。白血病細胞の表面にあるCD19という抗原を認識できるモノクロナール抗体とT細胞を、キメラ抗原受容体を導入することで合体させ、がんを敵として認識する力と攻撃力を併せ持った細胞にする。体内に入れると、標的にするがん細胞だけを見つけて攻撃し、同時に自らも増えていくメカニズムをもっている。

    ■アメリカで保険承認

    CARーT細胞療法は、2017年8月、アメリカで、0-25歳の患者に対して保険承認された。臨床試験では、骨髄移植でも助けられなかった患者の80-90%で、治療後がん細胞が検出されない完全寛解に至った。治療は、ほぼ1回の点滴で済むのも大きなメリットだ。

    ただし、米国で承認されたCARーT細胞は、「ウイルスベクター法」という培養方法でつくる。T細胞にウイルスを介して遺伝子を組み込む方法で、安全対策や施設整備にかなりの費用がかかる。そのため、薬価のみで5300万円、その他の治療費を含めるとさらに高額になってしまう。

    日本でも同じ方法での研究がおこなわれている。これに対して、名古屋大学病院は、ウイルスではなく酵素を介して作る「酵素ベクター法」を採用する。遺伝子導入のコストは10分の1程度に抑えられるという。細胞を培養してできた製剤を検査するコストは別途かかるが薬価にも反映できそうだ。

    「青虫から発見された遺伝子組み換えができる酵素を使います。信州大学病院の中沢洋三教授がアメリカ留学中にこの酵素ベクター法をCARーTを用いて細胞をつくれることを論文で報告しました。私たち名古屋大学は、T細胞培養法を使って臨床試験をしていましたので、双方の強みによって共同研究を進めてきたのです。当初は、遺伝子の組み込みにおいて、ウイルスベクター法が50-60%できるのに対して、酵素ベクター法は、5-10%程度しかできなかったのが、試行錯誤を重ね、平均50%まで到達しました。現在、特許を申請しています」(同)

    ■安全性を確認する試験

    高橋医師らは、厚生労働省の部会に再生医療の臨床研究を申請し了承された。2018年2月から、CARーT細胞療法の臨床試験を開始した。骨髄移植後に再発した患者を対象におこなう、安全性を確認する第1相試験だ。

    「試験は3段階に分けておこないます。最初は16-60歳の骨髄移植後に再発した人3人を対象におこないます。この3人で安全性が示せたら、次に1-15歳で3人おこないます。さらに安全性を示せたら、CARーT細胞の容量を3倍に増やして1-60歳で3人、そしてそれも安全なことがわかったらさらに3倍の容量にして3人おこないます。すべてが順調に進めば12人で終了し、各試験で再検証が必要になると24人で終了します」

    この試験結果に基づき、次の段階では、1-60歳を対象にした、第2相試験を検討したいと、高橋医師は考えている。さらに数年後には、治験により、新薬としての保険承認を目指す。

    ただし、この治療は、サイトカイン放出症候群という重篤な副作用がある。高熱や血圧低下、ショック症状などが起こる可能性があるため、ICU(集中治療室)で管理する必要があり、骨髄移植の経験が豊富で設備の整った病院での治療が重要だ。

    「CARーT細胞療法は、限られた病院でおこなうことになります。将来的には、遺伝子導入法を応用して、さまざまながんの抗原を認識できるモノクロナール抗体を見つけて使えるようになれば、他の血液がんや固形がんでの実用化も可能になると期待しています」

    (文/伊波達也)

