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キラキラヒカル

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    kjc***** 7月19日 15:18

    第16話 (その1)

    翌日の振り替え休日、ここは中野神社。
    数人の族っぽい集まりが1人を囲んでいた。
    田所光一、今野武が族の中心だった。中にいたのは藤森佳佑で英語教師藤森泰三の子供だった。

    佳佑「もう勘弁してくれよ。」
    光一「だめだ許せない。仲間をいじめたんだからな。」
    佳佑「誤ったじゃないか。」
    光一「それで済むと思ってるのか!」
    武「まだまだ金足りないぜ。」
    豊「ほらほら、早く金を出さないと・・・」
    豊は佳佑の胸をぐっと掴むようにして、
    豊「取り返しのつかないことになるぞ。」

    光一が短刀を出した。
    佳佑がそれを見てひざまずいて震え出した。
    そして豊が短い棍棒を持ち、佳佑を叩こうと構えたその時だった。

    さおり「ちょっとあんたたち。」

    すぐに豊は自分の高校の先輩と気が付いた。

    豊「まずい。解散!」

    族は一目散に去っていった。

    さおり「大丈夫?」
    佳佑「は、はい・・・」
    さおり「気を付けて帰んなよ。」

    さおりはそう言って消えて行った。

    こちらはスーパー「ゲキヤス」にあるカラオケ店。
    さきほどの族たちがたむろしていた。

    光一「いったい何なんだ。あいつ・・・」
    豊「うちの先輩だ。」
    武「なんかどっかで見たような気がしてしょうがないなあ・・・」
    豊「だろうな、あの先輩さおりって言うんだ。」
    武「さおり・・・」
    光一「え!もしやあの族のリーダー・・・」
    豊「そうだよ、2年前までリーダーやってたんだ。」
    武「まいったなあ。」
    光一「これからどうする?」
    武「どうするってやるしかない。」
    豊「別の方法を考えよう・・・」

    翌週の週末、中野神社で族同士のいさかいがあった。
    豊、武、光一たちのメンバーと、さおり、荒川透、松尾美咲たちのメンバーが言い争っていた。
    が結局殴りあいになってしまった。
    さすがにさおりたちの方が強かった。
    豊たちはかなり怪我をしながらそれぞれ帰って行った。

  • 第15話 (その5)

    店員「お子様セットにはドリンクが付きますが、どれにしますか?」
    マキ「私はオレンジジュース。」
    昌子「私はカルピス。」
    マキ「あっ、やっぱり私もカルピスにする。」

    さてさて隣のテーブルでは、

    光「おーい!皆乗ってるか?」
    松本「何なんだいったい?」
    桜井「あの元気はいらないよね。」
    相葉「また、聞こえるよ。」

    突然光が立ち上がり、

    光「おーら、そこ!何か言ったか!」
    松本・桜井・相葉「何も言ってません~♪」
    西城「ハモってやんの。」

    店員さんが席に来た。

    西城「ハンバーグで、チーズ150、エッグ150、ガーリック200、和風200お願いします。」
    店員「あれ?1つ足りないですけど。」
    西城「あ、それだけでいいです。」

    店員が不思議そうに戻って行った。

    しばらくして、店員がハンバーグを持ってやって来た。

    光「あれ?オレのは?」
    西城「自分で頼めよ。」
    光「ちょっと店員さん。ステーキ300とハンバーグ150。」
    相葉「そ、そんなに食べる・・・」
    松本「胃袋が牛かなあ。」
    桜井「まあいいじゃん。今回限りなんだし。」
    >>それってどう言う意味かな?

    西城「さあさ、先に食べて帰ろう。」

    西城は光のことをまったく気にかけずに話した。

    相葉「はい。」

    光を除く部員は、皆無性に食べていた。
    光は料理が来るまで右ひじをついて顎を乗せながら、左手は水の入ったグラスを持ったり、動かしたりして時間をつぶしていた。
    さらに隣のテーブルでは、いつものカラオケ店と違ってバレー部が集まっていた。

    夏美「由紀ちゃんお疲れ。」
    由紀子「先輩もお疲れ様です。」
    夏美「今日は男子と一緒ね。」

    数人の男子も混じっていた。

    皆「乾杯~♪」
    豊「いいのかよ。」
    夏美「いいよ。」

    豊はあまりいい顔をしていなかった。
    この日麗子からメールでカラオケでの待ち合わせをしていたからだ。

  • 第15話 (その4)

    さてこちらはグラウンドにある運動部のバザーのブースの一角です。

    夏美「はいはいはい、よかったらクレープどうですか!」

    そこに光が駆け足でやって来て、

    光「やっほー!」
    夏美「光、また邪魔しに来たの?」
    光「まさか、食べに来たんだよ。」
    夏美「ちょっと自分のブースはほっといていいの?」
    光「大丈夫大丈夫V!!」

    そこに2人組のお客さんが来た。

    由紀子「いらっしゃいませ。いかがですか?」
    客1「私やっぱりバナナにしようかな?」
    光「あ、それめっちゃおいしいですよ~♪」
    夏美「光!邪魔!邪魔!」

