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新電力、乗り換えやすく
契約・解約一括手続き 自由化制度案、公平な競争環境整備
経済産業省は2016年の電力小売り自由化に備え、既存の電力会社と新規の電気事業者(新電力)の公平な競争環境を整える。利用者が新電力の窓口に出向けば、現在の電力会社との解約手続きも済ませられるようにする。大手電力各社の顧客の電気利用状況も新電力側がきめ細かく把握できるようにする。競争を促進し消費者の選択を広げる狙いだが、どこまで実現するか不透明な面がある。


 経産省が30日に開く総合資源エネルギー調査会作業部会で電力の小売り自由化に向けた案として発表する。

 現在の制度では顧客が電力会社を乗り換えるときに、それまでの電力会社と解約手続きを済ませ新電力と新規契約を結ぶ必要がある。解約の手続きが複雑だったり時間がかかったりすれば、大手電力側が顧客を引き留めやすくなる。

 経産省が示す新たな指針では、解約と新規契約の手続きを新電力側の店頭窓口やネット上で一括してできるようにする。例えば新電力の一社であるソフトバンクの場合、携帯電話の販売店で電力の購入先を切り替えられるようになる仕組みだ。

 発送電網を持つ大手電力が、新電力向けに顧客の情報をきちんと提供する仕組みもつくる。大手電力は電気の消費状況を詳しく把握するために、今年度以降、次世代電力計(スマートメーター)を本格導入する。スマートメーターは大手電力の資産で検針データは大手電力が保有している。新電力向けのデータ配信を一日4回から48回に増やす。

 新電力は消費者がいつどれだけ電気を使用しているか、きめ細かくつかめる、生活スタイルに合わせた電気料金プランを提案できる。現在は地域ごとの画一的な料金体系しかないが、生活実態に合わせた様々な料金プランを提供しやすくなる。

 原子力発電所の再稼働の遅れで火力発電燃料のコストが上乗せされ電気料金は上昇している。経産省は既存の大手電力と新電力との競争条件を平等にして電力市場を活性化することで、電気料金の引き下げを期待する。

 ただ、新制度案はいずれも指針や省令などの形式となる見通しで、法的拘束力が弱い。同じ公共インフラ関連では、1985年の通信自由化の際にNTTによる独占の壁がなかなか崩れなかった。NTTと新電電も競争条件を巡る対立が長引いた。電力市場でも様々な局面で、大手電力と新電力の対立が激しくなりそうだ。

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