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バイオ株(博打株)で一勝負の掲示板

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  • 2023/10/15 11:55
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掲示板のコメントはすべて投稿者の個人的な判断を表すものであり、
当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

  • MSD 抗PD-1抗体のキイトルーダ 条件付き早期承認制度の適用に

    MSDは6月27日、局所進行性または転移性の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)固形がんに対する効能・効果で、抗PD-1抗体のキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))が「条件付き早期承認制度」の適用を受けたと発表した。22日付で優先審査の対象となった。同剤は、3月に国内で製造販売承認事項一部変更承認申請を行っていた。

    MSI-Highとは、傷ついた遺伝子の修復機能の低下を示すバイオマーカー。大腸がんや胃がんなどの消化器系がん、子宮内膜がんでMSI-Highの頻度が高いことが知られている。MSDによると、共通のバイオマーカーに基づいてがん腫横断的に効能・効果を有するがん治療薬は、国内ではこれまでなかった。

    キイトルーダはT細胞に主に発現する受容体のPD-1と、腫瘍細胞に発現するリガンドのPD-L1及びPD-L2の相互作用を阻害する抗PD-1抗体。キイトルーダはPD-1(受容体)に結合して、この受容体のリガンドとの結合を阻害することで、腫瘍細胞のPD-1経路を介する抗腫瘍免疫応答の阻害を解除する。日本では17年2月から販売を開始、PD-L1陽性の切除不能な進行・再発非小細胞肺がんなどの適応で承認されていた。

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    ttps://www.mixonline.jp/Article/tabid/55/artid/62053/Default.aspx

    同省によると、制度の適用を公表したケースは、ファイザーがALK陽性非小細胞肺がん治療薬として申請したロルラチニブに次ぐ2剤目。

  • 「認知症薬に効果なし」仏保健省決断の衝撃

     いま、日本で健康保険が適用されているアルツハイマー型認知症の治療薬は、次の4種類です。

    <物忘れが多いうちの母は本当に「認知症」?>
    <「快な時間」のヒントは必ず暮らしの中にある>
    <認知症ケアの基本は「不快な時間を減らす」こと>
    <アルツハイマー病患者の興奮や不安、音楽で軽減か>
    <「認知症になるのを防ぐ」のは結局無理なのか>

     ドネペジル(日本の商品名アリセプト、以下同じ)▽ガランタミン(レミニール)▽リバスチグミン(イクセロン/リバスタッチ)▽メマンチン(メマリー)。

     ところが先日、治療薬に関して衝撃のニュースが流れました。
    仏保健省「認知症薬に十分なエビデンスなし」

     フランス保健省は、上記4種類の治療薬について、さまざまな副作用が懸念される一方で、期待するような効果を示すエビデンス(医学上の根拠)が十分に得られなかったとして、「医療保険でカバーするのは適切ではない」という判断を下し、今年の8月から医療保険を適用しないことを決めたのです。

     こうした動きは、フランス保健省だけにとどまりません。今年に入ってから、ファイザー、メルク、ジョンソ…

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    ttp://mainichi.jp/premier/health/articles/20180626/med/00m/010/011000c

  • 順天堂大学
    血液のがん細胞が増殖する分子メカニズムを解明
     ~ 骨髄増殖性腫瘍の新規分子標的治療薬開発に向け加速 ~

    順天堂大学大学院医学研究科・血液内科学の小松則夫教授、輸血・幹細胞制御学の荒木真理人准教授らの研究グループは、骨髄増殖性腫瘍*1患者において見出されたCALR*2遺伝子変異によって血液細胞ががん化して増殖する分子メカニズムを明らかにし、そのメカニズムを標的とした創薬の可能性を示しました。これにより、これまで根本的な治療法がなかった骨髄増殖性腫瘍に対して、効果的な治療薬の開発が見込まれます。本研究は、英国科学雑誌ネイチャー系列誌の「Leukemia」誌のオンライン版(2018年6月26日付)で公開されました。

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    ttps://www.juntendo.ac.jp/news/20180627-01.html

  • 広島大学
    研究成果】ゲノム編集を応用した転写調節技術により、がんの増殖を阻害

    世界初の取り組み ~ がんの増殖に必要な遺伝情報を読みとれなくする革新的技術開発 ~
    本研究成果のポイント

    がんの発生やその進行に役割を果たす遺伝子は、ドライバー遺伝子と呼ばれます。現在多くのがんでこのドライバー遺伝子に対する小分子化合物や抗体薬の開発が進められていますが、この中には創薬が困難な遺伝子もあります。CRISPRiは従来型の標的薬開発の問題点を解決し、標的薬未開発のがんに対する治療法開発の基盤となり得る新技術であり、開発コストも低く、医療経済の面からも新しい創薬のかたちを提案しています。
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    ttps://www.hiroshima-u.ac.jp/news/45957