    夏美は思いっきり光の背中を押して、さらに右足で2度蹴りを入れた。

    光「ひぇ~恐いよ。」

    光はまたしても追い出された。

    客2「私チョコで。」


    少し離れたブースでは、

    桜井「たこ焼きどうですか?」
    相葉「昨年まで焼きそばだったじゃん。」
    松本「いいんじゃないの。」
    相葉「今年は準備が首尾よくできなかったんだよ。」
    松本「今回はお茶とかドリンクも出すから大変だよな。」
    相葉「で、お茶売れてるの?」
    桜井「お茶どうですか?かなりおいしいですよ!そこのオレンジTシャツのお嬢さんいかがですか?」
    相葉「何言ってんだよ、お茶くらいで呼び止めるかなあ。」
    松本「いいんじゃないの。君のお茶は特別製だし。」
    >>そういうこと。

    西城「あれ?光は?」

    一瞬周りが静かになった。

    桜井「またですか・・・」

    メンバーが笑っていた。
    >>こっちはいいかげん呆れるわ。

    芸術祭が終わった後、多くの生徒が打ち上げを今年もスーパー「ゲキヤス」の向かいにある「リトル・キッチン」に集まっていた。
    そして彼らは窓際の一角を再び占拠していた。

    マキ「あーやっと終わったね。」
    昌子「ほんとに疲れたね。」
    マキ「お疲れ様でした~♪」
    昌子「乾杯~♪」

    マキは100%オレンジジュース、昌子は野菜ジュースで乾杯した。

    マキ「サークルの話、ほんとにいいのかな?」
    昌子「いいよ。ほら持ってきたんだ、同人誌。」

    昌子は数枚のチラシをマキに見せていた。

    マキ「わあ、すっごいキレイ!」

    そこにちょうど店員さんが通った。

    マキ「お子様セット2つね。」

  • 第15話 (その3)

    夏美の表情は真っ逆さまに落ちるバンジーのように変化した。
    夏美が見たのは、待ち受け画面にはっきりと麗子と豊のツーショットが写っていたのだ。
    その後豊に気づかれないように携帯を元の位置に戻して置いた。

    ここから先の2人のカラオケについては読者の想像に任せるものとする。


    秋の芸術祭の季節がついにやって来た。
    今年のテーマは『信頼』だった。
    今年も昨年と同じく校門前には大きなコラージュアートのはりぼてが見学者を出迎えていた。
    さらに講堂では例年には無く一転して美しいコーラスのハーモニーが聞こえていた。

    女3「それでは次にホワイトマスカットさんの『The Star of heart』を歌います。」

    窓を開けて夜空を見たら 君の輝く星が
    空一面にまぶしく光る 愛のイルミネーション
    ・・・・・・・・・

    女1「今度はカスタメロンさんで『青い鏡』です。」

    君を見たのは 遥か遠い海
    いにしえの都でさえ 見つけられなかった
    ・・・・・・・・・

    女2「続いて夏美加さんで『君が気づいた夏』を歌います。」

    いつもよりは早く起きて そっと外で待っていたね
    僕は驚いて少しあわてた朝食
    カップを置いたら 小鳥の声が聞こえた
    ・・・・・・・・・


    美術室では、
    礼子「昨年よりレベルは断然上がってる。」
    マチコ「ふうん、そうなの。」
    礼子「これからの若い子たちがどんどんレベルの高い素晴らしい作品を見せてくれたら、私たちにも励みになるのよね。」
    マチコ「へえ・・・」

    入り口の受付では、
    昌子「マキいよいよ今回で終わりだね。」
    マキ「だね、最後かと思うとちょっぴり淋しくなる。」
    昌子「そうだよね。でも私たち卒業しても一緒に何かやりたいね。」
    マキ「うん、いいよ。」
    昌子「よかったら私たちのサークルに入らない?」
    マキ「あ、あのウナギ?」
    昌子「そう、仲間に聞いてみるから。」
    マキ「ありがとう。でも私ついていけるかなあ?」
    昌子「大丈夫よ、そんなにレベルの高いサークルじゃないし。」
    マキ「じゃ、よろしくね。」

  • 第15話 (その2)

    10月。秋祭りが中野神社で行われた。
    神社前の広場ではいくつかの縁日が催されていて、「金魚すくい」、「輪投げ」、「ヨーヨ釣り」などの店に幼稚園児と小学校の1、2年の子供たちがたくさん集まっていたのだった。
    ここはまたしても「金魚すくい」の店。

    子供「おじさんどいてよ。」
    光「何で、オレが先じゃん!」
    子供「早く取ってよ。次待ってるんだから。」
    光「しょうがないだろ、このアミすぐ破れるんだから。」

    子供は光をじっと見て、

    子供「あー、このおじさん。昨年もいた・・・!!」
    光「いたら悪いかよ。」
    子供「もしかして9枚でも取れないの?」
    光「うーん、12枚目だな。」
    >>へぼへぼへぼ!

