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    言葉たちに、少しだけ命与えてあげませんか?
    書いてるあなたと、読んでくれる誰かが
    詩を間にシンクロしたとき、
    言葉は生きて、心の中へ染み込んでゆく
    ちょっぴりで いい。
    誰かの 心で小さな灯火になれたなら
    言葉たちも 微笑む気がするから
    飾らずに ありのままを・・・

    http://nagoya.cool.ne.jp/anq/

    詩専用の掲示板を用意しています。
    よろしかったら、お寄り下さると
    うれしいです!!

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  • 6759(最新)

    nono 1月25日 22:09



    心に風が吹く
    淋しい風と 人は言う
    わがままな風と 友は云う
    せつない風と あの人は云う
    どれも 当たっていそうで 当たらない

    この胸に 開いた穴から 通り抜けてゆく風は
    どこか 冷たい風で 私を 凍えさせてゆく

    哀しい風と 人は去り
    あきらめ風と 友は笑う
    想いの風だねと あの人は 抱きしめる
    どれも 本当の答えと わかっている

    包み込んでほしいときが
    優しい言葉よりも 黙って 背 撫ぜてくれるときが
    たまらなく欲しくなる

    そんな時に この風は 通り抜けてゆく
    私の中を

  • 今年も 寄ってくださって ありがとうございます。

    レスもあまりしませんが
    拝見させて頂いております。
    感謝いたします。

    新たな年も また拝見できますことを願っております。

    ありがとう

  • 月を重ね
    時を過ごし
    我 此処に居る

    日を繰り
    時を追い
    我 此処に居る

    朝に安堵し
    夜に願い
    我 此処に居と

    また一つ 年を重ね行く
    我 小さきものなり

    ただただ ありがたく想う


  • 砂浜に降りると荒れた海が白い爪を立てていた
    つま先に転ぶ石ころが忘れかけていた宿題を突き付けてくる

    海風が唸りながら強い平手打ちで頬をどやしてきた
    早く家に帰って年賀状を書こう

    水平線のはるか向こうに大島が浮かんでいる
    遠い友人を思い出すエピソードが漂い始めた

    コメントに過去を書くか未来を描くか
    現在には書くほどの事もない退屈な平穏は何色だろう


  • 62

    田村氏は活きた鶏をようさばかず、コンセントの修理の仕方を知らず、十年たっても中国語を聞きまちがえ、アンは夫の能無しに呆れている。しかし庭に白い花をとせがむ利かん気を憎からず思っている。生涯アマチュアとして稼ぎのない、親をも子をも顧みぬ水臭い男であったが、今日の今日まで生きてこられた。明日も水筒ぶら下げ雑踏にさまよい出、しょんぼり影を曳きずることだろう。


      秋の夜もふけて帰れば目にうるむ
      いづこでみしや路の灯のかげ

  • >>6745

    > 町
    > 57
    >
    >  遅い昼食のあとしばらくして、アンは私を聖林南町の表通りへ散歩に連れ出した。夏に焼けた並木の葉が黄色く縮んで秋風に揺れている。アンは上着の前を掻き合せて私の腕に寄り添い、売れぬ豪勢な宅地の構えと庭を二人で見て歩いた。陽気は日本ならさしずめ美濃の正月だ。通りに人影がなく、窓のうちは薄暗い。
    >  
    >  由夫は小学校から角を曲がって家へ向かう一本道に出ると、1キロほど先の路上に小粒な母たちの影を認めた。例によって御近所と立ち話をしているようだ。長良刑務所の高い壁と軒の暗い家々のあいだの一本道を歩いていく由夫は知らぬ顔に目を泳がせながらも、立ち去らぬ影をとらえていた。次第に姿が大きくなっていき、ブロック塀の上に柿の実がぶら下がる官舎あたりまで来ると、笑顔が見え、話し声さえ聞こえるようだ。手押し信号を渡って母たちの近くを黙って通り過ぎようとすると、母は逃げる由夫をつかまえて夕暮れの買い物に連れて行った。
    >  
    >  アンは鉄柵の門を開けて、引き止める私におかまいなく玄関先まで進入し、ここならあっちにもこっちにも山が見え、見晴らしが一番よくてお買い得、ここの柵は1メートル50あそこは1メートル80、向こうのは2メートルはありそうね、きっと互いに格を張り合ってるんだわ、なぞと言いながら、子犬を連れた奥さんのように、うつけた私を引き回した。ああ、あんなベランダなら夏に屋外でめしを食えるぞ。

