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アスカネットを応援する全国の仲間達の掲示板

セイコーエプソンが空中結像パネルを利用した面白そうな特許を取得していました。
空中結像パネルを使用した特許は他にもあるかもしれませんが、見つけたのは以下の4つです。

   発行日   特許番号  発明の名称
1.2015/11/24 5821518  光学素子および映像表示装置 (空中映像と背景の重ね合わせ)
2.2015/12/24 5834430  表示装置 (立体映像表示装置)
3.2016/09/07 5987395  表示装置 (カメラを使った空中タッチパネル)
4.2016/10/05 6003093  表示装置 (モニターの視野角を狭めて空中結像のゴースト軽減)

1と2は空中結像パネルとして情報通信研究機構の2面コーナーリフレクターアレイ(DCRA)が例示されていますが、3と4はDCRAと共にAIPと同じ構造の空中結像パネルにも触れられています。
シャープの特許も、空中結像パネルとして、情報通信研究機構→パイオニア→アスカネットの特許を参照するように変わってきています。
理論上存在する空中結像パネルではなく、「現実に調達可能な空中結像パネル」を想定してのことでしょうか。

3、4は「エプソンもやっていたんだ」くらいの感想ですが、注目は1と2ですね。
エプソン得意のプロジェクターを利用した面白い特許になっています。

まず1についてです。
ライブ等で透明スクリーンに映像を投影する演出がありますが、あのような透明スクリーンをAIP表面に重ねて配置してAIP裏側からプロジェクターで映像を投影すると、空中結像に影響を及ぼさずに透明スクリーンに映像が投影され、「空中結像の背景に映像を表示する」ことが可能になります。

空中結像パネルには

A.斜めに入った光は反射して裏側に抜ける
    / / / /
   / / / /
 ┃/┃/┃/┃/┃  光が反射面に反射する。
 ┃\┃\┃\┃\┃ 
   \ \ \ \
    \ \ \ \

B.垂直に入った光はそのまま裏側に抜ける。
  ↑ ↑ ↑ ↑
 ┃↑┃↑┃↑┃↑┃  反射面には光が当たらないのでスルー。
 ┃↑┃↑┃↑┃↑┃
  ↑ ↑ ↑ ↑

といった特徴があり、これを同時に行うことで、空中結像(A)と(空中結像パネルを素通りして)透明スクリーンへの投影(B)を両立させる仕組みです。

透明スクリーンは空中結像パネルとは反対に、垂直に当たった光のみ映像として表示されて斜めに入った光は透過する特性を持っているようで、プロジェクターの映像のみスクリーンに投影され、空中結像の映像は影響を受けないようです。

この方式はゲームや対面カウンターに応用できそうですね。
カードゲームで、手札(空中結像)は自分にしか見えず、場(スクリーンに投影)は全員に見えるとか。

続きます。