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アスカネットを応援する全国の仲間達の掲示板

>>10502

「空間映像表示装置」の内容を確認してみました。

出願人はアスカネットですが、発明者がパイオニアの人間になっていますね。
空中結像パネルを「反射型面対称結像素子」という呼び方をしているのもパイオニア流です。(アスカネットなら「光制御パネル」)
2016年3月22日のIRにあったパイオニアから譲渡された出願中の特許が本日公開されたのかと思ったら、出願日が2017年1月19日とあるのが不思議です。
譲渡された特許出願前のアイデアを今年になってアスカネットが出願したのか、パイオニアが今も研究を継続していてアイデアをアスカネットに持ち込んだのか。(そういう協力関係が出来ている?)

とりあえず技術的な解説をしてみますね。
この特許出願では反射型面対称結像素子(以下AIPとして説明)の視野角の狭さを解消する方法と、それを応用した360°の空中映像の品質向上について説明されています。

まずAIPの視野角を広げる方法ですが、AIPをワイパーのように扇状の往復運動をさせる(ワイパー軸の部分に空中映像が表示される)ことで広い視野角を実現するようです。
時計の文字盤を例に説明すると、6時の方向から12時の位置のAIPを見ると文字盤の中央に空中映像が表示される構成のとき、5時の方向や7時の方向から12時の位置のAIPを見ると6時の方向(真正面)から見たときと比べて像が暗くなり、4時や8時の方向から見ると空中結像可能な視野角から外れてしまって映像が見えません。
そこで、AIPそのものを12時の位置固定ではなく、11時の位置と1時の位置の間で往復運動させることで、5時の方向から見ても7時の方向から見ても「真正面に見える瞬間」が発生し、4時や8時の方向から見ても空中結像可能な視野角に入るので像は暗くても空中映像が見えるわけです。
秒間25回の高速運動をさせることでチラツキが気にならないようです。
各方向から見て真正面にくる時間は瞬間なので、「全体として明るさは落ちるが、広い視野角で同じように見える」のではないかと思います。(AIP固定だと「真正面から見ると非常に明るいが、真正面以外だと明るさが落ちる」)

上記の応用として、円形テーブルにAIPを8枚程度配置(中央に空中結像される配置)してテーブルを回転(毎秒6回転以上)させると、上記の効果が360°で発揮され、「どの方向から見ても円形テーブルの中央に空中映像が見える」ようです。
AIPをピザのようにカットして、繋げて円形にする方法でも良いようです。
そのままだと危ないので、表面に1枚透明板を配置する必要があるかと思います。
実際、人感センサーを配置して見ている方向を検出し、透明液晶で見ている方向以外の光を遮光して表示品質を上げる方法も書かれています。(一人用になると思いますが)

ちなみにこの方法は他方式の空中結像パネルで実現する場合にも適用されるとして、2面コーナーリフレクター(パリティミラー等)の構造について説明されていたりします。

AIPを円形にする方法そのものはかなり初期のころからアスカネットも特許を取得していますし、過去には受動系3Dとして展示会にも出展されたことがあるそうです。
(精度が悪かったため社長が展示会途中にも関わらず撤去させたとの投稿か何かを読んだ記憶があります。)

今の加工精度なら精巧な全方位パネルが作れそうですし、回転の有無はさておき全方位空中映像を見てみたいと思います。