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メモ帳・・・メモメモ。。。の掲示板

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  • 2021/05/30 11:05
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掲示板のコメントはすべて投稿者の個人的な判断を表すものであり、
当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

  • GMOがYJFX!買収、日興証券がSTO参入ほか──5/23~5/29の株式・FX投資ニュース

    SBI証券、レバレッジなし暗号資産ワラント提供
    SBI証券は5月24日、「eワラント」に「ビットコイン先物インデックストラッカー」および「イーサリアム先物インデックストラッカー」を追加した。いずれもレバレッジをかけていないため、ビットコインおよびイーサリアム先物とほぼ同等の値動きとなる。

    SBI証券はこれまでも暗号資産連動のeワラントを提供してきたが、すべてレバレッジがかかっていた。暗号資産先物のマイナス3倍、あるいはプラス5倍の値動きとなる。直近では暗号資産の急落を受けワラント価格が1円を割り込み、自動ロスカットされたケースが見られたようだ。

    今回追加の2本はレバレッジをかけておらず、自動ロスカットは発生しない。実質的に暗号資産の現物投資に近い投資効果が得られる。

    GMOフィナンシャルがYJFX!全株式を取得
    GMOフィナンシャルホールディングスは5月25日、ワイジェイFX全株式の取得を発表した。ワイジェイFXの親会社ヤフーから譲り受ける。譲渡価格は約288億円。

    ワイジェイFXはヤフーの完全子会社で、FXサービス「YJFX!」を運営している。2020年秋に「PayPay FX株式会社」へ社名変更される予定だったが、本株式譲渡の完了に伴い「外貨ex byGMO株式会社」へ変更される。株式の譲渡および社名変更は2021年9月下旬の予定。

    GMOフィナンシャルホールディングスについて
    GMOフィナンシャルホールディングスは「GMOクリック証券」および「FXプライムbyGMO」を傘下に持つ。店頭FX取引高は9年連続で国内首位(2012年1月~2020年12月)。

    ワイジェイFXを傘下に持つことでさらなる成長を目指すとしている。

    日興証券がSTOに参入
    SMBC日興証券は5月25日、金商法上の電子記録移転有価証券表示権利等の取り扱いに係る変更登録の完了を発表した。これによりSTO(セキュリティトークンオファリング)の取り扱いが可能になる。

    STOとは
    既存の株式などと異なり、セキュリティトークンにより資金調達を行う方法。2020年5月1日の改正法施行により法令に準拠した取り扱いが可能になった。STOではブロックチェーン技術と法令により投資家の権利が保障される。

    直近では2021年4月にSBIホールディングスが国内で初めて個人投資家向けにSTOに基づいた債券を発行し、資金調達を行った。

    レオス運用残高1兆円突破
    独立系運用会社レオス・キャピタルワークスは5月25日、運用資産残高が概算で1兆円を突破したと発表した。

    同社は「ひふみ投信」など、国内外の株式で投資信託を運用している。2017年2月に運用成績がテレビで放送され人気を集めた。2021年3月には債券も組み入れる「まるごとひふみ」の運用も開始した。

    同社の投資信託はレオス・キャピタルワークスで直接口座を設けるか、または各販売会社で購入できる。

    楽天FX、3通貨ペアの建玉上限引き下げ
    楽天証券は5月25日、FXサービス「楽天FX」および「楽天MT5」において3つの新興国通貨ペアの建玉上限の引き下げを発表した。対象は「南アフリカランド/円」「メキシコペソ/円」「人民元/円」。引き下げは6月7日以降の取引から。

    現行の建玉上限は30億円相当。引き下げ以降、「南アフリカランド/円」および「メキシコペソ/円」は1億通貨まで、「人民元/円」は2,500万通貨(楽天FX口座のみ)が上限となる。なお、「トルコリラ/円」は2021年5月1日以降300万通貨が上限となっている。

    松井証券、投資信託23銘柄を追加
    松井証券は5月26日、投資信託の追加を発表した。ESG・SDGs関連など23銘柄を加える。追加は5月31日の予定。同社の取扱投資信託は1,476本となる見込み。

    投資信託の取り扱いは各証券会社で異なる。ネット証券ではともに2,600本以上取り扱うSBI証券と楽天証券が先行している。

    松井証券は取り扱いを増やすとともに、投資信託の保有金額に応じてキャッシュバックを行う「現金還元サービス」などで顧客獲得を目指す。

    大和G「CONNECT」、マイナンバー登録をアプリで完結
    大和証券グループ本社は5月27日、グループ傘下「CONNECT」において証券口座開設アプリの導入を発表した。これまで本人確認書類画像のアップロードや簡易書留の受け取りが必要だったが、当アプリで省略できる。

    アプリではスマートフォンとマイナンバーカードを接触させることでICチップ情報を読み取り、住所等の入力およびマイナンバーの提出が可能。本人確認書類画像のアップロードは不要だ。

    アプリの開発者は大日本印刷。総務大臣認定サイバートラスト社の本人確認サービスと連動しており、リアルタイムに本人確認が実施される。

    マネックス証券、米国株の積み立てサービス提供へ
    マネックス証券は5月28日、米国株の「定期買付サービス」の提供を発表した。サービスの開始は6月上旬の予定。

    同サービスは「配当金再投資サービス」と「日付指定 定期買付サービス(毎月買付)」に分けられる。前者では保有銘柄で配当金が支払われた場合に、配当金を上限として同一銘柄を買い付ける。後者は選択した日付において、指定した金額を上限に指定の銘柄を買い付ける。

    対象はマネックス証券が取り扱う米国株(ETF含む)となる予定。

    |文・編集:coindesk JAPAN編集部|画像:Shutterstock.com

  • 行動にブレーキをかける「認知的不協和」
    ──知らずにチャンスを逸失?
    【投資で勝つ心理学・第5回】

    「ビットコインなんて水もの、投資の価値なし」と豪語していたものの、ビットコイン投資で新たな勝ち組も登場しているのを見て心がざわつく──。BTCが過去最高値を更新しつづける今、まさにそういう気持ちの人は少なくないだろう。このまま何もしないのか。それとも、「今からでも遅くはない」と飛びつくのか……。