    泳いでいる金魚たちが大爆笑していた。
    また、「ジューシーカラアゲ」、「りんご&いちごアメ」、「フルーツ綿菓子」、「ジャンボフランクフルト」、「ジャンボたこ焼き」、「広島焼き」、「焼きそば、モダン焼き」などの店には、中高生から20代までの若者たちが例年通り多く集まっていた。

    神社の奥の方では火の見櫓が置かれ、その周りで盆踊りをするように準備がされていた。
    ここで麗子と豊がデートしていた。
    2人は神社の境内からゆっくりと右に進んで、奥の方へ向かっていた。

    ちょうど大きな杉の木が見え出したとき、

    豊「麗子さん、これ以上先は何もないですよ。」

    豊はいつもよりかは早口で軽く話しかけた。

    麗子「そう・・・」
    豊「戻りません?」
    麗子「わかった。」

    麗子は豊の言うとおりに歩く向きを変えた。と同時に豊に抱きついてキスをした。
    驚いた豊はしばらく思いっきり麗子を抱きしめていた。
    麗子は持っていた内輪とヨーヨーを下に落としてしまった。



    ある日夏美と豊がひさしぶりに中野南公園でデートをしていた。

    夏美「豊、カラオケに行かない?」
    豊「いいよ。」

    こうして2人は近くのカラオケ店に入った。
    しばらく2人はお互い熱狂して歌っていたのだが、豊がトイレに行ったとき、夏美がテーブル横のソファに豊の携帯を見つけた。
    そして、ついつい豊の携帯を覗いてしまうのだった。

    夏美「な、何これ!」

  • 第15話 (その1)
    ある日の日曜日、スーパー「ゲキヤス」にあるいつものカラオケ店にて。
    夏美が光をカラオケに誘ったのだった。

    光「よ!」

    光が相も変らぬポーズで言った。

    夏美「待った?」
    光「全然。」

    まったく気にしない素振りの光だった。
    その性格も夏美はよく熟知していた。

    夏美「じゃ、入ろうか。」

    光は夏美の積極的な性格が好きだった。
    このとき、偶然にも別の用事でスーパーにたまたま立ち寄った麗子はこの2人を見つけてしまった。

    麗子「あ・い・つ・ら・あ・・」

    麗子は夏美に光を取られたのがかなり悔しかった。
    ちょうどそこに豊とメンバー数人がやって来た。

    麗子「豊!」
    豊「あ、ああ、やあ・・・」

    豊はちょっと照れくさそうにして、他のメンバーに何か一言二言話してから、すぐに麗子のそばに来た。

    豊「やあ。」
    麗子「なあにあの人たち?」

    少し不思議そうにする麗子だった。

    豊「いや、中学時代の同級生だよ。」
    麗子「ふうん・・・何か学生っぽくないけど。」
    豊「みんなもう働いているからさ。」
    麗子「そうなんだ。で、今日ひま?」
    豊「ああ、いいよ。」
    麗子「一緒にカラオケ行かない?」
    豊「行くよ。」
    麗子「ちょっと用事が済んだらすぐ行くから、先に部屋に入ってて。」

    豊は軽くうなずいた。
    やがて麗子は用事を済ませるや否や、急いでカラオケの店に入って行った。


    こうして光と夏美のデートを目撃してしまった麗子はしかたなく光を諦め1年後輩の豊と付き合い始めた。
    が、この豊は元々夏美と付き合っていたことさえ麗子が知るよしもなかったのだった。


    今年の夏の花火大会は連日連夜の雨で中止となった。

  • 第14話 (その6)

    キャンプ2日目はフィールドアスレチックだった。
    爽やかな快晴の空の下、鮮やかな森の緑が当たり一面を覆っていた。

    山中「今日のコースは男子がBコース、女子がAコースです。さあどんどん進んでください。」

    女子のコースでは男子と違い、2つの難関である途中のロック・クライミングと最後のウンテイが省かれていた。

    光「なんだなんだこれは?」
    桜井「これは松本得意でしょ!」
    >>自分はどうなのかな?
    相葉「オレは苦手だなぁ。」

    みんなが話している間に西城はすぐにロープに捕まってすべって行ってしまった。

    松本「西城先輩、早!」

    数人の男女が西城に見とれていた。


    男子のコースでは最後の8メートルもある、長くややアーチ型になった大きなウンテイが難関だった。
    何せその前までで疲れがピークになってしまっていて、何度も落ちてやり直す生徒が続出したのだ。
    なお、ウンテイのそばではすでにゴールした女子生徒が集まっていた。

    そこへ豊がウンテイに挑戦し始めた。
    さすがに疲れているのか、何度も落ち、女子の中には、

    由紀子「もういいんじゃない。」
    幸代「かわいそうだわ。」

    と言う生徒がでてきた。

    そして麗子がウンテイに近づいて、

    麗子「頑張れ!豊!」

    麗子は豊を応援していた。
    少し無理をしたが、それでもその声に励まされて豊は何とかゴールした。



    こうして2日間のキャンプは無事終了した。
    この後麗子と豊はクラブ活動の時間に時々鉢合わせすることも多くなった。
    そして、そのたびに2人は仲良くなっていったのである。
    当然その光景を意識した夏美は、光とその場の勢いのような付き合い方をしていったのである。

  • 第14話 (その5)

    あるポイント地点で麗子がスタンプの場所がわからずにあちこち探していた。

    麗子「うーん、どこだろう???」

    ちょうどそこへ豊がやって来て、

    豊「ここですよ。」

    豊は親切に麗子に場所を教えた。

    麗子「あ、ありがとう。」


    麗子はバレーの練習でみかけた男子としか覚えてなかったが、この時から気になってしまいキャンプの終わりまでには友達を通じて、彼が1年後輩の『のぼる』であることを知った。