  • 「我の為に」


    どのような糸を
    あなたは紡ぎだすのでしょう
    鮮やかな色に染められた
    太くて丈夫な糸を 紡ぐのでしょうか

    どのような糸を
    あなたは紡ぎだすのでしょう
    ほんのりとした色に染められた
    細くて頼りなげな糸を 紡ぐのでしょうか

    あなたが その手で紡ぎだす糸は
    鮮やか色でも 淡い色でもよいのです
    太くたって 細くたってかまわない
    途切れれば あわせ 結びなおして紡ぎます
    沢山の想い詰まった糸で

    どのような糸を
    あなたは紡ぎだすのでしょう
    指先が傷つき 疼きながらも
    眼には見えない糸を 今日も紡ぐのでしょう ね


  • 60

    新工場が軌道に乗ったある休日に、私は暇を持て余し、仮住まいの事務所を出て、池のある公園へ車を飛ばした。絵のような緑地のなかを家族ずれや若者たちがそぞろ歩いていた。
    無性に涸れていた。自分の運勢を問うてみたくなり、望楼の前庭のベンチに腰掛けて目を閉じた。そのままどれだけ耐えられるか試してみるつもりだった。
    何も考えぬよう心がけ、ただ息をするようにした。瞼の光に溶け込んでいくようだ。眠ったとは思われない。あなたがそうするならそうするがいい。
    疲れてはいなかったが、なにか折り合いがついたと感じ、目を開けるとあたりはもう翳っていた。時計を見ると3時間あまり経っている。我ながら感心だ。まばらな人々も帰り支度をしているようだ。駐車場の大樹の陰がわびしかった。
    私は私を拾ってくれた今の会社を辞める決心をそのときした。主婦で賑わうスーパーがあり、マスターとも顔見知りになったカフェがあり、唐揚げをよく買いに行く私を怪しむレジの娘のいるコンビニがあり、焼肉食い放題に週末一人でよく行ったファミリーレストランがあり、中古住宅を買おうと思い新たに銀行口座も開いたこの地を去ることに決めた。
    2005年。日本。


  • 57

     遅い昼食のあとしばらくして、アンは私を聖林南町の表通りへ散歩に連れ出した。夏に焼けた並木の葉が黄色く縮んで秋風に揺れている。アンは上着の前を掻き合せて私の腕に寄り添い、売れぬ豪勢な宅地の構えと庭を二人で見て歩いた。陽気は日本ならさしずめ美濃の正月だ。通りに人影がなく、窓のうちは薄暗い。
     
     由夫は小学校から角を曲がって家へ向かう一本道に出ると、1キロほど先の路上に小粒な母たちの影を認めた。例によって御近所と立ち話をしているようだ。長良刑務所の高い壁と軒の暗い家々のあいだの一本道を歩いていく由夫は知らぬ顔に目を泳がせながらも、立ち去らぬ影をとらえていた。次第に姿が大きくなっていき、ブロック塀の上に柿の実がぶら下がる官舎あたりまで来ると、笑顔が見え、話し声さえ聞こえるようだ。手押し信号を渡って母たちの近くを黙って通り過ぎようとすると、母は逃げる由夫をつかまえて夕暮れの買い物に連れて行った。
     
     アンは鉄柵の門を開けて、引き止める私におかまいなく玄関先まで進入し、ここならあっちにもこっちにも山が見え、見晴らしが一番よくてお買い得、ここの柵は1メートル50あそこは1メートル80、向こうのは2メートルはありそうね、きっと互いに格を張り合ってるんだわ、なぞと言いながら、子犬を連れた奥さんのように、うつけた私を引き回した。ああ、あんなベランダなら夏に屋外でめしを食えるぞ。


