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掲示板のコメントはすべて投稿者の個人的な判断を表すものであり、
当社が投資の勧誘を目的としているものではありません。

  • 今回はぎりぎり回避できた?1月6日(木)関東大雪による"ブラックアウト(大規模停電)“
    森田正光 気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ会長
    1/9(日) 15:01

    1月7日「しきさい」が捉えた関東の積雪 JAXA提供 作画ウェザーマップ
     1月6日(木)、関東地方は4年ぶりの大雪に見舞われました。翌日7日にかけて、車の立往生やスリップ事故などが続出し大きく報じられましたが、実はその陰に隠れて、電力が逼迫(ひっぱく)する状況になっていました。

    少ない降水量での大雪

     今回の雪の特徴は、降水量に比べて積雪量が多かったことです。

     ふつう東京の雪は水分量が多く、降水量1ミリに対して降雪は1センチ程度と言われています。ところが今回は、降水量6.5ミリに対して最深積雪は10センチにもなり、東京の雪としては珍しい降り方だったと言えるでしょう。

     逆に言うと水分量が少ないために解けにくく、しかも放射冷却も加わって翌朝の気温は-3.5度まで低下。至るところで雪が残りました。

     それを示すのが、気候変動観測衛星「しきさい」の画像(タイトル画像参照)です。

     しきさいは高度約800キロ付近を周回しているので、静止気象衛星「ひまわり」のように、つねに同じ場所の画像を写し出すことはできません。しかし、ひまわり(36,000キロ)より45倍も地球に近いところから撮影することができ、分解能も250メートルと格段に精度の良い画像を提供してくれています。

     タイトル画像は雪が降った翌日(7日)午前10時半ごろの状態ですが、白色の濃淡で積雪の多い少ないが分かります。また、南関東全体が薄いグレーなのに対し、都心付近だけは濃いグレーになっており、いち早く雪が解けた様子が見て取れるでしょう。さらによく見ると環状に濃い点々が取り巻いており、人口密集地だと想像することも出来ます。

     しかし、問題はそこではありません。

    太陽光パネルの落とし穴
    太陽光パネルに積もった雪(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)
     大雪などが原因で起こる大停電のことを”ブラックアウト”と言います。湿った雪が電線に着いて電線が切れたり、雪の重さで倒れた木が電線を切ったりなどがありますが過去には思いもよらない理由で大停電、一歩手前までいったこともありました。

     今から4年前、2018年1月22日の大雪でのことです。

     実は、ことが起きそうになったのは大雪当日ではなく、その翌日でした。天気は晴れ、東京の最高気温は10.0度まであがったものの、23センチも積もった雪はなかなか解けず寒い一日でした。

     電気と言うのは大規模に貯めておくことが出来ないので事前に需要予測をして、それに合わせて供給量を決める仕組みになっています。当然、寒いとか大雪とかで需要が多くなると予想されれば、電力を調整しやすい火力発電などで対応することになります。また、場合によっては他電力会社(東京電力の場合は東北電力や中部電力)に供給の依頼をすることになります。

     ところが「東京大停電(金田武司)」によると、2018年1月23日は、供給電力があと1%足りなければ大停電が起こる可能性があったといいます。詳しくは本を読んでいただくとして、その大きな理由が太陽光発電でした。

     大雪で太陽光発電が壊れたのかと思いきや、そうではなく太陽光パネルに雪が積もり、その雪が低温で解けなかったために、関東一円の発電量が大幅に減ってしまったのです。

    1月7日「しきさい」の画像 提供:JAXA 出典:ウェザーマップ(スタッフ加工)
     あらためて今回(1月7日)のしきさいの画像を見てみましょう。とくに雪が多く残っているのは利根川沿いの田園地帯や北関東の平野部(赤丸部分)など、私には太陽光パネルの多い地方と連動しているようにも見受けられます。

     実際に、今回の大雪の際に東京電力は4回にわたって、この冬初めて他電力会社(北海道電力、東北電力、中部電力、関西電力)に電気の融通を要請しました。そのため、今回は停電を回避することができ、大きな混乱はありませんでした。

