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サンバイオ(株)【4592】の掲示板 2017/11/02〜2017/11/16

産業・新陳代謝の行方(9)
再生医療VBに資金供給

2014/9/3 日刊工業新聞

【世界から注目】

再生医療のベンチャー企業が、世界中から日本にやって来るのではないか―。人の骨髄に由来する再生細胞医薬品の開発を推し進めるベンチャーのサンバイオ(東京都港区)。同社の森敬太社長は安倍晋三政権が日本再興戦略(成長戦略)の柱の一つとして推し進める、「再生医療の実用化に向けた環境整備」が世界から注目されていることを実感している。

政府が再生医療の制度改革で具体策を打ち出すと「『日本に行くべきか』といった議論」(森社長)が、米国などで開かれた再生医療関係の学会で話題になっているという。

従来の医療では治療が難しい疾患の根治に道を開く再生医療。再生医療の制度改革を受け世界のベンチャーが日本に「地の利」を見いだす可能性は大きい。そうなれば国内で資金需要も高まる。「世界で最もビジネスのしやすい環境整備」は安倍政権の公約。こうした政策を追い風にサンバイオは1月、米サンフランシスコに置いていた本社を日本に移した。米は世界的に再生医療の研究開発や事業化の環境が整うが、森社長は日本を本拠地と定めた。

【最速の水準】

森社長が政府の制度改革で特に評価するのは、再生細胞医薬品の承認を大幅に前倒しする「条件・期限付承認制度」の導入。すでに薬事法が改正され、同制度は11月に運用が始まる。再生医療製品を実用化するには臨床研究を終えた後、有効性や安全性を確認する治験を3段階で進める必要がある。

治験はフェーズ1―3の各段階で効果を確認しながら対象人数を数十―数千人に増やす。承認まで5―6年は必要。11月に施行する制度は治験のフェーズを前倒しする。これにより、世界でも最速の水準で市販することが可能になり、ベンチャーや大手製薬メーカーを投資へと動かす。

ボトルネックとなるのは資金だ。例えば、システムやソフト開発などと比べ、再生医療分野は事業化まで5―10年はかかる。ベンチャーは資金不足を招きやすく差別化技術で事業化できないリスクが大きい。

三井住友銀行と日本政策金融公庫は現在、連携してサンバイオに事業資金の約4割を供給する。三井住友銀は担保に乏しいベンチャーなどに事業の成長性を評価し融資する独自スキームを持つ。従来、この手法でサンバイオを支えてきた。

【強みを生かす】

三井住友銀と日本公庫は7月に成長企業支援で業務提携。日本公庫も創業や新事業を支援する挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)を持つ。両行の強みを生かし融資先へ資金供給を量、質ともに充実できる。提携を受け日本公庫はサンバイオへ融資を実行。提携後の第1号案件となった。森社長は資金調達に「多様性が欲しい」と話す。産業を新陳代謝に導く2行の挑戦は、新たな金融スキームとして大きな可能性を秘めている。

将軍一族