  • 56
    (金広東海岸通り 7)

     最後のレッスンの日、水鉢の美しい玄関で私は靴紐を結び終えて、かねてからの計画どおりシャオファンに問うた。
    「お別れにぼくに接吻してくれないか」
     彼女はさっと表情を変え、私の人生を無価値にした。詩の女神は私の過去のあやまちを許しはしなかった。
    「なんで?なんであなたに接吻しなければならないの」
     私はうつむき、そして見送りを辞した。

     その日、ぼくは朝から高熱を出して最後のレッスンには出かけられず、彼女に詫びてあった。床に臥せって夢うつつに呻吟した。・・・夜の衣を返してぞ着る。差し向かいでレッスンしていたとき、ぼくはきみのボタンをしっかりしめた胸の目立たぬふくらみに視線を止めてしまったことがあった。きみは目ざとくそれを捉え、つねならぬ影がよぎった。
     
     あなたのはからいで彼女の真の顔はとうとう見られなかった。海が近くにありながら、二人で浜を歩く機会はなかった。大連の風は冷たすぎたし、縁のない二人はどんな顔をして歩けばよかったろう。でも、今もときどき遠くから御機嫌伺いを続けている。シャオファンの返事は短く、日本語はなかなか上達しない。

     田村氏は秋から冬にかけて、錦繍で地下鉄に乗り、一二九街から唐人街まで歩いて529番バスに乗り換え、金広東海岸通りで降りた。帰りは、バスの本数が少ないからと、呉シャオファンが地下鉄の会議センター駅まで車で送ってくれた。彼女は地下鉄にはまだ乗ったことがない、市電は観光客用でのろすぎる、と言っていた。
     529番バスは彼女がたまに車で買い物に行くという二七広場を経由した。あまり料理をしないという彼女を、保存のきく日本のパスタと調味料を買いに連れて歩く姿を田村氏は窓の外によく見た。しかし折々に野菜を買い足す市場が彼女の家の近くになく、これでは夕暮れの気晴らしができまいと気を揉んだ。


  • 49
    (金広東海岸通り 1)

     秋のひと日、私は銀杏の並ぶ坂のバス停で降りて高層マンションを見上げ、友人が仲介した生徒は東から来るのか西から来るのかと歩き出しかねていると、彼女は東の進入路の角からあらわれた。そして私をそれと認めると小股に駆け出し、また足を緩めた。そのなよやかな身のこなしは、定かならぬ記憶の扉を叩いたが、開けてみる間もなく私は歩みだしていた。
     ふたりが相まみえると、ちょうど掃除をしていたもので、と彼女は笑顔をかしげ、ほつれた髪を手でなでつけながら私をいざなった。
     センセイハ オトシヨリオワカイデスワ。
     ニホンジンハ ソウミエルラシイデスヨ。
     そしてためらいもなく私を玄関の内へ招じて戸を閉ざした。父娘ほどに年は離れていたが、彼女は男性への未知のおののきはもう卒業していた。


  • 54
    (金広東海岸通り 6)

     字引きを買いに行こうと田村氏が提案すると,シャオファンは二七広場の路地裏の書店楼へ彼を連れて行った。それはかつて田村氏が中国へ来て初めて入った書店だった。入口の鉄階段の下に草が生えて散らかっているところがなかなかいいと感じたことを思い出した。
     窓のない楼の通路は薄暗く、電球に照らされたどの店子も木棚が弓なりに反り、書台には売れ筋と何年も変わらぬ子供用ドリルが並べてある。隅で主人がめしを食っている。四五軒歩いて、田村氏は目当ての携帯用で中身の濃い字引きを探し当てると,これがいいとシャオファンに勧めた。女将が裏を見て40元だと言うところを、シャオファンは小銭入れを開けて見せ、「36ゲンシカナイワ、コレデメヲツブリナサイヨ」と言った。女将はシャオファンと誼みがあるのか、それとも容姿に気おされてか、無力に売り渡した。
     道々、田村氏は浮かぬ顔をしていたが、気を取り直したようにシャオファンに言った。「ジビキノナカノレイブンヲ ナンドモトナエナサイ。40元で日本語をマスターできれば安いものです」