    最終回の今回は、そんな気持ちになった後にとった行動が違う4人に訪れた結末を紹介しよう。

    過去の自分の認知が、今の自分をしばる時
    選択肢1「何もしない」
    野口さん(仮名、48歳)の選択は、「何もしない」だった。

    ビットコインについて知った時、野口さんは「実体のない通貨の価値なんて、すぐに失われる」と考えた。その直後、予想通りにビットコイン価格は大幅に下落した。野口さんは同僚との雑談でビットコインを否定する持論を展開した。

    しかしそれからしばらく経った今、ビットコインは最高値を更新し続けている。それでも野口さんは、頑なに自分の意見を変えなかった。

    実は得をしている人以上に損をしている人がいるはずだ。利益を出したのはほんの一握りの運のいい人だけだ。利益を出している人も数年後にはどうなっているかわからない。本当に儲けているのは一部の富裕層だけだろう――。野口さんはそう繰り返し、ついにはビットコイン投資を始めることはなかった。

    選択肢2「行動した(だけ)」
    園田さん(仮名、31歳)は、すぐに行動した。しかし、“行動しただけ”だった。

    SNSでビットコインを知ってすぐ、「これからの時代は暗号資産だ!」と確信。口座開設し、意気揚々とビットコイン投資を始めた。ビットコイン投資なら、子育ての合間でもスキマ時間で取り組める。うまくいったらSNSで投稿しよう。

    しかし、タイミングを誤り数十万円の含み損を抱えてしまう。怖くなった園田さんは、そのままビットコインを日本円に換えて損失を確定させてしまった。

    損をしたけど有益な経験だった。投資の仕組みを理解できたし、ニュースを見る習慣も身につき、自分にとってはプラスになった――。

    園田さんは、投資の結果は伏せた上でSNSでビットコイン投資に関するポジティブな投稿をした。そうすることで気持ちが救われた気がした。

    過去の自分にとらわれず、チャンスをつかむ
    選択肢3「自分の誤りを認め、前進」
    南さん(仮名、32歳)は、自分の誤りを認めることで、乗り遅れることなく流れをつかんだ。

    数年前は、「ビットコインへの投資はリスクが高すぎる」と考えており、同僚や友人にそう持論を展開したこともあった。しかし、ビットコイン値上がりのニュースを見て、過去の自分が間違っていたかもしれないと思うようになった。

    南さんは自分なりにビットコインについて調べ、投資の価値ありと判断。どきどきしながら口座開設し、まとまった金額をビットコインに換えた。

    早めに行動したおかげで南さんは相場上昇の波に乗ることができ、数ヵ月の間に資産は約2倍になった。

    選択肢4「行動し、結果を受け止めた」
    梶谷さん(仮名、40歳)は、子どもの大学進学をきっかけに、空き時間で投資を始めようと考えた。以前から興味のあったビットコイン投資を始めてみたものの、タイミングが悪く数十万円の損失を出してしまった。

    梶谷さんは意気揚々とビットコインに投資した自分を少し恥じた。その後、しっかり失敗と向き合い勉強するうちに、自分の読みが甘かったことを痛感。暗号資産専門メディアで情報収集し、タイミングを見極めて再び投資。その後、短期投資で利益を積み上げることに成功している。

    「認知的不協和」が生じて矛盾を解消しようとする心理
    以上4人の違いを比較していこう。ビットコイン投資で利益を出すことに成功した南さんと梶谷さん。一方、チャンスをつかめず成功にいたらなかった野口さんと園田さん。

    まず野口さんと園田さんは共通してしばられていたものがある。

    それは過去の自分の“認知”だ。

    人間は、2つの矛盾する認知を抱くと不快感を覚える。たとえば、ある物事に対して過去にネガティブな意見を言った場合、そのあとに出てきたポジティブな情報・事実からは目をそむけたくなる。過去の自分の認知と、整合性がとれないからだ。

    心理学ではこれを「認知的不協和(にんちてきふきょうわ)」と呼ぶ。認知的不協和が生じると、人間は認知的不協和を解消し整合性を持たせるため、自分自身の“認知”を歪めてしまう。

    「何もしなかった」野口さんと「行動しただけ」の園田さんの事例をみてみよう。

    野口さんの場合――「ビットコインは水もの」と言った自分が足かせ・ブレーキに
    認知a:「仮想通貨なんて水もの、投資の価値なし」と言った過去の自分
    認知b:仮想通貨が値上がりし、利益を出した人が存在するという事実

    認知aと認知bは矛盾している。そのため、野口さんは矛盾に耐えきれず、認知bを次のように変えることで、認知aと整合性を持たせようとした。

    認知b

    認知b’
    ・実は得をしている人以上に損をしている人がいるはずだ。
    ・利益を出したのはほんの一握りの運のいい人だけだ。
    ・利益を出している人も数年後にはどうなっているかわからない。
    ・本当に儲けているのは一部の富裕層だけだろう。

    園田さんの場合――意気揚々とビットコイン投資を始めた自分がブレーキに
    認知c:意気揚々とビットコインを始めた過去の自分
    認知d:ビットコイン投資で数十万円の損失を出してしまった

    認知cと認知dは矛盾している。そのため、野口さんは矛盾に耐えきれず、認知dを次のように変えることで、認知cと整合性を持たせようとした。

    認知d

    認知d’
    ・有益な経験だった。
    ・投資の仕組みを理解できた。
    ・ニュースを見る習慣が身につき、自分にとってプラスになった。

    認知的不協和に耐え切れず認知を歪めてしまうと、現実を正しく受け止めることができない。結果的に、過去の自分に縛られて、チャンスを逃すことになりかねない。

    「すっぱい葡萄」と「甘いレモン」に要注意
    認知的不協和は、イソップ童話の「すっぱい葡萄(ぶどう)」によく表れている。

    「すっぱい葡萄」とは
    お腹をすかせたキツネは、木の上のぶどうをとろうとするが、気が高すぎて届かない。キツネは「どうせあの葡萄はすっぱいに違いない」と言ってその場を立ち去った。

    これとは逆の例が、「甘いレモン」だ。

    「甘いレモン」とは
    レモンしか手に入らなかった人は、すっぱそうな顔をしながらも「このレモンはなんて甘くておいしいんだ」と思い込もうとする。

    野口さんの事例は、「すっぱい葡萄」に近い。自分がチャンスをつかめなかったという事実を認められず「価値がない」と決めつけた。園田さんの事例は「甘いレモン」に近い。自分が損失を出したという事実を認められず、価値のある経験だったと思い込もうとした。

    投資をするなら、くれぐれも「すっぱい葡萄」と「甘いレモン」には注意したい。

    認知的不協和に耐え、矛盾を直視する勇気
    あらゆる場面で、私たちは意見を持ち、判断を下す。その際に、自分の意見・判断に認知的不協和がひそんでいないか注意しよう。

    具体的にどうすればいいのか?