    やがて昼過ぎには多くの生徒がゴール地点に戻って来た。


    キャンプ初日の夜、ロッジの外にて。

    光「あれ?麗子は?」
    夏美「疲れてるみたいで、もう寝ちゃったよ。」
    光「そうか。」
    夏美「麗子のこと気になるの?」
    光「いえ全然。」
    >>うそつけ!
    夏美「そう。」

    うつむきかげんの夏美の姿を横から見ていた光は、

    光「夏美・・・」
    夏美「何?」
    光「オレと付き合ってくれ。」
    夏美「私と麗子とどっちが綺麗?」

    夏美は左手で自分の髪を撫でながら、そして顔はニッコリしながらやや流し目で言った。

    光「それはもちろん、夏美だよ。」
    夏美「じゃ、付き合うわ。」
    光「ほんと!」
    >>ほんとか??
    夏美「し!声でかいよ・・・」
    光「ご、ごめん・・・」

    光と夏美は森の茂みに消えて行った。

    夏美は元々光がいやだったはずなのだが、キャンプでも豊とあまり話す機会も無く、自分が一人ぼっちに思えてきたのであった。そんな寂しい自分の心を今となっては慰めてくれる男なら誰でもよかったのだろう。

    光はこのときとばかりに麗子と付き合いながら夏美とも付き合い始めた。
    しかし夏美は麗子が光の彼女になったとは知らなかったのであった。

  • 第14話 (その4)

    ある日のここは校長室。

    教頭「呼ばれましたか?」
    校長「ああ・・・」

    頭を抱えた校長が、椅子に座ったまま机に両肘を突き、両手を組みその上に顎を乗せながら、

    校長「もうすぐ合同キャンプだよな。」
    教頭「そうですね。」
    校長「君も知っているだろう。」
    教頭「ええ、毎回何人か問題になっています。」
    校長「頼むよ今回は。」
    教頭「は、はい。頑張って問題が起きないように、心得ております。」

    校長は椅子を半回転させて、

    校長「よろしく。」

    教頭は困った顔つきで、

    教頭「他にご用件は?」
    校長「それだけだ。」
    教頭「では失礼します。」

    教頭は部屋から出て行った。校長室の扉を閉めながら、

    教頭「ああ、またいやな時期がやって来たわ。」

    そうつぶやいていた。


    夏休みの最初、3年に1回の学校の行事で部活の合同キャンプがあった。
    これは運動部の部活同士の横のつながりを深めることが目的だった。
    学年も1年から3年まで多くの運動部が参加した。このとき3年のグループには光、西城、夏美、麗子が参加した。

    担当の山中先生が小さなハンディ拡声器を持って話しかけた。

    山中「午前中はオリエンテーリングで、森の中をぐるっと歩いてもらいます。」

    山中は生徒代表の1人に地図をまとめて渡した。
    その代表は生徒に1枚ずつ地図を配った。

    山中「地図にあるポイント地点にはそれぞれスタンプが置いてあるので、この地図の所定の所にそのスタンプを押してください。」

    光「おもしろそうだな・・・」
    >>実はよくわかっていない。
    夏美「あー朝から何で・・・ややこしいことをするんだろう。」
    西城「ポイントが20もある。多くないか?」

    西城の横に麗子がいた。

    麗子「ほんと、朝から疲れそうだわ。」

    ため息の麗子。

    こちらは3人組。
    相葉「あーまだ眠いよ。もっとゆっくりしたいよ。」
    桜井「この際誰かの後ついて行くってのはどう?」
    松本「いや、卑怯なやり方はしたくない。」
    >>言うねえ。
    山中「昼までに全部押して戻って来て下さい。では、スタート!」

    生徒たちは塵々バラバラになって歩き出した。

  • 第14話 (その3)

    5月になったある授業の日。
    1限目の国語は、クラス担任の山中良男だった。
    彼は右手で敬礼をするようなスタイルで挨拶をした。地味なダークグレーの背広に紺色の斜めストライプが入ったネクタイさらには黒の皮ベルト、かなり流行遅れのスタイルだった。

    山中「今日は四字熟語をやります。漢字を4つで熟語を作ったものです。」
    夏美「簡単じゃん。四六時中とか。」
    光「何だそれ?」
    夏美「そういう店があるのよ。」
    光「何だ、店の名前か。じゃ明星商事。」
    吉永「それ、お前んちだろうが。」

    みんなが笑った。

    山中「確かに4つの熟語になっていればそれでいいのですが、基本固有名詞は入れませんし、ある地方だけで使っているのも別です。日本中の誰でも知っているようなものが対象になります。たとえば回転禁止、螺旋階段、海外旅行とか、これらはみなさんがよく知っている言葉ですね。」
    光「日本旅行は会社の名前だから駄目なのか。」
    山中「そうですね、入れません。それから中国や日本の古典から生まれた言葉もたくさんあります。故事成語と呼ばれていますが、どちらかというと高校ではこちらを学びます。それでは今からいくつか説明を入れたプリントを配ります。」

    山中はそう言うと持ってきたプリントを配り始めた。
    いつものごとく吉永は折りたたんでしまい、裏を向けて落書きを始めた。
    配り終えた山中は教壇に戻って、

    山中「では、光。最初の1つめを読んでみて。」
    光「はなとりかぜつき。」

    みんなが大爆笑した。

    夏美「かちょうふうげつだよ。」
    光「何だ、普通に読めば駄目なのか?」
    夏美「音読みと訓読みがあるのよ。ものによるけど。」
    山中「そうですね。読み方はそれぞれで変わります。このプリントには読み仮名を書いていません。今日はこれからみなさんで読み方を考えてもらいます。できなかったときは宿題にします。」

