日朝関係

「竹島（独島の日本名）は日本の領土」という主張についてPRする資料館が6月1日、島根県に開設されるという。「独島」に関する調査・研究を目的に、島根県隠岐の島町に開設される「久見竹島歴史館」で5月29日、開館を記念する祝賀行事が行われた。この日の行事には、内閣府の酒井庸行政務官など約60人が出席した。 韓国にはソウルの東北アジア財団に独島博物館があり、また鬱陵島には古くからの独島博物館がある。 これらの韓国側の試みに対抗する目的で開設されるのが、久見竹島歴史館であると思われる。日本は外務省のホームページを通して、次のように5つの根拠とならない根拠を主張して、独島が日本の領土であるとかねてから広報してきた。その5つを紹介する。 (1)　17世紀初めには日本人が政府（江戸幕府）公認の下、鬱陵島に渡る際、独島を航行の目標として、また停泊地として利用するとともに、あしかやあわびなどの漁猟にも利用していた。遅くとも17世紀半ばには、日本の独島に対する領有権は確立していた。 (2)　日本は1905年1月の閣議決定により独島を島根県に編入し、領有意思を再確認するとともに、その後官有地台帳への登録、あしか猟の許可、国有地使用料の徴収などを通じた主権の行使を他国の抗議を受けることなく平穏かつ継続して行った。こうして既に確立していた竹島に対する日本の領有権が、近代国際法上も諸外国に対してより明確に主張できるようになった。 (3)　第二次世界大戦後の日本の領土処理等を行ったサンフランシスコ平和条約（1951年9月8日署名，1952年4月28日発効）の起草過程において、韓国は同条約を起草していた米国に対し、日本が放棄すべき地域に独島を加えるように求めた。しかし米国は、「独島は朝鮮の一部として取り扱われたことはなく日本領である」として韓国の要請を明確に拒絶した。これは米国政府が公開した外交文書によって明らかになっている。そのような経緯により、サンフランシスコ平和条約では日本が放棄すべき地域として「済州島、巨文島及び鬱陵島を含む朝鮮」と規定され、独島はそこから意図的に除外された。このように第二次世界大戦後の国際秩序を構築したサンフランシスコ平和条約において、独島が日本の領土であることが確認されている。 (4)　サンフランシスコ条約発効後、米国は日本に対して独島を爆撃訓練区域として使用することを申し入れた。これを受けて日米間の協定に基づいて、独島を爆撃訓練区域に指定することとし、日本はその旨を公表した。第二次世界大戦後の国際秩序において、独島が日本の領土であることは明確に認められていた。 (5)　しかし，サンフランシスコ平和条約発効直前の1952年1月、韓国はいわゆる「李承晩ライン」を一方的に設定し、そのライン内に独島を取り込んだ。これは明らかに国際法に反した行為であり、日本として認められるものではない旨、直ちに厳重な抗議を行った。それにもかかわらず韓国はその後、独島に警備隊員などを常駐させ、宿舎や監視所、灯台、接岸施設などを構築した。このような韓国の力による独島の占拠は国際法上一切根拠のないものであり、日本は韓国に対してその都度、厳重な抗議を行うとともにその撤回を求めてきている。こうした不法占拠に基づいたいかなる措置も法的な正当性を有するものではなく、また領有権の根拠となる何らの法的効果を生じさせるものでもない。 さらに日本は次のように主張する。 「戦後一貫して平和国家として歩んできた日本は、独島の領有権をめぐる問題を平和的手段によって解決するため、1954年から現在に至るまで、3回にわたって国際司法裁判所に付託することを提案してきたが韓国側は全て拒否している。国際社会の様々な場において重要な役割を果たしている韓国が、国際法に基づいた解決策に背を向ける現状は極めて残念だが、日本は引き続き国際法にのっとり、冷静かつ平和的に紛争を解決するために適切な手段を講じていく考えである。」 日本は以上のように非常に独断的な話を並べながら、あたかも日本が平和国家で韓国はならず者国家のように記述している。事実を歪曲した内容がほとんどであるが、上記のような内容を幾度も国際社会で繰り返せば、何も知らない人たちは日本の言い分が正当であると考えてしまう。嘘も100回言えば真実になるというヒットラーの論理をそのまま利用しているのが日本である。今回は日本の主張の(1)と(2)に関して簡単に反論しようと思う。