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その他☆の掲示板

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■投資始めて常識覆る、国際分散投資も万能ではない

 国際分散投資も万能ではありませんでした。世界経済がグローバル化するとマーケットが同じ方向に動きやすいためです。いったんクラッシュしたらそれまで個別株の成績がいくらよくても一気にもうけが吹き飛びかねません。だから個別株投資は全体の流れを見ないと大けがをするということも学びました。

 いろいろ考えたところ、結局経済学にしても投資理論にしても第2次世界大戦ちょっと前の、せいぜい70年とか80年の歴史しかない。しかもアメリカ株が前提です。日本みたいにバブルが崩壊して人口が減って、20年間株が下がりっぱなしという状況では長期投資は難しいとも実感しました。

 とはいえ、相場にはサイクルというものがあります。「大底で買い天井で売る」ことができればもうかる。この点については多くのプロもあきらめている人が多い。あきらめたらプロではありません。それはわたしからいわせれば人のお金だから。自分のお金だったら、あきらめないでしょうと。

■個人投資家の目線でアノマリーに注目

 それから個人投資家の目線で何が投資手法として有効なのか真剣に考えました。結論の一つが相場のアノマリーです。日本は1960年代以降、いざなぎ景気、列島改造ブーム、株・不動産バブル、ITバブルとかだいたい7年から10年ごとにバブルの生成と崩壊を繰り返してきました。

 投資は勘で考えてやるとたいてい負けますが、個人投資家が勝つためには7~10年のサイクルをアタマに入れたうえで、局面をうまくとらえて行動することが必要です。まず相場がどんどん上がる期間。これは誰でももうかる相場です。いまでいえば2012年の終わりから、14年の半ばぐらいまで。投資家には少し上がっただけで利食いをしてしまう人がいますが、これだと大きくもうかりません。利食いは我慢し利益をいかに伸ばすかがポイントです。

 次にどこで下りるか。神様でもない限り最高値の水準で売るのは不可能です。自分が考えたのは相場が上がってきてちょっと落ちたところ。つまり、高値から少し下がった水準で売ることです。ここでいかに下りるかが勝負で、これをひたすら研究しました。

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    ■高値で売ることをあきらめ、少し下がったところで売る

     5年ぐらい試行錯誤して、相場全体なら高値から5~7%、個別株なら7~10%程度それぞれ下がった水準が適当という結論に達しました。これで高値で売ることをあきらめる代わりに上昇トレンドに乗って利益を伸ばしつつ、下がり始めたら早めに手じまうことができるようになります。

     相場の流れを読むうえでは複数の判断材料を使っています。データとしては、信用取引やオプション市場、VIX指数の動向など。面白い事実としては、天井ではマネー誌が創刊されるとか、求人倍率が上がるという兆候もあります。プロであっても相場の雰囲気にはのまれる。相場全体が強気のときは自分も強気になるし、みんなが弱気のときは自分も不安になる。自分が間違うリスクもあるし、一つのモデルを信用しきれないので複数の戦略を併用しています。

     大底での投資で見習いたいのは米著名投資家、ウォーレン・バフェット氏です。リーマン・ショック時に、米ゴールドマン・サックスに果敢に投資しました。いまから考えると最高のタイミングでした。公開されている彼のポートフォリオを見ると、10年のうち4年から5年ぐらいはキャッシュポジションが高い。多いときには2割ぐらいキャッシュだったりします。キャッシュである期間はもうけはないんですけれど、損も絶対ない。

    ■個人は半年休んでも構わない

     個人投資家の一番有利な点は休めることです。相場が悪いときはお金を自由に寝かしておいて損しなければいい。そして底値で投資資金が必要なときに備えるのです。相場を1年単位で見ると、不思議なことに10月末に買って4月末に売ると高いパフォーマンスが得られる。わたしはこの「半年投資」を提唱しているのですが、個人は5月から9月までは休んで構わないのです。

     株価のピークは前回が07年だったので今回は16年から17年が目安になります。過去にもアメリカの利上げが最も相場にインパクトがあるんですけれど、だいたい半年から2年以内にクラッシュしています。仮に利上げが15年12月から始まるとして16年から17年にクラッシュが想定されます。

    投資では「先入観を持たずシグナルに淡々と従うのはしんどい」と語る