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投稿コメント一覧 (788コメント)

  • 医師や科学者たちは長年、慢性疼痛の原因を懸命に探してきたが、成果はあまりなかった。最近まで答えを見出せなかったのはひとえに、間違った場所を調べていたからだった。「不可能なものを除外していけば、残ったものはいかに可能性が低かろうとも、それが真実に違いない」と、アーサー・コナン・ドイルの『四つの署名』の中で、シャーロック・ホームズは言っている。可能性はきわめて低いように思われるが、慢性疼痛という不可解な事件は、炎症を起こした神経の単独犯行ではなかったのだ。
    神経系の機能におけるグリアについての認識が高まるにつれて、疼痛研究者の一部が、最も可能性の低そうな容疑者を調べ始め、なんと犯人を突き止めた。これらの科学探偵は、慢性疼痛がニューロン自体ではなくグリアに起因するという、とてもありそうにない事実を見抜いたのだ。この洞察は、慢性疼痛の新たな治療につながるだけでなく、ヘロインやその他の麻薬に対する薬物依存の問題も解決に導きつつある。
    (第2部 第9章 グリアと痛み―恩恵と災禍)

    あああ、すべてがオーバーラップする。
    神経因性疼痛の特許承認(日本)は、2012年3月だった。
    「今回の承認により得られる特許は、神経因性疼痛の治療に、単独で、または鎮痛剤などの他の薬剤と併用してイブジラストを投与する治療法に対するもので、少なくとも2025 年までをカバーしております。本特許の対象となる神経因性疼痛には、ヘルペス感染(ヘルペス後神経痛)、脊髄損傷、脳卒中、癌に対する化学療法などの後の疼痛に加えて、繊維筋肉痛症や複合性局所疼痛症候群などを含んでいます。本特許は、すでに米国及びカナダで保有するイブジラストによる慢性神経因性疼痛治療に対する特許を、日本において補完するものとなります。」

  • 脳には多くの血管や毛細血管が張り巡らされているが、それらの血管壁は、この血液脳関門という特別な障壁によって閉ざされていて、その喚問を抜けて侵入できるのは、限られた数の物質だけだ。どんな障壁にもあてはまることだが、血液脳関門にも実用上の難点がある。血流に取り込まれた薬の大半は、この関門を通り抜けられないのだ。したがって、多くの脳の病気に効果が期待される薬は、血液を介して脳へ投与することができない。内服あるいは注射で投与されても、その薬が血液脳関門を通過できるように設計されていないかぎり、脳がそれに出会うことはけっしてない。
    (第2部 第8章 神経変性疾患)

    な、なんと!
    イブジラストは血液脳関門を通過できる数少ない薬のひとつ!
    いや、イブジラストも通過するのは容易ではないのかもしれない。
    容量相関はそこからくるか!

  • 多発性硬化症には、治療の望みがある。なぜなら、この病気の発症原因を理解していると、科学者たちは信じているからだ。その原因とは、脳の免疫防御システムが制御不能になることである。さらなる研究により、三種類のグリア(アストロサイト、オリゴデンドロサイト、ミクログリア)に狙いを定めた薬で、多発性硬化症患者を治療できる日がくるだろう。
    (第2部 第8章 神経変性疾患)

    その薬がイブジラストであってほしい。
    このくだりの後、シュワン細胞を移植する手法、幹細胞をミエリン形成グリアに転換して移植する手法が紹介されています。但し、薬の場合と同じように「できるようになるだろう」という言い回しで。

  • ミクログリアが放出するサイトカインは、血液脳関門を形成している細胞を含め、細胞間の接着性を変える。また、小さなシグナリングタンパク質であるケモカインは、白血球を活性化して、炎症部位へと動員する。アストロサイトも活性化されると、これらの物質を放出する。白血球がひとたび脳内に入ると、血中で侵入病原体と闘うときと同じように、独自の炎症性物質を放出する。こうした物質は、ミクログリアとアストロサイトに生きるか死ぬかの闘いを仕掛ける。その戦闘においてミクログリアは、細胞に有害な毒性物質を放出し、補体と呼ばれるタンパク質の槍で細胞膜に穴を開ける。
    しかしこの防衛隊は、脳損傷の修復を助け、新しいオリゴデンドロサイトの分裂を刺激して、戦闘で死んだ細胞を補充する役目も担う。新たに生まれたオリゴデンドロサイトは成熟すると、軸索を再びミエリンで被覆して、損傷した絶縁を修復する。多発性硬化症の患者が一時的に改善するのはこのためだ。
    (第2部 第8章 神経変性疾患)

