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投稿コメント一覧 (682コメント)

  • 『サーベル警視庁』今野敏
    時代がかわったものの、まだ薩長の影響が残っているような時代。
    サーベルを下げた警官がいたり、元武士で警察に一時務めた人物が助っ人に入ってきたり・・・
    池に死体が浮かんで、捜査が始まり、大学で急進的な思想をもつ人物と判明するが、一体どのようにしてそこまで来たのか。
    捜査に邪魔をする動きも出てくる。
    ややピンと来ないようなところもあるのですが、それも含めて時代の雰囲気がそこここに感じられて、面白かったです。
    ただ、いつもの今野作品の感じとはだいぶん違います。

  • 『ダーティ・ワーク』法坂一広
    副題は弁護士監察室です。
    福岡の弁護士会を巡る物語。
    主人公の事件屋秀は、弁護士にその出生の事情から恨みをもっている。
    事件屋とは知りませんでしたが、本来弁護士にしか報酬をもらってトラブルを解決するということが認められていないのに、資格なく介入したり、恐喝まがいのことをしてお金を得るような人たち。
    その秀に近づいてきたのは、福岡の弁護士会のボス的存在の人物で、不良な若手弁護士たちが醜聞を起こす前に懲戒や資格はく奪をして、未然に弁護士会の名誉が傷つくようなことを防ぐという監察室の仕事を与える。
    しかし、どうやら一筋ではいかないトラブルに巻き込まれていき。
    欲がからんで進展していきます。

  • 『横浜エトランゼ』大崎梢
    横浜を舞台として、ハマペコというフリーペーパーでアルバイトを始めた女子高生が主人公。
    横浜という今はみなとみらいなど開発が進んでかわっていますが、昔は海水浴ができたり、関東大震災では主だった建物がほとんど倒壊してしまっていることなど、横浜の歴史を知ることもできます。
    横浜という街への愛を読みながら感じることができました。
    女子高生は隣に住む編集長代理に恋をしていますが、当人にはまったくそんな気はなくて、気落ちしながらも一緒に謎をとくという過程が少し距離を近くしてくれます。

  • 『震える牛』相場英雄
    中野の居酒屋で起きた強盗殺人事件は犯人が見つからないまま、月日がたっていた。
    その事件を担当するようになったのは、アルコール性肝炎のため、捜査の第一線から退いたものの、昔ながらの刑事のように丁寧に事件を追う男性。
    外国人男性の強盗の勢いで近くにいた客2人が巻き込まれた事件として扱われていたが、捜査を洗い始めると、雑な聞き込みや新たな事実が次々と出てきた。
    捜査一課内部の上下関係にも絡んで、思うように進まない。
    やっと、と思ったところにとんでもないことが。

  • 『ようこそ授賞式の夕べに』大橋梢
    副題は、成風堂書店事件メモ(邂逅編)です。
    本屋大賞を思わせる、書店員が選ぶ書店大賞の授賞式を目の前にして、事務局に送られてきた怪しいFAX。
    授賞式を妨害させるような内容に、いつもの学生アルバイトの多絵や、九州の書店から授賞式に参加するために上京した花乃、そして書店の営業別のシリーズの主人公である「ひつじくん」こと井辻くん。
    謎を解いて無事に授賞式が迎えられるように奔走します。
    実際の本屋大賞がどのように運営されているかは知りませんが、この本を読むことで書店員の本を愛する気持ちや意気込みは伝わってきました。

  • 『インバウンド』阿川大樹
    沖縄出身の女性が、東京の専門商社をリストラされて、沖縄に戻ってきた。
    しかし、実家にはそのことは知らせずに最初はゲストハウスに泊まって仕事を探し始める。
    就職先として紹介されたのが、コールセンター。
    様々な通販の申し込みや、クレーム対応などを行う、きれいなビルの会社。
    研修を受けて配属先が決まり、職場の人間関係やいろいろにもまれて、1人前になっていけるのかが描かれていきます。