  • 有害反応など解明 造血幹細胞移植の投与治療 福島医大の研究チーム
    【福島民報社】

    福島医大医学部輸血・移植免疫学講座の池田和彦教授(48)らの研究チームは血液の源となる「造血幹細胞」を健康な人の血液などから採取し、白血病患者らに移植する「造血幹細胞移植」で、移植方法ごとの有害な反応の起きやすさや重症度を解明した。移植時の注意点が明確になり、安全性の向上につながるとしている。
    同大が25日、発表した。細胞の種類により、(1)骨髄移植(2)末梢(まっしょう)血幹細胞移植(3)臍帯血(さいたいけつ)移植-の3通りの手法がある。国内では年間で計5千件程度が行われている。池田教授によると、投与そのものによる患者への有害な影響を大規模に調べた研究は世界でもほとんど例がないという。
    研究チームは日本輸血・細胞治療学会の協力を得て大学病院など国内の14の医療機関と連携し、2013(平成25)-2016年に約1000件の症例を調べた。この結果、骨髄移植を受けた患者では40%に血圧上昇が生じ、末梢血幹細胞移植や臍帯血移植の20%を上回った。末梢血幹細胞移植を受けた患者は7%にアレルギー反応を示し、骨髄移植の4%と臍帯血移植の2%を上回った。以前に輸血で副反応が出た患者では、投与でも有害な反応も増えることも確認された。
    研究論文は輸血学界で権威のある米国科学誌「トランスフュージョン・メディシン・レビューズ」電子版に掲載された。池田教授は「患者の疾患や体調に配慮した移植方法を考える材料になる」と研究成果を説明している。福島医大の大戸斉総括副学長(67)、同大付属病院輸血・移植免疫部の皆川敬治医療技師(27)らも研究に携わった。

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    ttp://www.minpo.jp/news/detail/2018062652732

  • ホヤで受精卵の成長制御 京大グループ、再生医療に応用期待
    【京都新聞】

    受精卵が成長する過程で遺伝子を操作し、脳や表皮のような組織を自在に作ることにホヤを使って成功したと、京都大のグループが発表した。数学的な解析を使った成果で、再生医療など細胞を組織に分化させる技術への応用が期待できる。英科学誌にこのほど発表した。

    生き物が個体となる過程ではさまざまな遺伝子が関わるが、多数の遺伝子の中でどの遺伝子が不可欠なのかを判断するのは難しかった。理学研究科の佐藤ゆたか准教授やウイルス・再生医科学研究所の望月敦史教授らは既に、多数の遺伝子の中で鍵となる遺伝子を見つけられる数学的理論を構築していた。

    グループは理論を実証するため、無脊椎動物のカタユウレイボヤの受精した胚を利用。既に判明していた受精卵の成長に関わる92の遺伝子を数学的に解析し、5個の遺伝子だけで92の遺伝子ネットワーク全体をコントロールできると予測した。受精卵の段階で、5個の遺伝子の活性をそれぞれ上昇か低下させて32通りに分けて操作すると、活性のさせ方によって表皮や脳などに似た6種類の組織を作り分けることができたという。

    佐藤准教授は「実際の発生で同じような遺伝子の活性になっているかは不明だが、人工的に遺伝子を操作して目的とする組織を作る道が開けた」と話す。
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    ttps://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180626-00000046-kyt-sctch

  • 東北大学
    腫瘍内浸潤リンパ球の誘導を狙うスマート抗体〜組換え型がん治療抗体開発の更なる加速に期待〜
    2018年6月26日

    がん腫瘍に浸透しやすく高いがん細胞傷害性をもつ小型の抗体を創出
    小型でもがん細胞とリンパ球間の相互作用を高めることで、高いがん細胞傷害を高めることができる

    東北大学大学院工学研究科梅津 光央教授らの研究グループは、微生物で調製可能でありながら、がん細胞とリンパ球に結合できる部位を複数もつ竜の落とし子構造を設計することで、がん細胞を効果的に傷害できる組換え抗体分子の開発に成功しました。

    研究グループは、この竜の落とし子構造を用いることでがん細胞に対して従来の約1000倍高い傷害を示すことができることを実証しました。この構造をもつ抗体の作用機序を解析することにより、組換え型がん治療抗体開発の更なる加速が期待されます。

    この研究成果は、2018年6月5日付(ドイツ時間)で「Advanced Therapeutics(オンライン版)」に掲載されました。また、本研究は、科学研究費助成事業を受けて実施されました。 
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    ttps://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/06/press20180626-01.html