    ※週刊朝日ムック「がんで困ったときに開く本2019」から抜粋

  • iPS再生医療、パーキンソン病患者で治験へ 京大が国内初
    7/29(日) 23:43配信京都新聞

     iPS細胞(人工多能性幹細胞)から作った神経細胞をパーキンソン病患者へ移植する再生医療の治験を京都大が始めることが29日、関係者への取材で分かった。近く参加患者を募り始める。iPS細胞を使った再生医療では目の病気「加齢黄斑変性」について患者対象の臨床研究が行われているが、保険適用を見据え厳格な基準で実施する治験は国内で初めて。
     パーキンソン病は、脳の黒質という部分で神経伝達物質ドーパミンを出す神経細胞に異常なタンパク質が蓄積し、神経細胞が失われて発症する。難病に指定され、国内の患者は10万人以上とされる。歩きにくくなるなどの運動障害や認知症、自律神経障害といったさまざまな症状がある。
     今回の治験は、あまり進行しきっていない患者数人が対象。拒絶反応を起こしにくいタイプのドナーの細胞からあらかじめ作製して備蓄しておいたiPS細胞でドーパミン神経細胞を作り、頭蓋骨に穴を開けて脳に移植する。数年間の長さで安全性と効果を確認する。京大iPS細胞研究所の高橋淳教授らが、サルを使った実験で効果や安全性を確認するなど準備を重ねてきた。
     iPS細胞を用いた再生医療の臨床研究は、既に加齢黄斑変性の患者への移植が行われ、重症心不全の患者などに対する計画も進む。再生医療の実用化が現実味を帯びる中、脳という複雑な臓器の病気であるパーキンソン病への応用は、iPS細胞を活用した医療の可能性を見極める上で重要なステップとなる。
     iPS細胞の医療応用としては、再生医療に加え、患者本人から作ったiPS細胞を活用した創薬分野がある。京大は既にiPS細胞を使って見つけた治療薬候補で、筋肉の中に骨ができる希少難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」の患者への治験を実施している。

    ■根治には道半ば
     京都大がiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使ったパーキンソン病の治験に本格的に乗り出した。この手法が確立すれば新たな治療の選択肢となり、患者にとって朗報となるのは間違いない。一方で今回の移植は体の動かしにくさなど運動障害が対象で、認知症などほかの症状への効果はあまり期待できない。再生医療以外の治療法は引き続き重要で、根治へは道半ばだ。
     現在のパーキンソン病治療の主流は、ドーパミンの補充などを目的とした薬物療法だ。運動障害が回復する効果はあるが、完全には神経の死滅を止められないため、10年以上経過すると効果が薄れるケースが多い。iPS細胞から作ったドーパミン神経細胞の移植を合わせれば、長期間にわたる治療法として期待が持てる。
     だが今回の移植でも、パーキンソン病の原因とされる神経細胞への異常タンパク質の蓄積を抑えられる訳ではない。異常タンパク質が黒質だけでなく脳のほかの場所に広がれば認知症が発症する可能性がある。移植後に再び蓄積する恐れもあり、ほかの治療法開発の重要性は変わらない。
     副作用も慎重に判断しなければならない。iPS細胞から作った神経は本来ドーパミン神経があった黒質とは違う場所に移植する。過剰にドーパミンが出過ぎて不随意運動など副作用を引き起こす可能がある。サルの実験で安全性を確認したとはいえ、注意が求められる。
     iPS細胞を使った今回の治療法が確立しても、完全に健康な状態に戻せる「夢の医療」となる訳ではない。新たな治療法の道を開く可能性を秘めている一方、ほかの治療法と合わせて的確に意義を見極める必要がある

  • 管腔臓器の形成メカニズムを解明 理研と神戸大が共同研究
    【神戸新聞 NEXT】

    気管などの管腔臓器の長さと太さが決まる仕組みをマウスで解明したと、理化学研究所生命機能科学研究センター(神戸市中央区)と神戸大の共同研究チームが26日、発表した。これまでの研究は、管の内壁にある上皮細胞に注目していたが、上皮細胞を取り囲む筋肉や軟骨の細胞が重要な役割を担うことが判明。成果は臓器再生医療などに応用が期待され、英科学雑誌「ネイチャーコミュニケーションズ」電子版に掲載された。

    気管や食道などの管状の臓器は、長さや太さ、配置が精密に決められ、変形すると正常に機能を果たせなくなる。その形成メカニズムは分かっていなかった。

    研究チームはマウスの胎児を使用し、気管形成過程を調査。胎生前期(胎生10・5日-14・5日)の気管は伸長するのみで、後期(同14・5日-18・5日)になって伸長とともに径が拡大することを突き止めた。

