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ZMPとZMP関連銘柄を語るの掲示板

>>14041

>光ファイバーの中を光パルスが回り・・・?
【ホンモノ?ニセモノ?日本発の「量子コンピューター」めぐり疑問噴出】
2017/11/21 15:45
https://internetcom.jp/203778/japanese-quantum-computer
内閣府の主導のもとで開発されたという日本発の「量子コンピューター」をめぐり、インターネット上で疑問が次々に沸き上がっている。その仕組みからして量子コンピューターと呼んでよいのかどうか、判断に困っている人が多い。
量子コンピューターは、量子力学の原理を用い、従来のコンピューターでは難しい性能、機能を発揮する機器として期待が集まっている。以前は「量子ゲート方式」と呼ぶ仕組みの研究が主流として注目を浴びてきたが、最近はb別の「量子アニーリング(焼きなまし)方式」で実用化したという製品も海外で登場してきている。
大学のような研究機関だけでなくGoogle、IBM、IntelといったITの巨人も開発競争に加わり、また各国政府も動いている。米国などの存在感が強い分野だが、新たに日本発で登場したのが「量子ニューラルネットワーク(QNN)」というもの。
(中略)
参加しているのはNTT物性科学基礎研究所量子光制御研究グループの武居弘樹上席特別研究員、本庄利守主任研究員らのグループ、情報・システム研究機構国立情報学研究所(NII)情報学プリンシプル研究系の河原林健一教授、加古敏特任准教授らのグループ、東京大学生産技術研究所の合原一幸教授、神山恭平特任助教らのグループ。
QNNは11月27日よりクラウド上に公開し、Webサイトを通じて一般の人でも試せるようにするという。
さて、ひとたび正式発表があるや、テレビや新聞、ITを専門にするニュースサイトまで、マスメディアはこぞってQNNをもてはやしたが、他方でTwitterなどのソーシャルメディアでは技術好き(ギーク)が混乱を来した。
(中略)
このごろ人気を集める量子アニーリング方式を採用したカナダD-Wave Systemsの製品も、はじめ量子コンピューターと呼ぶのが適切かどうか、専門家のあいだで意見が割れた。ただ検証を重ねるうち次第に一定の地位を獲得していった。
QNNも同様の過程を経るのか、27日から始まる一般公開が多くのギークの問いに応えるものになることを期待したい。

  • >>14043

    >『これは量子コンピューターと違う』と言う人がいたら反論できない
    クローズアップ2017
    【「スパコン超え」国産コンピューター 「量子」命名に異論 集積回路、従来のまま】
    毎日新聞
    2017年12月10日
     「世界最大規模の国産量子コンピューター」とのキャッチフレーズで発表された計算装置に対し、共同研究者からも「量子コンピューターではない」との異論が出ている。内閣府と科学技術振興機構(JST)の予算で、NTTや国立情報学研究所(NII)、東京大の産官学が参加した大型プロジェクト。背景には、すぐに目に見える成果を求められる国主導の研究開発事情が見え隠れする。【酒造唯、須田桃子、阿部周一】
    https://mainichi.jp/articles/20171210/ddm/003/040/045000c
     疑問の声が上がっているのは計算装置「量子ニューラルネットワーク(QNN)」。「創薬など現代のコンピューターの限界で技術革新が止まっているさまざまな分野で、ブレークスルー(突破口)になると期待される」。11月20日の記者発表で、山本喜久・NII名誉教授はこんなコメントを寄せた。山本氏は開発チームを率いるプログラムマネジャー(PM)。発表について「スーパーコンピューター(スパコン)をはるかに超える国産量子コンピューター」と朝刊1面トップで報じた新聞もあった。
     計算装置は、レーザー光を使うのが特徴だ。2000個の光を1周1キロ(環状)の光ファイバーに断続的に流し、集積回路で光を互いに作用させる。光が約1000周する間に光の作用で答えを出す仕組みだ。山本氏は「世界最大規模。これまでの限界を30倍以上、拡大した組み合わせ問題を解ける」と強調する。
     これに対し、開発チームから異論が出ている。計算装置には、一般的なパソコンに搭載されているのと同じ集積回路を使っているためだ。この回路は従来型の計算機で、光を電気信号に変換して処理する。そこで光を処理した時点で、極小の粒子である量子の特徴は消えてしまう。
     チームのメンバーの西森秀稔・東京工業大教授は毎日新聞の取材に「計算の一番本質のところで量子効果を使っていない」と話す。西森氏は問題の記者発表には関与していないという。共同研究者に名を連ねる井上恭・大阪大教授も「『これは量子コンピューターと違う』と言う人がいたら反論できない」と話した。チーム外の研究者も「特定の問題を速く解くことは期待できるが量子コンピューターではない」と断言した。(中略)
    予算獲得へ「成果」強調
     計算装置は、内閣府が主導する「革新的研究開発推進プログラム(通称インパクト)」の支援を受けて開発された。インターネットなどの技術を生み出した米国の制度を参考に、短期間で集中的な投資をすることで、文字通り「ハイリスク・ハイインパクト」な研究開発を後押しする狙いがある。研究を統括するPMに、予算配分などの裁量権を持たせたのが特徴で、14~18年度の5カ年の事業で、今回のプロジェクトには計30億円の予算が充てられた。
     なぜ量子コンピューターとのキャッチフレーズがついたのか。ある研究者は「メディアに取り上げられ、予算がつきやすい背景もある」と指摘する。今回のプロジェクトは来年度で終了するため、別の研究者は「世間に印象づけたい思惑があったのではないか」と推測する。山本氏自身、取材に対し「人によって呼び方は違うが、注目してもらいたいということで量子コンピューターという言葉を使った」と述べている。
     一方、内閣府の担当者は「我々は量子コンピューターかどうかを議論する立場ではない」と静観する構えだ。JSTを所管する文部科学省の幹部は「厳密には量子コンピューターと言えないかもしれない」と認めつつも、「研究開発は佳境に差し掛かっている。プログラム終了後も支援を続けられるように内閣府に相談している」と明かした。
     インパクトの研究開発で同様の疑義が出るのは初めてではない。1月には、食品メーカー明治との共同研究から「カカオを多く含むチョコレートに脳の若返り効果の可能性がある」と発表。科学的根拠に乏しいとして批判を浴び、PMが「十分立証されておらず、行き過ぎた表現があった」と釈明する騒動もあった。
     大学の運営費交付金が年々削られる一方、インパクトのように数十億円規模の資金を投じ、5年前後の短期間で成果を求める政府の大型プロジェクトが増えつつある。小林傳司(こばやしただし)・大阪大教授(科学技術社会論)は「出口志向の大型プロジェクトほど目に見える結果を求められる。研究者側はそれに応えようと一生懸命になるし、資金が途絶えないよう必死にもなる。その結果、社会により大きなインパクトを与える『成果』が強調されやすい構造があると言える」と話す。