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■掲示板で拾った 深ぁ~い「日々是修行」レスの掲示板

高い金を払って買った株、本、毛皮のコートなどを見ると、買った値段を思い出してしまう人が多いと思いますが、買った時に払った代金は戻ってきませんから、死んだ子の歳を数えるようなことはせず、将来の幸せを考えましょう。既に支払って戻ってこない金のことを、「サンクコスト」と呼びます。今回は、サンクコストの話です。

■株を買った値段は忘れて、「今より値上がりするか否か」だけを考える

「1000円で買った株が800円に値下がりしたのですが、売るべきでしょうか?」と言った相談を受ける場合がありますが、筆者の答えは「買った時の値段は忘れましょう。今から貴方が株式投資を始めるとして、その株を800円で買いますか?」です。買った値段が500円であろうと1000円であろうと、関係ありません。重要なことは、「その株は、800円より高くなりそうか否か」だけなのです。

人間は、損をするのが嫌いな動物なのだそうです。100円儲けた嬉しさより100円損した悔しさの方が大きいのだそうです。したがって、買った株が下がると「今売ったら損が確定してしまう」と考えて売らずに持っていて、傷口を広げる人が多いのだそうです。これには、「こんな株を買った自分はバカだった」と思いたくない、という心理も働いているようです。これは合理的ではないですよね。

嬉しいか悲しいかは別として、投資家としては、常に頭の中では「値洗い」をすべきでしょう。「1000円で買った株が昨日、800円に値下がりしてしまった。200円の損は、過去のことだから忘れよう」「今朝、新しく800円で株を買ったぞ。儲かるかな。損しそうなら、早めに売っておいた方が良いのだが」と考えるのです。

■買った本がつまらなかったら、読まずに捨てよう

買った本がつまらなかった時、「せっかく買ったのだから、最後まで読もう」とする人は多いでしょうが、やめましょう。すぐに捨てましょう(古本屋に売りましょう)。最後まで読んでも、支払った本の代金は戻ってきません。最後まで読むと、本の代金と読んだ時間の両方を損することになります。それなら、本の代金のことは忘れて、散歩でもしましょう。

食べ放題のレストランに入ったら、料理が口に合わなかったとします。食べずに帰宅して、お茶漬けでも食べましょう。口に合わない料理を、しかも「元が取れるまで大量に」我慢して食べたとしても、払った代金が戻るわけではありません。「過去は過去として切り離し、その時点で自分が一番しあわせになれること」をしましょう。

家の中に、昔買った洋服で、二度と着ないものが数多くあるかもしれません。「高かった洋服ほど、もったいなくて捨てられない」と考える人は多いでしょうが、着ないことが確実ならば、すぐに捨てましょう(古着屋に売りましょう)。収納スペースが無駄になるだけです。