    このあとクラスがガヤガヤ騒ぎ始めた。

    山中「なるべく静かにお願いします。」

  • 第14話 (その2)

    光は3年になってB1クラスからC1クラスに移った。
    光はバスケ部のキャプテンに、夏美はバレー部のキャプテンになった。
    女子バスケ部はさおりが卒業していなくなったので、1年生が数人入った。
    テニス部キャプテンの麗子はずっと西城のことが気になっていたが、これといった出会いもなくついにかなわぬ恋と諦めるようになった。そこでいつも目立っている光にデートの誘いをしてみた。

    放課後下校しようとした光は、下駄箱を開けたとき1枚のノートの端切れのメモを見つけた。

    光「ん?何これ?」

    光はその場ですぐ中を開いて読んだ。

    光「ほほほ・・・」

    嬉しくなった光。徐々にテンションがアップしてきたようである。
    そのメモには次の日曜日にカラオケ店で待ち合わせの内容だった。


    次の日曜日、スーパー「ゲキヤス」にあるいつものカラオケ店前にて。
    時間通りに着いた光だったが、そこには待ち合わせる女子が誰もいなかった。

    光「何だよ、誰も来ないじゃんかよ。」

    麗子は苛立つ光を電柱の影から見届けると、急ぎ足で光に近づいてきた。

    麗子「ごめんねぇ・・・待った?」
    光「なんだ麗子かよ。」
    >>誰だと思ったのかな?

    麗子「私じゃダメなの?」
    光「い、いやそんなことはない。さ!入ろうぜ!」

    光は喜んで部屋に入って行った。


    入れ違いに豊が出てきた。
    豊は昔の中学時代の幼馴染と一緒だった。が彼らは学生ではなく社会人ぽかった。
    さらにかなり近寄りがたいような目つきやら雰囲気が感じられた。


    こうしてこの日から光と麗子はしばらく付き合うことになった。
    しかし実は光は以前から夏美のことがずっと気になっていたのだった。

  • 第14話 (その1)

    翌年の2月。今日は13日。
    スーパー「ゲキヤス」には多くの女性が昨年同様リニューアルした新設のコーナーを占拠していた。勿論目当てはチョコ。
    とくに女子高校生の集まりはやはり多く、押し合いもみ合いながらまるで特売日か年末の人手になっていた。

    マキ「すっごいね、今年も人だらけ。」
    昌子「ほんとだ。」
    マキ「またうちの生徒がやっぱ多すぎるわ。」
    昌子「ほんと、みんな渡す相手きっと同じじゃない。」
    マキ「やはり・・・私もそう思う・・・」

    昌子の言うのは大当たりだった。
    翌日の放課後、西城の下駄箱の中にはたくさんのチョコが所狭しとギュウギュウに押し込んであった。
    光は西城が下駄箱にやって来る前に先に来ていた。

    光「おいおい何これー。」

    光は下駄箱からはみ出した大量のチョコを見て、

    光「いいよな、毎年もらえるんだから。」

    そう言うとチョコを勝手に西城の下駄箱から出して、自分の下駄箱に詰め込んだ。
    そしてすぐその場から消えて行った。
    その様子を影でずっと見ていたのは吉永だった。

    吉永「あいつせこい事やりやがる。」

    そう言って吉永はチョコを元の西城の下駄箱に戻していた。
    >>けっこう可愛いとこあるんだね。

    しばらくして光と西城が下駄箱にやって来た。

    光「おいおい何これ!」

    光はびっくりした様子で叫んだ。

    西城「まったく・・・」

    さながらあせりながら光が、

    光「いいよな、もらえるんだから。」
    西城「やるよ。」

    西城はそう言うとチョコのほとんどを光に渡した。

    光「おお、サンキュウー・・・。あ、それも。」

    光は西城の持っていた3つばかりのチョコも横取りした。

    西城「しょうがねえなぁ。」

    西城は完全に呆れてしまった。
    光は楽しそうに足早に1人で帰って行った。
    袋の中を覗いた光は、

    光「ん?・・・昨年より多いなあ。」

  • 第13話 (その3)

    2人は手をつないだ。
    今年もまたこの街には山下達郎の「クリスマスイヴ」が流れていた。

    そして2人は明るく眩しいネオンの輝くホテル街の方に歩いて行ったのだった。
    >>しばらく音信不通だった訳を聞くの忘れてない?


