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  • 【平昌五輪】「五輪に殺される」会場のスキー場貸し切りなのに休業補償なし



    用具レンタル店が断末魔…組織委などを提訴



    2018/02/24 08:12




     平昌(ピョンチャン)冬季五輪の会場周辺にあるスキー・スノーボード用具のレンタル店が、存続の危機に直面している。

    五輪組織委員会は開幕前から会場のスキー場を貸し切っており一般客の利用がないのに、国や行政からの「休業補償」が一切ないためだ。

    中には全体の7割が閉店を余儀なくされたところもあり、店主らでつくる地元協会が五輪組織委と地元自治体を相手取り、補償を求めて訴訟を起こした。

     「スキー場が閉鎖されて客が来ない。五輪で使わないコースも全てだ」

     モーグルやスノーボード競技の会場となっている平昌のフェニックス・スノーパーク前に掲げられた、「平昌五輪に殺される」と書かれた横断幕。

    近くの仮設テントにいた地元のレンタル店でつくる「フェニックスレンタルショップ協会」のイム・ジョンチェン代表(48)は、こう吐き捨てた。

     ホームページによると、同パークは21のコースを備えた広大なゲレンデで、今回の五輪ではフリースタイルスキー5種目(モーグル、エアリアル、ハーフパイプ、スキークロスなど)とスノーボード4種目(パラレル大回転、スロープスタイルなど)を実施。

    中には使用しないコースもあるが、五輪開幕の約3週間前から全コースが閉鎖されている。

     当然、周辺のレンタル店を訪れる客はおらず、イム代表の店の売り上げは昨年比で約8割減少したが、国や五輪組織委からは休業中の補償はない。

    他の店も厳しい経営が続き、昨シーズンまで70店以上あったレンタル店の多くが店を閉めたため、同協会の加盟店は22店にまで減った。

     閉店した店の店主らはパートなどで食いつないでいるという。イム代表は「組織委や国に何度も陳情したが、耳を貸してくれない。五輪の成功は願っているが、地元の人間の生存権を無視するのはおかしい」と訴える。

     同協会は1月、組織委と地元自治体の江原道(カンウォンド)を相手取り、謝罪と一定の補償を求める訴訟を起こした。

    イム代表によると、最低でも1店舗につき約300万円の補償を望んでいるといい、「五輪があったからといって来シーズンに客が大幅に増えるとも思えない。損失を埋めてくれないと、この辺のレンタル店は壊滅だ」とうつむいた。

     こうした問題について江原道庁の関係者は産経新聞の取材に対し、「(スキー場の)借り上げは組織委と会場の契約。組織委にはレンタル店の駐車場や部屋を使うなどの配慮を求めたが無視された」としたうえで、「補償には法的根拠が必要で、店側には提訴するよう勧めた」と明かした。

     一方、組織委は「ノーコメント」としている。

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