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    【公共事業を問う】
    【第二部】揺らぐ利権(5) 農業土木一家 結束ほころび 工事減、談合破りも



     「以前は県の土地改良事務所に行き、課長あたりから大体の予定価格を教えてもらって談合していた」。茨城県内の飲食店。地元建設会社の営業担当社員は、土地改良事業をめぐる談合を“告白”した。

     干拓から農地造成まで農業土木事業は規模によって国や県が発注する。予定価格の漏えいによる不正入札を防ぐため、最近は予定価格を事前公表するケースが多くなったが、その場合も「本命業者が予定価格から5%ほど切った額で札を入れ、他社はそれを上回る額を入札していた」。

     社員は「土地改良は官製談合の色合いが強い。事業を担当している県の役人が大抵、設計業者に天下るので、各社がまんべんなく潤うようにしているからだ」と打ち明けた。

     地方だけでなく農林水産省でも、「農業土木技官」と呼ばれる技術系官僚の多くが、発注権限をバックに民間に天下る。それを裏付けるのが技官OBの「二水会名簿」だ。土地改良事業を所管する同省農村振興局OBは二〇〇七年十一月時点で、設計や建設を中心に、百七十六社に二百四十一人が在職する。

     東京・新橋駅近くの繁華街。そのはずれに農水技官OBらの“総本山”がある。「農業土木会館」。十近い公益法人が集中する。

     土木技術の調査・研究を行う「土地改良建設協会」。ゼネコン五十四社から集めた一億二千万円の会費を中心に運営する。役員でただ一人報酬を受ける専務理事の元中国四国農政局長は、旧緑資源公団を経て二度目の天下り。現在の年収は千五百万円で、工事を受注する会員企業が負担する構図だ。協会幹部は天下りについて「土地改良事業の推進という点で国とのパイプが必要」と言う。


    土地改良事業に関係する農水省所管の公益法人が入る農業土木会館=東京都港区で


     設計技術の向上を目的とする「土地改良測量設計技術協会」。一億二千万円の事業収入(〇八年度)の中心は国からの補助金と会員企業からの会費で、会員は設計・測量を中心に二百五十社に上る。

     協会の会員企業にも中央・地方の農業土木技官OBが多数在籍。農村振興局所管の十七公益法人にも約七十人の役・職員がおり、予算の流れる先には必ずといってよいほどOBがいる。

     天下りを多数受け入れている中部地方の設計会社は「官僚OBには政策的な情報を国から取ってきてもらっている」と話す。土地改良予算の大幅削減には「大変な事態。仕事がなくなる可能性がある」と頭を痛める。

     業界の談合体質にも変化が出てきた。茨城県内の談合を証言した建設会社社員は「工事の減少で、二年ほど前から談合を破って安値で仕事を取る業者が出てきた。これからはもっとたたき合いになるのでは」と言う。

     かつて巨額予算を堅持し、分け合ってきた政官業の“農業土木一家”。その構造が大きく揺らいでいる。

     =おわり

     (北川成史、寺岡秀樹が担当しました)
    2010年4月13日東京新聞




    農業土木一家って、どっかの組のようですね(笑)

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