    この現象を解析したところ、前期では筋組織「平滑筋」の元となる細胞(平滑筋前駆細胞)が秩序を持って整列。細胞が移動する際、上下に連結したり、形成された平滑筋が径の拡大を抑えたりし、伸長を促していた。

    続く後期では、軟骨が形成され、成長する中で気管の径や内腔面の拡大につながっていた。理化学研究所の森本充チームリーダーは「管腔臓器が作られる過程を段階的に明らかにすることができ、病態の解明や再生医療に役立つことが期待できる」と話す。(篠原拓真)

    ttps://www.kobe-np.co.jp/news/iryou/201807/0011483480.shtml

  • 大日本住友 再生医療向け細胞医薬 GMP基準で量産へ
    【化学工業日報】

    大日本住友製薬は他家iPS(人工多能性幹細胞)細胞由来の再生医療向け細胞医薬品の量産を確立し、2019年度から人への投与が可能な体制を整える。大阪府内に今年立ちあげた細胞医薬工場で製造・品質の管理基準GMPに沿う生産体系を築く。同社の細胞医薬事業は京都大学と共同開発中のパーキンソン病治療などに加え、細胞や臓器を遺伝子操作をした「遺伝子治療」への応用が視野にある。その基盤技術にもなるとみて細胞培養・加工のノウハウを蓄積する。

    ttps://www.chemicaldaily.co.jp/%E5%A4%A7%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BD%8F%E5%8F%8B%E3%80%80%E5%86%8D%E7%94%9F%E5%8C%BB%E7%99%82%E5%90%91%E3%81%91%E7%B4%B0%E8%83%9E%E5%8C%BB%E8%96%AC%E3%80%80%EF%BD%87%EF%BD%8D%EF%BD%90%E5%9F%BA%E6%BA%96/

  • iPSにアミノ酸の知恵、味の素 安全に速く
    【日本経済新聞】

    発酵で培った「安全・安心」を再生医療にも役立てよう 。味の素は100年以上にわたって研究を続けるアミノ酸技術を活用。再生医療の本命と期待されるiPS細胞を素早く大量に増殖させる培養液の開発に成功した。動物由来成分を使わないことで安全性を確保しながら、コスト面でも優位性を発揮する。臨床段階に進みつつある再生医療を後押しする。

    味の素の川崎事業所(川崎市)にあるバイオ・ファイン研究所。白衣姿の研究…

    ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO33413520V20C18A7XY0000/

  • 分化能力高いiPS細胞分離手法を開発 元京都大特定准教授の大阪大准教授ら

    人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)の集まりの中から、消化管や肺など内胚葉系の組織の細胞に分化する能力が高いものを選び出す手法を開発したと、大阪大の劉莉特任准教授(組織工学、元京都大特定准教授)らのチームが米科学誌電子版に発表した。

    超極細の繊維を土台にして選別する。劉特任准教授は「再生医療用に、均一で高品質なiPS細胞を提供することが可能になる」と話している。

    チームによると、iPS細胞は、皮膚や血液など特定の役割を持った細胞に、人工的に数種類の遺伝子を入れ、分化能力を持たせる。だが、作り出したiPS細胞の集まりの中には、分化能力の違いなど個々のiPS細胞の品質にばらつきが見られる場合があり、目的の細胞に分化させる上で、効率が悪いという問題があった。チームは、直径が髪の毛の約500分の1の超極細ゼラチン繊維が重なり合ってできた「ゼラチンナノファイバー」という構造体を利用。この構造体の上で、多数の超微細なくぼみのある器具を使い、単層型のiPS細胞と、ドーム状の構造を持つiPS細胞とに分離した。解析の結果、ドーム状の方が、内胚葉系組織の細胞に分化しやすいとみられることが分かった。

    【産経ニュース】

  • 医薬基盤研究所(NIBIO)のお知らせ

    平成30年度 希少疾病用医薬品・希少疾病用医療機器・希少疾病用再生医療等製品の開発振興に係る説明会の開催について

    2018年7月25日

    国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所

    開発振興部 開発振興課

     平素より国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所の事業につきまして、格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

