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キラキラヒカル

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  • 2018/04/26 17:07
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    kjc***** 4月26日 17:07

    第1話(その4)

    吉永「ふざけんなよ!」

    吉永は少し怒らしげに強く言い切ったのだが、山中はまったく気にせず、

    山中「はい、吉永を委員長に決めようと思うが、賛成の者は拍手で。」

    しばらくクラス中に拍手が大きく鳴り響いた。マキは自分の斜め前に座っていた光を見て、

    マキ「あれ?光さん教科書はないの?」
    光が振り返りながら、
    光「あ、オレんとこ今頃家に直接宅配で届いているよ。持って帰るのが面倒なんで。」
    夏美「信じられない・・・」
    マキと夏美は呆れていた。

    山中「あと、クラブを決めてもらうためにクラブ紹介のパンフレットを配ります。今日から以降昼休みや放課後などを利用していろいろ見学して、自分の希望するクラブを決めたら、そのクラブに1つ入ってください。なお入部に締め切りはありません。」


    その後2限目はホームルームの時間になり、1人ずつ自己紹介をしていた。

    光「えーと、オレは明星光。趣味は芸術鑑賞・・・」
    吉永「どうせ裸婦専門じゃないの?」
    みんなが爆笑した。

    光「身長180センチ、靴のサイズは26、スポーツ万能、特に嫌いな科目はなし!以上!」
    >>靴のサイズいるかあ?

    マキが小声で夏美に、
    マキ「とんでもなく超キザだよね・・・」
    夏美「ほんと・・・」
    西城「僕は西城五郎。中学の時はバスケットボール部でした。好きな科目は数学と理科。保健と家庭科は嫌いです。」

    吉永「オレは吉永幸夫。勉強と先生は大嫌い。スポーツできない。好きなのはゲームと飯を食うことだけ。」
    夏美「私は黒木夏美です。中学の時はバレー部だったので高校もバレー部に入ります。好きな科目は体育と保健と家庭科です。」

    マキ「私は軽辺マキです。趣味はイラストを描くことです。深夜放送でZootoFMの『朝までJ-POP』を聴いています。DJのマック・マッコイが好きです。嫌いな科目は体育です。高校では美術部に入ろうと思います。姓が呼びにくいのでマキって呼んでください。」
    ・・・・・・・
    ひととおり自己紹介が終わった。

  • 第1話(その3)

    山中「まだみんな顔も名前もわからないと思うので、昨日の入学式のときに撮ったクラスの集合写真をそこの横の壁に貼っておきますので、休み時間を使って、みんな早く覚えましょう。」

    そう言って山中は壁際にゆっくりと歩いて、そしてB4サイズの大きなクラスの集合写真を壁になじむようにしっかりと貼った。やがて教壇に戻った山中は両手を教壇の前側の左右の淵にそれぞれ置いて、それから自分の経歴やら、過去の担任したクラスの思い出やら長々と語り始めた。その話がようやく終わったのが40分後だった。

    山中「さて今日は教科書をもらって帰ってもらいます。まず受け取ったら全ての本に名前を記入してください。」

    こうして教科書の配布が始まった。生徒は1人ずつ順番に前に来て1つの束になった教科書を勝手に受け取ってまた席に戻って行った。その間山中は教室の窓から外をじっと眺めていた。するとそこに高速で紙飛行機が矢のように飛んできて、山中の後頭部に直撃した。

    山中「いて!」

    クラスの皆は大爆笑した。紙飛行機は山中の真下に落ちた。彼はその紙飛行機を拾って、
    山中「おい、誰だこの紙飛行機を飛ばした奴は!!」

    教室の中が一瞬静まり返ったがやがて、
    吉永「オレだよ。」

    教室の一番後ろの席に座っていた吉永が答えた。吉永は右足を机に乗せてその足に右ひじを付きながら、さらに右の人差し指で耳の穴をいじりながら、山中の方を見ていた。

    山中は教壇に戻るとやがて、
    山中「君名前は?」
    吉永「吉永だよ、へっ!」

    このあとどうなるのか・・・まわりの生徒は皆吉永の様子をじっと伺っていた。

    山中「えー今からクラスの委員長を決めようかと思っていましたが、もう決まりました。吉永!。君だ!」
    吉永はすぐに席を立って、山中にすこしにらみをかける素振りで、
    吉永「おいおいおい。」