    前回書き忘れましたが、伊坂さんのアイネクライネナハトムジークには、不思議な占い師のような、来訪者の話から斉藤さんの作った歌の一部を聞かせる人物が登場し、その歌が作品でうまくはまっているのが面白かったです。

  • 『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎
    短編集かと思ったら、微妙に登場人物たちが絡んできて、また時代も流れたストーリーが出てきます。
    独特の空気感のある作家ですよね。

  • 『ガーディアン』石持浅海
    幼くして父を亡くした少女は、亡くなる前に父が守ると約束していて、実際に何か自分の身に何か起きそうになると見えない力が働いて守ってくれていた。
    その力をしょうあよはガーディアンと呼んできた。
    大人になった女性の仕事場で起きた事件は、ガーディアンが起こしたのか?何故?
    そして、2章目はガーディアンの孫にあたる女子中学生を巡る事件。
    いくら身を守るためとはいえ、このような力をもってしまうと本人も困るだろうなと思いつつ、読みました。

  • う『疑薬』鏑木蓮
    副作用のない抗インフルエンザ薬が開発されて、その薬を研究していて父である社長が倒れたことから、社長代行となった男性。
    しかし、その安全である薬の副作用のせいか失明するという大変な後遺症をもった女性がいた。
    年月が過ぎて、ジャーナリストがそのことを探り始めたことから、当時のことが次第に明らかになってくる。
    薬の開発をめぐるあれこれや、自分の理想をすすめたい医師のことなど複雑にからみながら話は進みます。

  • 『錯迷』堂場瞬一
    舞台は鎌倉南署で、女性署長である桜庭署長が急死した件が、どうも自殺であるのに、隠蔽して病死扱いにしたといううわさがある、ということから話が始まり、新署長として萩原が送られる。
    そして、単に新署長というだけではなく、この自殺を隠しているのではないかという、鎌倉南署を探ることも本部から命じられる。
    赴任してみると、署長のところに何かとそばにつきまとわれ、確かに何か怪しいものがある。
    そんな時に殺人事件が起こって、調査どころではなくなるのだが、署の刑事課の雰囲気が明らかにおかしい。
    一体だれが信じられるのか、という状況の中、若くして出世したものの、それ故に何かの専門というものをもたない萩原は悩みつつ、少しずつ調査を進めていく。
    さすがに実際には起こらない状況ではあると思われながらも、萩原の心情が伝わってくる作品でした。

    3つ前の「内通者」は、正確には、建設ではなく土木工事にまつわる贈収賄でした。

  • 『開化鐵道探偵』山本巧次
    時代は明治維新間もない頃。
    鉄道局で技手として働く小野寺が、元北町奉行所のきれる同心でありながら、今は浪人生活をしている草壁とともに不審な事件や事故が続く、逢坂山のトンネル工事の現場に派遣される。
    鉄道局の井上局長という人が役人ぽくなくて、自分もつるはしをもって、現場に入っていくような人で、鉄道にかける思いも強い。
    薩長の争いの影響も引きずる時代背景で、一体何が起きているのかを草壁が調べを進めていきます。
    時代物はどちらかというと読まないのですが、近代化へ向かうこの時期を描いているのは面白かったです。

  • 『憎悪のパレード』石田衣良
    池袋ウエストゲートパークⅪです。
    今回は、脱法ドラッグ、ノマドワーカー、ヘイトスピーチなどがテーマとなっています。
    このシリーズを読んでいると、池袋を通して、時代の流れを感じることができます。
    キングタカシとマコトの活躍が、この本でも展開されます。

  • 『内通者』堂場瞬一
    再読でした。
    千葉県警で捜査2課の建設に関する贈収賄事件を追いかけていた結城係長。
    その情報をもたらしていたのが、その会社で閑職においやられて、会社に恨みをもっていた社員。
    捜査はその情報提供により、うまく進んでいるかに思えたが、結城にとっては妻の急死、大学生との娘とのぎくしゃくなど様々なことが起こっていた。
    いろいろなことが終末に収束していく過程を楽しめました。

