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投稿コメント一覧 (80コメント)

  • アポロ13
    アメリカの宇宙計画の一環として月面着陸を目的としたアポロ計画、その中で特に印象に残るのが11号の着陸成功と13号の失敗の成功と言われた事である。
    それは13号が月に近く到達する時に酸素タンクが爆発し船内の酸素と電力が減少、計画実行が危ぶまれた。

    月面着陸計画を実行する為には電力不足などが予想され、計画を諦め地球帰還を決断する。併し、帰還にも必要な電力、酸素の不足は否めない。ここから管制室とのやりとりに、総力を挙げての取り組みが見せ場になっている。
    実際にタッチした人々の後日談をテレビで見たが、時間に追われた迫真の内容であった。人命がかかっているだけにスタッフの苦悩が表現されていた。

    船内での三人の演技も見どころであるが、管制官達の迫真の演技に惹かれる。ハワード監督の演出効果であろう。

    智慧を集めての結果、僅かな可能性を見出して奇跡的な帰還に成功する。これが失敗の成功と言われた所以である。
    併し予算面なのでアポロ計画は中断、現在に至っている。
    NASAでは、何故か月よりも火星の計画が表面化している。

    トム・ハンクス、ケビン・ベーコン、エド・ハリス他俳優陣も充実している。

  • エクスペンダブルス3
    シルベスタ・スターローン脚本・主演作、シリーズもの3作目。
    前2作は観てないが本作品・3は、レイテイング・システムの規定からして前2作より刺激的内容を抑えた様である。
    それが興行成績に影響したと関係者は伝えている。4作はスターロン自身元に戻すと言っている。
    それでもアクション、爆破シーンが多く、見せ場になっている。

    何といってもスター揃いである事が特徴であり、スターローン以外ではアーノルド・シュワルツエネッガー、ハリソン・フォード、メル・ギブソン他武術家アクションスターを多く揃えている。

    武闘集団が悪徳集団に向かって織りなすアクションが中心で、ストーリーは簡潔で分かり易い。
    この種の作品が興行的に望まれている現在、ハリウッド映画の方向性の一つなのかも知れない。

  • レッズ
    ウオーレン・ベイティ監督・脚本・主演作品。アカデミー監督賞受賞している。

    実話に基き、ベイティ扮する主人公は20世紀前半に共産主義をアメリカで普及させようと試みるが、挫折する。
    ロシア革命時に記者として取材を行うが、暫く当地から出国を許されない。
    中東にソ連当局から派遣され、共産主義広報活動に携わる。
    長年アメリカに残した妻との再会を現地で果たすが、病には勝てず亡くなる。

    要約ストーリーは以上であるが、3時間余りの長編映画で途中間延びする感は否めない。単なる伝記ものを描きたかったのか、米国での史実を描きたかったのか意図は分からない。
    只印象に残ったのは、旧ソ連滞在中に女同志から言われた言葉、「今の政権は政敵を倒す事だけ考えて一緒に考え行動する事に欠けている。こんなはずではなかった。」民意から離れていると言う台詞には作者の真意を感じた。
    ハリウッドでこの種の思想家を取り上げた例は少ないと思う、その点製作者の度量を感じた。

    俳優陣は豊富であり、助演のジャック・ニコルソンが光っている。
    群衆シーンの捉え方が秀逸と思う。

  • 関ヶ原
    司馬遼太郎原作作品。
    石田三成を中心とした描き方で、一部新解釈も含まれている。
    関ヶ原合戦前後は歴史上知れ渡った部分であり、テンポは速く進んでいる。
    石田三成の人物描写は新解釈も添えられ、忍者との恋愛、秀吉に対する内面の感情、正義に対する信条などがある。
    対する家康の存在は覇権を狙うものとして個性的に捉えられている。

    カットが多く台詞も早口である事から評価も分かれると思うが、製作者サイドは史実は常識として既に理解されているものとして、踏み込んだものと思われる。
    見せ場の戦闘シーンは多数の人々、馬を駆使してスケールの大きさを狙っている、併し迫力面では物足りなさを感じたのは、黒澤映画との違いからかも知れない。