    なるほど、修復が追い付かなくなった時に寛解型から進行型に移行する。

  • その通り、現段階では。
    「明らかに優位している」
    だから、信じて待つのみ。

  • 多発性硬化症が襲うのは神経系だが、ニューロンが攻撃されるのではない。その標的は、オリゴデンドロサイトだ。この激しい攻撃に対しても、グリア細胞はけっして戦闘を放棄しない。一部の戦線で勝利して、失われた領土と機能を取り戻すこともあるが、四方八方から容赦ない攻撃を仕掛けられて、最終的にはこの戦争に敗れてしまう。数年の間に、それまで楽しんでいた人付き合いや物事への愛着が、次第に奪われていく。病状の進行を食い止める術は、現在の科学にはまだない。(中略)その病状の程度は、わずか、あるいは一時的な症状から、重篤な進行性のものまで幅広い。
    (第2部 第8章 神経変性疾患)

    がんばれ、イブジラスト!
    オリゴデンドロサイトを助け、ミエリンを途切れさすな!

  • (多発性硬化症の)原因は、脳内の通信回路がショートすることにある。感覚器官から発せられたインパルスは脳に届かず、脳からの指令は、筋肉へと伸びる神経軸索の絶縁が途切れた場所を通過できなくなっている。電子機器に短絡(ショート)回路が発生する場合と同じように、多発性硬化症の機能不全も広範囲に生じる。(中略)多発性硬化症患者の三人に一人は、認知障害や精神障害を経験する。そうなると、記憶力が衰え、予測や計画のような重要な生活能力が減退する。ときには、人格変化や情緒不安定を起こす場合もある。脳回路のどの部分が損傷したかによって、現れる症状は千差万別だ。
    この病気が致命的になることはまれだが、この進行性障害の最も悲惨な点は、寛解を繰り返すという特性にある。病状が一時的に改善し、苦しみはすべて悪夢だったかのように思われる時がある。網膜の斑点は消え去り、外界に鮮やかな色彩が蘇る。障害がもたらす試練を受けていた最中に感じていた自己憐憫や恐怖が、何だかばかばかしく思えてくる。ところがそんなとき、また不意に病魔が襲ってきて、あなたの脳や肉体、能力、そして外界とのつながりをまた少し蝕むのだ。
    (第2部 第8章 神経変性疾患)

  • ALSは、運動ニューロンを殺すことによって、麻痺を引き起こす。運動ニューロンは脊髄の中にあり、筋肉に指令を出している神経細胞だ。ALSは、何の前触れもなく襲ってきて、通常は成人になって突然発症する。攻撃によって麻痺が引き起こされると、科学者たちにもその惨状がはっきりと見て取れるようになる。ALSを発症した患者の運動ニューロンは、死滅するのだ。今のところ、ALSには治療法がない。
    奇妙なことにALSでは、目を見張るような正確さで運動ニューロンだけが狙い撃ちされる。脊髄や脳にあるほかの多様なニューロンはどれも、まったく無傷のままだ。この病気が特定のニューロンだけを標的にして、これほど的確なピンポイント攻撃を達成できる仕組みは、いまだ謎である。
    (第2部 第8章 神経変性疾患)

    いくらかなりとも治療効果が認められるのであれば、早期承認をお願いします。

  • グリアが精神障害に関与する程度については、調査が始まったばかりだが、広範な神経障害におけるグリアの基本的な重要性は、長らく認知されてきた。意外な研究から、グリアが多くの神経変性疾患にも関与していることが新たに判明し、「もうひとつの脳」の正常な脳機能及び精神疾患の両面における重要性を支持する強力な証拠となっている。パーキンソン病やアルツハイマー病、ALS、ハンチントン病などの神経変性疾患は、ニューロンの死によって起こる。これらの疾患においてグリアは味方とも敵ともなると、現在では理解されている。
    (第2部 第7章 心の健康―グリア、精神疾患の隠れた相棒)

