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  • リベラルは失敗から学んだのか 



    -拉致問題と三浦瑠麗の「スリーパーセル」発言から考える議論の方法




    ところで不思議なのは、この三浦の発言のあったわずか一週間前に、やはり北朝鮮の工作員活動について触れていたのに、これは全く問題にされなかったことだ。

    櫻井翔×池上彰 教科書で学べない「ニッポンの想定外」 2月5日

    もちろんこれは三浦のように不用意に特定の地名を述べたり、テロとの関係に直接に触れなかったということもあるだろう。

    ただ池上は全くこの手立てを打たなかったのに問題はなかったのは、複数の角度から、特に韓国の声を織り交ぜながら紹介したのがむしろ大きい。これは先ほどの方法3に該当する。



    https://youtu.be/chmDb_5eePw


    朝鮮総連という組織は二つの側面をもつ。ひとつは民族の互助団体としての側面で、異国の地の同胞のために生活や文化、さらには経済的なフォローや人権問題に取り組むというもの。私はこの活動に心の底から賛同する。

    しかしもう一つの側面もある。それは北朝鮮の事実上の在外公館、つまり北朝鮮政府の組織であるというものだ。

    この側面には負の部分を担ってしまっているところがあるのではないか、というのが大方の意見であろう。実際、拉致事件でもその組織的関与は当たり前のように疑惑を持たれている。

    これも方法2のように切り分ければいい。民族の互助団体としての側面は評価し、非合法活動をする側面は批判する。または方法3のように母集団の意見や視点を借りればいい。

    拡張解釈を警戒し、しかし問題には適切に議論を重ねること。これが出来なかったために、人権問題が隠れ蓑になり問題は放置された。

    これが拉致問題を通じて日本の右傾化が加速した原因のひとつであると自分は特に強く言いたい。

    これは日本ばかりの話ではない。人権問題にプライオリティを過剰に置きすぎ、問題に対処できなかった欧米社会は、排外主義を育て、その果てにトランプやルペンを招き寄せた。イギリスはEUから離脱した。これはリベラルの失敗である。

    先に紹介した、拉致問題の犯人に対して、その釈放運動をしてしまった土井たか子や菅直人をはじめとする左派リベラルを「極めてマヌケ」と評したのは、現総理の安倍晋三である。

    菅直人は、自らのホームページの中で「13年前の130数名の超党派の国会議員の要望書に私の名前があるということで痛烈に批判している。

    当時の記憶をたどると、要望書は韓国の民主化運動で逮捕された東大生など在日韓国人について韓国政府に対し釈放を要望するという趣旨で同僚議員から賛同を求められたもの。

    対象はあくまで民主化運動に関係した在日韓国人の政治犯と説明され、この中に日本人に成りすました北朝鮮の工作員シンガンス容疑者が含まれていたことは当時全く知らなかった。

    事実関係を再調査しているが、シンガンス容疑者が含まれた政治犯釈放の要望書に名を連ねていたとすればそれは私の不注意。お詫びをしたい」と説明している。

    民主党ホームページ


    この二の舞にならないことを希望するが、現在のリベラル勢のネット上に現れている議論を見ると、彼らは学んでいないということを私は残念ながら認めなければならないことになる。

    もし本当に北朝鮮工作員によるテロが起きて、それが「スリーパーセル」の仕業だったとき、リベラルはまた謝り、右派はその主張を強め、そしてまた拡大解釈、つまり特定集団に対する憎悪を招き寄せるだろう。

    それを私は強く恐れている。しかしリベラルの過去に学ぶことのない姿を見せつけられている今は、ただ予感が的中しないことを祈るしかなさそうである。

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