    山中「吉永、オレは『おいおい』じゃないぞ。ちゃんと名前がある。どこやらのスーパー丸井といっしょにしないでくれ。」

    数人の女子生徒が笑った。
    吉永「山中。」
    山中「呼び捨て・・・」
    吉永「なんでオレがよ、委員長をしなけりゃいけないんだよ。」
    吉永は目を光らせて言った。

    山中「その答えは、クラスの皆が一番先に君の名前を覚えたからだよ。」
    周りの生徒が笑い始めて少しざわついた。

  • 第1話(その2)

    翌日の授業初日。開始時間直前にイタリア製のグレーのブレザーを着た光がA1クラスにゆっくりと近づいていった。そして教室の扉をさーっと開けてみんなに向かって一言、
    光「よ!」

    本人はポーズも決まったと思ったようだ。が、一瞬クラスの生徒は彼を見たのだが、すぐに元の状態に戻り誰も彼の方を見ようとしなかった。同じクラスの生徒はまだそれぞれ名前も知らないはずだったが、光だけは皆に知られていた。

    夏美「おはよう光。」

    元気のいい声は黒木夏美だった。夏美はけっこうグラマーで将来モデルになりたいと思っていた。光は右手を上げながら、
    光「おお。」

    大きく返事をした。彼はやっとほっとした様子だった。夏美と同じ西園山中学の同級生軽辺マキが、
    マキ「夏美、光さんって超キザじゃない。」
    夏美「ほんと、調子乗ってんじゃないわよね。」
    2人がこそこそ話し出した。そこへ光が急に割り込んで来て、
    光「何々??何のお話かな?」

    2人はその場を察知して急に黙ってしまい、すぐにそれぞれ自分の席に戻った。しばらくざわついていた教室だったが、担任の教師が時間に10分ばかり遅れてようやく教室に入ってきた。するとすぐに教室の中は一転して静まりかえった。

    彼は真ん中の教壇に立つと、
    教師「おっほん・・・」
    彼は1、2度ばかり咳き込んでから、
    教師「えー今日からこのA1クラスの担任になった・・・」
    教師が黒板の中央に大きく名前を縦に書きながら、
    教師「山中良男です。」

    山中は右手で敬礼をするようなスタイルで挨拶をした。地味なダークグレーの背広に紺色の斜めの縞が入ったネクタイさらには黒の皮ベルト、かなり流行遅れのスタイルだった。

  • 第1話

    ここは東京近郊のとある高級住宅地の一つにほぼ近いところである。そしてここは風光明媚なことでとりわけ人気の高い駿河台地区。
    北には小高い自然の山々が一望でき、またその周辺には新緑に満ち溢れた大小さまざな木々があちこちに見え隠れ、東から西へと目を動かすに従ってなだらかなスロープのある道路の白いガードレールがわずかに見ることもできる、そんなとても自然環境の良い、その上景観もみごとな場所である。

    そして地区のほぼ中央に位置するのがヨーロッパから取り入れ近代風に設計された駿河台公園。
    そしてそのすぐ前には6階建ての豪華な高層マンションが一際目立っている。そうこのマンションは周りの景観からみてもかなり異様なほど目立っているのだ。

    ここに母親と2人で住んでいるのが明星商事(株)の御曹司明星光である。顔は2枚目まではいかないが、そこそこモテるのは間違いなかった。そして今月から祖父が経営する花園学園大附属高校に入学することになったのである。
    今日は晴天に恵まれた清々しいそんな日和の入学式の当日、高校の門を次々とくぐる親子や教職員を気にもせずに1台のダークブルーのベンツが割り込むようにして入ってきた。