    演技陣では、岡田、役所、有村、西岡他豊富な俳優が配置されているが、役所の演技が際立つ。一部ミスキャストもあるが、興行的にはやむを得ないところである。

    作品の良し悪しは作る側、観る側で視点の異なるところであり、興行的に成功すれば一般的には良しとするのであろう。

  • 大統領の陰謀
    ニクソン大統領を失脚させた新聞記者二人の実話に基づく。
    1972年に起きたウオーターゲート事件、民主党本部に盗聴器を仕掛けた犯人をワシントポストの記者二人が真相を追いかける。
    関係者の証言も思う様には進まぬが(有力者から口止めされている)、密告者の協力もあって事態は進展する。
    命を狙われる恐怖を感じながらインタビューを続ける記者魂を描いている。

    ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマンが演じるが、編集主幹を演じるジェイソン・ロバーツが光っている(アカデミー助演賞を受賞)。他にも3部門受賞していて当時の話題作であった。

    政界スキャンダルをハリウッドで取り上げた作品は数々あるが、かなり踏み込んでの描写になっている。
    今までに何回か観ているが、新鮮さを感じるのはこの種の題材の面白さにあるのかも知れない。国内では未だ見られないケースで、国情の違いか取り上げ方が難しいのかも知れない。

  • サーミの血
    スウエーデン映画には馴染みは薄いが機会あって観賞出来た。東京国際映画祭で受賞しており、北欧映画祭でも幾つかの賞を受けている。

    1930年代とは言え、スウエーデンで人種差別があったとは意外であった。少数民族であるサーミの生活は、トナカイと共にあるので蔑視されていた。
    主人公の少女はその生活から逃げたくて、身分を偽りスウエーデンの都会の生活を熱望する。進学したくも身分からそれも叶わず、色々と策を弄して叶おうとする。その手段を選ばずに行う積極姿勢が胸を打つ。

    老女となって帰郷し妹の葬儀に参加するが、その時に自分の身分がサーミである事の自覚に目覚め、亡くなった妹に詫びを入れる。
    老人になるまでの成人の経過描写がないので物足りない点はある。

    スウエーデン北部のサーミが暮らすラップランドの自然の風景が美しい。
    今でも差別は残っている様だが、何処の国でも少なからずその現象は見られる。
    この作品の監督はサーミのハーフで、主演の女性はサーミ人であり現実味を感じる。
    地味な映画であるが、差別を訴えたかった製作者の意図は理解出来る。

  • 柘榴坂の仇討
    浅田次郎原作の映画化。
    安政時代の大老・井伊直弼の近習役として仕えた侍の誇りと信念を描いている。
    桜田門での暗殺は有名な事件として語り継がれているが、その陰に想定されたストーリーである。

    江戸幕府から明治維新へと、時代の変遷と共に侍として生きる術をなくした影の部分をテーマとして感じる。
    主人公に焦点を当てている為に、当時の侍の生活振りが少し描き切れなかった面もあるが、随所に感じさせる場面もある。

    中井貴一、阿部寛両者の絡みもあり、又感動場面もある。

    幕末から維新へとこの国の変動期に起きた事件、逸話は少なからずあり語り継がれている。題材としては興味深く観賞出来た。

  • シェーン
    ジョージ・ステイーヴンス監督、アラン・ラッド主演作品。
    何度観ても飽きない映画は幾つかあるが、この作品はまさにそれであろう。
    公開当時新タイプの西部劇と言われて、日本でもかなりの興行成績を収めた。
    事実その後に公開された西部劇のシーンでも、幾つかヒントにしているものがある。

    牧畜業者と開拓移民との争いが主題であるが、銃を扱ったシーンは少ない。それだけにラストまでのシーンは印象深い。特に、「シェーン、カンバック!」と叫ぶシーンは映画を観てない人でも語り継いでいる程だ。

    ワイオミングの山岳をバックにした風景描写は、アカデミー賞撮影賞を受賞したほどの効果を上げている。
    バックに流れるヴィクター・ヤングのメロディーは、日本でも流行した音楽の一つである。「遥かなる山の呼び声」の曲は後の山田監督・高倉健主演作品のヒントになっている。

    ブランドン・デ・ワイルドの少年役の演技はアカデミー賞にノミネートされ、主人公を引き立てる印象深い演技である、ジャック・パランス、ヴァン・ヘフリンなども同じくノミネートされている。演技陣の充実ぶりも作品の重みを支えている。
    主演のアラン・ラッドはそれまでB級俳優と言われていたが、この作品で一挙にハリウッドを代表するスターとして脚光を浴びている。併し、残念ながらそれ以後は不遇の人生を送っている。
    「ジャイアンツ」の出演を断っていなければ、別の人生を送っていたかも知れない。