  • シナプスにおける神経伝達物質のアンバランスが心のアンバランスの原因となっている精神疾患や薬物中毒が、他にもどれだけあるか考えてみよう。強迫性障害は、セロトニン再取り込み阻害薬によって治療される。エクスタシー(MDMA)のようなアンフェタミン由来の薬物は、セロトニン作動性シナプスを攪乱する。メタンフェタミン(メセドリン)は、神経変性疾患であるパーキンソン病と同じように、神経伝達物質ドーパミンを使用しているシナプスに影響を及ぼす[訳注:パーキンソン病では、ドーパミン作動性シナプス伝達が減弱する]。マリファナやアルコール、コカイン、アンフェタミン、カフェイン、ベンゾジアゼピン類(たとえば抗不安薬のバリウム)ニコチン、ヘロイン、フェンシクリジン(PCP、俗称エンジェルダスト)精神安定剤などはどれも、脳内のシナプス伝達に影響する。精神疾患におけるグリアの役割については、わずかに研究されているにすぎないが、グリアはシナプスからの神経伝達物質排出を担う主要な細胞である。アストロサイトがその役目を果たせなくなったとしたら、そのことがシナプスの機能や認知能力に及ぼす影響は、神経伝達物質の量を変化させる薬物の効果と少しも変わらないだろう。
    (第2部 第7章 心の健康―グリア、精神疾患の隠れた相棒)

  • 「第2部 第6章 感染」を読み始めましたが、おぞましくてとても書き写せません。
    オカルトかホラーのよう。
    登場する病気は、スクレイピー、クールー、CJD、vCJD、BSEなど。
    ニューギニアの食人族、といっても病死体を食料とする人たちですが。
    BSE流行するイギリスで、「あなたもステーキは食べないんでしょうね」という医師同士の会話。

    なお著者は、「角膜のような身体組織の移植」を「現代版の共食いとも言うべき行為」と言っています。
    岩城先生は、この言葉を聞いてどう思うんだろう。
    私は、移植も輸血も拒否したくなりました。

  • >>No. 6281

    ごく一部の機関投資家は、すでに知っているのでは?
    我々個人投資家は、振り落とされないように鶴亀号のロープや手すりにしっかり掴まっていることが肝要かと。

  • 中枢神経系のどこの軸索であれ、損傷後の末梢神経系の軸索と同程度にまで再生させられる治療法は、これまでのところひとつも見つかっていない。中枢神経系のミエリンが軸索伸長を阻害する方法が、これほどたくさん並列的に存在するのはなぜだろう?そもそも、ミエリンが軸索の発芽にこのような影響を及ぼすのはなぜなのか?ミエリンに関するこうした新たな情報はどれも、最終的には、脳についてのきわめて根幹的で重要な知見をもたらすのではないかと期待する研究者は多い。
    (第2部 第5章 脳と脊髄の損傷)

    要するに、専門家にもまだわかってはいないことだらけ。
    人智は、神経細胞(ニューロン)と神経膠細胞(グリア)に二分したうえで、脳の機能としてニューロンが重要でグリアは十把ひとからげに「維持管理細胞」考えてきたが、実は神様はグリアにも「もうひとつの脳」というべき機能を与えていた、というのが本書の趣旨のようです。
    まだ最後まで読み通せていませんが。

  • どれか一つを年内に、というスケジュール感でしょうね。
    一つできれば、他の二つはさらに自社開発を進められる。
    166はとてつもない大鉱脈、
    ニューロンとグリアが複雑に絡み合い何がでてくるかわからない玉手箱。
    ALS早期承認がベスト、001導出がベター。