    やがてベンツは1階入り口の駐車場にゆっくりと止まり、そこから光と母親が召使2人に続いて車から降りてきた。母親はかなりの有名女優でこの近所でも知らない人はまずいないだろう。

    周りの人たちは一斉に彼女に注目する。勿論彼女の衣装はこの日だけの特注、年齢には似ても似つかぬピンクのワンピースにフリルが付いていてさらにサマンサタバサのラメの入った少し大きめのバッグ、グッチのブレスには何なのかわからないがとにかく宝石がちりばめられている。説明しだしたらきりが無いがその他いろいろなブランドに全身が包まれていた。

    そして母親は気取りながら会場となる講堂に向かってゆっくりとまるでお姫様のように歩いていた。その後を蝶ネクタイに紺のブレザー、少し大きめのスラックスを身にまとった光が周りを気にしながら、自らは全身固まりながらついて行く。
    さらに付き人が2人、左右にぴたりとくっ付いて歩いていたのである。

  • キラキラヒカル 最新 第1巻ー> 1-3
    をまもなく連載します。

    ご期待ください。

  • 「バブルガムファンタジー」はこの小説の中で登場する連続TVドラマです。

  • 関連作品として 「バブルガムファンタジー」を掲載しました。
    そちらもよろしくお願いいたします。

  • エンディングテーマ曲

      『 消えた恋 』


    君の心の奥深くにある一切合切を
    僕はいつでも探りまた手探り 白熱のダイアリー
    ぎっしり埋まった箇条書きの隙間に一切合切の
    僕の気持ちを込めて毎日描いた ハートのスライドショー

    いつでも待ってるんだ 君からのラブコール
    君と出会った日はノートに◎ しっかりメモして
    いつかは2人で 仲良く2人で
    過ごす日々を 今日も欲しがってる
    yeah yeah yeah


    僕の胸のその奥の奥にある一切合切は
    君はどうしても拭え切れない あの日の言い訳を
    確かめたかったのか 僕への苛立ちの一切合切が
    何度も宙に舞う風船のように 飛び散ってしまったけど

    いつもは2人で 仲良く2人で
    猫たちも笑う 犬はじゃれ回る カップルだったのに
    正直すぎる僕の 口癖がいつも
    君の瞳(め)の中でこっそり無理難題の恋愛注意報

    ah ・・・・・ ah ・・・・・フワフワフワフワ
    m ・・・・・ m ・・・・・ルルルルラララル

    毎日毎日繰り返す深夜だけのラブデート
    フワフワ羽根布団が今日も宙に舞ってる
    いつも君とずっとこうして2人っきりのラブデート
    お願いだから起こさないで 今日もやっぱり ルンルン

    アー太陽の意地悪 ずっと出てこないでよー
    yeah yeah yeah yeah
    ah ・・・・・ ah ・・・・・フワフワフワフワ
    m ・・・・・ m ・・・・・ルルルルラララル


    僕の部屋の机の上にある一切合切は
    君への想いを散りばめ染め上げた 未来のラブシアター
    時が流れそしてすれ違いの日々の一切合切が
    決まり切ったかのよう ドラマの結末はきっときっとどんでん返し

    いつも期待してるんだ いつまでも待ってるんだ
    幸せ行き特急列車のレールに戻れる気がして

    時が流れそして 君を見失ったとしても
    消えた恋を また欲しがってる
    消えた恋を まだ欲しがってる
    消えた恋が 心の傷跡に
    ah ・・・ ah ・・・ ah

  • The judges will decide
    The likes of me abide
    Spectators of the show
    Always staying low
    The game is on again
    A lover or a friend
    A big thing or a small
    The winner takes it all

    I don’t wanna talk
    If it makes you feel sad
    And I understand
    You’ve come to shake my hand
    I apologize
    If it makes you feel bad
    Seeing me so tense
    No self-confidence
    But you see
    The winner takes it all
    The winner takes it all......

