ここから本文です

投稿コメント一覧 (728コメント)

  • 『片眼の猿』道尾秀介
    探偵事務所を経営する三梨は特異な耳を持っていて、盗聴を生かした仕事をしている。
    ある日、対象の会社の屋上を盗聴していた三梨は、社員の面白い会話を耳に挟み、その会話に登場する女性を探偵としてスカウトする。
    三梨には7年前に自殺で失った秋絵という同居人がいたが、道尾さんらしく話はとてもうまくできていて、最後にいろいろな意味であっということになります。
    三梨の住むローズ・フラットの面々も多彩な人たちです。

  • 『書店ガール6』碧野圭
    副題は遅れてきた客です。
    前回のシリーズ5でラノベ作家としてデビューした取手駅中店のアルバイト田中くんの作品が売れて、シリーズとなり、コミック化などメディアミックスの話が出てきて、編集長の小幡は大忙し。
    そして、取手店の店長の彩加の奮闘して、店は順調にいっているかと思いきや試練が。
    出版の内部事情にも詳しい作者の本なので、今回も面白く読みました。

  • 『紅葉する奈津の出来事』拓未司
    高校受験に失敗し、両親から責められて閉塞を感じていた夏休み。
    学校の不良の先輩たちとつるむようになって、空き家と思っていた家に忍び込む。
    そこには赤をまとったおばあさんが1人住んでいるが、認知症なのか子どもたちを受け入れてくれる。
    おばあさんの家でのできごと、少年が起こしたこと、交互に語られるのですが、時系列はずれていて、違和感があり、また、最後にどんでん返しもあります。

  • 『書店ガール5』碧野圭
    副題はラノベとブンガク。
    今回は吉祥寺店から取手の駅中店に店長として勤めるようになった彩加が主人公。
    そして、マンガ部門からラノベの編集長として異動になっている小幡が絡んできます。
    取手店は吉祥寺とは違って、彩加が売りたいと思うような文芸はあまり動かず、棚を作り直すことになっていく。
    そこで、意見を言ってくれたおものが、家にひきこもっていたのが働き始めた田中くんというバイト。
    小幡たちは新しいラノベの第1回の大賞作が決まって、売り出しに力をいれようと張り切るが思わぬところから窮地に立たされる。
    話が面白く広がっていて、あっという間に読みました。

  • 『平成関東大震災』福井晴敏
    副題はいつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった。
    都庁に商談に来て、仕事がうまく行き帰ろうとしたところで大地震に遭遇という設定。
    2007年の話で、いろいろな所が出している被害想定なども詳しく描かれています。
    首都東京のもろさよく描かれていて、東日本大震災の時の混乱を思い出しながら読みました。
    西谷という主人公を導く甲斐という人物の正体にほろっとしました。

  • 『無限連鎖』楡周平
    再読です。
    アメリカや日本が巻き込まれるテロが描かれていますが、犯人たちは物流の途絶を狙うなど用意周到。
    そして次に狙われたのは日本のタンカー。
    後半は特に息がつまるような描写が続きます。
    再読ですが、迫力ある小説でした。

  • 『衛星を使い、私に』結城充考
    この前の前の投稿の短編が集めてある本です。
    主人公のクロハのまだ、大きな事件に巻き込まれる前の話です。
    連作短編となったつながりもあり、作者がいろいろなことを考えて描いている作品であることがわかります。
    まだ、自分のスタンスがつかめないまま、もがいている主人公クロハが浮き上がってきます。

    新年あけましておめでとうございます。
    最近は、読了報告が私ばかりですが、今年も面白い本を是非ご紹介くださいね。

  • 『マルトク特別協力者』竹内明
    副題は、警視庁公安部外事二課です。
    ソトニとしてシリーズになっている話です。
    外務省の在ニューヨーク日本国総領事館に勤める筒見慶太郎が主人公。
    始まりは、孫の運動会を見ているところで狙撃された内閣官房副長官の話。
    そこから、総領事館に亡命を求めてきた人物や、周到に筒見を呼び出したものの、死体となって発見された人物が出たり、話としてはかなり大きな動きを見せます。
    一体、だれが何のために、というのが、様々な人物が絡んでくる中で明らかになってきます。
    公安というのが奥深いことを知らされます。

