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  • 第二次安倍政権は、これまで安全保障政策として、
    (1)国家安全保障会議(日本版NSC)を創設し、今後10年の指針となる
    国家安全保障戦略(NSS)の策定。
    (2)武器の日米共同開発・生産を行うため、旧武器輸出三原則での
    輸出禁止を撤廃し、一定条件(①国際条約の違反国などには輸出を
    禁止する②輸出を認める場合を限定し、厳格に審査し情報公開する
    ③目的外使用や第三国への移転が行われないよう適正管理する)に
    沿う輸出を認める「防衛装備移転三原則」の閣議決定。
    (3)(2)の武器の日米共同開発・生産及び集団的自衛権の解釈を見直
    して日米共同作戦を行うため、米国は日本に高度な軍事情報等を提
    供する必要があるが、提供した情報が日本サイドから漏れないよう
    特定秘密保護法の制定。
    (4)憲法解釈を変更して、集団的自衛権行使容認の閣議決定。
    を行った。

    安倍政権は、今国会で、2013年10月の日米安全保障協議委員会(日米
    外務・防衛閣僚)で決定された 「集団的自衛権の行使に関する安全保障
    の法的基盤の再検討」に基づいて、集団的自衛権行使に関連する法令
    の改正を行う予定である。

    以下、自衛権の憲法解釈変更の経緯と問題点、自衛隊出動(個別的自衛
    権・集団的自衛権行使)の具体的ケースと関連法改正及びその問題点に
    ついて、順次、述べる。(10ページの予定)。
    <続く>

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  • 自衛隊出動(集団的自衛権行使)の歯止めについて。

    日本と密接な関係にある他国が攻撃された場合や他国が引き起こした戦争に自衛隊
    が出動する場合、また、他国軍の後方支援や国際的な平和協力活動で自衛隊が出動
    する場合、自民党と公明党の協議で「国会の事前承認を基本とする」とされたが、時の
    政権が、独断で閣議決定しないよう、 国会が閉会のときは、国会法第3条(下記資料5
    参照)により緊急の臨時会の招集。衆議院が解散されているときは、憲法第54条(下記
    資料6参照)により参議院で、必ず、国会の事前承認を得るよう、自衛隊法等を改正する
    必要がある。

    資料5: 国会法第3条
    臨時会の召集の決定を要求するには、 いずれかの議院の総議員の4分の1以上の
    議員が連名で、議長を経由して内閣に要求書を提出しなければならない。

    資料6: 憲法第54条
    2 衆議院が解散されたときは、参議院は同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急
    の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
    <了>

  • 法令改正の問題点について。

    従前の日米防衛協力のための指針(ガイドライン)は、 「日本周辺における日本の
    平和と安全に重要な影響を与える事態(周辺事態)」に限って米軍を支援できると
    定めていたが、2014年10月1日の改定で、自衛隊が、世界中で米軍に協力できる
    枠組みに作り替える方針が確認された。

    安倍政権は、そのため、「周辺事態法」から日本周辺との地理的な制約を取り除
    いた「重要影響事態法」の制定。 また、日本が直接武力攻撃を受けていなくても、
    日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合にも自衛隊が出
    動できるよう、武力攻撃事態法や自衛隊法の改正を行う。また、国際平和活動を
    共にする他国部隊への「駆けつけ警護」や「後方支援」等、自衛隊を早急に派遣
    するため「恒久法」を制定する。

    自衛隊を早急に海外に派遣するための 「恒久法」制定の問題点は、 湾岸戦争
    (1991年1月の国連多国籍軍のイラク侵攻)のトラウマ(金<130億ドル>だけ出して
    人的支援 <自衛隊の参戦> を行わず、戦後、米国から激しく非難された)により、
    国連決議がなくても自衛隊を海外に派遣したい安倍政権は、公明党との協議で
    「国連決議に基づくものであること、または、関連する国連決議等があること」で
    合意した。安倍政権は「国連決議等」の「等」一文字に、欧州連合など国連以外
    の「国際機関や地域的機関」や「国連の主要機関」の要請があれば、国連決議
    がなくても自衛隊を派遣できると解釈している。

    上記の解釈の結果、イラク戦争やオバマ政権が2014年9月22日、中東シリア領
    内で、イスラム教スンニ派の過激派組織 「イスラム国」の拠点などに空爆を開始
    し、イギリス、フランスやサウジアラビア等米国と軍事同盟を結ぶ諸国が空爆に
    参加しているよう、米国が引き起こした戦争に自衛隊が参戦すれば、日本がテロ
    の標的にされる懸念がある。
    <続く>