  • 主題歌 「The winner taqkes it all」
    songs by ABBA

    I don’t wanna talk
    About the things we’ve gone through
    Though it’s hurting me Now it’s history
    I’ve played all my cards
    And that’s what you’ve done too
    Nothing more to say No more ace to play

    The winner takes it all
    The loser standing small
    Beside the victory
    That’s her destiny

    I was in your arms
    Thinking I belonged there
    I figured it made sense
    Building me a fence
    Building me a home
    Thinking I’d be strong there
    But I was a fool
    Playing by the rules

    The gods may throw a dice
    Their minds as cold as ice
    And someone way down here
    Loses someone dear
    The winner takes it all
    The loser has to fall
    It’s simple and it’s plain
    Why should I complain

    But tell me does she kiss
    Like I used to kiss you?
    Does it feel the same
    When she calls your name?
    Somewhere deep inside
    You must know I miss you
    But what can I say
    Rules must be obeyed

    一度に投稿でいない。
    信じられません

  • 登場人物(2)

    <高校の生徒たち>
    光1年時:
    A1クラス・・・・・吉永幸夫、明星光、西城五郎、黒木夏美、軽辺マキ
    A2クラス・・・・・鳥飼麗子、小柳昌子、五十嵐桃子、上田ユキ、森本さつき、三角四郎、西堀源太
    A3クラス・・・・・松尾美咲、森幸代、西浦昇、加藤浩二、近藤浪平、月島あかり
    B1クラス・・・・・荒川さおり、冬木マリ、郷雅俊、春日ひろみ
    B3クラス・・・・・柏木めぐ、菊池令、野口秀樹
    光2年時:
    A1クラス・・・・・松本純、桜井昇平、相葉明進、西堀由紀
    A2クラス・・・・・今野豊、柏木由紀子、長島雄介、原憲次、川上哲郎、ローラ
    B1クラス・・・・・吉永幸夫、明星光、西城五郎、黒木夏美、軽辺マキ
    B2クラス・・・・・鳥飼麗子、小柳昌子、五十嵐桃子、上田ユキ、森本さつき、三角四郎、西堀源太
    B3クラス・・・・・松尾美咲、森幸代、西浦昇、加藤浩二、近藤浪平、月島あかり
    C1クラス・・・・・荒川さおり、冬木マリ、郷雅俊、春日ひろみ
    C3クラス・・・・・柏木めぐ、菊池令、野口秀樹
    光3年時:
    A1クラス・・・・・大友雄太
    B1クラス・・・・・松本純、桜井昇平、相葉明進、西堀由紀
    B2クラス・・・・・今野豊、柏木由紀子、長島雄介、原憲次、川上哲郎、ローラ
    C1クラス・・・・・吉永幸夫、明星光、西城五郎、黒木夏美、軽辺マキ
    C2クラス・・・・・鳥飼麗子、小柳昌子、五十嵐桃子、上田ユキ、森本さつき、三角四郎、西堀源太
    C3クラス・・・・・松尾美咲、森幸代、西浦昇、加藤浩二、近藤浪平、月島あかり

    藤森佳佑(ふじもりよしすけ)(教師藤森泰三の子供。公立中野高校の高校生)
    今野武(今野豊の1つ違いの兄。公立中野高校の高校生)
    田所光一(田所庄司の兄)
    荒川透(荒川理沙の兄)

    西城五郎の姉
    軽辺マキのサークルの友だち3人組

    黒木夏美の両親  森幸代、軽辺マキの母親
    鳥飼雅子(鳥飼麗子の母親)  小柳百恵(小柳昌子の母親)
    西堀源蔵(西堀源太の父親)  西堀久美(西堀源太の母親)
    松尾しのぶ(松尾美咲の母親)

    <その他>
    店員(「リラックス11」と「リトルキッチン」)
    警備スタッフ(国立博物館、明星家専属SP)
    客(文化祭、秋祭り)

  • 登場人物(1)

    明星光  三鳥礼子  マチコ  今野豊
    明星妙子(光の母親)  明星学(光の父親)
    今野やすえ(豊の母親)

    <商店街の人たち>
    でぶさん(「気晴らし書店」の店主) ももんが(「もんじゃ焼き」の店主)
    外村さん(「外村理髪店」の店主)  新島さん(「FFバーガー」の店長)
    山中さん(「いたっく100」の主人)