  • 『エコイック・メモリ』結城充考
    以前、別のシリーズのものを読んだことがある女性刑事クロハを巡る事件です。
    クロハが指名されて関わったのは、ネットに殺人の場面がアップされたのが、本当のものなのか、作られたものなのかを探ること。
    そして、クロハは短い時間の中で、映像に写されたものが真実であることをつきとめ、さらなる事件に巻き込まれていきます。
    最初は見方であった上司も、クロハの行動に業をにやして謹慎を言い渡したりする中で、真相を追い求めていきます。
    そんなクロハの身辺では、亡くなった姉の赤ん坊が義理の兄に取り上げられようとする事態も進んでいきます。
    緊迫感のある話で、厚みがあったのですが、結構勢いで読みました。

  • 『本日も教官なり』小野寺史宜
    教官とは自動車学校の教官で、主人公の男性は仕事で疲れてしまい、離婚後に自動車学校の教官となった。
    自動車教習所の教官としてはいたってまじめで、自動車の運転に関しては、訪れる様々な生徒に誠実に対応をしている。
    そんな男性の別れた妻から電話がかかってきて、高校生の娘が妊娠したという。
    すごいドラマが起こるわけではないのですが、それぞれ一生懸命生きている人たちが登場します。

  • 『キネマの神様』原田マハ
    心臓の病気で倒れた老いた父親は、ギャンブル依存で母と娘にそれを禁じられる。
    ちょうどその時大手の会社を辞めた娘は、映画好きの父の縁から、映画雑誌の会社に勤めることになる。
    すっかり元気をなくした父親が、キネマの神様という名でのブログを書くことで生き生きとする。
    そして、ひょんなことから英訳もされるようになって、さらに世界は広がる。
    映画を映画館で観ることの楽しみについても語られていて、映画を観に行きたくなる小説です。

  • 『P.O.Sキャメルマート京洛病院店の四季』鏑木蓮
    主人公の小山田は、キャメルマートの社員として、売り上げがいまひとつであることへのテコ入れとして、今日との病院内あらコンビニに異動となる。
    効率主義で店舗を指導する立場で勤めてきて、POS(ポイント・オブ・セールス)の数字は嘘をつかないと、その数字の分析をすることで仕事をしてきた。
    しかし、病院という特殊な環境の中では、本社があげてくる行楽弁当の企画をそのまま出すわけにもいかないし、健康に気をつかっている患者の多いところで、大々的なスイーツ展開もできない、と引き継ぎの店長と仕事をする中からわかってくる。
    また、病院の店に来る患者さん、医師、看護師との関係も出てくる中で、プライベートな問題もそのままにはしておけないと、それをきっかけに新たな商品開発に結び付けたりする。
    末期がんと闘う元変身ヒーローの俳優だった鵜飼という男性の生きざまには、涙が出てきます。
    大手ではないとはいえ、全国チェーンで、実際はこうまでうまくはすすまないだろうというところはありますが、元気をもらえる小説です。

  • 『アンカー』今野敏
    ニュース11のディレクター、キャスター、記者が主人公となった物語で、そこに事件を担当する刑事も絡んできます。
    布施という記者は、特ダネをよくもちこんでくる記者ではあるが、常識にはしばられないところもあり、ディレクターの鳩村は苦々しく思うところもあった。
    布施記者が興味を示したのは、10年前に大学生の息子を突然刃物で亡くした両親がずっと町田駅前でビラ配りをしているという事件。
    発端は、ただ興味をもったというところではあるが、その事件を黒田刑事が継続捜査として担当をすることになり、少しずつ何かが動き始める。
    そして、ニュース番組は視聴率が少しずつ下がり始め、関西から投入された栃本というサブディレクターが、違う風をもってきて波風も起き始めます。
    ニュース番組と事件がうまく絡み合って、あっという間に読んでしまいました。

  • 『female』
    女性作家による、官能的な短編。
    「夜の舌先」という室井佑月の一篇は、会社の中でお局的な存在になりつつある女性が、セブ島の土産物店で見つけた香炉。
    その香炉をある条件で炊くと、自分の見たい夢が見られるという。
    年下の男性社員との夢は見られるようになったが、それで現実が変わるわけでもない、それによる結末には悲しさが漂うものでした。