    それは、「自分の誤りを認めることを恐れず、事実と向き合う」ことだ。「自分の誤りを認めて前進」した南さん(選択肢3)と「行動し結果を受け止めた」梶谷さんの事例(選択肢4)をみてみよう。

    南さんは、自分自身の過去の認知を疑い、情報収集をして誤りだと認めた。そうすることで、認知を歪めるのではなく、自分自身の行動を変えて一歩を踏み出すことができた。

    梶谷さんは損失を出した時、その事実を受け入れとことん向き合った。認知を歪めるのではなく、行動を改善した。結果的に、失敗から学び、成功をつかみ取ることができた。

    以上の事例をまとめてみよう。

    認知a:ビットコイン投資へのネガティブな印象
    認知b:ビットコインで利益を出した人がいる(ポジティブな情報)
    認知c:ビットコイン投資へのポジティブな印象
    認知d:ビットコイン投資で損失を出してしまった(ネガティブな結果)
    野口さん……認知bを歪めることで、過去の認知aを正当化しようとした
    南さん……過去の認知aを疑い、情報収集した上で、認知aを誤りだと認めた
    園田さん……認知dを歪めることで、過去の認知cを正当化しようとした
    梶谷さん……認知dと向き合い、行動を変えることで、認知dの結果そのものを変えた
    「過去の自分を正当化したい」という気持ちは、時として判断力を鈍らせる。認知的不協和が生じた時は、少し立ち止まって、認知の矛盾に目を向けるといいだろう。

  • 「負けが続いたから、次は勝つだろう」にひそむ罠
    ──ギャンブラーの誤謬
    【投資で勝つ心理学・第4回】

    「次こそは勝てるはず!」そう思ってビットコインを買ったものの、予想に反してじわじわと値下がりし、ついには損切ラインを超える。すでに損失は数十万円――。頭を抱えてチャート画面を見つめる今回の主人公・広瀬さん(仮名、29歳)。彼は、自分が「ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)」に陥っていることを知るよしもなかった。

    「次は勝てるはず」という安易な判断が、損失を積み上げる結果に
    広瀬さんは、ネットニュースを見るうちに、暗号資産に興味を持つようになった。長期間にわたって株式を保有し、株価に一喜一憂するような投資は、自分には向いていない。短期的に、大きな利益を出したい。そう考える広瀬さんにとって、暗号資産の値動きの激しさは魅力的に映った。

    暴落のニュースを見て投資すれば、手間をかけずとも、簡単に利益を出せるのではないか。

    そう思い、広瀬さんは投資を始めるために口座を開設。ちょうど暴落のニュースが出たタイミングで、20万円をビットコインに換えた。その後、数時間で相場は急回復し、元手の1.5倍になったタイミングでビットコインを日本円に換えて利益確定した。

    たったの数時間で、10万円のプラス。コツをつかめたと感じた広瀬さんは、次の暴落のニュースが出るのを待って、50万円をビットコインに換えた。

    しかし、今度は思うように相場が回復しない。じわじわと損失がふくらんでいく。広瀬さんはやむを得ず含み損を抱えた状態で損切した。まだまだこれからだ。広瀬さんは、その後も短期投資を繰り返すが、負けが続く。すでに損失の累計額は数十万円。だが、負けるほどに「これだけ負けが続けば、次こそは勝つだろう」という期待から、ビットコイン投資をやめることができない。

    広瀬さんは、知らぬ間に「ギャンブラーの誤謬」に陥っていた。

    冷静な状況判断で、反転のタイミングを見極め
    時を同じくして、ビットコイン投資を始めた川崎さん(仮名、35歳)。値動きの激しさを利用すれば、短期的に大きな利益を出せるのではないかという期待感があった。

    まずは口座開設し、暴落のニュースを待つ。大きく値下がりしたタイミングで、日本円をビットコインに換えた。その後、数回にわたって負けが続いたところまでは広瀬さんと同じだった。

    しかし、川崎さんは「これだけ負けが続けば次こそは勝てるのでは?」という希望的観測を打ち消し、原因分析を行った。まず、暴落後にすぐに日本円をビットコインに換えるのは危険だ。少し待って、相場が反転したタイミングをねらおう。

    次に暴落のニュースが出た時、川崎さんははやる気持ちを抑えて様子見に徹した。その後、相場回復の兆しが見えたタイミングで日本円をビットコインに換えた。流れに乗れた川崎さんは、見事に利益を出すことに成功した。

    “次こそは”という思考が危険――ギャンブラーの誤謬とは?
    これだけ負けが続けば、次は勝つだろう。失敗続きだから、次こそは成功するだろう。いい加減、運が向いてくるだろう――。

    実は多くの人が、無意識にこのような考え方にとらわれている。これを「ギャンブラーの誤謬(ごびゅう)」と呼ぶ。

    たとえば、コイントスをしている状況を思い浮かべてみよう。1回目から6回目まで、表が出た。7回目に表が出る確率と裏が出る確率は、どちらが高いだろうか?