  • No8の法令改正の続き。

    (2)周辺事態法の改正
    安倍政権は、 日本周辺での米軍後方支援を想定した 「周辺事態法」の「周辺」という
    地理的概念を削除し、地球的規模で米軍の支援(物資・燃料・弾薬等の提供、米艦船、
    航空機や車両の修理・整備、離陸直前の米戦闘機への給油等後方支援)ができるよう。
    また、 自衛隊が、国際平和活動を共にする他国部隊への 「駆けつけ警護」及び「後方
    支援」、国連安保理決議に基づく「多国籍軍への参加」など国際協力。公海上で米艦船
    への攻撃に対する応戦が世界中でできるよう。さらに、時の政権が「日本の平和と安全
    に重要な影響がある」と判断すれば、支援対象を米軍以外の他国軍(Ex,オーストラリア
    軍)にも拡大するため、「周辺事態」を「我が国の平和と安全に重大な影響を与える事態」
    に変更して、「周辺事態法(下記資料4参照)」を「重要影響事態法(仮称)」に改正する。

    資料4: 周辺事態法
    ( 後方地域: )
    第3条 我が国領域並びに現に戦闘行為が行われておらず、 かつ、 そこで実施される
    活動の期間を通じて戦闘行為が行われることがないと認められる我が国周辺の公海及
    びその上空の範囲をいう。

    (3)その他の法令改正
    (A)国際平和活動を共にする他国部隊への「駆けつけ警護」や「後方支援」等、自衛隊
    を早急に派遣するため「恒久法」の制定。
    (B)米軍以外の他国軍の武器等防護が可能になるよう「自衛隊法」の改正。
    (C)テロに巻き込まれた在外邦人を自衛隊が、武器を使って救出できるよう「自衛隊法」
    の改正。
    (D)国際平和協力活動のため「PKO協力法」の改正。
    (E)武力攻撃してくる他国軍の海上輸送を規制するため「海上輸送規正法」の改正。
    (F)日本近隣で武力攻撃した国に武器を供給するために航行している外国船舶への立
    ち入り検査のため「船舶検査法」の改正。
    (G)国民の権利を守る態勢の整備と国民保護を実施するため「国民保護法」の改正。
    <続く>

  • 安倍政権は、武力行使新3要件の「我が国と密接な関係にある他国に対する
    武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由
    及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合、また、自衛
    隊が、 No7の具体的ケースに出動する場合、 集団的自衛権を行使できるよう、
    今国会で次の法令の改正や新設を行う。

    (1)武力攻撃事態法及び自衛隊法の改正
    安倍政権は、2014年7月1日の閣議決定で、
    (1)我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係
    にある他国に対する武力攻撃が発生し、 これにより我が国の存立が脅かされ、
    国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある
    場合に。
    (2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段が
    ないときに。
    (3)必要最小限度の実力を行使すること。
    の武力行使新3要件を決定した。

    安倍政権は、上記の武力行使新3要件に関連して、現行の「武力攻撃事態法」
    を改正し、日本が直接攻撃を受けていなくても 我が国と密接な関係にある他国
    に対する武力攻撃が発生した場合に、集団的自衛権が行使できる「存立事態法
    (仮称)」の制定。また、我が国に対する外部からの武力攻撃に加えて、我が国と
    密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した場合にも自衛隊が出動で
    きるよう、自衛隊法第76条(下記資料3参照)の改正を計る。

    資料3: 自衛隊法第76条
    (防衛出動)
    内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃(以下「武力攻撃」という)
    が発生した事態又は武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められ
    るに至つた事態に際して、我が国を防衛するため必要があると認める場合には、
    自衛隊の全部又は一部の出動を命ずることができる。この場合においては、武力
    攻撃事態法第9条の定めるところにより、国会の承認を得なければならない。
    <続く>

  • 安倍政権が進める自衛隊出動(集団的(個別的)自衛権行使)の具体的
    ケースは次のとおりである。
    ★ グレーゾーン(武力攻撃に至らない事態)。
    (1) 日本の領海に侵入した潜水艦が退去要請に応じない場合の対処。
    (2) 離島に上陸した武装集団への対処。

