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(株)エナリス【6079】の掲示板 2018/02/01〜2018/02/06

世界最大の蓄電池が稼働開始、米テスラが設置

2016年9月、50年に一度とされる規模の嵐が南オーストラリア州を直撃し、重要なインフラを破壊しました。その結果、州全体で停電が発生、170万人が電気を利用できない状態になりました。

これに対して、南オーストラリア州政府は、住民のエネルギー安全保障を確実にするため解決策を模索しました。その結果、少なくとも100MWの容量を持つグリッドスケールの蓄電池を配備し、緊急時の備えをすることが重要との結論に至りました。

2017年3月、州政府は、再生可能エネルギープロジェクトを支援するために1億1400万米ドルの資金を創出する計画を発表しました。その後、蓄電池の建設に係る競争入札が実施され、2017年7月、米テスラが90以上の競合の中から、案件を獲得するに至りました。蓄電池はフランスの再エネ企業Neoen、米テスラ、そして南オーストラリア州政府との合意の下、南オーストラリア州Jamestownに設置されます。

テスラと南オーストラリア政府との間では、グリッド接続契約が締結されてから100日間までに運転開始となることが合意されました。また、テスラCEOのElon Musk氏は、仮にその期間内に運転開始できなければ、無料で引き渡すと明言しています。

蓄電池の性能は100MW/129MWhであり、30000以上の家庭に十分な電力を供給する性能を保持しています。南オーストラリア州政府の発表によると、世界最大のリチウムイオン蓄電池であるといい、12月1日から正式に稼働開始しました(図1)。

蓄電池は、フランスの再エネ企業Neoenが運営する風力発電「Hornsdale Wind Farm」から電力を受け入れます。「Hornsdale Wind Farm」は、蓄電池の設置されるJamestown近郊にて稼働しています。

蓄電池の電力は、電力市場である「National Electricity Market」に供給されます。貯めておいた電力は停電時だけではなく、夏季ピーク負荷の管理などにも利用され、全体的な電力インフラの信頼性を向上させることに寄与します。