    これまでずっと表が出ているんだから、7回目は裏が出る可能性が高いのではないか。こう思ったとしたら、「ギャンブラーの誤謬」にとらわれていることになる。

    冷静に考えれば、表が出る確率も裏が出る確率も、どちらも2分の1だ。1~6回目の結果によって、表と裏のどちらかが出る確率が上がるわけではない。

    しかし、私たちの多くは「ギャンブラーの誤謬」を実感として経験したことがあるだろう。ギャンブラーの誤謬が起こる理由は、私たちが「大数(たいすう)の法則」を当てはめて考えているからだ。

    「大数の法則」とは、試行回数を増やすと、確率が限りなく理論値に近づくことをいう。たとえば、6回しかコイントスをしなければ、6回とも表が出て1回も裏が出ないということも起こりうる。

    しかし、10万回コイントスをしたらどうなるだろうか。試行回数が増えると、自然と表が出る確率も裏が出る確率も、理論値の2分の1に収束していく。これが大数の法則だ。

    大数の法則は、試行回数が少なければ成立しない。しかし私たちは、少ない試行回数でも、無意識に大数の法則を当てはめて未来を予測しようとする傾向がある。これが「ギャンブラーの誤謬」を生み出すことにつながるのだ。

    ギャンブラーの誤謬に陥らないために
    広瀬さんは「ギャンブラーの誤謬」に陥り、負け続けているにもかかわらず投資を続け、損失を積み重ねてしまった。そうならないためには、どうすればよかったのだろうか。

    大切なのは、原因を分析し、判断基準を増やすことだ。

    1 原因を分析する
    なぜ負けているのか、原因はどこにあるのかを分析する。投資のタイミングが問題なのか、損切ルールが厳しすぎるのか、損切ルールを守れていないのか。負けている理由を冷静に分析することが大切だ。

    2 判断基準を増やす
    直観的な判断に頼らず、判断基準を増やすことで、根拠を持って投資できるようになる。判断基準を増やすには、テクニカル分析等を学ぶのも効果的だ。

    同じ時期にビットコイン投資を始め、失敗した広瀬さんと、成功した川崎さん。きちんと負けた原因と向き合っていれば、広瀬さんも「ギャンブラーの誤謬」に陥ることはなかったかもしれない。

    希望的観測に惑わされず、冷静な状況判断を心がけよう。

  • 「ビットコイン投資の大損は単なる不運」は本当か?
    ──関心度で情報のとらえ方と行動が変わる
    【投資で勝つ心理学・第3回】

    「初めてのビットコイン投資で大損したよ。まあ、今回は運が悪かったんだ。また挑戦して、今度は勝つさ」

    「実は、俺も最近ビットコイン投資で損をしたんだ。お互い不運だったなぁ」

    職場の休憩室で愚痴をこぼしながら、コーヒーを飲む田沢さんと安藤さん。「俺たちは運が悪かっただけだ」――。2人の失敗は果たして不運の結果と言えるのだろうか?

    それは本当に「不運」と呼べるか?
    田沢さん(仮名、34歳)はもともと、暗号資産にそこまで興味があったわけじゃなかった。きっかけは、弟からの「今、ビットコインが熱い」という連絡。弟がビットコインで儲けたと知り、対抗心から自分も投資してみようと考えた。

    早速自宅で調べたところ、ビットコインの価格が昨日からの1日で30%も上がっている。過去の推移を見てもずっと伸びてきている。「このままでは乗り遅れてしまう」。すぐに口座を開設して入金、ボーナス1回分くらいの金額を思い切ってビットコインに換えた。

    しかし、数時間後にアプリを開くと大幅に下落していた。1ヵ月分くらいの給料がまるまる消えている。その間にも資産は目減りしていく。「このまま半分、もっと少なくなったらどうしよう……」。我慢できずに震える手ですべてのビットコインを日本円に戻した。たった1日で田沢さんは数十万円を失ってしまった。

    一方の安藤さん(仮名、34歳)は、かねてからビットコインに興味を持っていた。社会人5年目になり、役職がついたのを機に、コツコツと貯めた貯金でビットコインに投資しようと決意。取引所に口座を開設し、思い切ってそこまでに貯めたお金をビットコインに投じた。

    アナリストのビットコインに関する予測を読み、数年後には資産が5倍10倍になるかもしれない、とわくわくしながら過ごした。しかし、ほんの数日でビットコインは下落。コツコツと蓄えた貯金が減っていく恐怖に、夜も眠れなくなった。貯金が半減した時点で、たまらずビットコインを日本円に換え、損失を確定させてしまった。安藤さんはビットコイン投資を始めた数日前の自分を呪ったが、後の祭りだった。

    「順番」があなたの選択を変えているかも?
    “不運”だと嘆く田沢さんと安藤さんは、本当に運が悪かっただけなのだろうか?

    実は、2人が暗号資産について調べた時の「順番」が、無意識に選択に影響していた可能性がある。

    心理学で、次のような実験がある。

    まず、被験者にパソコンの前に座ってもらい、「みかん」「りんご」「ぶどう」など20個の単語をランダムに表示する。表示が終わったら、被験者に思い出した単語を挙げてもらう。この実験では、最初の単語と最後の単語の再生率(被験者が思い出す確率)が高いことが分かっている。

    この効果は、「初頭効果」と「親近性効果」と呼ばれている。

    初頭効果(しょとうこうか)……最初に触れた情報が印象に残りやすい効果。親近性効果(しんきんせいこうか)……最後に触れた情報が印象に残りやすい効果。

    2つの効果を並べてみると、「結局、最初に触れた情報と最後に触れた情報のどっちが記憶に残りやすいんだ?」と疑問に思うかもしれない。2つの効果がどんなタイミングで出現するかは諸説あるが、関心度が低いと初頭効果が表れやすく、関心度が高いと親近性効果が表れやすいという説がある。