  • 『硝子の太陽Noir』誉田哲也
    歌舞伎町セブンを巡る物語。
    フリーライターでもあるメンバー上岡が、陣内の店を訪ねて、仕事で忙しくしていると語った2日後に、ウィークリーマンションの一室で殺されてしまう。
    新宿署の東は、陣内たちの正体を知っていて、上岡の事件にも入ろうとするが、公務執行妨害で逮捕された男の捜査から抜けられなかったため、独自に動いて真相をさぐる。
    陣内たちと東達の捜査の状況からだんだんと事情が見えてくるが、沖縄の基地問題まで絡んできて、一筋縄ではいかなくなってくる。
    亡くなってしまった上岡の人柄が浮かんでくる描写にホロリとさせられました。

  • 『逆島断雄と進駐官養成高校の決闘』石田衣良
    前回読んだのが前編で、後半を読みました。
    養成高校の運動会は、訓練以上のとんでもない闘いが繰り広げられます。
    逆島断雄の所属する1年3組が文化祭の出し物として決めたのが、異種格闘技大会。
    東園寺家と逆島家の因縁をひきずり、しかもとんでもない策略が大会には隠されていて、命をかけるような試合が展開されていきます。
    なんとも小説とはいえ、恐ろしい世の中が描かれています。

  • 『海に消えた神々』今野敏
    2002年の作品です。
    探偵をする石神のもとを訪ねてきたのは、男子高校生。
    沖縄の大学で研究をしていて、亡くなった教授の娘が同級生となったが、自殺として片付けれられてしまったその件んについて、真実を明かしてほしいという。
    最初はまったく乗り気ではなかったが、その娘と会い、事情を調べていくことを決め、少女と助手を伴って沖縄へを出かける。
    海底神殿や考古学の話、またムー大陸伝説など多岐にわたって語られる場面があります。
    また、遺跡発掘でゴッドハンドと呼ばれた人物が実はねつ造だったという話も、なるほど、そんなことがあったなと思いながら読みました。
    事件を周辺を巡る話がなかなか壮大でした。

  • 『逆島断雄』石田衣良
    副題は進駐官養成学校の決闘編です。
    未来を舞台として、日乃元皇国が大植民地時代にあって、優秀な進駐官を養成するためのエリート校での話。
    そこに15歳で入学した逆島断雄は由緒ある家柄であったが、父が大軍を率いて自決をするという不名誉を起こしたことで家は没落していた。
    しかし、以前からのつきあいで、皇女の娘も幼馴染で、養成学校で同じ班となった4人が協力して力を発揮し、父が亡くなった真相に謎があることが明らかになってきます。

  • 『白いへび眠る島』三浦しをん
    独特の雰囲気を描き出している小説でした。
    舞台は、古くからのしきたりや言い伝えの残る拝島という島で、そこでは13年ぶりに大祭が開かれようとしていた。
    島を出て、高校に通う悟史が久しぶりに帰郷すると、島に「あれ」が出たといううわさが広がっていた。
    名前を言うことすら忌み嫌われる存在。
    そして、血のつながらない「持念兄弟」という不思議な石で結ばれる光市とともに祭りが無事に行われるように奔走する。
    悟史には人には見えないものが見え、聞こえるという不思議な能力があり、神主の次男もキーマンとなって協力を求めてくる。
    三浦しをんさんがこのような小説も書いていることを知りました。

  • 『天才たちの値段』門井慶喜
    副題は、美術探偵・神永美有です。
    短大の美術講師の佐々木は、本物の美術品と出会うと、甘い味を感じるという神永美有という人物とある絵の真贋を確かめてほしいという依頼の場で出会う。
    美術品とそれを巡る人の話。
    遺言の色という最後の一篇は、遺品を巡ってその謎をといたものに美術品の相続の権利を渡すとして亡くなり、遺産争いをすることになった2人のやりとり。
    時に難しい表現も出てくるのですが、じっくりと味わえるミステリーでした。

本文はここまでです このページの先頭へ