    こちらは少し離れた南高針地区を流れる高針川の河川敷。
    今年もイルミネーションが見られることを知った光は吉永と見に行くことにした。

    光「オイ、いっぱい女がいるぜ。」
    吉永「何を見に来たんだよ。」
    光「他に楽しみあるかぁ?」
    吉永「イルミネーションってうわさに聞いていたけど、けっこう綺麗だな。」
    光「う~ん、今日は不発かァ・・・」
    吉永「まったく見てるとこ違うぜ。」
    光「イルミも花火と一緒、所詮男の楽しみは女。」
    吉永「チョー暗いやつ・・・」
    光「何?」
    吉永「いや、何も・・・」

  • 第13話 (その2)

    少し経って、

    豊「ここは昔よく母さんが連れてきてくれた場所なんだよ。」
    夏美「へえ・・・そうだったんだ。」

    周りを見渡しても、さほどムードのある場所でもなかった。
    あると言えば近くに神社前の広場があって、ベンチが2つばかあるだけである。

    豊「ん、何か変ですか?」
    夏美「い、いやそんなことはないけど・・・」

    夏美はさっきから豊の話し方が気になって仕方が無かったのだ。
    しかし豊はそれにまったく気づくこともなかった。

    豊「もし1人なら一緒にデートしませんか?」
    夏美「見ての通り。ついてくわ。」

    こうして夏美は大切なクリスマスをなんとか1人で過ごすことから開放された。
    2人は大通りの方に歩いて行った。クリスマスとあって街中が鮮やかな装飾で彩られていた。

    夏美「き、綺麗だわ・・・」

    夏美もこの街の灯りのように、ずっと輝いていたいと思った。

    豊「夏、本当にオレだけが好きなのか?」
    夏美「何急に・・・びっくりするじゃん。」

    2人の会話が普段に戻っていたのだ。

    夏美「わ、わからないわ。プロポーズされた訳でもないし。」
    豊「じゃ結婚を考えてくれる可能性はあるのか?」
    夏美「今はまだ無理よ。学生だし、世の中のことが全然よくわかんない。私ずっと迷ってるのよ。」
    豊「迷ってる?」
    夏美「そう。男と女って、くっついたり離れたりして、私たちだってそうじゃない。又いつ別れるかもわかんないし。」
    豊「だからプロポーズってことか・・・」
    夏美「ん・・・よくわかんないけど、そうなのかもしれない。女って守ってくれないと、きっと又どこかへ行っちゃうのよ。たぶん、そう。そう思う・・・」
    豊「ん・・・???まだ理解できない。」
    夏美「いいんじゃない、まだ10代なんだし。私たちはそれなりには付き合っているじゃん。」
    豊「それなり・・・このままってことか?」
    夏美「ん・・・どう進展するのかも今のところわからないわ。まずは男は包容力じゃないかしら。私今日まで一度も包まれたことないわ。そんな実感をしたことがないの・・・」
    豊「ん・・・よくわからないなあ。別に男が働けば生活はしていけると思うんだけどなあ。」

  • さおり「そう、かわいそうな奴。悪くは無いのにね、かぶってやんの。」
    幸代「いじめって・・・?」
    さおり「それはね・・・」

    第13話 (その1)

    ではここでさおりに代わって中野高校のいじめ問題を簡単に説明しておこう。
    ((解説))
    中野高校のいじめ問題については、この第1巻では省略しました。
    <<<<<<<<<<<<< 詳細はHBに掲載しています >>>>>>>>>>>>>>

    このことは大きな問題に発展して、教育委員会も調査に乗り出した。
    しかし実態はよくわからないまま、3人の犠牲を出してしまったがうやむやに処理された。
    ただ3年生Aの担任だった藤森は転任となったのである。

    幸代「それじゃ藤森先生って、いいなりになってるのかな?」
    さおり「そういうことだよね。」
    幸代「でもさおり先輩、詳しいですね。」
    さおり「そりゃそうでしょ、自殺した仲間の1人は私のいとこなんだから。」
    幸代「え!」

    幸代はこれ以上この複雑な問題についてさおりに聞くことはしなかった。



    クリスマスが近づいてきたある日のこと。
    夏美は豊にメールを送ったのだが、まったく返事が返って来なかった。学校も休みに入ったので会うこともなかったし、クリスマスを1人で過ごすのがいやだったのだ。しかし何度と無く送ったメールだがまったく音信不通になってしまった。

    夏美「しかたないなあ。」

    自分の部屋の窓の外を1日中眺めている夏美であった。
    しばらくすると外では小さな白い粒が空から落ちてきた。


    やがてクリスマスの日。
    夏美「私って結局ひとりぼっちなのかな・・・」

    そんなモヤモヤした気持ちを静めるために、夏美は1人街に出歩くことにした。
    そしてどういうわけか東中野商店街のFFバーガーの前で豊に偶然出会ったのであった。豊はハンバーガーを立ち食いしていた。

    豊「やあ。」

    夏美は少し驚いた様子で、

    夏美「こ、こんなところで・・・」
    豊「時々ここに来るんですよ。」
    夏美「そうなの?でも今日はやけに丁寧なのね。」
    豊「何、何か?」
    夏美「言葉が・・・」
    豊「いつもこんな感じじゃなかった?」
    夏美「全然。全然違うよ。」
    豊「そうかなあ。」

    なかなか2人の会話が噛み合わなかった。

  • 第12話 (その4)

    校長「冗談言ってる場合ではないよ。来年は中止してくれたまえ。」
    教頭「はっ、承知しました。」

    教頭は部屋から急いで出て行った。校長室の扉を閉めながら、

    教頭「『芸術は爆発』だよな・・・まあ音楽も爆発していいか・・・」

    教頭は訳の分からない悩みを抱えながら職員室へ戻って行った。



    12月に入った。
    女子バスケ部の部室では、さおりと幸代の2人だった。

    さおり「幸代最近全然元気ないね。どうかしたの?」
    幸代「先輩、私・・・」
    さおり「どうしたの?何か悩んでるの?」
    幸代「ちょっと・・・」
    さおり「じゃカラオケ行く?」
    幸代「はい。」

