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油(°Д°)の掲示板

ナイジェリアのニジェール川デルタ地域では、数年にわたって比較的平和な状況が続いていたが、武装勢力がマングローブ林の湿地を縫うように敷設されたパイプラインを再び爆破している。原油生産はほぼ30年ぶりの低水準に落ち込み、世界の原油価格上昇につながっている。
  アフリカ最大の経済国であるナイジェリアの反政府勢力との対立には長い歴史があり、汚職と貧困や地域間対立、大統領の政策方針が複雑に絡み合っているが、中核となるのはカネの問題だ。
  産油国であるナイジェリアの産油地帯で内戦が頻発していた2006-09年には当時のヤラドゥア大統領が物議を醸す解決策に出た。それは、武装解除に応じる武装勢力メンバーに恩赦を与えるとともに、給料を支給するというものだ。同大統領が10年に死去すると、後任のジョナサン大統領がこの戦略を拡大し、反政府勢力のリーダーらと数百万ドルで警備契約を結んだ。リーダーらはそれまで爆破していたパイプラインを警備するようになった。
  当時の反対派はこの政策を非難したが、効果を発揮した。武装勢力のメンバー数千人が大統領の恩赦を受け、リーダーらが新設した民間警備会社に入社し政府から月給を受け取った。これにより、最悪期に約30%減の日量165万バレルにまで落ち込んでいた原油生産の落ち込みはすぐに収まった。
  ただ、それは長期的な解決策にはならなかった。汚職反対派を基盤に昨年就任したブハリ大統領(73)はパイプライン関連の全ての警備契約を打ち切り、月給を削減。武装勢力は今月に入って相次いで主要パイプラインを爆破し、原油生産は27年ぶりの低水準である日量140万バレルにまで落ち込んでいる。
  その結果、国際指標である北海ブレント原油価格は上昇し、18日に1バレル=49.85ドルと、昨年11月以来の高値に達した。
  ナイジェリア軍と恩赦プログラムの担当者にコメントを求めたが回答は得られていない。
  エコバンク・トランスナショナルの石油アナリスト、ドラポ・オニ氏(ラゴス在勤)は武装勢力について、「パイプライン関連の契約を復活させるため新政府に圧力をかけようとしている。現時点で問題になっているのはカネだ」と指摘した。