    つまり、関心度が低い時は最初に触れた情報が印象に残りやすく、関心度が高い時は最後に触れた情報が印象に残りやすいということだ。

    避けられたかもしれない「不運」
    「初頭効果」と「親近性効果」を意識すると、田沢さんと安藤さんが無意識に「順番」に踊らされていた可能性が見えてくる。

    田沢さんは、暗号資産への関心が薄かった。だからこそ、「初頭効果」が強く出て、最初に調べた情報が強く印象に残った。

    一方の安藤さんは、暗号資産(ビットコイン)への関心が強かった。だからこそ、「親近性効果」の影響が強く出て、最後に調べた情報が強く印象に残った。

    結果的に2人は、きちんと比較検討することなく、直感を頼りにビットコインに投資してしまった。田沢さんも安藤さんも、自分で暗号資産を“選択したつもり”で、実は「初頭効果」と「親近性効果」の虜になっていたにすぎない。

    「最初」と「最後」の呪縛を振り切る
    田沢さんと安藤さんは一体どうすればよかったのだろうか。

    田沢さんは、自分の関心度の低さを意識し、最初に触れた情報にとらわれず投資判断をすべきだった。安藤さんは、自分の関心度の高さを意識し、最後に触れた情報にとらわれず投資判断をすべきだった。

    「順番」の呪縛を振り切るためには、具体的にどうすればいいのか。

    まず、「順番」が自分の判断に少なからず影響を与えることを知っておくべきだ。意識するだけでも、無意識の影響が及ぶ範囲を抑えることができるからだ。

    その上で、具体的には次のような対策を心がけたい。

    1 調べる前に、自分自身の関心が高いか低いかを知る。2 関心が低いなら「初頭効果」、関心が高いなら「親近性効果」に影響されていないか省みる。

    その他に、「集めた情報を公平に比較・判断・検討できるよう表にまとめる」「一定の時間をおき、最初に調べた時とは逆の順番で情報を検索する」といった対策方法も効果的だ。

    無意識に踊らされているようでは、一流の投資家にはなれない。自分自身の無意識に敏感になり、自己を制御できてこそ、投資家としての成功の道が開けるだろう。

    |文:木崎 涼|編集:濱田 優|画像:Shutterstock.com

  • 「みんなビットコイン投資しているから大丈夫」の根拠とは
    ──投資に勝つために理解したい「同調圧力」
    【投資で勝つ心理学・第2回】

    “みんな”に惑わされて投資した山尾さんの失敗
    深夜2時、布団の中でスマホのチャート画面を見ながら、会社員の山尾さん(仮名、33歳)は絶望の淵にあった。数日前に買ったビットコインが下降を続け、たった数日で、給料数ヵ月分を失ってしまったのだ。

    「これ以上失うのは無理」と山尾さんはビットコインをすべて日本円にした。100万円に近い額を失った山尾さん。幼いころから、「みんなと同じことをしていれば、間違いない」という考えの持ち主で、今回も「みんながビットコイン買ってるから間違いない」──そう思って買ったのだった。

    話は数日前にさかのぼる。SNSでつながっている知人や、フォロワーの多い有名人がビットコイン投資を始めているようだ。「“みんな”始めているなら、きっと大丈夫」だ。山尾さんはそのままアプリをダウンロードしてビットコイン投資を始めた。

    SNSに投資を始めたと書くと、早速「ビットコイン仲間ですね」と反応があった。その彼は元手を5倍に増やしたという。チャートは順調に上がっている。元手が小さいと効率が悪いと考え、思い切って100万円をビットコインに投資した。早く大きな利益を出してフォロワーに報告したい気持ちもあった。

    数日後、ニュースで「ビットコイン前日比大幅マイナス」という文字を見かけ、震える手でチャート画面を開く。大暴落が起き、含み損は既に数十万円。深夜まで粘ったが、「上がれ」という祈りもむなしく下落する一方だ。結局2時間もしないうちに、損切りしたのだった。

    冷静にチャンスを見極め、ビットコイン投資に成功した三島さんのケース
    山尾さんのように失敗した人もいれば、未経験からビットコイン投資を始め、着実に資産形成できた人もいる。三島さん(仮名、31歳)は、山尾さんと同じようにSNSで「ビットコイン投資を始めた」という投稿を見て興味を持った。チャートは順調に上がっている。ふと「自分も今始めないと、乗り遅れるのでは?」と不安がよぎった。

    しかし、不安に踊らされて投資を始めるのはよくないと考え、暗号資産を専門とするメディアでビットコインの情報収集を始めた。投資家やアナリストの分析を読み、今ビットコイン投資をスタートすると、高値づかみしてしまうリスクがあると判断。SNSでの盛り上がりをしり目に、自分は口座開設してチャートを見守るにとどめた。

    そうして待ちわびた暴落のニュースが届いた時、「チャンス」と思い、反転し始めたところでビットコイン投資をスタート。チャートは順調に回復し、たった数日間で給料数ヵ月分の利益を得ることに成功した。

    投資家の足かせとなる「同調圧力」とは?
    山尾さんと三島さんの違いはどこにあるのか。

    人間は社会的な生き物だ。他者の意見にまったく影響を受けずにいることは難しい。人間が他者の意見におのずから合わせてしまうことを、心理学で「同調」という。また、「無意識に周りに同調するよう自分で自分にかけてしまう圧力」のことを「同調圧力」と呼ぶ。

    一般的に「同調圧力」というと、周囲が本人に同調を促すため、説得したり強要・プレッシャーをかけたりといったことをイメージするかもしれない。しかし、心理学の同調圧力はそれとは異なる。むしろ同調してしまう側の、無意識の心の働きを同調圧力と呼ぶ。

    同調圧力は、さまざまな場面で私たちの判断に多大な影響を与えている。投資も例外ではない。無意識の同調圧力に屈することで、知らずに投資判断を誤ってしまうかもしれない。

    密室で起こる奇妙な選択――3本の線の問題
    同調圧力について理解を深めるため、社会心理学で有名な「同調実験」を紹介しよう。

    実験ではまず、密室内に試験官と被験者複数名が集められる。しかし、被験者複数名のうち、本物の被験者は1人でそれ以外はサクラ(被験者のふりをした研究者)だ。試験官が実験開始を告げ、「見本と同じ長さの線は、ABCのどれですか」と質問する。

    見本:────―
    A :――
    B :―─────────―
    C :―────

    答えは誰が見ても、明らかに「C」だ。しかし、順番に答えを聞かれた被験者以外のサクラは、みな「B」と答える。自分の順番になった時、被験者は正答である「C」を選べるのか、同調圧力に屈して「B」と回答してしまうのか。