  • 【J-TEC/名古屋大/信州大】
    CAR-T低コスト製造技術、来年にも企業治験開始
    2018年6月26日 (火)

     富士フイルム子会社で再生医療を手がけるジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J-TEC)は、再生医療等製品のパイプライン拡充に向け、名古屋大学と信州大学の2機関から、遺伝子改変T細胞(CAR-T)の低コスト製造技術を用いて、CD19陽性急性リンパ性白血病(ALL)を対象とした自家細胞由来治療薬を国内で開発・製造・販売する独占的権利を獲得した。同剤は現在、名大が臨床研究を実施しており、来年にはJ-TECによる企業治験に切り替える予定となっている。

     CAR-T療法は、免疫細胞であるT細胞に遺伝子改変を加え、癌に対する攻撃性を高めた細胞を用いて治療する免疫細胞療法で、米国ではCAR-T細胞を用いた治療薬2製品が既に承認されている。

  • 再生医療研究の裾野広げよ
    【日本経済新聞】

    京都大学は7月にも再生医療向けに、受精卵から作る万能細胞の提供を始める。同細胞を使う治療研究は世界で活発だが、別の万能細胞であるiPS細胞を重視する日本は出遅れていた。これを機に産官学で研究の裾野を広げ、柔軟に治療法開発を進めるべきだ。

    受精卵から得る細胞は胚性幹細胞(ES細胞)と呼ばれる。日本は倫理上の問題から治療研究のための作製や利用を認めていなかったが2014年の指針改定で解禁し、京大が提供の準備を整えた。

    ES細胞は英国で開発され、体のすべての細胞を作ることができる。その能力はiPS細胞を上回り、再生医療に使った時にがんができる可能性も小さいとされる。

    生命の芽生えである受精卵を壊すことには批判もある。米政府は一時期、連邦予算による研究を大幅に制限した。ローマ法王庁は今もES細胞研究に異を唱える。

    しかし、不妊治療用に作られて余った受精卵のみから作製するなどの条件で、ES細胞の治療応用を認める動きは世界的に広がっている。米欧や韓国で再生医療の臨床試験が進む。

    国内でも体外受精の増加に伴って凍結保存される受精卵は増え、使用した残りの多くは廃棄される。それらを医学研究に生かすのは1つの選択肢だろう。

    医師や研究者が、もとになる卵子、精子の提供者に研究の意義を説明し同意を得る必要があるのは言うまでもない。協力を強要してはならず、手続きは厳格に実施しなければならない。

    京大が初めてES細胞を作ったのは03年に遡る。文部科学省や厚生労働省は日本発のiPS細胞技術を最優先し、ES細胞については海外の動向を様子見していた。利用法の議論や制度づくりは進まず、治療応用で出遅れた。企業もリスクを嫌い慎重だった。

    ES細胞の研究は、データを比較してiPS細胞をより安全に使う手がかりを得るのにも役立つ。研究の「ガラパゴス化」によって可能性を狭めることは避けたい。

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    ttps://www.nikkei.com/article/DGXKZO32166530T20C18A6EA1000/

  • ALS原因を抗体で除去、京大・滋賀医大など手法開発…治療へ「大きな一歩」
    2018年6月22日

     全身の筋肉が衰える神経難病「筋 萎縮 性側索硬化症(ALS)」で、病気を引き起こすとされる異常なたんぱく質を除去する手法を開発したと、滋賀医科大や京都大などのチームが発表した。

     根治が難しいALSの治療法につながる可能性があり、論文が英電子版科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。

     ALSは、運動神経が徐々に死滅し、歩行や呼吸が困難になる難病。有効な治療法はなく、国内の患者数は約9500人とされる。

     チームは、患者の神経細胞で、ALS発症の一因とされる異常なたんぱく質が蓄積していることに着目し、このたんぱく質を分解する「抗体」を開発。ただし、大きすぎて細胞に直接入らないため、抗体をつくる遺伝子を、運び役となる小さな物質に組み込んで入れる手法を考えた。

     病気の状態にした人やマウスの細胞内で抗体を作らせた結果、たんぱく質が分解・除去され、細胞はほぼ生き残った。一方で、抗体のない細胞は48時間後に4割が死滅した。

     アルツハイマー病やパーキンソン病など様々な神経難病でも、この手法が応用できる可能性があるという。チームの 漆谷真 ・滋賀医科大教授は「ALSの進行を抑える治療の実現に向けた大きな一歩だ。できるだけ早く患者に届けたい」と話している。