  • 『潜る女』堂場瞬一
    アナザーフェイス8です。
    今回警視庁総務課に勤める大友がかかわったのは捜査2課の結婚詐欺犯罪。
    結婚詐欺に関わっている男性と関係が疑われるスポーツジムの女性に、体を引き締めるという目的で近所の営業マンを装って近づきます。
    なかなかどういう形で事件が起こっているのもわからない中、いろいろな人から話を聞くことで近づいていきます。
    大友に苦い思いを残す事件となっています。

  • 『校閲ガール』宮木あや子
    テレビドラマにもなった「校閲ガール」の1巻です。
    もともとファッション雑誌の編集を志しながら、そのファッション雑誌に関する記憶力のよさを買われて、入社試験に受かり、校閲部門へと配属になった女性の活躍。
    自分に素直で、いろいろと起こる難題に取り組んでいきます。
    元気をもらえる本です。

  • 『社長室の冬』堂場瞬一
    新聞社の生き残りをかけた緊迫したやりとりが続く小説です。
    新報は、突然企業統合の話を進めていた社長が亡くなったことから、九州から呼び戻された人物が社長に就任する。
    そして、記者として有能ながら、焦るあまり誤報を書いてしまった記者が、そのまま社長室付けの社員として残り、企業統合の席にも同席し、状況を探ったりする仕事を続ける。
    もともとアメリカのネットニース配信の会社が相手で、アメリカの社長の方針は、新聞社としての誇りは捨てろという条件での提案。
    新聞社の生き残りをかけた戦いの背景には、別の動きも。
    ネットの便利さはともかく、今後こんな時代になっていくのかと思いつつ、興味深く読みました。

  • 『かばん屋の相続』池井戸潤
    銀行の融資担当の周辺を題材にした短編。
    以前読んだことがあるのですが、読み直してもやはり面白かったです。
    立場としては池井戸さん自身の銀行員としての経験を生かしていながらの人間模様が描かれていて、登場人物が善人ばかりとも限らないし、物語がハッピーエンドにばかりなりませんが、そこがまた正直に書かれていて、読んでいてなるほどと思ってしまいました。

  • 『向田理髪店』奥田英朗
    北海道の過疎の町で、理髪店を営む康夫。
    若者が減っていく中、息子が戻ってきて理髪店を継ぐと言い出す。
    生まれた時から、学校時代まで近所の人どうしの人間関係が深い小さな町で起こる、出来事。
    それに、理髪店のお客でよく知っているだろうからと、間をつなぐように頼まれて様々関わっていく。
    今後のいろいろな課題も多い地方での、出来事をユーモアも入れながら語っています。

  • 『さようなら、私』小川糸
    中学時代に仲のよかった3人組の男女、その中の1人が自殺をして、お別れ会に帰郷した美咲。
    そこで出会ったのはその中の1人ナルヤだったが、生徒会長を務めて、進学校に進み、一流大学を卒業した彼は土方の仕事をして真っ黒に日焼けしていた。
    編集者の仕事に夢破れて落ち込んでいた美咲は、ナルヤに誘われるまま、ナルヤの半分育ったモンゴルへと出かける。
    あまりのカルチャーの違いについていけない美咲が、1日1日を過ごすごとに変わっていく。
    そして、2人は自殺してしまった友人に思いをはせる。
    しみじみと夢は、生きるとは、と問いかけていきます。

  • 『インテゥルーダー』高嶋哲夫
    日本を代表するコンピューター開発者であり、会社の副社長を務める羽嶋のもとに25年前に別れた女性から電話があり、あなたの息子が事故にあって危篤状態だと告げられる。
    息子がいたことすら知らなかった男性だが、その息子もまた大手の会社のプログラマーとして期待されていた人物であることを知る。
    息子の部屋のカギを借りて調べ物をしていると、恋人だという女性が現れる。
    そして、警察は息子さんは覚せい剤の売人であった疑いがあると告げる。
    25年存在すら知らなかった息子の姿を求めて、動き始める羽嶋は自分もトラックにひかれそうになる。
    事故の裏には何が隠されているのか、スリリングな展開で面白かったです。

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