    監督のスティーヴンスは、「ジャイアンツ」「アンネの日記」「陽の当たる場所」などの名作を製作しているが、西部劇はこの作品のみである。それだけに従来型の西部劇とは異なる視点を感じさせ、不朽の名作と言える所以であろう。

  • ドクトル・ジバゴ
    ロシアの作家パステルナーク原作を映画化したもの。
    当時の旧ソ連からロシア革命に批判的な内容と言う事で国内での出版は許されず、イタリアで出版・発売された経緯があり、ノーベル文学賞も辞退されている。

    映画作品もイタリア・米国共同制作に依るものであり、ロケ地もカナダ、スペイン、フィンランドなどで行われた。

    名匠デヴィッド・リーン監督に依る3時間に及ぶ大作で、背景の広大な荒野に雪、花の
    見事な色彩配置には打たれる。
    ロシア革命時の混乱の中での男女の強い愛情をテーマとしている。
    音楽がそれに加えて効果を出しており、撮影賞と並んでアカデミー賞を受賞している。
    革命の残酷さ、悲惨さは描かれているが、それ程批判的とは思えない。

    出演者の豊富さも見事で、オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティ、アレック・ギネス、ラルフ・リチャードソン、ロッド・スタイガー、ジェラルディン・チャップリンなど多彩のメンバーを揃えた。

    以前から観る機会を逸していただけに、「戦場にかける橋」、「アラビアのロレンス」などスケールの大きな作品を演出したリーン監督の見事さを印象づけられた。

  • マンデラ 自由への長い道
    南アフリカ共和国・元大統領マンデラ氏の伝記物語。
    反政府運動を行い逮捕後27年間の牢獄生活を送り、釈放されるまでの苦悩の人生を描いている。
    アパルトヘイト政策の人種差別行為は、想像を絶するものであった。政府の人権無視の行為により庶民の抵抗運動も激しくなり、マンデラも武力闘争に参入する。

    平和主義を訴える彼は釈放後、好戦派と穏健派の間に入って民族間の争いに釘を刺す。
    この功績もあって大統領への道が拓けるが、その意志の強さを訴えている。

    彼を描いた映画は3本あり、その中でも人となりを描いた点では他の2作とは異なる。
    現代でも人種差別行為が行われている国が先進国、後進国問わず見られるが、このテーマは今後も普遍的なものとして取り上げられるであろう。

  • ゼロ・グラビテイ
    アカデミー賞監督、撮影、作曲、録音、視覚効果など受賞し、作品、女優主演賞もノミネートされた作品。

    地表から600キロ離れた宇宙空間が舞台で、宇宙船から離れて船外活動中に起きた内容である。
    ロシアの衛星破壊に依りゴミが飛来し宇宙船が破壊され、飛行士が空間に置き去りにされる。

    この経過でCGを駆使した映像の見事さ、特に地球の美しさには圧倒される。
    又空間で飛来する飛行士の動きには迫力があり、限界状況に置かれた二人の対話を通じ人間本来の姿を感じさせる。

    SF宇宙映画と言えばかつての名作「2001年宇宙の旅」を思い起こすが、この様なシチュエーションで描かれている例はなかったと思う。その意味では画期的なのかも知れない。
    SF映画は様々な形で上映されているが、未来志向の願望は
    尽きる事がない。

  • 午後8時の訪問者
    ベルギー・フランス合作作品。
    カンヌ映画祭で最高位の受賞を経験したダルデンヌ兄弟監督。

    物語は、診療所女性医師の良心と呵責をテーマとして描いている。
    診療時間外に訪ねて来た患者を断るところから始まる、翌日死体として発見され警察から問い合わせがある。「あの時受け入れておけば」と悔いが残る。

    その真相を探る為に色々の関係者に糺して行くが、思う様には行かず壁に何回も当たる。サスペンス風の見立てで、ハードボイルドを感じさせる。
    患者の言葉に真偽を確かめる内に意外な結末を迎える。