    ★ 国際協力(集団安全保障)
    (1) 国際平和活動をともにする他国部隊への「駆けつけ警護」等自衛隊
    の武器使用。
    (2) 国際平和活動に参加する他国への後方支援。
    (3) 国連安保理決議に基づく多国籍軍への参加。

    ★ 集団的自衛権の行使
    (1) 公海上で米艦船への攻撃に対する応戦。
    (2) 米国に向かう弾道ミサイルの迎撃。
    (3) 日本近隣で武力攻撃した国に武器を供給するために航行している
    外国船舶への立ち入り検査。
    (4) 米国を攻撃した国に武器を提供した外国船舶への検査。
    (5) 日本の民間船舶が航行する外国の海域(ペルシャ湾などシーレーン)
    での機雷除去。
    (6) 朝鮮半島有事の際に避難する民間邦人らを運ぶ米航空機や米艦船
    の護衛。

    ★ その他
    (1) 海外在住邦人が武装集団に攻撃された場合、その国の同意があれば、
    自衛隊の武力行使による救出。
    <続く>

  • 1972年制定の武力行使3要件は、
    (1)我が国に対する急迫不正の侵害がある。
    (2)排除のために他の適当な手段がない。
    (3必要最小限度の実力行使にとどまる。
    とされ、3要件全てを満たしたときに「個別的自衛権」が行使できるとしていた。

    安倍政権は、2014年7月1日の閣議決定で、「集団的自衛権」を行使できるよう
    上記の1972年制定の武力行使3要件を、
    (1)我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係
    にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、
    国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある
    場合に。
    (2)これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段が
    ないときに。
    (3)必要最小限度の実力を行使すること。
    の新3要件に改めた。

    安倍政権が、閣議決定で改定した武力行使新3要件の重要な点は、「我が国へ
    の武力攻撃のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が
    発生した場合」にも武力行使を容認した点である。
    <続く>

  • No.4の憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認は次の問題がある。

    (1)憲法第9条に違反。
    日本弁護士会は「集団的自衛権の行使容認は,日本が武力攻撃をされていない
    にもかかわらず,他国のために戦争をすることを意味し,戦争をしない平和国家
    としての日本の国の在り方を根本から変えるものである。
    憲法第9条第1項は,「国権の発動たる戦争と,武力による威嚇又は武力の行使
    は,国際紛争を解決する手段としては,永久にこれを放棄する。」と規定する。
    「日本が武力攻撃をされていないにもかかわらず,他国のために戦争をする」と
    いう事態は,国際紛争に該当し,そこで日本が武力行使をすることは憲法第9条
    第1項に違反する。」との見解を示している。

    (2)憲法解釈変更を安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇談会」で行ったこと。
    憲法解釈変更は、立法(国会)、 司法(裁判所)、 行政(内閣)で構成される公的
    機関で行われるべきである。しかるに、学者、元外交官・防衛官や企業経営者
    など懇談会メンバー全員が、集団的自衛権行使容認論者で構成する安倍首相
    の私的諮問機関「安保法制懇談会」で行ったこと。
    また、安倍首相が、内閣の一部局であるが憲法の番人・内閣法制局長官は、
    内部昇格という従来の慣例を破って、憲法解釈変更による集団的自衛権行使賛
    成論者の部外者の元外務官僚・駐仏大使の小松一郎氏を起用したのは恣意的
    (最初から結論<集団的自衛権行使容認>ありき)で問題である。

    (3)憲法解釈変更を閣議決定で行ったこと。
    自国の防衛に専念してきた戦後日本が、軍事同盟国の米国が攻撃された場合
    の反撃や海外での戦争に参加できる「集団的自衛権行使の容認」は安全保障
    政策の大変換である。
    しかるに、かかる重大な政策変換を、一政権が独断で行う「閣議決定」は、憲法
    の主旨「権力を縛る」という立憲主義を根底から否定するものである。
    また、時の政権により、憲法解釈が変わる弊害があり、国会での慎重な審議に
    より決定すべきである。
    <続く>

  • 安倍首相の要請を受けて、安保法制懇談会は、北朝鮮の核ミサイル開発や中国の
    国防費増大による軍事力増強などを挙げ、 日本を取り巻く安全保障環境の変化を
    強調。「安保環境の変化にもかかわらず、憲法論の下で安保政策が硬直化するよう
    では、憲法論のゆえに国民の安全性が害されることになりかねない。」と主張。

