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    神は究極の計算機
    God Is the Machine

    現在のファイル圧縮率で計算すると、DNAに含まれる30億桁の情報すべてを約1枚のDVDに保存できる。3ギガバイトのゲノムシーケンスとして数値化された人体情報を、パソコンで扱うことができるのである。生命活動は情報処理にほかならない。コンピュータの小型・高性能化の進化を目撃したわれわれは、人間というシステムも、実は情報の集まりだと実感できるようになった。親から子に伝わるのは卵子と精子というマイクロ・メモリー・デバイスに含まれるDNA情報なのである。
    生命という現象が、実は情報処理にほかならないと納得できるとすれば、物質の正体も情報処理だという考えにも素直に納得できるはずだ。われわれが電車で足を踏まれた場合、だれも情報に踏まれたと感じる人はいない。しかし実際には、踏むということも情報であり、踏まれたと感じることも情報処理にほかならない。
    物質世界の不思議なふるまいは、昔から知られている。物理学者が原子レベルを超え、クォークやミュー粒子などの素粒子レベルまでは観測できたとしても、その先の世界に物質と呼べるような世界は見当たらない。量子力学という確率論の世界に突入すると、従来の物理学的方法ではその先に進めない。そこで登場するのがデジタル物理学である。デジタル物理学では、量子力学の奇妙なふるまいも、宇宙のすべての現象も、なんのことはない、ゼロと1の情報なのだ。物質世界そのものが実はデジタル情報なのである。
    80年台の時点で、科学者ジョン・ホイーラー(ブラックホールの名付け親)はすでに原子はゼロと1の情報でできていると述べている。彼は1989年に「Its are from bits」と題した講演の中でこう述べている。「ありとあらゆるもの、素粒子、重力や核力などの力の場、時空さえも、その存在そのものが、デジタル情報の計算で成り立っている。われわれが現実と呼んでいるものの実態は、膨大な数のイエスかノーかの選択によるシミュレーションなのである。」
    物理とソフトウェアプログラムの関係を理解するために、水の分子を例に取ろう。まず3つの原子を思い浮かべてほしい。水素原子2個と酸素原子1個だ。これらをデジタル物理学の魔法のビーカーの中に入れて、それぞれの原子がどのように結びついて水の分子になるかを観察してみよう。各原子どうしが近づくと、お互いにどの角度で、どの程度の距離で結びつけばよいかを探っているように見える。2個の水素原子は、酸素原子に結合するためのあらゆる可能性をイエスかノーかの決断で探り、たいてい最適な角度である104.45度の角度を見つけ出して結合する。すべての化学反応は、このような計算を行っている。

    *http://www.asyura2.com/0311/bd32/msg/119.html

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