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日経CNBC 【Tradar's bar】という番組の掲示板

日経新聞の記事を基に、円安感度の高い企業として川重、富士重の名を上げておいでだったが・・・。
当方、経理が長いので、気になった点を一つ。

既に、今年度も第2四半期を終えようとしているので、この円安が下半期にしか収益に影響しない旨仰っておいでだった。
しかし、現地法人を連結決算することに関しては、下期分の円安と言えども丸々一年分の収益に影響を及ぼす。

連結相殺や在庫利益などの細かいことは無視してお話しする。
例えば、在米子会社を例にすると・・・。
第2四半期(4~9月)までで売上が10,000ドル、利益が1,000ドル、(4~9月までの)平均為替レートが100円だったとする。
この場合・・・
売上は10,000ドルX100円/ドル=1,000,000円
利益は1,000ドルX100円/ドル=100,000円
となる。

次に年間の換算について。
売上が21,000ドル、利益が2,200ドル、(4~3月までの)平均為替が110円だったとする。
この場合・・・
売上は21,000ドルX110円/ドル=2,310,000円
利益は2,200ドルX110円/ドル=242,000円
と計算される。
ちなみに、年間決算の売上、利益の上期分は以下のように計算され、第2四半期の数値と異なってくる。
売上=10,000ドルX110円/ドル=1,100,000円
利益=1,000ドルX110円/ドル=110,000円


つまり、年間では(厳密に言えば第3四半期でも・・・)、損益計算書の各残高は年間平均レート(第3四半期の場合は第3四半期までの平均レートで)で換算されるので、下期からの円安であろうと在外子会社の上期業績も影響を受ける。
逆に、下期の業績は上期の為替レートを引き摺って評価されるので、こちらは上期の(相対的に)円高な為替レートの影響をうけることになるのである。