     真冬の電力事情は真夏と違って夕方から夜にかけて電力が逼迫します。具体的には電力使用量がおよそ95%を超えると他の電力会社に電気を融通してもらえるよう要請されるのですが、ここ10年の融通状況をみると、ほとんどが冬場に行われています。昔と違って、冬場でもエアコンを使う家庭が増えていることも要因のひとつでしょう。(さらに、冬は太陽光発電の発電量が最も少ない時季でもあります)

     また停電というのは小さな規模でも、同時多発的に起こると変電所の閉鎖から連鎖的に広がり、突発的な大停電というのも絵空事ではありません。

    日本のエネルギー源別発電電力構成比 経済産業省資源エネルギー庁総合エネルギー統計よりスタッフ作成
     太陽光発電が電力に占める割合は急激に増えており2020年現在、前年比14%増、全体としては約8%に達しています。太陽光発電自体が普及することは望ましいのでしょうが、電力の場合、一つの選択肢というのは難しいかもしれません。

    この冬は雪が多いのか

     1月10日(成人の日)は、南岸低気圧が関東の南を通り、ことによると雪が降る可能性がありましたが、いまのところ沿岸部でわずかに雨雲がかかるくらいで都心はほぼ降らない予想に変わってきました。

     しかしながら、最新の1カ月予報によると、太平洋側は、広く降水量が多い予想です。これは、南岸低気圧の影響を受ける可能性が高いことを表しており、言い換えると、関東地方にとっては雪が降る気圧配置になりやすいということを示唆しています。(もちろん、そのときの気象条件によります)

     さらに、1月下旬以降は東日本、西日本で気温も平年より低い傾向です。

     今後、積雪や予想を超えるような低温になった場合、マスコミ関係の方は、関係機関の発表する電力予想にも留意していただきたいと思います。

  • 首都圏大雪、トラブル相次ぐ 転倒などで500人以上負傷、事故続出
    1/7(金) 12:01配信
    毎日新聞

     6日に大雪が降った首都圏では、7日朝にかけて路面凍結の影響とみられるトラブルが相次いだ。屋外で転倒するなどして500人以上が負傷したほか、各地で車の立ち往生や通行止め、交通事故が発生。航空便の欠航や鉄道の運休もあり、影響が続いた。

     気象庁によると、東京都心では6日、4年ぶりに積雪が10センチに到達。7日は雪はやんだものの、朝から厳しい冷え込みが続いた。同日午前7時時点の各地の最低気温は、東京都心で氷点下3・5度、さいたま市で同8・3度、横浜市で同1・5度を記録。千葉県船橋市は同5・4度となり、観測史上最低を更新した。

     各地の消防などによると、7日午前までに確認されたけが人は東京都215人、神奈川県141人、千葉県117人、茨城県33人、埼玉県24人。このうち、埼玉県草加市では自転車に乗っていた男性(84)が転倒し左太ももを骨折する重傷を負った。

     交通事故や立ち往生も相次いだ。警視庁によると6日正午~7日午前8時半に都内で雪の影響による人身事故が少なくとも77件あった。

     東京湾に架かる「東京ゲートブリッジ」(江東区)では6日午後6時半ごろ、走行中の車両2台が路面凍結の影響で立ち往生した。警視庁東京湾岸署によると、最大で100台以上が巻き込まれたという。7日午前3時半ごろには、署員がカイロやペットボトルの水、乾パンを運転手たちに差し入れた。立ち往生は同午前8時までにほぼ解消されたが、トラック1台が動けず通行止めは続いた。

     首都高速道路でも複数の区間で立ち往生が発生。中央環状線の板橋ジャンクション(JCT、板橋区)―江北JCT(足立区)間では6日午後8時ごろから、ノーマルタイヤを装着した多数の車が動けなくなり、車の中で一夜を明かした運転手もいたという。このほか、首都高では多数のスリップ事故が起きた。