    <高校の先生関係>
    山中良男・・・・・A1クラス担任。国語科を担当。商店街の100円均一の店の息子。
    権藤博文・・・・・A2クラス担任。数学科を担当。中肉中背のスーツが似合う紳士。
    藤森泰三・・・・・B3クラス担任。英語科を担当。公立中野高校から転任。高校退職後、出身の名古屋で長距離ダンプの運転手になる。
    小袋花袋・・・・・A3クラス担任。社会科を担当。やや痩せた背の高いグレーのスーツが似合うもっと顔立ちが可愛ければけっこう芸能人っぽい紳士。
    清水若菜・・・・・音楽科を担当。ボブがよく似合う。
    手塚治・・・・・・・(光2年時)A2クラスを担当。理科の担当。中肉中背よりやや太目で無地のスーツが似合うもっと若ければけっこうコマーシャル顔の紳士。ベレー帽を時々被っている。ゆっくりとした低音で太い声を出す言い回しが特徴。パソコン部の顧問。
    鳥畑元気・・・・・非常勤講師。美術科担当。花出講師の後に就任。高齢のじじい。小柄な体だが声がでかい。
    イヴ・ローラン・・非常勤講師。英語科担当。ハーフ(英仏)。片言の日本語だが生徒には人気。ロンゲが半端じゃなくすごい。
    花出聡・・・・・・・(はなでさとし)非常勤講師。美術科担当。サッカー部の副監督。若く20代の草食男子。女生徒との問題で1年で転校した。

    (登場しないが名前だけ)
    柴田・・・・・・・・・経済担当。
    高脇・・・・・・・・・倫理担当。

    校長、教頭

  • こちらは共に親が忙しくて式が終わり次第さっさと帰った2人は寄り道して近くの公園にいた。
    夏美「あー終わった終わった。」
    吉永「なっちゃん。」
    夏美「な、何よ気持ち悪い。」
    吉永「そ、そう・・・」
    夏美「だいたい慣れ慣れし過ぎるわよ。ほんと女性の気持ちをまったくわかってないんだから。」
    吉永「そ、そうか・・・」
    夏美「何?1年のときのガッツはどこ行ったの?」
    吉永「あは、あ、あれれ?」
    夏美「何とぼけてんのよ。」
    夏美はそう言ってさっさと自分の家の方角に帰って行った。吉永はそれを黙って見送っていた。すると後ろから、
    麗子「やっぱダメだね、それじゃ。」
    吉永「麗子。」
    麗子は呆れた様子で、
    麗子「おい、何で私は呼び捨てで、夏美はアレなんだよ?」
    吉永は少しあせった様子で、
    吉永「し、自然とそうなるんだよ。」
    麗子「まあ、頑張れ。私には関係ないし。」
    そう言うと、麗子は吉永の肩を軽く叩いた。
    吉永「麗子さん。」
    麗子「キモイ~!!そばに寄るな!!」
    麗子もさっさと自分の家の方角に消えて行った。
    そしてそこには吉永1人突っ立っている光景が、空を横切る黒い2羽のカラスにも馬鹿にされているようにも見えた。そばのゴミ箱には3本のコーラのペット500が捨ててあった。
    最後にこの話の主人公です。
    校門前にダークブルーのベンツが入ってきた。やがてベンツは1階入り口の駐車場に止まった。そこには光と母親が待っていた。出迎えた召使2人にドアを開けさせると2人は車に乗った。周りの人たちは一斉に彼女に注目した。そして母親は気取りながら髪を1、2回触った後で運転手に声をかけた。ベンツはゆっくりと校門を出て、狭い道路をすり抜けるように走っていった。

