ここから本文です
投稿一覧に戻る

株価徒然の掲示板

 市場の主役の行動原理を考えてみよう。
 外国人投資家のベースとなる通貨は米ドルかユーロだ。

 つまり、彼らは株価だけで動くことはせず、円建ての日本株価をドルやユーロ
 に換算し直して初めて損益が確定する。

 日本株が上昇しても、それより円安になったのなら損をする。
 日本株が下がっても、それより円高になったら得をする。(もっとも、日本株
 が上昇しないのなら日本円を現金で持っている方がましなので株は買わない)

 この原則の例外が2013年だった。日本政府・日銀が「一方的な円安にする
 ぞ」と公言したので、為替ヘッジをして円安になっても損をしないポジション
 にすることで純粋に円建て日本株価上昇に賭けることが出来た。

 今年に入って変わったのが、円の見通し。

 これまでの景気は良いし、増税分を除けばデフレ色が強いため、円高になる可
 能性がある。
 一方で急拡大する経常赤字と、財政赤字の双子の赤字が増税後の消費低迷と相
 まって円安になる可能性もある。

 為替だけが不透明ではなく、今年に入って業績の下方修正を出すアナリストが
 多くなり、現在の株価は割高感も出ている。

 少なくとも、外国人投資家が同じ方向に動く時ではなくなっている。

 2番目の主役の国内個人投資家。
 かつてとは異なり、創業者等のインサイダーが個人投資家として保有する株数
 は少なくなり、個人投資家保有株の多くが塩漬け株か、トレーディングの持越
 し株だ。

 いずれも、時が来れば売却したい株。
 つまり、外国人投資家も個人投資家も、今後じっくりと買い増したいとは思わ
 れていない。

 最終的に長期保有してくれる年金や保険や投信が買い増ししないので、株価の
 動きが止まれば、市場の売買高が減るならば、さあっと逃げ出す。