    実は、実験では多くの人が同調してしまうことが明らかにされている。このように、正答が明らかな場合であっても、同調圧力に抗うのは非常に難しい。

    「同調圧力」で読み解く山尾さんの失敗理由
    山尾さんの失敗理由を、同調圧力で説明してみよう。山尾さんは「ビットコイン投資を始めた」という複数のSNS投稿をみて、その意見に同調してしまった。

    リアルな密室でなくとも、SNSなどのコミュニティにおいては、同調圧力が働くことがある。必ずしも全員でなくとも、本人が「“みんな”が〇〇をしている」と感じると、同調圧力の影響を受ける。

    山尾さんは同調圧力によって判断がゆがめられたことに、最後まで気づけなかった。

    「同調圧力」に気づくことが打ち克つための第一歩
    私たちは日常生活で、「みんなの意見」を無視することはできない。しかし、それに影響を受けて自分の判断がブレないよう、注意することはできる。

    まずは同調圧力について知り、自分の心に同調圧力が働いていることを意識することが、同調圧力に惑わされず正しい判断をするための第一歩だ。同調圧力に屈しないために、次のステップを踏むことが効果的だ。

    1.他者(特に複数人)の意見を聞き、自分も同じ意見を持ちそうになった時、同調圧力が働いていることを意識する。
    2.同調圧力が働いていることを踏まえ、あえて逆の選択肢をよく検討する。必要に応じて情報収集を行い、判断の根拠とする。

    周りの意見に影響されることは、悪いことではない。しかし、周りの意見に流され、自分の判断力を磨くことを怠ると、仕事でも投資でも成功することはできない。易きに流されず、自分の心の動きを理解することに努め、判断力を常に磨くようにしたい。

    第1回 ビットコイン投資で“資産5倍”と“半減”──2人の投資家の明暗を分けた「確証バイアス」

    |文:木崎 涼
    |編集:濱田 優
    |画像:ibreakstock / Shutterstock.com

  • >>28

    確証バイアスに陥らないようにするためには、次の2つのステップを踏むことが効果的だ。

    1 確証バイアスに陥っていることを自覚する。
    2 自分の確証バイアスと反対の意見に触れる。

    まずは情報収集の際に一度立ち止まって、自分の心の動きを見つめてみよう。「今の自分は、投資を始めたくてウズウズしている」「投資で成功し、友人にいい結果を報告したいと考えている」といった自分の無意識に気づけば、それと反対の情報をあえて意識的にとりにいく。こうすることで、情報収集のバランスがとれる。

    投資をするなら、「確証バイアスに陥っていないか」を常に自分に問いかけ、自分の「ほしい情報」とは逆の情報を意識的にとりにいくことが大切だ。

    |文:木崎 涼
    |編集:濱田 優
    |画像:Benjavisa Ruangvaree Art, Sira Anamwong / Shutterstock.com

  • ビットコイン投資で“資産5倍”と“半減”──2人の投資家の明暗を分けた「確証バイアス」
    【投資で勝つ心理学・第1回】

    【連載・全5回】投資で勝つ心理学
    「あの時買ったらよかった」「売っていればこんなことにはならなかった」……。投資も歴史も「たら」「れば」は禁物。後で振り返れば当然別の選択をしたはずなのに、実際にその場面・局面ではできない。だがそういうときの心理状態を冷静かつ客観的に見極めれば、誤った投資判断は防げるかもしれない。投資で勝つために、分かっているようで分かっていない自分の「心理」を分析するための心理学。

    “無意識”に踊らされた中村さんの失敗
    「なんでボーナス150万を全額ビットコインにしちゃったんだろう……たった数日で70万になってしまった!」──。

    頭をかきむしって一人叫ぶ会社員の中村さん(仮名、42歳)。意気揚々と始めたはずのビットコイン投資で、まさかこんなことになるなんて。間違いは、どこにあったのだろうか。

    中村さんは平均よりは高年収、職場でも管理職。家庭も円満で公私ともに充実しているが、資産運用経験はない。ある日、信頼する友人と食事に行き、数年前からビットコインに投資していると聞いた。友人は暗号資産(仮想通貨)の技術的な側面を評価しており、投資で元手を5倍近くに増やしたという。

    興味を持った中村さんは、帰宅後さっそくビットコインについて調べた。今後も値上がりするだろうという専門家のレポートをいくつも読んで確信を深め、「今年のボーナスは投資に回そう」と決めた。

    口座を開き、チャートを見るとビットコインの価格は値上がりしている最中だった。試しに20万円をビットコインに投資すると、数千円値上がりしたものの、そのあと価格が下がり始めた。「高値の時に投資してしまったかもな」。要領をつかめたと感じた中村さんは、思い切ってボーナスの全額をビットコインに投資することにした。少しずつ入金するより、まとめて投資したほうが手数料がかからないだろう。ちょうど下がっている場面でもあり、ボーナス相当額の150万円をビットコインにした。わくわくしながらチャートを見守ったが、チャートに大きな動きは見られないので、その日は眠ることにした。

    翌日から仕事上のトラブルが続き、中村さんが次にチャートを見たのは4日後だった。「もし2倍になっていたら300万円、3倍になっていたら450万円だ」。わくわくしながらチャートを見て、中村さんは目を疑った。

    ビットコインはかなり値下がりしていたのだ。下がり始めたのは、150万円を投資した数時間後のこと。現在のレートで日本円に替えると、受け取れる金額はたったの70万円……。ほんの数日で、ボーナスが半減してしまった。

    友人にはできて、なぜ自分にはできないのだろう。

    その後もチャートは下落を続け、換金できる日本円が60万円になった時点で、たまらず中村さんは全額日本円で引き出した。画面上とはいえ、これ以上、資産が減っていくのを見ていられなかった。投資はもうこりごりだ。中村さんは暗い気持ちで、半減したボーナスの金額を見つめていた。初めての投資は、中村さんにとって手痛い失敗の経験となった。