    ヨーロッパで問題になっている移民、差別、経済格差などの社会問題を背景に取り上げている。
    女主人公の無表情さ、効果音の少なさ、ハンディカメラの動きなどドキュメンタリータッチで進められる。
    ラストは地味な画面で終わるのが、この映画を象徴している。

  • ザ・シークレットマン
    米国憲政史上汚点を残したウオーターゲート事件を扱った実話に基づいている。
    大統領選挙を控えた時期に民主党本部に夜半数名が押し入り、盗聴器を仕掛けた有名な事件である。

    誰の指示に依るかでFBIが捜査を行うが、ホワイトハウスからの圧力がかかり捜査は打ち切りとなる。
    当時FBI副長官が納得せず大統領を疑っているが、手を出せない。マスコミに情報をリークする事で失脚を図る。
    結果的には議会証言で事実が判明し、大統領が任期途中で辞職する。
    ニクソン大統領も米中国交の功績は大きいが、信じられぬ事件で失脚せざるを得なかった。

    リーアム・ニーソン主演、難しい役ではあるが心理描写で好演。
    内容からして全体的に画面が暗く、音楽も控えめになっている。
    この時期に取り上げた背景は分からぬが、現大統領がロシアゲートも取り沙汰されている折柄でもある。
    FBIは独立組織であり、ホワイトハウスからの指示は受けないと言う主人公の言葉は重い。

  • 帰って来たヒットラー
    ドイツの現状を「ヒットラー」と言う人物を通して風刺している。
    生き返った「ヒットラー」が各地を訪れ国民にインタビューを行い、政治に対する不満などを聞き共感する。
    移民問題など現在抱える国内の問題を取り上げ、又緑の党など自然保護に同調する。

    原作者の言に依ると、{ヒットラーの悪のイメージを払拭したい}との発想から
    その人物像を好意的に描いている。
    ドイツで「ヒットラー」の映画化が今でも少なくないが、やはり国民の心の中には彼のイメージが良くも悪くも強く刻まれているのであろう。

    「ヒットラー」本人の真偽が観客側の関心事であるが、人々にそっくり芸人扱いされている事と「ヒットラー」自身は本人と思って真剣に行動している事ギャップがコメディになっている。

    ユダヤへの事が殆んど触れてなかったが、どういう事か物足りなさを感じる。
    エンドは少し後味が良いとは言えなかった。

  • 海難
    日本・トルコ合作映画。
    1890年にトルコ・エルトウールル号が串本沖で遭難時に、串本住民の献身的な努力により船員数十名の命を救った事実。
    1985年イラン・イラク戦争時にイラン在住日本人を緊急飛行機便で救ったトルコ政府。

    この事実を串本町長の提案で紆余曲折あったが、両国首相の肝いりもあって実現したものである。

    作品としての評価は分かれるが、国内では知られていない事もあり、両国親善の意義はあったのであろう。

    地元では語り継がれて毎年行事も行われ、私も何回か訪れている。

  • さすらいの航海
    2次大戦直前に起こった実話に基づく内容。
    ナチの宣伝工作としてユダヤ人937名をドイツからの出国を認め、行く先はキューバまでの航海である。船上での出来事が主体であるが、それぞれの生活体験がありユダヤ人への迫害が身に迫る。

    キューバに到着するが、大統領は反ユダヤ感情を意識して入国を認めない。関係者がキューバ政府に入国許可の工作を進めるが、失敗に終わる。
    米国も入国を拒否し、各国も拒絶反応を示す。
    乗客たちは焦燥と不安で、船を乗っ取ろうとする人も出て来る。その中で船長はユダヤ人に対する同情から非常手段として船の暗礁爆破で救出を考える。

    寸前の時に仏、伊、オランダなどが入国許可を通知して来る、非常事態は避けられた。併し、ナチによる二次世界大戦がこの年に始まる。
    ストーリは終わるが字幕に後日の説明が入る。いずれも幸せな人生とは言えず、後味の良くない印象が残る。ユダヤ人への迫害はヨーロッパでは深く刻まれた暗い出来事で、今でも映画製作のテーマに上げられている。

    救いはオールスターキャストで、数多くの有名スターが登場する、フェイ・ダナウエイ、オーソン・ウエルズ、ジエームス・メースン、キャサリン・ロス、ホセ・ファーラー、マリア・シェル等々限がない位の豪華な顔ぶれである。