  • 53
    (金広東海岸通り 5)

    ソレハ クチベニナノカ。
    運転席についた彼女のほうへ顔を向けて私は訊いた。地下駐車場の採光ではクリームなのかルージュなのか見分けがつかなかった。中国は乾燥しすぎているから女性はよくクリームをつけるが。私が玄関で靴紐を結んでいるあいだにつけたのだろう。
    ソウヨ。ヒルマハ メダタナイホウガイイノ。ヨルハ、モットアカイノヲツケルワ。イツカ ミセテアゲル。
    彼女は私に向かって口をすぼめ、そしてバックミラーに映して覗き込んだ。唇が熟れた果実のようにひだを結んだ。
    マンションから地下鉄の駅までは10分の道のりだ。彼女はキャデラックをスタートさせた。
    明るい銀杏並木の長江路に旧日本の路面電車が走った。
    私はもう彼女を見つめる理由が見つからなかった。

  • 【光】

    足元を照らしていた想い
    長い時の流れにセピア色。

    とどまる事を許されずに
    涙に濡れて洗われていく。

    溢れる想いとは裏腹に
    心に残るものは寂しさ。

    光を求めて手を差し出す。
    迷わない様に、悔やまない様に

    出会うはずの全ての人に
    ありがとう。

    君が光であります様に
    君の光になれます様に

    今日も明日も。


  • 52
    (金広東海岸通り 4)

    いとせめて恋しきときはむば玉の。
    首筋の敏感な私はここのところ下着を裏返して着るのが癖になり、それは古人に倣っているのだと言い訳し、また彼女に結びつけられるのを喜んだ。
    バスの中で、レストランで、エレベーターの中で、首筋に違和感を覚えるたびに彼女を想った。

  • 化 石
     
     
     よせ来る時に 埋もれた
     
      私の想いは 石と成り
     
     生きる術を 奪われて
     
      ただの記憶の モノと成る


  • 51
    (金広東海岸通り 3)

    私は少年となって姉の膝もとで物語を聞いていた。
    話に耳を傾けるというより、息の香りに姉を感じていた。
    欲の少ない姉はこれといって趣味もなく、これといって楽しむこともなく、二人で何をするでもなかった。束の間にかたわらに寄り、年長らしく幼い私に細い肩を傾けて語り聞かせるのだった。
    姉はじきに起って片付けものでもしに離れていく予感を私は惜しんでいた。


  • 50
    (金広東海岸通り 2)

    彼女が朗読するたびに甘酸っぱい香りが私を包んだ。
    センセイ、残念ト無念ハ ドウチガウンデスカ。
    ワタシノチュウゴクゴガ ボコクゴノレベルニタッシナイノハ 残念デス。
    シジンガ ビヲ キワメラレズニシヌノハ 無念デショウ。
    あなたを前にして美の享受をあらかじめ拒まれていたのは無念です。
    海沿いの丘の見える一室で、黄八丈が似合いそうな若い奥さんは私とレッスンした。


  •  
     いつもの道に 花が咲く
     
       去年と同じ 形した
     
      小さく優しい 花が咲く
     
     いつもの道に 花が咲く
     
       去年と同じ 色をした
     
      小さく綺麗な 花が咲く
     
     いつもの道に 花が咲く
     
       過ごした月日の 想いえて
     
      去年と違う 花が咲く

  • 瞳の中にいつも居た貴方は
    微笑めば 微笑
    涙すれば 滲んで
    消えることなど 思ってもいなかったわ
    私も ・・・
    貴方も ・・・
    何故と 繰り返すけれど
    其処には 辛そうな顔が 映るばかり
    頷くには 辛すぎて
    去るゆく貴方 見送るだけ

    瞳の中にいつも居た貴方は
    望んでも かなわず
    涙こぼせば 影さえ失くし
    欠片さえも 逃げだしてゆく
    貴方の ・・・
    私の ・・・
    何故と 繰り返すけれど
    心が痛むごとに 幻を見せてくるだろう
    縋るには 儚すぎて
    想い出欠片をすくうだけ

    この瞳の中に

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