    同じくビットコイン投資を始め、成功した岡田さんのケース
    まったくの未経験からビットコイン投資を始め、着実に資産形成できた人もいる。岡田さん(仮名、36歳)は、なぜ成功できたのか。中村さんの失敗事例と対比しながらみていこう。

    会社員の岡田さんは、投資を始めたいと考え、投資経験のある信頼できる友人に電話で相談した。友人からは、ビットコイン投資をすすめられた。実際に友人はビットコイン投資で、元手を5倍にまで増やしたという。

    岡田さんは電話を切ってから、ビットコイン投資について調べ始めた。友人の話から、ビットコイン投資に対してポジティブな印象が強くなり、期待感が高まっている。そう気づいた岡田さんは、あえてビットコイン投資に対するネガティブな情報を積極的に探した。

    その結果、ビットコイン投資そのものは魅力的だが、今は市況が不安定で初心者にはリスクが高すぎると判断。過去のチャートを見ても変動幅が大きいことも分かった。ボーナスが入ったばかりで早く投資を始めたかったが、ぐっとこらえた。

    しばらくは価格が乱高下する不安定な相場が続いたが、かなり下がった後、少しずつ相場が上昇を始めた。岡田さん上昇に転じたタイミングで、すかさず投資をスタート。それも、一気に全額で買うのではなく、少しずつ買っていった。さらに、一定の評価額に達成したら、半分売ってもう半分は残した。そうして着実に利益を確定させていった。

    価格が過去最高を記録し、チャートの動きが鈍り始めたところですべてのビットコインを売却し、岡田さんは数時間のうちにボーナスを1.5倍に増やすことに成功したのだった。

    投資家が陥る無意識の罠「確証バイアス」
    中村さんと岡田さんの違いはどこにあったのか。その違いを説明できるのが、心の内にひそむ「確証バイアス」だ。これは、自分が考えている仮説が正しいと証明できる情報ばかり集め、反証の情報を集めようとしない、さらには無視しようとする心の動きだ。

    中村さんは「ビットコイン投資を始める根拠」ばかりを探していたのに対し、岡田さんは「ビットコイン投資が危険かもしれない情報」も集めていた。

    投資では情報収集が大切だといわれるが、そもそも心をコントロールできていなければ、フラットに情報を得ることはできない。正しい投資判断をするには、無意識にひそむ「確証バイアス」を見極め、意識的に心をコントロールすることが大切だ。

    (さらに、中村さんが予算を一気に投資に回したのに対し、岡田さんは分散投資をして少しずつ投じたという違いもある。中村さんが投資した後に一気に価格が上がっていれば、中村さんの資産も激増していたはずだが、残念ながらそうならなかった。期待リターンが高いということは、それだけリスクも大きいのだ)

    あなたは正しく回答できるか?4枚のカード問題

    確証バイアスが広く知られるきっかけとなったのが、「ウェイソン選択問題」と呼ばれる4枚のカード問題だ。次のようなカードが4枚ある状況を思い浮かべてみてほしい。

    「7」「4」「赤」「青」

    カードには、表に数字が書かれており、裏には色を表す漢字が書かれている。ここで、「偶数が書かれたカードの裏は青と書かれている」という仮説を検証するには、どのカードをひっくり返せばいいだろうか?

    この問題を解くカギは、論理学における命題と対偶の関係だ。論理学に、「命題の真偽と対偶の真偽は一致する」という法則がある。この点を踏まえて、命題の逆・裏・対偶をみてみよう。

    命題:偶数が書かれたカードの裏は青
    (pならばq)
    逆:青いカードの裏は偶数が書かれている
    (qならばp)
    裏:奇数が書かれたカードの裏は赤
    (pでないならばqでない)
    対偶:赤いカードの裏は奇数が書かれている
    (qでないならばpでない)

    つまり、問題を解くには、「命題」と「対偶」が真であることを証明すればいい。すなわち正当は偶数である「4」と「赤」だ。

    「4」の裏が「青」なら命題が正しいと証明され、「赤」の裏が「奇数」なら対偶が正しいと証明される。この2つの事実で、仮説の検証が完了する。

    しかし、実際には多くの被験者が「4」「青」と回答した。これを心理学者のウェイソンは、「仮説を確証し、仮説と一致する情報を探す傾向=確証バイアス」で説明した。被験者は「4」の裏が「青」で、「青」の裏が偶数であることを確かめようとしたと考えたのだ。

    ウェイソン選択問題については、その後マッチングバイアス説も登場したが、人間の判断を狂わせる「確証バイアス」は現在もさまざまなシーンで取り上げられている。

    「確証バイアス」で読み解く中村さんの失敗理由
    話を中村さんのエピソードに戻そう。今回のエピソードを論理学で考察すると、どうなるだろうか。

    中村さんはこう判断した。

    「友人は信頼できる→ビットコイン投資はいい(pならばq)」

    これを命題とすると、対偶はこうなる。

    「ビットコイン投資はよくない→友人は信頼できない(qでないならばpでない)」

    中村さんは対偶の可能性があることを意識し、ビットコイン投資のポジティブな情報だけでなく、ネガティブな情報にも注目すべきだったといえるだろう。

    「確証バイアス」の考え方は、客観的に情報を取り扱う上で常に意識しておきたい心の働きであり、成果をあげる投資家や科学者に広く認知されている概念だ。

    情報の“質”を担保するため、無意識の逆をいく
    「投資は情報戦」といわれる。情報戦を勝ち抜くには、情報の量だけでなく、質が大事だ。情報収集に多くの時間を費やしたとしても、確証バイアスに陥った状態でかたよった情報ばかり集めていたら、投資判断を誤ることになる。また、どんなにいい情報を集めても、そこから評価・判断する際にバイアスがかかっていれば、それもまた誤った投資判断につながってしまう。

  • 2021年は10年後の変革を先取りする1年に

    「2021年は、コロナ禍がなかった場合の2030年に相当するものになる」――。インターネットイニシアティブ(IIJ)の勝栄二郎社長は2021年の年頭あいさつで、10年後の未来の先取りを予測する。確かに、新型コロナウイルス感染症の拡大が企業の経営や仕事の仕方、個人の生活を大きく変え、従来型のビジネスモデルや業務プロセスを続けていたら、企業経営は立ち行かなくなるかもしれない。