    ― 完 ―

  • 花園学園大附属高校の卒業式に今年は特別に大野竹輪がゲストとして招かれていた。
    山中「只今より第40回花園学園大学附属高校の卒業式を行います。一同起立!」
    校長が中央の教壇に進んだ。
    山中「一同、礼!」
    校長が礼をした。
    山中「着席!」
    校長があらかじめ用意しておいたメモ原稿をそそくさとポケットから出した。
    校長「では簡単に祝辞を述べたいと思います。・・・」
    校長の話は意外や長かった。その後役員のこれまた長い話やどうでもいい行事での優秀者の表彰があって、続いてゲストの大野竹輪が壇上に立った。
    大野「みなさんこんにちは。私が大野です。ご存知の方も多いと思いますが、今年ミステリー賞という大きな賞を頂きまして、現在も『もう1人の自分』に続く作品を現在執筆中であります。・・・」
    大野氏の話は短かった。

    やがて卒業式が終わった。講堂から親と一緒にそれぞれの卒業生が胸に何か新しいものを抱きながらぞろぞろと出てきた。
    マキ「入学式の日には長い3年と思ったけど、今は早かった3年に思うよ。」
    昌子「そうだね。お互いいろいろやったけど、とってもいい思い出になってるよ。」
    マキ「昌子ありがとう、いろいろ教えてくれて。」
    昌子「何でよ、私こそいろいろ・・・」
    2人の母親たちは娘たちの会話を聞きながら笑っていた。
    マキ「就職はどこに決めたの?」
    昌子「デザイン事務所、渋谷にあるの。『オフイス・サンバード』って言うの。マキは?」
    マキ「私は花園学園大学で事務。」
    昌子「そうかあ。でもたまにはどっかで会おうね。」
    マキ「いいよ。」

  • 翌年の2月。今日は13日。スーパー「ゲキヤス」には多くの女性が再びリニューアルした新設のコーナーを占拠していた。勿論目当てはチョコ。とくに女子高校生の集まりはやっぱり多く、押し合いもみ合いながらまるで特売日か年末の人手になっていた。
    マキ「すっごいね、毎年毎年人だらけ。」
    昌子「ほんとだ。」
    マキ「うちの生徒がやっぱり多すぎるわ。」
    昌子「ほんと、みんな渡す相手同じじゃない。いい加減あきらめればいいのに。」
    マキ「そうよね、もうすぐ卒業だし。」
    昌子の言うのはまたしても大当たりだった。翌日の放課後、西城の下駄箱の中にはたくさんのチョコが押し込んであった。光と西城が下駄箱にやって来た。
    光「おいおい何これ。」
    半分むかついた表情をしながらさすがに昨年の失敗からか、今年はイタズラはやめたようだ。
    西城「まったく・・・」
    光「いいよな、もらえるんだから。」
    西城「やるよ。」
    西城はそう言うとチョコのほとんどを光に渡した。
    光「おお、サンキュウー・・・。あ、それも。」
    光は西城の持っていた3つばかりのチョコも横取りした。
    西城「しょうがねえなぁ。」
    西城は完全に呆れてしまった。光は楽しそうに足早に1人で帰って行った。
    何故か翌日の光と豊の下駄箱にチョコがそれぞれ1つずつ入っていた。

  • この日豊と武は外に出ずずっと両親と一緒に1日家にいた。2人の部屋は別々にあったが、めずらしく豊が兄の武の部屋に入っていた。
    豊「兄さん、オレのオヤジは兄さんのオヤジとは別人なのか?」
    武はしばらく窓の外を眺めていたが、
    武「母さんが言ったのか?」
    豊「いや違うけど・・・」
    武は軽くうなずいて、
    武「そうだ。けど、オレたちは兄弟には違いないから。」
    豊「兄さんのオヤジって今何処にいるんだ?」
    武「さあな。離婚してだいぶ経つから。それと今更どうでもいいことだし・・・」
    豊「会いたいと思ったことはないの?」
    武「それもずっと昔のことだなあ・・・」
    武は古くなったガラス窓をゆっくりと開けた。開ける時に、ガタガタきしむ音が鳴った。
    豊「寒くないのか?」
    武「1人で考え事をする時はいつもこうやって窓を開けて外をしばらく眺めるんだ。」
    豊「それって、母さんが時々することじゃないか。」
    武「だよな。」
    武はそう言って飲みかけていたチューハイの残りが少なくなったグラスを、窓の外で軽く振った。僅かなチューハイは、水滴となって、その辺りに散らばった。
    武「お前のオヤジはまだ近くでピンピンしてらあ。」
    豊「明星商事・・・」
    武「ああ・・・」
    二人の会話がしばらく止んだ。
    武「オヤジに会いたいか?」
    豊「別にいい。」
    武「そう・・か。オレと同じだな。」
    お盆にお菓子と2つのコーヒーを入れたまま二人の会話をずっと部屋の外で立ったまま母親が聞いていた。
    やがて除夜の鐘が町中に鳴り響いた。