     徳永 文稔 ・大阪市立大教授(分子病態学)の話「原因物質を除去する抗体を細胞内で作るという斬新なアイデアで、将来性も期待できる。ただ、抗体による副作用も考えられ、慎重に検証していくべきだ」

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    ttps://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20180622-OYTET50012/?catname=news-kaisetsu_news

  • 化学療法から免疫療法の時代へ 
    米国腫瘍臨床学会(ASCO)が沸いた肺がん治療の進展

    進行肺がんの免疫療法
     今年の米国腫瘍臨床学会(ASCO)のテーマは「発見を臨床に:プレシジョン医療の拡大」。プレシジョン医療とは、ゲノム情報や最新の研究成果を活用し、患者個人や病気の特性にあわせてより的確な予防、検査、治療を行うことだ。人間や腫瘍が持つ遺伝子変異を調べる技術の進展や、がんと免疫の関係における新たな発見を背景に、プレシジョン医療実現の場が広がりつつある。

     今回は、がん治療のあらゆる側面に関する5800件以上の報告が寄せられた。その中から、特に厳選された演題は全員参加のプレナリー・セッションで発表される。今年のプレナリーを沸かせた注目演題の一つが、進行または転移性非小細胞がんに対するペムブロリズマブ(商品名キイトルーダ)を使った免疫療法である。

     国際的な大規模臨床試験(KEYNOTE-042)で、多くの進行非小細胞がん患者の治療では、従来の化学療法ではなく、最初からペムブロリズマブだけを使ったほうが有効という結果が示されたのだ。(*1)


    免疫療法 vs 化学療法

     肺がんは、米国で最も死亡率の高いがんで、その約85%が非小細胞がん。進行した段階だと化学療法を中心に治療するが、次第に薬が効かなくなったり、副作用の影響が大きく治療が続けられなくなったりする。化学療法の薬剤は、がん細胞のように盛んに分裂する細胞を殺傷するため、同じように早く分裂する髪や皮膚、粘膜、血液を作る骨髄の健康な細胞も攻撃してしまうためだ。

     一方、ペムブロリズマブ(*2)は、人体の免疫機能を利用してがんを攻撃する薬である。これまでの研究で、多くのがん細胞はPD-L1というタンパク質を発現させ、免疫細胞のPD-1に結合させることで、免疫の攻撃にブレーキをかけていることがわかった。ペムブロリズマブは、免疫チェックポイントと呼ばれるこの結合を阻止し、免疫細胞を活発化させて再びがんを攻撃させるのだ。

     非小細胞肺がん患者の3分の2以上はPD-L1陽性。過去に行われた試験でPD-L1が50%以上発現している患者にはぺムブロリズマブが有効という結果がでていたが、それだと対象者が限られてしまう。今回の試験は、PD-L1の発現が少ない(1%以上)患者も含め、ランダムに分けた二つの患者グループで、ぺムブロリズマブによる治療と、標準的なプラチナ系化学療法による治療結果を比較して、効果を調べることが目的だった。
    日本も参加した国際的な大規模試験

     この試験はアジアを含む32カ国、213施設で行われた大規模な第3相試験で、合計で1274人の患者が参加。日本からも29施設で、93人の患者が試験に参加した。試験の結果、ぺムブロリズマブ単独の治療を受けた患者の方が、化学療法を受けた患者よりも、中央値で4カ月から8カ月生存期間がのびた。PD-L1が多く発現している人の方が効果が高かったが、PD-L1の発現量にかかわらず奏効率や奏効期間も、ペムブロリズマブの方が化学療法より勝っていた。

     免疫療法の薬剤には化学療法とは異なる副作用があるが、化学療法よりも毒性が少ない。今回の試験でも、重度の副作用があった患者はぺムブロリズマブの治療グループは18%と、化学療法グループの41%より少なかった。


    患者にとってダブルの勝利

     この試験について発表した筆頭研究著者のジルベルト・ロペス医師(マイアミ大学シルべスター総合がんセンター腫瘍内科医)はASCOの記者会見で、「非小細胞肺がん治療は次々とでてくる新たな知見で大きく変わりつつある。今回の試験は、進行肺がん患者の標準治療を変えていくもの」と話した。

     またこの試験には参加していない専門家の立場から、ジョン・ヘイマック医師(テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)も、「免疫療法の方が生存期間が延び、しかも副作用も少なくて、一般的に対処もしやすいので患者のQOLが向上する。患者にとっては『ダブルの勝利』だ」と述べた。