    また、憲法には、個別的自衛権や集団的自衛権についての明文の規定はなく、憲法
    制定直後、吉田茂首相は国会答弁で個別的自衛権の行使を否定していたが、1950年
    の警察予備隊、1954年の自衛隊の発足の際、戦力の保持を禁じた憲法第9条第2項と
    の整合性から、 自衛隊を「自衛のための必要最小限度の実力」と位置づけ、 個別的
    自衛権を憲法解釈の整理により認めたと指摘し、 憲法が認める 「必要最小限度」の
    自衛権の範囲に、集団的自衛権も含める憲法解釈に変えるよう報告した。

    同時に、安保法制懇談会は、集団的自衛権行使として、次の事項を例示した。
    (1) 公海上で行動を共にする米艦への攻撃に応戦。
    (2) 米国に向かう弾道ミサイルの迎撃。
    (3) 国際平和活動での武器使用を国際基準にする。
    (4) 国際平和活動や周辺事態での他国軍の後方支援の拡大。

    安倍内閣は、安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇談会」の報告について、検討
    を重ねた結果、 2014年7月1日、報告どおり憲法解釈を変更して、集団的自衛権の
    行使容認を閣議決定した。
    <続く>

  • 安倍首相は、集団的自衛権の行使を容認するため、憲法の番人・内閣法制
    局長官は「内部昇格」という従来の慣例を破って、 憲法解釈変更による集団
    的自衛権行使賛成論者の部外者の元駐仏大使の小松一郎氏を起用した。

    また、 安倍首相は、 集団的自衛権行使について第9条の改正は、第96条の
    憲法改正要件(下記資料1参照)及び衆参議院の党派別議席(下記資料2参照)
    から、衆議院は与党の公明党が改正に反対しても、維新の党が協力すれば、
    3分の2の317議席の賛成を得られるが、参議院は自民党と維新の党二党では、
    3分の2の162議席に遠く及ばず、2016年の参議院選挙で自民党が大勝せねば
    改正は困難である。
    そこで、 2,015年前半に延期した「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の
    改定に間に合わせるため、安倍首相の私的諮問機関「安保法制懇談会(安全保
    障の法的基盤の再構築に関する懇談会)」に集団的自衛権行使について、憲法
    解釈の変更を行うよう要請した。

    ★資料1: 憲法第96条(憲法改正要件)
    この憲法の改正は、各議院の総議員の三分の二以上の賛成で、国会が、これ
    を発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別
    の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の
    賛成を必要とする。

    ★資料2: 衆参議院の党派別議席数
    (1) 衆議院(475議席)
    自民党:292, 公明党:35, 民主党:73, 維新の党:41, 共産党:21, その他:13
    (2)参議院(242議席)
    自民党:115, 公明党:20, 民主党:59, 維新の党:11, 共産党:11, その他:26
    <続く>

  • 「自衛権」には、「個別的自衛権」と「集団的自衛権」の二つがある。
    「個別的自衛権」とは、日本が北朝鮮等他国から攻撃されたとき、日本を
    守る権利であり、個別的自衛権を行使できるのは、
    (1)日本への急迫不正の侵害があること。
    (2)他に防衛手段がないこと。
    (3)必要最小限度の実力行使に止まること。
    の三条件を前提とする。

    「集団的自衛権」とは、 「米国が他国から武力攻撃を受けた場合、米国と
    密接な関係にある日本は米国を援助し、共同してその防衛にあたる権利」
    と定義され、「個別的自衛権」 も 「集団的自衛権」 も 国際連合憲章51条に
    定められている。

    次に「自衛権」の憲法解釈について述べる。
    「個別的自衛権」について。憲法制定直後、吉田茂首相は国会答弁で個別
    的自衛権の行使を否定していたが、1952年の朝鮮戦争を機に、1950年の
    警察予備隊、1954年の自衛隊の発足の際、戦力の保持を禁じた憲法第9条
    第2項との整合性から、 自衛隊を 「自衛のための必要最小限度の実力」と
    位置づけ、憲法上も認められるとの立場をとった。

    「集団的自衛権」について。歴代内閣は、「日本は国際法上集団的自衛権
    を有しているが、憲法第9条の下において許容されている自衛権の行使は、
    日本を防衛するため必要最小限度の範囲にとどまるべきものであると解し、
    集団的自衛権を行使することは、 その範囲を超えるものであって、憲法
    上許されない」という立場をとってきた。
    <続く>

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