  • 少し離れて、
    西城「来年はみんな頑張ってくれ。」
    西城は後輩メンバーに元気付けるかのように力を込めて言った。
    桜井「はい、頑張ります。」
    一番元気だったのが桜井だった。
    相葉「今日はいつもと違うなあ・・・」
    松本「そりゃあ、いないからね。」
    みんな笑っていた。
    少し離れて、さおりと美咲が並んで歩いていた。
    さおり「今年も終わったね。」
    美咲「うん。あれでよかったのかな?」
    さおり「うん。おそらく豊も考え方変わるでしょ。」
    美咲「だといいけど。うちの組ももう解散だね。」
    さおり「ああ、そうするよ。私も親の店を手伝わなきゃいけなくなったし。」
    美咲「ああ、あの店。時々行くよ。」
    さおり「いつでも。」
    少し離れて、
    めぐ「あんた、バレー頑張んなさいよ。」
    由紀子「うん。まだ自信がないけど。」
    めぐ「練習足りないのよ。腕立て伏せが下手すぎる。」
    由紀子「来年こそは頑張る!」
    めぐ「それとさ、フラフラしてないでね。変な男に付いてかないでよ。」
    由紀子「はい。大丈夫、付いて行かない。」
    めぐ「そっちの方が心配だなあ・・・」
    少し離れて、不釣合いのカップルが並んで歩いていた。そしてすぐ傍にあった自販機で吉永がコーラのペットを買った。
    麗子「何で私となの?」
    吉永「誰も相手してくれないからよ。」
    麗子「夏美とのうわさはどうなったの?」
    吉永「まったく見当たらない。」
    麗子「そうかもね。夏美は綺麗だし、相手選ぶよね。」
    吉永「オレなんか、これといってとりえが無いから。」
    麗子「男はもっとしっかりしなきゃ!ほら!」
    麗子はそう言って吉永の背中を軽く叩いた。
    吉永「まあ、頑張るよ。」
    麗子「まあじゃダメだと思うよ。」
    吉永「そりゃそうと麗子は1人なのか?」
    麗子「失礼ね、いるけど今日は向こうが都合悪かっただけよ。」
    吉永「やっぱり・・・」
    麗子「頑張ってお祈りしなさい!」
    麗子は吉永の右肩を軽く叩いた。
    吉永「うん。」
    麗子「元気の無い奴。」
    吉永はコーラゼロのペット500を飲みながら1人で去って行った。

  • 第17話

    大晦日の中野神社ではかなりの冷え込みがあったが、まずまずの初詣客が来ていた。
    夏美「光は大学に行くの?」
    光「ああ。夏美は?」
    夏美「私は就職。もう内定してるし。」
    光「どこに?」
    夏美「設計の事務、OLよ。博物館の裏にある事務所。」
    光「そうか。じゃ、うちの親父の会社に近いな。」
    夏美は少し考えてから、
    夏美「そう言えばそうね。」
    光は夏美の腰に手を回そうとしたが、夏美はそれを拒んだ。
    少し離れて、
    マキ「昌子と一緒にイラストが描けてよかったよ。」
    昌子「来年も一緒にやろうね。」
    マキ「うん。頑張るよ。」
    昌子「じゃ、来年のイベントに一緒に行こう!」
    マキ「OK!」
    少し離れて藤森親子がいた。
    藤森「佳佑、来年うちは引っ越すから。」
    佳佑「・・・ど、どこに?」
    藤森「名古屋に。」
    佳佑「そう・・・聞いてなかったよ。」
    藤森「ああ、今日お前に話すのが初めてだからさ。・・・それと・・・もう教師を辞める。」
    佳佑「え!母さん知ってるの?」
    藤森「いや、・・・まだだ。」
    佳佑「そう・・・」
    藤森「大型の免許を取ってダンプを運転してみたいんだ。なるだけ長距離がいいなあ。」
    佳佑「父さん、旅行が好きだからなあ。」
    藤森「ああ、いろんなところに行って、いろんな自然に触れて、そしていろんな人との出会いがあって・・・。まあ、まだまだお前にはそんな気持ちは理解できないだろうなあ。」
    佳佑「うん、まったくわからないよ。」