     この研究の共著者であり、日本で試験を実施した責任医師の一人である久保田馨・日本医科大学医学部呼吸器内科学教授は、次のように述べた。

    「今回の試験では、PD-L1が1%以上の患者に対して化学療法に対する優越性を示した点が以前との違いです。ただし、1-49%陽性患者に関する探索的解析では、化学療法群に比較して優越性は示されていませんでした。

     今年の4月には、化学療法vs化学療法+ぺムブロリズマブの試験結果が報告されました。この試験では、PD-L1の発現にかかわらず、化学療法より、化学療法+ペムブロリズマブ群が生存期間も良好で、差はかなり大きなものでした。

     したがって、若い元気な方は化学療法+ペムブロリズマブが標準治療に今後なっていくと思います。併用療法は毒性も増加しますので、高齢者や合併症がある型は、PD-L1が50%以上の場合はぺムブロリズマブ単独、1-49%ではペムブロリズマブ単独または化学療法単独、PD-L1陰性の場合は化学療法単独が選択肢になります」

     またさらなる治療効果の改善に向けて、術前術後の免疫チェックポイント阻害薬に関する臨床試験も現在進行中だという。その一方で、副作用が少ないとされるこうした免疫療法についても、久保田教授は注意が必要だと指摘する。

    「効かない免疫療法に副作用はありませんが、有効な免疫療法には生命にかかわる事象を含めたさまざまな副作用があります。PD-1/PD-L1阻害薬は、ほとんど全ての臓器障害をきたす可能性もあります。脳炎、下垂体機能障害、神経障害、眼の障害、甲状腺/副腎などの内分泌障害、間質性肺炎、肝障害、腸炎、腸穿孔、1型糖尿病、重症無力症などです。

     化学療法に比較して、重度の副作用がでる割合は低いのですが、発現時期が明確ではなく、対処によっては致死的になるなどの問題があります」  
          

    久保田馨・日本医科大学医学部呼吸器内科学教授 談

     こうした新しい免疫療法の恩恵を受けるには、きちんとした免疫療法の知識を持つ専門の医師と相談しながら治療に臨むことが大切だろう。この数年、免疫療法など新たな治療法が生まれつつあるが、今のところ進行肺がん患者の命を救うところまでは到達していない。新たな治療法の最適な利用法、さらに効果的な治療を発見すべく、世界中でがん医療者、研究者らの取り組みは続いていく。
    プレシジョン医療の拡大

     プレナリー・セッションでの発表最後に、ロペス医師は大会場を埋め尽くすがん医療者、研究者らに、スライドを使って呼びかけた。

    「この20年間に私たちが得た知見を実践に生かしてしていこう。肺がんの治療はもはや一つではない。バイオマーカーを活用し、患者一人ひとりに最善な治療法を選ぼう」

     発見を臨床に。今年のテーマ通り、肺がん治療だけでなく、さまざまな分野でプレシジョン医療の拡大を感じさせるASCO年次総会だった。これから数回にわたり、ASCO総会で見聞したトピックのいくつかを報告していきたい。

    参考資料:JAMT(日本癌医療翻訳アソシエイツ)翻訳

    *1 ペムブロリズマブは進行肺がんの初回治療に化学療法単独よりも有効 
    *2 ぺムブロリズマブ

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    ttps://news.yahoo.co.jp/byline/katasekei/20180623-00086850/

  • iPSビジネス化に壁 産学連携に特許が冷や水
    【日本経済新聞】

    京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥所長、高須直子副所長にきちんと説明し、わかってもらえた」(富士フイルムの戸田雄三副社長)。「こちらの考えを理解して頂けた」(高須副所長)。血液からiPS細胞を作る方法特許をめぐり対立しかけた両者が融和に動いた。

    iPS細胞を発明し製法の基本特許をとったのは山中教授だが、血液からiPS細胞を作る重要な方法の一つに関する特許では米社が先行した。後に富士フイルム傘下…

    h ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO32113710S8A620C1TJM000/

  • シンクサイト
    世界初の細胞分析分離装置 東大発シンクサイト 1秒に1万個以上処理

    東京大学発ベンチャーのシンクサイト(東京都文京区)は、世界初となる細胞の分析分離装置を開発した。これまで、顕微鏡で形を人が見ながら行ってきた細胞の分類作業を、人工知能(AI)を使うことによって、1秒間に1万個以上処理できる。

    大量の細胞を形態で評価・選別できるようになることで、血液や体液の診断、再生医療や細胞治療など、高い安全性や信頼性の求められる医療に役立つとみられる。

    今年度中に臨床研究を開始し、来年度にはシンクサイトが研究用プロトタイプの装置を提供する予定という。

    具体的には、光イメージング技術、機械学習技術、マイクロ流体技術などを融合させた細胞分類方法「ゴーストサイトメトリー」を確立した。

    高速で細胞の蛍光イメージを計測し、機械学習でリアルタイム解析し、マイクロ流体中で選択的に取り分ける技術を可能にした。機械の“目”によって、大きさが同じで人の目で見ても形の似ている細胞でも、高速で撮像し、その画像情報を基に高い精度で細胞を取り分けることができる。