     この度、希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器及び希少疾病用再生医療等製品の開発振興に関する情報を周知するため、開発中又は開発を検討中の企業の皆様を対象に開発振興に係る情報提供のための説明会を開催致します。

     当研究所による開発振興事業の説明に加え、厚生労働省、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構、国立研究開発法人 日本医療研究開発機構の各ご担当者様、助成金交付制度の利用経験のある開発企業関係者様、さらに、くすりの道修町資料館館長様を講師にお招きし、講演を予定しております。

     つきましては、希少疾病用医薬品、希少疾病用医療機器又は希少疾病用再生医療等製品の指定及び承認申請を検討されておられます場合等、ぜひこの機に情報を収集されますようお願い致します。

    ttp://www.nibiohn.go.jp/information/nibio/2018/07/005550.html

  • 京都大学
    ALSの治療に新しい細胞移植法を提唱 -移植細胞を「表面に置くだけ」で中枢神経と筋肉をつなぐ-
    2018年07月25日

     関谷徹治 医学研究科研究生(彦根中央病院医師)らのグループは、神経難病である筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療には、これまでのように脊髄の中に移植細胞を直接注入するよりも、「表面に置くだけ」の方が、害も少なくより効果的である可能性が高いことを提唱しました。

     本研究成果は、米国の科学誌「Trends in Neurosciences」7月号(2018年7月2日発行)に掲載されました。

    研究者からのコメント

     ALS(筋萎縮性側索硬化症)に対する細胞移植で重要なことは、適切な移植細胞の選択と患者さんの神経系を傷めない「移植方法」の採用です。これまで行われてきた移植細胞を脊髄内に注入する方法は脊髄に害を及ぼす恐れがありました。これに対して、移植細胞を脊髄の表面に置くだけの「表面移植法」では脊髄を傷めることはほぼありません。ALSに対して表面移植を提唱する背景には、傷ついた聴神経機能を表面移植で回復させることに成功したという実験成果があります。ALS患者さんの脊髄には、傷ついた聴神経で観察されたものと同じ構造ができてきますので、それらが脊髄と麻痺した筋肉をつなぐ足場となって神経再生に役立つ可能性があります。

    ttp://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research/research_results/2018/180702_3.html

  • 臓器チップ研究 日本は巻き返しを

    近年、欧米を中心に生体外の小型のチップ上にヒトの細胞を培養して臓器モデルを構築する「オーガン・オン・チップ」、単一のチップに複数の組織を組み込んだ「ボディ・オン・チップ」の研究開発が活発化している。これら臓器チップは、薬剤や化学物質の安全性試験や、iPS細胞などを用いることで患者自身に適した医薬品を処方する個別化医療のツールとして将来の応用が期待されている。

    臓器チップは、単一のマイクロ流体チップのなかの培養細胞に肺、肝臓などの機能を発現させることで、生体組織・臓器の生理的な環境や反応を生体外で再現しようとするもの。微細な流路を通じて酸素や栄養素を含む培養液を送りこみ、臓器の種類によっては、電気刺激や伸縮などの物理的な刺激を与えて生体内と似た環境を作り出す。一つのチップで複数の組織機能を発現させたボディ・オン・チップが実用化できれば、組織間相互作用など、より正確に生体内の環境を模倣可能になる。

    これまでも医薬品、化学物質の安全性の評価にはヒトの培養細胞が用いられてきた。ただシャーレの培養細胞は、生体内とは、かけ離れた環境にあり、正確に生体反応を確認することは難しかった。そのため現在の評価方法は動物実験がメインとなっているが、種差の問題や動物愛護上の課題を抱えている。臓器チップは、これらを解決できるブレークスルー技術として大きな期待が掛けられている。

