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猫に札束
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猫に札束の掲示板

日経平均、11連騰の裏で警戒感も

日経平均株価は17日も上昇した。
11日連続で上げたのは2015年5~6月に12日連騰して以来、2年4カ月ぶり。
80円高だった終値だけを見れば強い相場だったという結論になるかもしれない。
だが、気になるのは朝方の138円高から24円安まで下げた午前中の値動き。
市場関係者の短期的な過熱感や高値警戒感も透ける。
国内の金融機関が利益確定の売りを出した」。大手証券トレーダーは午前の下落局面をこう解説した。
2年4カ月ぶりの連騰記録もさることながら、東証1部の銘柄の値上がり数を値下がり数で割る騰落レシオ(25日移動平均)も16日時点で135%と、過熱感の目安とされる120を4日連続で上回っていた。
それだけに「一旦利益確定の売りが出るのは当然」ともいえる。

投資家が売りの根拠にしているのは過熱感や高値警戒感だけではない。
見据えているのは「選挙後」だ。

過去10回の衆院選では、解散日から投票日までに日経平均が9回値上がりした半面、投票日から1カ月後までは7回が値下がりだった。
新政権に対する期待を投票日までに一旦織り込み、その後、調整する傾向を示している。
この経験則を踏まえれば「来週に下がると踏んだ投資家が先回り売りしても不思議はない。
では、経験則通り、選挙後は7割の確率で下落に転じるのだろうか。
選挙後の来週以降は主要企業の2017年4~9月期決算が本格化する。
円安傾向から企業業績を心配する声は少ない。
日経平均の予想PERは約15倍と、日経平均が2万円台だった15年の直近高値に比べるとなお、低い。
4~9月期決算のタイミングで業績の上方修正が相次ぐとするなら、割高感は一段と遠のく。
外国人買いへの期待も強い。
日本株をまだ買えていない海外投資家も多い。
相場格言では「もうはまだなり」という。
「もうそろそろ調整があるだろう」との警戒は、結果的には肩透かしに終わるかもしれない。
だが、下げない日経平均を警戒し始めた投資家が増えてきたことだけは、気にとめておいたほうがよさそうだ。