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CYBERDYNE(株)【7779】の掲示板 2018/07/27〜2018/08/06

【地域発 世界へ サイバーダイン 医療用の装着型ロボ 欧米奔走し保険適用拡大】

2018/7/30付
日本経済新聞 朝刊

https ://www.nikkei.com/nkd/company/article/?DisplayType=1&n_cid=DSMMAA13&ng=DGKKZO33502830X20C18A7FFR000&scode=7779&ba=1

 筑波大学発スタートアップの代表格、サイバーダインは装着型ロボット「HAL」の開発・製造を手がける。脳卒中などの病気や交通事故で歩くのが難しくなった人の動作を支援する革新的な技術に対して世界が注目するなか、医療機器の認証や保険適用、現地拠点の整備などに積極的に動いている。

「これは日本生まれの技術。他の国はどこも到達できていない」。5月、ロシア・サンクトペテルブルクで日ロ両国の首脳が参加した「国際経済フォーラム」で山海嘉之社長は、日本を代表する科学技術として医療用HALを売り込んだ。
 HALは人が身体を動かそうとしたときに脳から筋肉に伝わる微弱な電位信号を皮膚に貼り付けたセンサーでとらえる。信号に応じて内蔵されたモーターを制御し、人の動きを支援する仕組みだ。
 脊髄を損傷した患者が医療用HALによる治療を約3カ月受けた結果、平均で以前の2倍の速度で歩けるようになった。脳卒中の患者に対しては3週間で通常のリハビリに比べて歩行速度の改善が5倍になったといった研究報告がある。
 同社の技術は日本より海外で次々と実績を上げている。ポーランドでは17年に医療用HALを導入した医療機関と民間保険会社が世界で初めて保険適用に関する契約を結んだ。患者1人当たり3万ユーロ(約400万円)相当がカバーされる。ドイツでも保険適用の範囲を公的医療保険などに拡大できるよう協議中だ。
 米国では17年に米食品医薬品局(FDA)に医療機器として承認された。サイバーダインは最大級のリハビリテーション医療グループと提携し、フロリダ州に治療センターを設立した。
 サウジアラビアでも17年に医療機関を所有する大手企業と提携した。同国では交通事故の多発で、年間1万3000人と日本の倍以上に相当する脊髄損傷の後遺障害患者を抱え、社会問題になっているという。
 医療用HALは海外を中心に伸び、2018年3月期には257台となった。国内で展開する腰に装着して重い荷物を運ぶときの負担を減らす作業支援用のHALにも欧米から注目が集まっている。山海社長は「海外市場の比率は将来的に8~9割になるかもしれない」との見方を示す。
 山海社長が提唱するのが、あらゆる人間がインターネットにつながる「IoH(Internet of Humans)」。センサーで動脈硬化や不整脈などの生体情報をとらえ、脳卒中や心筋梗塞などの予防や早期診断も見据えている。こうした新たな市場を生み出すビジネスモデルはハーバード大学ビジネススクールなどで先進事例として取り上げられている。