    2人はスーパー「ゲキヤス」にあるいつものカラオケに行くことにした。
    店では数人の男子がたむろしていた。その中に豊もいた。

    さおり「ん?あの子は確かバレー部の・・・」
    幸代「ああ、今野君よ。」
    さおり「そうだよね。でもここでよく見るから。」
    幸代「でも他の男の人たち、ちょっと目つきが変ね。2人はタバコ吸ってるし・・・」
    さおり「どう見ても学生には見えないね。さ、行こうか。」

    元気の無かった幸代は自分の体に溜まっていた何かを、さおりに話すことになったのだった。

    幸代「先輩・・・じつは・・・」

    幸代はこれまでの話をさおりに話した。

    さおり「なんだそんなことか。」

    さおりはまったく動じることもなく反り返って、

    さおり「あのさ、だいだい成績っていうのは、担任が決めることなんだよ。」
    幸代「?」

    さおり「できなくたって親がPTAだの、教育委員会の役員だのしてたら、悪い成績つけないよ。」
    幸代「それって差別・・・」
    さおり「そうだよ、でも現実がそうなんだから。」
    幸代「じゃ、何のために試験があるんですか?」
    さおり「所詮形式だってことね。勝者はいつも有利に物事を作ってるのね。The winner takes it all って曲もあったなあ・・・」
    幸代「・・・それ・・・ABBAですね。」

    さおり「幸さ、今年来た藤森担任いるでしょ。」
    幸代「ええ・・」
    さおり「あいつうちの高校に飛ばされたんだよ。」
    幸代「確か中野高校からでしたよね。」
    さおり「そう、向こうでさ。いじめにあって、その責任を取らされたんだよ。」
    幸代「いじめ・・・」

  • 第12話 (その3)

    桜井が隣の松本に小さく小声で、

    桜井「にぎやかだよね。」
    松本「しょうがないじゃん、先輩なんだし・・・」
    光「おーい!そこ何か言ったか?」

    光が松本の方をじっと見ていた。

    松本「何でこっちを見るんだ?」

    松本が小さな声でつぶやいていた。
    あせった様子で横にいた桜井が、

    桜井「いえ、何もありません。何も言ってません。」

    それを聞いて光は、さらに元気が出てきて立ち上がり、

    光「今日は飲もうぜ!!イエィ!」

    自分ではかっこうが決まったと思い込んでいたようだ。
    >>それは無理でしょ!

    相葉「何でもいいけど、光先輩何か手伝ったかな?」
    桜井「バザーだろ・・」
    相葉「そうそう。」
    松本「全然ブースにいなかったよね。」
    相葉「一度確か食べには来たよ。」
    桜井「そ、それだけ・・・(^^;;)」
    相葉「たぶん・・・」
    光「オレ300gステーキ追加!」
    松本「まだ食うみたいな・・・」
    桜井「聞こえるよ・・・」

    西城は呆れた様子でテーブルの隅の方で最初から最後までずっと黙っていたのだった。


    こちらはバレー部の打ち上げ。やはりカラオケ店でやっていた。

    めぐ「ファミレスはうるさすぎるからね。あんなところでよくやるよ、まったく・・・」
    夏美「ほんとですよね、今年もほとんど1人がはしゃいでるみたいで。」

    バレー部は一度リトル・キッチンには行ったのだが、うるさすぎるバスケ部の声に、今年も場所を変えてカラオケ店にしたのであった。


    数日後。ここは校長室。

    教頭「呼ばれましたか?」
    校長「ああ・・・」

    校長は座ったまま右手で机の真ん中を軽く叩いていた。
    そのリズムが何となく2拍子から急に4拍子に変わった。

    校長「この間の芸術祭で、講堂でやっていたバンドの演奏なんだが・・・」
    教頭「ああ、女性ボーカルで最近流行のハードロックをやっていた連中ですね。」
    校長「それはいいが、近所の住民から苦情が来てね。」
    教頭「え?何と・・・」
    校長「やかまし過ぎる。言ってる事が無茶苦茶だと。何やら『音楽は爆発だ』とか言って叫んでいたとか。」
    教頭「『音楽は爆発』・・・そのまま演奏で爆発してしまったか・・・」

  • 第12話 (その2)

    芸術祭が終わった後、多くの生徒が文化祭の打ち上げを今年もスーパー「ゲキヤス」の向かいにある「リトル・キッチン」に集まっていた。
    そして彼らは窓際の一角を再び占拠していた。

    令「今日は元気なかったんじゃない、どうかしたの?」

    心配そうな菊池令が小さな声で野口に尋ねた。

    野口「あ、ああごめん。」

    少し間が空いて、

    令「何かあったの?」

    令は注文したレモンティーを一気に飲み干した。

    野口「受験だしさ、オレバンドを抜けようかと・・・」

    しばらく菊池令は黙っていたがやがて、

    令「そうかあ・・・・残念だけどね。」
    野口「悪い。」

    野口はアイスコーヒーのブラックをストローでかき回しながら言った。

    令「悪くはないよ、お互い同じ大学に進むわけじゃないしさ。」
    野口「令は素質あるから、また大学でも頑張って歌いなよ。」
    令「好きだからね、きっと続けるつもりだよ。」
    野口「来週のライヴを最後にしたいんだ。」
    令「わかった。」


