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3Dマトリックス、止血剤、欧州で追加適応へ、後出血予防、審査機関から承認書。
2018/11/29 日経産業新聞

 医療材料の開発を手がける3DMは、欧州で承認申請していた止血剤の新たな用途について、承認を得られる見込みとなった。使用対象となる患者が増え、市場規模が拡大する。同社の主力製品として期待がかかりそうだ。
 3DMは止血剤「ピュアスタット」について、欧州の承認機関である英BSIグループから、このほど新たな承認書のドラフト(下書き)を受け取った。「後出血の予防」という適応を追加するために同社が申請していたもので、近く承認される可能性が高まった
 3DMによると、ドラフトの受領は、日本における厚生労働省の薬事・食品衛生審議会の部会通過に相当するという。3DMの岡田淳社長は「年末から年明けあたりに正式な承認が出るのでは」と期待している。
 承認されれば対象患者が広がり、市場は現状の10倍程度に拡大する見通しだ。2021年4月期に40億円の製品売上高達成という目標実現への大きな一歩になる
 同社が製造販売するピュアスタットは、内視鏡手術時の出血を止める止血剤だ。米マサチューセッツ工科大学が発明した特定の種類のアミノ酸でできている。従来使われてきた「血液のり」など生体由来の止血剤に比べ、安全性や使いやすさの面で優れる
 課題は用途だった。欧州やオーストラリアなどで販売中だが、現在は術中に血が出た時だけに使用が限定されている。このためピュアスタットの販売額は17年度で約2億円にとどまっている。
 しかし現場でのニーズが大きいのは、術後数時間~数日たって出てくる「後出血」の予防だ。内視鏡で消化管を見ながら組織を切除した場合、欧州では5~8%ほどの確率で後出血が起きるという。
 後出血が発生すると止血の処置が新たに必要となり患者や医療従事者への負担が大きい。ピュアスタットを傷口に塗ることでそれが予防できる。その需要を見込み、昨年12月に欧州で追加適応を申請した。
 岡田社長は「内視鏡の粘膜切除術(EMR)では、予防目的で患者全員にピュアスタットを塗りたいという医師が全体の半分くらいいる」と述べる。EMRは初期のがんを削り取るのに使われ、欧州での実施件数は年間50万件ほどに上る。