    パンドラの箱にならないことだけを願う。

  • >>No. 6282

    誤字訂正です。
    得意→特異
    文脈からお分かりでしょうけども、念のため。

  • 「この細胞についてこれほど知識がないとは、信じられない思いです。ニューロンとグリアの間で交わされる信号、つまり、先ほどあなたが講演で話されていたような、グリアの増殖を制御している信号について、私たちにもう少し知識があれば、頭全体に放射線を浴びせる代わりに、こうした癌細胞の分裂を抑制できる合理的で得意な治療法が何か見つかるかもしれません。放射線は組織を損傷します。いやそれどころか、長期的には腫瘍を誘発するのです」
    (中略)「ほかの癌のように、転移して全身に広がることはありません。脳内に留まったままです。だとすれば、制御するのは比較的容易なはずです」
    私たちはあれこれ可能性を探ったが、何ひとつ成果はあがらなかった。そこに、基礎科学はまるで及んでいなかった。この脳細胞の正常な状態におけるもっとも基本的な事実ですら、ほとんど知られていないのだ。
    (第2部 第4章 脳腫瘍―ニューロンはほぼ無関係)

    語り手は、脳腫瘍(オリゴデンドログリオーマ)を患っている神経生物学教授。
    聞き手は著者、神経科学者。
    私のような素人にとって、どちらもプロ、プロ中のプロ!
    その彼らをしても「最も基本的な事実ですら、ほとんど知られていない」と言わしめる。
    岩城さんがグリオブラストーマの時に言っていた。
    これを聞いてもらえばメディシノバがどういう会社なのかよくわかってもらえる、と。
    なるほど、今になってよくよくわかりました。

    おならやテニスボールが飛んでくるか?
    それはそれでよいが、私の初動の株価の5倍にはなっている、という事実はある。
    私はこの会社の経営者同様「欲深い」ので、この会社の行き様をまだまだ見ていたい。

  • 読み進めるうちに、だんだん恐ろしくなってきました。
    この第2部、病気とグリアの関係性について書かれていますが、
    まだ脳腫瘍と脳・脊髄損傷の2つだけ、それもまだ途中。
    このあと、感染、心の健康、神経変性疾患、疼痛・無痛、薬物依存、胎生期の脳形成、老化、
    と続いていきます。
    最後まで読み進められるのだろうか。
    私の精神は安定を保てるのだろうか。

    それにしても、第2部を構成する9章のうち、
    すでに166の治験範囲(?)に入っているのが4つ。
    脳腫瘍、神経変性疾患、疼痛(・無痛)、薬物依存。
    166がグリアに働きかける化合物としてクスリになったら、、、、、
    外科でも使える形態になったら、、、、
    胎児にも効くとなったら、、、、
    ああおそろしや、億円君どころじゃなく数十億円君になっちゃうのでは?
    いやいや、老化を遅らせるとなったら、数千、、、、、
    ええい、この際だ、1000億ぐらいドンと増資して自前でやってくれい!

    なあんて言ってると、スカンクのプウとかパッコーン攻撃にあっちゃうかな。

  • 未知の組織に出会うと、白血球は攻撃を開始する。ミクログリアもすぐに、損傷した組織と侵入してきた血液細胞に気づいて、反撃を仕掛ける。細い突起を拡げた休止状態のミクログリアは、活性化してアメーバ状に変化し、遠くから損相部位へと駆けつける。(中略)ミクログリアと白血球はともに、活性酸素分子やその他の有毒物質を放出する。これらは、感染と闘ったり、侵入してきた細胞を殺したりすることを意図している。だが、こうした物質は損傷した細胞だけでなく、多くの健常な脊髄ニューロンやグリアも傷つける。損傷部位のアストロサイトも、同じ警戒シグナルを察知して反応性になり、有毒な化学物質やサイトカインを放出して、傷害に対する体の炎症反応を引き起こす。
    (第2部 第5章 脳と脊髄の損傷)

    ミクログリアの活性化というのはこういうことでした。
    中枢神経に損傷が起きた時に、修復のために眠りから目覚める、、、
    なるほど、活性化。
    出た、サイトカイン!

  • 神経細胞-ニューロン(本体は脳、軸索は末梢まで伸びる)
    神経膠細胞(グリア細胞)-シュワン細胞(末梢、ミエリン形成)
                -オリゴデンドロサイト(脳・脊髄、ミエリン形成)
                -アストロサイト(脳・脊髄、ミエリン非形成)
                -ミクログリア(脳・脊髄、ミエリン非形成)
    という分類のようです(私の理解では)。
    詳しい方、ご指摘ください。

  • 今日あたりで下げ止まり。
    と思う。

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