     その変革を可能にするテクノロジーがインターネットやクラウドと、その上に構築するプラットフォームになる。そう主張する勝社長は「全てのモノがインターネットにつながり、全てのモノがインターネット上に構築されるIoT時代に入った」とし、自社クラウドに加えて、IoTや4K/8K映像配信、デジタル通貨などのプラットフォーム作りを始めている。そこから生み出された膨大なデータが行き来し、蓄積したデータを用いて次の一手を予測する時代になるということだ。

     ところが、政府がその基盤となるクラウドを海外ITベンダーに頼り始めているように思える施策を打ち出した。日本の大手ITベンダーや通信会社がパブリッククラウドから事実上撤退し、Amazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azureなど海外のクラウドを担ぎ始めたこともあるだろうが、問題は日本人のゲノムや農産物の種子をはじめとする重要な情報やデータを守る役割を担うクラウドへの理解不足にある。力を増す中国のクラウドを売り込む日本企業も出てきており、ユーザー企業がコストなどを考えて、海外の製品やサービスを活用することは当然のことに思えるが、国や自治体の機関は別である。

     「日本が今後、何で飯を食っているのかを官も民も考えていく必要がある」と説く勝社長は、政府が海外クラウドを率先して使うことに懸念があるようだ。データ活用の重要性を理解していたら、国産クラウドを育成、採用するはずだからだろう。勝社長が主張した国産クラウドに賛同する人はいる。国立情報学研究所(NII)の喜連川優所長は2020年12月に開催した同研究所の設立20周年記念講演会のパネルディスカッションで、米大学の自前クラウドへの切り替えなどを例に、研究者や学生らの研究からスキルなどを統合するネットワークインフラの国産クラウド活用を示唆していた。

     クラウドへの移行を加速するのは、レガシーシステムがDX(デジタル変革)の推進を妨げることにある。例えば、官公庁や1800近い自治体、関連組織が異なるハードウェアやソフトウェアをそれぞれで調達し、おおよそ5年サイクルでシステムを更新し、運用をITベンダーなどに外部に任せるなどし、数千億円のIT予算を使ってきたのに、デジタル化の遅れがコロナ対応で露呈し、社会や生活に大きな影響を及ぼした。今秋にも創設されるデジタル庁は、それを変えることに目的の一つがあると言われている。

     そんな時代、ITベンダーの主戦場はユーザーから請け負うシステム構築ではなく、クラウドとその上のプラットフォームになる。実は、約20年前に富士通の秋草直之社長(当時)がインターネットを中核とする事業領域に経営資源を集中するとし、「Everything on the Internet」と呼ぶスローガンを打ち出した。今考えると、インターネット、その先にあるクラウドをインフラとし、プラットフォームやサービスを提供するビジネスを目指したものに思える。

     ところが、全国各地にSE(システムエンジニアリング)子会社を設立するなど、違う方向に進む。PCなど一部のハードウェア事業を売却し、海外製ハードウェアやソフトウェア、クラウドなどを活用したSI(システムインテグレーション)ビジネスで収益を確保しようとしたが、業績は低迷し続ける。

     NECなども同様だ。将来のIT企業像を描けなかったのだろう。SEの確保・育成に力を入れるなどサービスの方向を見間違ったのかもしれない。国のIT産業育成策もIT人材育成に偏り、日本発のハードウェアやソフトウェア、サービスを生み出せなかった。

     結果、大手ITベンダーは海外ITベンダーの商品やサービスを扱うことになり、官公庁や自治体などに次世代システムの基盤に海外クラウドの採用を提案することになったと見られる。残された強みの官公庁と自治体という国内優良顧客を死守するためでもあろう。

     だが、富士通、NECなど大手に再参入を促したい。例えば、富士通はDX企業への変革を宣言した。自前クラウドなしに変身するのは容易なことではないだろう。各社のクラウド人材を集結し、いわゆる“日の丸クラウド”を開発する手もあるが、過去の歴史から“日の丸〇〇”の成功確率は低い。大手が手がけないのなら、IIJなど中堅ITベンダーのクラウドを採用することも可能だ。次を担うITベンダーを育成することでもある。

     新型コロナウイルス感染症の拡大が、日本の政府や企業のDX化の遅れを表面化させた。その一方で、コロナがDX化を求めているのに、2030年の未来は2021年の日本に訪れないことになるのかもしれない。「2025年の崖」から転落し、デジタル化は10年遅れになる。それを何とか避けるべきだ。

  • 今日は思ったより下がらなかったなぁ~~~
    新興も寄り底が多かった・・・
    取り合えず連休明けですな。
    休み中に底打ち願いたいw
    少し打診買いしちゃったwww

  • 【キ   タ    ァ …】

       タ
        ァ
         ァ
         ァ
          ァ
         ァ
         ァ
        ァ
       ァ
       ァ
        ァ
        ァ
     ヽ\  //
        ∧∧ 。
      ゚ (゚∀゚)っ ゚
       (っノ
        `J
    ぼうらく~~~~~!!!

  • 今日は、日経なかなかの急落でしたなw
    空売り1570他・・・ホームラン?だったw
    大分リカクしちゃったが残りどうなるか。。。
    5月半ば付近まで買いは控えよう・・・

  • 2042は上げ過ぎかな?
    取り合えず打診買いして見るか・・・
    早く気づけよ 
    こういう銘柄あったのwww
    1563は動きが悪すぎ・・・www
    出遅れか・・・???


  •    タ
        ァ
         ァ
         ァ
          ァ
         ァ
         ァ
        ァ
       ァ
       ァ
        ァ
        ァ
     ヽ\  //
        ∧∧ 。
      ゚ (゚∀゚)っ ゚
       (っノ
        `J

  • 来週から監視(気になる)銘柄
    6786・・・1400円
    7986・・・489円
    2427・・・4090円
    6079・・・623円
    4563・・・830円
    日経は調整入りか???

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