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徒然なる団塊部屋の掲示板

みなさんこんにちは、、いつものフードコートからです、、

「夜叉説半偈」という四言四句の「死」についての短いお経への、玄侑宗久氏の講釈のご紹介です。

諸行無常 是生滅法
生滅滅己 寂滅為楽

これだけの短いお経を、同じ音を二度使わないという離れワザで作られたのが「いろは歌」ですが、いったい誰の作かは不詳であるらしい。

「夜叉説半偈」の前半、「諸行は無常なり 是れ生滅の法なり」は「色は匂えど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ」とすんなり訳された。しかし後半の「生滅滅し已って 寂滅を楽と為す」は些か理解しにくいため、ある種のレトリックで表現される。

つまりここでは変化がなくなった状態を楽しみにする、死者自身にとっての死が描かれるわけだが、訳者はそこに『老子』の「無為」と「有為」の対照を持ち込む。

「有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔ひもせず」つまり死んで有為なる世界を越えてしまえば、これまでの浮世が浅い夢にも思われ、また酔いのさなかだったようにも感じる。だから死者自身が、これからは浅い夢など見るまい、酔っぱらいもしないぞと、宣言しているのである。