    米国では2012年から、食品医薬品局、国防高等研究計画局、国立衛生研究所が中心となって臓器チップの国家プロジェクトを推進しており、ミネタス社など多くのベンチャー企業が誕生。17年からチップの実用化を目指す5カ年プロジェクトが始まった。欧州では、欧州委員会主導の研究プログラム「ホライズン2020」で研究開発が進んでいる。欧州では13年から化粧品開発で動物実験が全面禁止されたこともあり、動物実験代替法として臓器チップのニーズが高まっている。
    日本はiPS細胞など幹細胞研究でリードするものの、その応用技術の一つである臓器チップでは完全に欧米に後れをとっている。ファンディングにしても、ようやく日本医療研究開発機構(AMED)の事業が今年3月に始まったくらいだ。

    ただ臓器チップの研究開発は培養工学、細胞生物学、医学薬学だけでなく、微細加工や素材技術が欠かせない。AMEDを中心とした産学官のオールジャパン体制のなかで、日本の得意とする「ものづくり」技術を生かせれば巻き返すことは十分に可能だろう。

    【化学工業日報】

    ttps://www.chemicaldaily.co.jp/%e8%87%93%e5%99%a8%e3%83%81%e3%83%83%e3%83%97%e7%a0%94%e7%a9%b6%e3%80%80%e6%97%a5%e6%9c%ac%e3%81%af%e5%b7%bb%e3%81%8d%e8%bf%94%e3%81%97%e3%82%92/

  • 再生医療等製品中に混入するがん化した細胞の 超高感度検出技術の実施

    【再生医療等製品中に混入するがん化した細胞の 超高感度検出技術の国内独占実施について 国衛研が発明したデジタル軟寒天コロニー形成試験技術の 国内独占実施権をHS財団から許諾】

    株式会社LSIメディエンス(以下「LSIメディエンス」)は、再生医療等製品の安全性や品質管理への利用が期待されているデジタル軟寒天コロニー形成試験を行う技術「特願2014-176861(発明の名称:悪性形質転換細胞の検出方法)」について、公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団(以下「HS財団」)と国内独占的通常実施許諾契約(再実施権付与権付き)を締結した。

    本技術は、細胞集団の中に混在しているがん化した細胞の検出に関して既存法に比べて大幅に感度を向上させ、再生医療等製品の安全性評価に大きく貢献する技術として国内外から注目されている。
    LSIメディエンス創薬支援事業本部では、デジタル軟寒天コロニー形成試験の受託試験サービスを2018 年度より開始している。

    デジタル軟寒天コロニー形成試験は、軟寒天ゲルの中で細胞を一定期間培養し、足場があることで増殖するがん化した細胞を検出する方法である(図1)。

    国立医薬品食品衛生研究所(以下「国衛研」)再生・細胞医療製品部 佐藤陽治博士、同部主任研究官 草川森士博士らは、1、000 万個のヒト初代間葉系幹細胞(hMSC)を培養した後、1 個の Hela 細胞(子宮頸がん由来のがん細胞株)を混入させた細胞集団を図1のように準備した 160 の培養ウェルに 30 日間培養した後、1個の細胞コロニーを検出することに 6 回の試行のうち 4 回成功した。

    この成果はHS財団から出願され、2015 年に論文発表された(Kusakawa S.、 et al. Sci. Rep. 2015)。
    この論文は、現在薬事申請に用いられている軟寒天コロニー形成試験と比較して、1 万倍程度の感度の向上を報告したものであり、1億個以上の細胞を人体に投与することが想定される再生医療の安全性評価に必要とされる検出感度を達成する方法を初めて報告したものである()。

    LSIメディエンスはHS財団が維持していた当該技術の有用性に着目し、国衛研およびHS財団と本発明の実施に向けた協議を 2016 年から開始し、1 年半の試用期間を経て論文の再現性に成功した(図2)。

    統計学的には、デジタル軟寒天コロニー形成試験を 7回試行し、各回にて 107個の細胞製品から 1 個もコロニーが検出されなかった場合、Hela細胞相当のがん細胞が1千万分の1の割合で混入していないことを示す結果となる(偽陰性のリスクを 1%とした場合)。

    LSIメディエンスは、現在進んでいるデジタル軟寒天コロニー形成試験を含めた再生医療等製品の安全性試験の標準化を目指した官 プロジェクトにも参画しており、日本が生んだこの技術が再生医療等製品の開発に広く活用されていくことに貢献されている。