  • ウイスキーと二人の花嫁
    第二次大戦下スコットランド沖でアメリカに向けた貨物船が座礁し、その荷物がウイスキーであった事から沖の島で起きる騒動。
    島の住民にとってウイスキーが生活に欠かせないもの、戦争でウイスキーの入手が困難になり枯渇状態に置かれる。
    生活に支障を感じ始めた矢先に船の座礁事件が起きる。数万ケースに及ぶウイスキーの数を知り、島民達は船からの救出作戦に乗り出す。

    同じ目的に団結して実行する過程で、盗難と言う倫理上の事も理屈をつけている所がユーモラスで面白い。船からの搬出は成功し、後に船は沈没する。

    密告により本土から所管の役人が訪れ捜査するが、島民達が知恵を巡らし隠匿してしまう。結局役人は発見出来ず、逆に密告者の民兵に疑いをかける。この辺の
    島民の策略が面白い。

    実際に起きた事件を基にした作品であるが、全編ユーモラスに演出しているので
    深刻なイメージはない。
    スコットランドはウイスキーで有名であるが土地に根付いたものである事、生活に欠かせないウイスキーの存在が伝わって来る。

  • ビューティフル・マインド
    ラッセル・クロウ主演、ノーベル経済学受賞のジョン・ナッシュ氏の実話に基づいた作品。

    冷戦下で彼の優秀な知能を買われソ連の暗号解読を依頼される、日々その責任の重さと命の危険を感じて精神的に侵されて行く。

    日常生活でも支障をきたす様になり、妻の援助なしでは生活が出来ない状況になる。その後徐々にではあるが回復の兆しを見せる。
    老年になって彼の理論が認められノーベル賞の受賞が決まる、その受賞式で述べたスピーチが感動的で、ラッセル・クロウの演技の見どころになっている。
    病状は完全に治った訳ではないが、亡霊を無視する境地になっている。

    彼はアカデミー賞は逸したが、この作品では監督賞、作品賞、助演女優賞を受賞している。演技派の彼は、後に別の作品で受賞を果たしている。
    エド・ハリス、ジェニファー・コネリー、クリストファー・プラマー等が助演して厚みを増している。

    暗号解読と言った作業に携わっている現実を改めて知らされ、表面に出ない戦争を感じた。

  • 幕末太陽傳
    名匠・川島雄三監督の代表作品。
    喜劇映画の醍醐味を盛り込んでおり、旧作品であるが現代でも違和感はない。

    幕末を舞台に遊郭で織りなす人間模様であるが、主人公のフランキー堺が様々な形で登場人物の間に入って取り持つ役柄となっている。
    この演技は自然であり、ユーモアに富んでいる事が全編を飽かせない。

    川島監督と製作会社・日活との間で撮影中も軋轢があった様で、3周年記念作品が喜劇である事、石原裕次郎を脇に回した事、セット費用が割高であった事等色々と原因はあった。結局川島はこれを最後に日活を辞めて東宝に移籍した。

    キネマ旬報ベストテンに入っており製作技術の評価も高く、テンポが速いのが魅力である。喜劇作品の制作は難しいと言われており、この作品は細かい所作にも行き届いた演出が光っている。
    多くの文芸作品を手がけた川島雄三は、反面喜劇をも得意とし才の幅広さを痛感する。

  • 家路
    東日本大震災後の生活を描写した作品。
    福島原発事故で日常生活を奪われた人びとは、喪失感の日々を過ごす。

    その中である家族に焦点を合わせて生活ぶりを描いている。
    震災前に家を出た次男が帰郷し居住禁止区域内での実家での生活を始める。
    警察からも注意されるが、自分の生活を守る意志を曲げない。
    オールロケで、福島の自然の美しさと無人の町並みの異様さとの対比を感じる。

    結局長男家族は仮設からの転居を選び、次男と母親は禁止区域内での生活に生きがいを求める、田植えを二人でするラストシーンがそれを物語る。
    難しい題材で正面からテーマに向かうのでなく、一家族の生きざまを描いた点で良かったと思う。

    テンポが緩いので、もう少しロングを減らしてもと思うが、ドキュメンタリー作家が監督だけにその辺はやむを得ないのかも知れない。
    忘れがちなテーマだけに製作者の意図は評価したい。

    松山ケンイチ、田中裕子、内野聖陽等俳優陣も達者である。

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