    シンクサイトは、東大先端科学技術研究センターの太田禎生准教授の研究成果を基に、東大や大阪大学、理化学研究所に所属する研究者が、組織の枠を超えて、2016年2月に設立した。

    なお、同社は15日付で、起業支援のリバネスやユーグレナが出資する「リアルテックファンド」、科学技術振興機構(JST)、大阪大学ベンチャーキャピタルから総額3億5000万円を調達した。

    h ttps://www.sankeibiz.jp/business/news/180622/bsl1806220500004-n1.htm

  • J TEC
    新がん免疫細胞療法 信大・名大が特許ライセンス契約
    信州大(松本市)と名古屋大(名古屋市)が研究を進めている新たながん免疫細胞療法

    「CAR(カー) T細胞療法」で、両大学は21日、富士フイルムグループの再生医療メーカー「ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング(J TEC)」(愛知県蒲郡市)と特許ライセンス契約を締結した。急性リンパ性白血病(ALL)を対象としたCAR T細胞の製造技術や開発、販売の国内での独占的実施権を同社が取得。2019年内の治験開始を目指している。

    CAR T細胞療法は、がん患者の体内から免疫細胞の一種「T細胞」を取り出し、がん細胞を捕捉するよう遺伝子を改変した上で患者の体内に戻す。米国ではALLで既に実用化されているが、1回の治療で約5千万円かかり、費用の高さが課題だ。

    両大学の研究チームは、信大の中沢洋三教授(47)が開発したより安価な製造手法の改良を進め、15年に国内外で特許を出願。今年2月から名大大学院の高橋義行教授(51)を中心にALL患者への臨床試験を進めている。

    治験に進み、得られたデータを基に細胞製剤の製造販売を国に申請、承認されれば治療に使用できるようになる。J TEC社はこれまでの再生医療等製品の開発ノウハウなどを生かし「本技術の実用化を加速できると確信している」としている。

    ALLの発症は子どもに多く、国内の小児では年間10万人当たり3人ほどが発症。CAR T細胞療法は抗がん剤が効かない患者などにも有効な治療法として期待されている。中沢教授は「多くの患者さんから問い合わせを受けている。実用化に向けた大きな一歩」、高橋教授は「安く多くの人に適用できるという期待がある。画期的な治療法を1日でも早く患者さんに届けたい」としている。

    中沢教授のチームは急性骨髄性白血病(AML)への効果が認められるCAR T細胞も開発し、実用化を目指して研究を進めている。

    h ttp://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20180622/KT180621FTI090014000.php

  • 脳へ薬剤を送りこめ~「脳関門」をどう突破するか
    石田雅彦

     脳には異物を排除するバリア機構があり、薬を脳へ運び入れることがこれまで難しかった。今回、東京医科歯科大学などの研究グループが認知症などの神経難病の治療に応用できる薬を脳の中へ送り込む新技術を開発した。
    身体にある関門とは

     脳には血液脳関門(Blood-Brain Barrier、BBB)や血液脳脊髄液関門(Blood-Cerebrospinal Fluid Barrier、BCSFB)があり、網膜には血液網膜関門(Blood-Retinal Barrier、BRB)があり、これらが脳や網膜へ必要な物質以外の異物が簡単に入らないようにしている。そのため、薬を患部へなかなか到達させられず、アルツハイマー病などの脳神経疾患や糖尿病性網膜症などの網膜の病気の治療は難しいとされてきた。

     こうした関門は生体が備えたバリア機構で、身体のあちこちへ酸素やグルコースやアミノ酸などの栄養などを運ぶための血液が通る血管にある。脳の毛細血管も必要な物質を通すが、血管の細胞が密着している隙間よりも大きな分子の物質は通さない。

    脳内の毛細血管と血液脳関門の図。周皮細胞というのは血管の成熟や安定化、血液脳関門の維持、虚血時の神経保護修復などを担っていると考えられる細胞。Timothy M. Cox, "Expert Reviews in Molecular Medicine." Cambridge University Press, 2003を参考にして筆者が作画

     ところが、酒を飲むとアルコール(エタノール)が消化器官を経て肝臓から身体の中に吸収されるが、アルコールは分子量が小さく水溶性でも脂溶性でもあるので、脂溶性の物質を透過させやすい血液脳関門から脳へ入ってしまう。そのため、脳の機能へ影響を与え、酔っ払ってしまうというわけだ。