    参照元:株式会社LSIメディエンスプレスリリース

    中島 香織

    ttps://oncolo.jp/news/180723kn

  • リプロセル続伸、共同開発先がステムカイマルの米国治験開始承認を取得
    2018/07/23 09:18

     リプロセル<4978.T>が続伸している。前週末20日の取引終了後、共同でヒト細胞加工製品Stemchymal(ステムカイマル)」を開発している台湾ステミネント・バイオセラピューティクス社が米国において、脊髄小脳変性症のうち伸長ポリグルタミン脊髄小脳失調症を対象としたステムカイマルの治験許可承認を米国食品医薬品局(FDA)から取得したと発表しており、これを好感した買いが入っている。

     伸長ポリグルタミン脊髄小脳失調症は、小脳や脳幹、脊髄の神経細胞が変性してしまうことで、徐々に歩行障害や嚥下障害などの運動失調が現れ、日常の生活が不自由となる原因不明の希少疾患。ステミネント社は既に台湾でステムカイマルの第2相臨床試験を行っているほか、米国でもFDAからオーファンドラッグ指定を受けているが、今回の承認取得により、第2相臨床試験の被験者募集を開始できることになった。今後は、米国でも第2相臨床試験でステムカイマルの安全性及び有効性を評価するために、プラセボ対照、ランダム化、二重盲検試験を実施する予定としている。

  • 遺伝子編集技術CRISPRは夢の治療法ではなかったのかも知れない

    16日に発表されたNature Biotechnologyは、CRISPR(クリスパー)が、私たちが信じていたような特効的な遺伝子編集技術ではないかもしれないと警告しています。CRISPR-Cas9を使えば、研究者たちは細胞内のDNAの特定の配列を探し出し、特定の部分を切除することができます。すると、細胞は切除されたDNAを修繕します。この性質を利用してALS、ハンチントン病、HIV、鎌状赤血球症などを含むあらゆる病気や障害の治療が研究されてきました。周囲のDNAを傷つけずに、問題のある配列だけを取り除けるため、この手法は特効的な効果があると思われています。しかし、今回の研究では、CRISPR-Cas9による遺伝子編集は、これまで報告されてきたよりも大きなダメージをDNAに与える恐れがあることを指摘しています。

    研究者たちがマウスの幹細胞、マウスの骨髄細胞、ヒトの網膜細胞という3タイプの細胞を用い、CRISPRシステムの使用結果を観察したところ、100桁、あるときは1000桁に及ぶDNAの塩基配列が変わったり、失われる場合があることを発見しました。問題は一連の処理における修復部分にあると考えられます。「細胞は切断された場所を元のように縫い合わせようとする」と、イギリスのウェルカム・サンガー研究所の教授であり、記事の筆頭著者であるAllan BradleyはNature Newsで述べています。「しかし、細胞にはDNAのどことどこを合わせればよいかが、よくわかっていないのだ」と。

    こうした欠損や再配列が、なぜ今まで注目されてこなかったのでしょうか? 使用する技術と、対象となる場所との複合的な要素が原因になっているようです。特定の手法では、これほど大きなDNAの変化に気づけないことがあり、研究はDNAのもっと狭い領域に着目してます。今回の新しい研究では、欠損の捜索に別の方法を使用し、ずっと広い領域を観察しました。「これで見つけたいものが探せる」とBradleyはNew Scientistに話しています。

    こうした結果が出たからといって、CRISPR-Cas9が危険ということにはなりません。一部の分野では成果を上げています。しかし、人体の数十億もの細胞を相手にするとなると、反動も予測されます。「いつか患者に癌を発症させるリスクがある」とBradleyは言います。「ヒトの臨床試験を急ぐ前に、もっと調べておくべきことがある」のだと。