    隣の静かなテーブルでは、

    マキ「今年もやっぱり昨年と変わんないね。」
    昌子「ほんと。」
    マキ「何か奇抜なアイディアを出さないと駄目だね。」
    昌子「うーん、そうね・・・」
    マキ「そう言えば、昌子、同人誌のサークル作ってるとか言ってたじゃん。」

    昌子「ああ、『よつめウナギ』のことか。」
    マキ「何そのよつめ・・・?」
    昌子「サークルのメンバーの名前を寄せ集めてまとめただけだよ。」
    マキ「へえ・・・」

    昌子「4人でやってるんだけど、その中でウナギのナギが私。」

    マキは不思議そうに聞いていた。

    マキ「ふうん?・・・なるほどね。で何頼むの?」

    昌子は一瞬躊躇したが、でもすぐに、

    昌子「お子様・・・」
    昌子・マキ「セット!」

    店員がテーブルに来た時、

    マキ「すいません、お子様セット2つ!」
    昌子「え!いいの?」
    マキ「いいよ。」

    マキは笑顔で答えた。


    さらに隣のテーブルでは、

    光「イエーイ!!」
    >>今回も1人だけ浮いています。

  • 第12話 (その1)

    秋の芸術祭は例年通り週末に行われた。
    今年のテーマは『協調』だった。
    今年も昨年と同じく校門前に大きなコラージュアートが見学者を出迎えていた。

    さらに講堂では迷惑なくらいやかましい高校生バンドの生演奏が今年も昨年と同じくらいに校内中にズシンズシンと響いていた。

    令「おーい!みんな、のってるかー!」
    観客「はーい!!」
    令「よっしや、次いくぜ!」
    観客「はーい!!」

    観客たちはみなサーチライトを手に持って準備していた。

    令「音楽はー!」
    観客「爆発だーー!!」

    一方美術室では、礼子とマチコが今年も見に来ていた。
    2人はゆっくりと作品を見て回っていた。

    礼子「昨年と変わらん・・・」
    マチコ「でも来ちゃうのよね。」

    やがて礼子は一瞬立ち止まった。

    礼子「ん?この絵いいじゃん。」

    マチコはじっとその作品を見て、それから作品の下にある名札をのぞいた。

    マチコ「あら、そうね、かなり変わってるわ。小柳さんかぁ・・・」


    ところで運動部のバザーのブースの一角ではめぐの手を叩く音が、

    めぐ「はいはいはい、よかったらクレープどうですか!」

    そこに光が駆け足でやって来て、

    光「やっほー!」
    めぐ「何光君、ま~た邪魔しに来たの?」
    光「ま~さか、手伝いに来たんですよお。」
    夏美「ちょっと自分のブースはほっといていいの?」
    光「大丈夫大丈夫V!!」

    そこに2人組のお客さんが来た。

    めぐ「いらっしゃいませ。いかがですか?」
    客1「私やっぱりバナナにしようかな?」
    光「あ、それおいしいですよ~♪」
    夏美「光!邪魔!邪魔!」

    光は追い出された。

    客2「私和栗で。」

    一方こちらはバスケ部。新入生が頑張っていた。

    桜井「焼きそばいかがですか~!」

    桜井の大きな声が響いていた。

    相葉「そう言えば光先輩来ないね。」
    松本「さっきクレープのところで見かけたよ。」

    裏で椅子に腰掛けていた西城は、

    西城「あいつ!昨年の打ち上げでそば作るって言ってたぞ。」
    >>相変わらずです。

  • 第11話 (その6)

    ここは「リラックス11」。幸代が母とランチをしていた。

    母「あら?壁に写真が増えてるわ。」
    幸代「そうなの?いつも気にしないで来るから・・・」

    母は壁に数枚の新しい写真を見つけた。

    母「あ、これって先週の映画の・・・」
    幸代「映画?」
    母「TVで一緒に見たでしょ。」
    幸代「あああ、あの映画すごかったね。確か国境・・・」
    母「そうそう『国境のない町』」
    幸代「そう言えば、こんな場所があったような?」
    母「そう、ここよ、ここ。」

    母は写真をじっと見続けていた。

    幸代「女性は損だね。」
    母「考えようによってはね。」


    このあと2人はリサイクルショップ「利再来」に行って、DVDを借りてきたのであった。



    季節は秋。
    秋祭りが中野神社で行われた。
    神社前の広場ではいくつかの縁日が催されていて、「金魚すくい」、「輪投げ」、「ヨーヨ釣り」などの店に幼稚園児と小学校の1、2年の子供たちがたくさん集まっていたのだった。

    ここは「金魚すくい」の店です。

    子供「おじさんどいてよ。」
    光「何で、オレが先じゃん!」
    子供「早く取ってよ。次待ってるんだから。」
    光「しょうがないだろ、このアミすぐ破れるんだから。」
    子供「何枚でやってるの?」
    光「うーん、9枚目だな。」
    >>へぼ!

    泳いでいる金魚たちが笑っていた。また、「カラアゲ」、「りんごアメ」、「綿菓子」、「フランクフルト」、「たこ焼き」、「広島焼き」、「焼きそば」などの店には、中高生から20代までの若者たちが多く集まっていた。

    神社の奥の方では火の見櫓が置かれ、その周りで盆踊りをするために準備がされていた。

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