     また、タバコを吸うとニコチンが肺から吸収され、血液から素早く脳へ到達し、ニコチン性アセチルコリン受容体という脳内の報酬系を刺激する。だが、ニコチンがどうやって血液脳関門を通ることができるのか、そのメカニズムはよくわかっていない。おそらくニコチンの持つイオンの性質(カチオン、陽イオン)が作用しているのではないかと考えられている(※1)。

     最近の研究では、妊娠中の母子の間にある胎盤にも関門があることがわかってきたが、母体由来の腸内細菌などの微生物が血液脳関門の形成に影響を与えているのではないかという研究もある(※2)。共生菌が脳の機能をつかさどっているということかもしれず、減菌や殺菌が必ずしもすべていいわけではないことを示唆する。
    脳のバリアをどう突破するか

     このように脳関門や網膜関門などの身体の関門は、外部からの異物の侵入を防ぐバリアでもあるが、同時に患部へ薬を運び入れるのを阻害する厄介な機構だ。血液脳関門からはいくら薬を入れようとしても目的の0.1%ほどしか到達できないという状況が続き、なんとかして血液脳関門を突破しようと世界中の研究者が試みてきた。

     血液脳関門などは日本の研究が先端をいっているようなところもある。これまで小膠細胞(ミクログリア、Microglia)を使った名古屋大学の研究グループの研究があり(※3)、最近では日本の研究グループによる脳内へ薬剤を運ぶナノマシンを開発したという発表もあった(※4)。これは東京大学などの研究グループが開発したグルコース濃度の変化という外部刺激に応答して血液脳関門を高効率で通過する直径30nmの微小高分子で、水溶液の中で自己組織化するナノマシンだ。

     こうした血液脳関門への挑戦として最近、新たな研究成果が発表された。日本の東京医科歯科大学の研究グループによるものだ(※5)。がんやアルツハイマー病など遺伝子変異が疑われる病気に対し、そのターゲットとなる遺伝子の機能を失わせたり減退させたりする作用(アンチセンス)を持つ薬を使う。あるタンパク質によって血液脳関門を通過させ、脳の中枢神経系へ薬を到達させることができたという。

     アンチセンスの核酸医薬で用いられる薬(相補的なmRNA)は分子標的薬などといわれ、周囲の無関係な遺伝子にほとんど影響を及ぼさず、ターゲット遺伝子にだけ作用させ、病気やその進行を抑えることが可能と考えられている。だが、アンチセンス核酸薬が血液脳関門を通過できる量はあまりにも少なく、これまで患部の遺伝子に作用させることが難しかった。

     日本医科歯科大学のリリースによれば、脳内の毛細血管の細胞が接する部分の密着結合(血液脳関門)に作用するアンギュビンディン1というタンパク質の断片をマウスに静脈注射し、その後、アンチセンス核酸薬を静脈注射したところ、アンチセンス核酸薬が従来より大量に脳や脊髄に到達し、ターゲットとなる遺伝子の発現が約40%抑制されたという。

    血液脳関門がある血管の3つの細胞の結合を制御するアンギュビンディン1というタンパク質断片により、血液脳関門に隙間を空けてアンチセンス核酸薬が脳内へ送り込む。Via:日本医科歯科大学のリリース

     現段階ではマウスでの実験だが、研究グループは血液脳関門がある血管の3つの細胞の結合を制御するという薬物送達の手法の成功は世界初という。将来的には、アルツハイマー病を含めた認知症や脊髄性筋萎縮症などの神経関連の難病の根本治療も可能となるかもしれない。

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    ttps://news.yahoo.co.jp/byline/ishidamasahiko/20180621-00086788/

  • キシダ化学
    iPS細胞由来の小腸オルガノイド拡販

    キシダ化学は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)由来の小腸オルガノイド(臓器に類似した組織体)を拡販する。英バイオベンチャーの製品で小腸の機能の模倣に成功。特異的な輸送体や代謝マーカーの発現を確認しており、実際の臓器に近い状態で実験できる。世界で初めて凍結保存技術も確立していることから、研究者の使い勝手が向上。購入後に継代培養でき、ユーザーは目的に応じて成熟化できる。腸管組織における薬剤の吸収や代謝のメカニズムなどの評価に最適として提案する。

    【化学工業日報】
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    ttps://www.chemicaldaily.co.jp/%e3%82%ad%e3%82%b7%e3%83%80%e5%8c%96%e5%ad%a6%e3%80%80%ef%bd%89%ef%bd%90%ef%bd%93%e7%b4%b0%e8%83%9e%e7%94%b1%e6%9d%a5%e3%81%ae%e5%b0%8f%e8%85%b8%e3%82%aa%e3%83%ab%e3%82%ac%e3%83%8e%e3%82%a4%e3%83%89/