  • さおり「お前の兄弟に武がいるだろ、あいつとお前は父親違いなんだよ。」
    豊「え!・・・ほ、ほんとですか???」
    さおり「だからさっき本当の事だって言ったろ。」
    豊「・・・」
    豊は少しうつむいてしまった。
    さおり「お前の親父は明星商事の役員だ。たぶん今社長だと思うけどな。」
    豊「そ、そしたらあの光と・・・」
    さおり「そう兄弟だ。まあ母親が違うけどな。」
    豊「そうだったのか・・・」
    さおり「だからお前は附属高校に入れたんだよ。ほんとなら入れないからな。武は公立だろ。」
    豊「・・・」
    さおり「まあ、それはいい。とにかくいじめは止めろ!」
    豊「な、何でだよ。」
    さおり「まだわかってないのか。お前母親の実家に行ったことあんのか。」
    豊「い、いや知らない。」
    さおり「だろうな、実家って藤森だよ。」
    豊「ふじもり・・・」
    さおり「だから、あいつとお前は兄弟なんだって!」
    豊「えええ・・・」
    豊は声も出なかった。そしてしばらくその場で固まってしまった。しばらく沈黙が続き、やがて彼の表情が暗くなっていった。彼は今まで母親をずっと信じきっていたから余計に悲しくなってしまった。
    さおり「再婚して今野家に嫁いだんだ。」
    豊「も、もういいよ。わかった・・・」
    豊はまったく元気を失くしてしまっていた。
    さおり「じゃ、帰る。」
    豊にとってはこの日ほど悲しい日はなかった。彼は今までずっと親兄弟のことを両親から知らされてはいなかったからだ。とにかく豊は自分の気持ちの整理がつくまで族は解散させることにした。これはうわさだが、豊はしばらくの間、1人カラオケに通っていたらしい。

    -------------------- 第16話  終わり -------------------------------------------

  • さて、ここで中野高校のいじめ問題にもどるが、3年生Aの仲間で転校したのが藤森佳佑、新入生が今野武だった。豊は武の弟で後から族に加わった。さらに藤森の仲間にはさおりをリーダーとする族が2人含まれていた。が2人とも自殺してしまったのだ。

    翌週の週末、中野神社で族同士のいさかいがあった。豊、武、光一たちのメンバーと、さおり、荒川透、松尾美咲たちのメンバーが言い争っていた。が結局殴りあいになってしまった。さすがにさおりたちの方が強かった。豊たちはかなり怪我をしながらそれぞれ帰って行った。

    次の月曜日、豊の下駄箱の中に1枚の白いメモが2つ折にして入っていた。中を見ると、それはさおりからだった。メモにはいつものカラオケ店に来るように書いてあった。豊はそのままカラオケの店に向かった。

    ここはスーパー「ゲキヤス」にあるカラオケ店。すでにさおりが店にいた。
    豊「な、何か用かな?」
    さおり「用があるから呼んだんだ。」
    さおりはそう言って、部屋に入って行った。豊は後を付いて行った。2人は向かい合わせに座った。
    さおり「豊、よく聞いておけよ。今から言うことは本当の事だから。」
    豊「・・・」
    豊は不思議そうに、そして何が起こるのか怖そうにもしていた。

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