    CRISPRシステムにはいくつかの種類があり、それらは異なる結果をもたらします。どれもが今回のような間違いを冒すとは限りません。さらに、CRISPR-Cas9は、異なるタイプの細胞では同じ結果を示さないこともあります。つまるところ、今回の発見は、予期しない遺伝子の変更はどこにでも起こりうることを肝に銘じておくよう私たちに警告しています。「人々がこれを使う場合、もっと徹底的な分析が必要だということだ」と、ブランダイス大学のJames Haber教授は指摘します。教授はこの研究には参加していませんが、Nature Newsに「概して言えば、人工的に施した変異が、意図したとおりになるかどうかを把握することが重要だ」と語っています。

    編集部が日本向けに翻訳・編集したものです。
    原文著者:Mallory Locklear
    ttps://japanese.engadget.com/2018/07/21/crispr/

  • 奈良県立医科大学、ES細胞から大脳組織培養
    【日本経済新聞】

    奈良県立医科大学 森英一朗特任講師と松井健助教らは人の受精卵から作った胚性幹細胞(ES細胞)をもとに、5ミリメートルの大脳組織の一部を作った。妊娠約6カ月の胎児の脳に相当するほど成熟したという。ALS(筋萎縮性側索硬化症)や認知症などの新薬開発に役立つ。

    人のES細胞に試薬を加えて培養すると、2カ月で直径約5ミリの大脳組織に成長。さらに4カ月後には、神経細胞が成熟して興奮…

    ttps://www.nikkei.com/article/DGKKZO33232160Q8A720C1TJM000/

  • がん免疫薬 安く代替、小さな分子で成果相次ぐ
    日本経済新聞 電子版 2018/7/21 6:30

     体内の免疫の攻撃力を高める高価ながん免疫薬「免疫チェックポイント阻害剤」の働きを、10分の1のコストで実現しようとする研究で成果が相次いでいる。千葉県がんセンター研究所や東北大学は、作りやすい小さな化合物で同じ働きをするものを開発した。高額薬の普及で懸念される医療財政の悪化を回避するのに役立つと期待を集めている。

     免疫チェックポイント阻害剤は、従来の抗がん剤が効かない患者も治せる薬として注目を集…

    ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO33209320Q8A720C1TJM000/

  • iPS細胞「未来の医療変える」 角膜再生の大阪大・西田教授
    【京都新聞】

    人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使い、けがや病気で傷ついた角膜を再生する研究を進めている大阪大の西田幸二教授は20日、金沢市で開催中の日本白内障学会総会・水晶体研究会で講演し、「iPS細胞の技術は、未来の医療を変える可能性がある」と語った。

    人々の暮らしを変えたスマートフォンを引き合いに出し「携帯電話で起きたように、医療におけるイノベーション(技術革新)を起こすかもしれない」と期待感を示した。一方で「実用化には、高精度な製造手順を確立することが重要」と指摘した。

    懸念されるiPS細胞のがん化リスクについては「リスクが低くなってきた感覚はある」と話した。

    ttp://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20180720000181

  • 低分子化合物でヒトの肝細胞が若返り 国立がんセンター
    【低分子化合物でヒトの肝細胞が若返り 国立がんセンター 肝硬変などの再生医療に期待】【日本経済新聞】

    国立がん研究センターのグループは、ヒトの肝臓の細胞を若返らせることに成功した。ヒトの成熟した肝臓の細胞に低分子化合物を加えるだけで細胞が若返る。この細胞を肝臓に障害を持ったマウスに注入すると、マウスの肝臓の大部分がヒトの肝臓の細胞に置き換わった。肝硬変などの肝臓病を対象にした、低コストで安全性の高い新たな再生医療の実現につながると期待している。

    落谷孝広分野長らのグループはヒトの肝臓の細胞に複数…

    ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO33195420Q8A720C1000000/

  • タカラバイオ、iPS関連技術を取得 塩野義製薬から
    【日本経済新聞】

    タカラバイオは20日、ヒトのiPS細胞由来の脳や脊髄にある細胞を安定的に作り出すノウハウを塩野義製薬から取得したと発表した。中枢神経の免疫を担当する「ミクログリア」と呼ばれる細胞を製造する技術で、アルツハイマー病などの創薬で期待できる。取得額は非公表。国内でも数少ない安定的に供給できる体制を整え製薬会社へ提供する。


    ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO33223280Q8A720C1LKA000/

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