  • 幹細胞: 大腸の幹細胞ニッチを明らかにする

    哺乳類の腸管の2つの部位である小腸と大腸の上皮は、Wntリガンドに応答した幹細胞の自己再生により維持されている。このシグナルを供給する細胞の正体は、大腸ではまだ分かっておらず、小腸でも議論が続いている。T Valentaたちは今回、大腸と小腸の上皮下にある間葉細胞の亜集団が、Wntを分泌して、幹細胞の自己再生と器官の恒常性を確保していることを見いだした。小腸では、これらの細胞はパネート細胞からのWnt分泌が障害されたときにそれを補う予備のWnt供給源となっている。

    【nature】

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    ttp://www.natureasia.com/ja-jp/nature/highlights/92848

  • ES細胞、iPSと両輪 再生医療の新たな選択肢

    体の様々な組織に変化する「胚性幹細胞(ES細胞)」が再生医療の新たな選択肢として浮上してきた。受精卵を壊してつくるため倫理面の問題を抱えていたが、その後、状況は大きく変わった。米国や英国、韓国ではiPS細胞よりも研究が進んでいる分野もある。京都大学は7月にも全国の医療機関や企業などに配布を始める計画だ。日本でも、iPSと両輪で研究と臨床応用を進める体制が整う。

    再生医療は細胞が持つ再生能力を利用…

    【日本経済新聞】
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    ttps://www.nikkei.com/article/DGXMZO3206132021062018TJN000

  • がん細胞のエネルギーを枯渇させる抗がん剤の発見 ~ミトコンドリア呼吸を標的にした新規がん治療法の可能性~
    順天堂大学  2018.06.19 (TUE)

    順天堂大学大学院医学研究科臨床病態検査医学の田部陽子 特任教授らの研究グループは、米国MD Anderson がんセンターのJoseph R. Marszalek 博士、Marina Konopleva 教授らとの共同研究において、細胞内のミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰ*1に対する阻害剤が、再発性/難治性白血病に対する新しいがん治療薬になりうることを発見しました。この阻害剤は、細胞のエネルギーを枯渇させることで、脳腫瘍細胞および白血病細胞の増殖を強く抑制し、がん細胞の細胞死を誘導しました。また脳腫瘍モデルマウスにおいても強力な抗がん作用を確認しました。現在、実用化に向けて再発性/難治性白血病において新規抗がん剤としての臨床研究を進めています。
    本研究は、英国科学雑誌「Nature Medicine」のオンライン版(2018年6月11日)で発表されました。
    本研究成果のポイント

    細胞内のミトコンドリア呼吸の阻害剤ががんの細胞死を誘導することを発見
    脳腫瘍モデルマウスにおいて阻害剤IACS-010759 *2の強力な抗がん作用を確認
    ミトコンドリア呼吸を標的にした新規がん治療法の実現の可能性

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    ttps://www.juntendo.ac.jp/news/20180619-02.html

  • 東京医科歯科大学
    「血液脳関門を通過してアンチセンス核酸を中枢神経系に送達する新技術の開発」
    ― 認知症などの神経難病への治療応用に期待 ―
    2018年6月19日


    【ポイント】
     神経難病に対する新薬開発において最大の障壁となっている血液脳関門を通過して、代表的な分子標的薬であるアンチセンス核酸を中枢神経系に送達する新技術を開発しました。
     三つの脳血管内皮細胞の角が接する部位(三細胞間)の密着結合に作用する蛋白質断片「アンギュビンディン1」を静脈注射したマウスでは、その後に静脈注射したアンチセンス核酸が脳や脊髄に到達し、標的RNAの発現が抑制されました。
     認知症などの様々な神経難病の治療に応用されることが期待されます。

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    ttp://www.tmd.ac.jp/archive-tmdu/kouhou/20180619_2.pdf#search=%27%E3%80%8C%E8%A1%80%E6%B6%B2%E8%84%B3%E9%96%A2%E9%96%80%E3%82%92%E9%80%9A%E9%81%8E%E3%81%97%E3%81%A6%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B9%E6%A0%B8%E9%85%B8%E3%82%92%E4%B8%AD%E6%9E%A2%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E7%B3%BB%E3%81%AB%E9%80%81%E9%81%94%E3%81%99%E3%82%8B%E6%96%B0%E6%8A%80%E8%A1%93%E3%81%AE%E9%96%8B%E7%99%BA%E3%80%8D%27

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