     一般道でも7日午前0時過ぎ、埼玉県春日部市下柳の国道で大型トラック5台が絡む追突事故があり、4人が軽傷を負った。東京都三鷹市大沢の都道でも6日夜、12台が絡む玉突き事故があったが、けが人はなかった。7日午前9時前には国分寺市泉町の住宅に路線バスが衝突し、バスの運転手と自転車の男性の計2人がけがをした。警視庁によると、バスは目の前で転倒した自転車を避けようとしてブレーキをかけ、凍結路面で滑ったという。

     関東各地のJR線や私鉄各線は7日朝、ほぼ通常運行に戻った。一方、東京都営新交通システム「日暮里・舎人(とねり)ライナー」は、路面凍結で全線の運転を断続的に見合わせた。千葉県の小湊鉄道も大雪の影響で一部区間の運転を一時見合わせ、同県佐倉市の新交通システム「山万ユーカリが丘線」も運行できず代行輸送で対応した。

     航空便では、全日空で7日の羽田着の国内線9便が欠航となった。

    【まとめ・黒川晋史】

  • 東京都心で10センチ積雪 交通事故通報800件 大雪警報も発令
    1/6(木) 22:00配信
    毎日新聞

     日本列島の上空に寒気が流れ込んだ影響で、6日は太平洋側も冷え込みが強まり、各地で雪が降った。東京都心では午後6時現在で10センチの積雪が観測され、気象庁は島しょ部を除く東京都と千葉県全域、茨城県南部に大雪警報を発令した。東京都心で10センチ以上の積雪が観測されるのは2018年1月以来4年ぶりで、大雪警報の発令も同じく4年ぶり。7日は路面の凍結が予想され、同庁は転倒や事故、交通障害への注意を呼びかけている。

     日本の南を東進する低気圧と伊豆諸島付近の気圧の谷が、湿った空気を上空に引き上げて雪を降らせた。午後6時現在の各地の積雪は、横浜市と千葉市7センチ▽さいたま市2センチ▽茨城県つくば市8センチ――など。気温も上がらず、最高気温は東京都心2.6度▽さいたま市2.1度▽横浜市3.1度――にとどまった。

     7日午後6時までの24時間予想降雪量は、いずれも多いところで、関東南部の山地3センチ▽関東南部の平地5センチ▽茨城県3センチ。

     埼玉県によると、県内で男女4人が骨折などのけがをした。警視庁によると、6日正午から午後9時までに東京都内で交通事故の通報が約800件あった。首都高速道路は午後7時現在、台場線など3路線で全線通行止めとなった。鉄道もJRを含む各線でダイヤが乱れた。日本航空や全日空によると、羽田空港発着の国内線は多くの便が欠航となった。佐川急便は東京23区や神奈川、千葉県全域などで荷物の引き受けや配達を停止した。【井口慎太郎、加藤昌平】

  • 大雪から一夜、首都圏は路面凍結で大混乱…都内で転倒の215人搬送
    1/7(金) 12:24配信

    読売新聞オンライン

     4年ぶりとなる都心での大雪警報から一夜明けた7日朝、首都圏は今季一番の冷え込みとなった。路面凍結などの影響で道路の通行止めや鉄道の遅延が生じ、事故や転倒によるけが人も相次いだ。冷え込みは8日も続く見通しで、気象庁は注意を呼びかけている。

     気象庁によると、関東南部の雪は6日深夜には降りやんだ。7日朝は冬型の気圧配置の影響で、最低気温は東京都心が氷点下3・5度、さいたま市が同8・3度、横浜市が同1・5度と今季最低を記録。千葉県船橋市では観測史上最低の同5・4度となった。

     6日夜に最大10センチの積雪を観測した都心では通勤時間帯に交通が大きく乱れた。

     首都高速は7日午前10時半時点で、中央環状線や湾岸線など全26路線のうち14路線で全線または一部区間が通行止めになっている。警視庁によると、東京都江東区の「東京ゲートブリッジ」では最大約100台が立ち往生した。

     鉄道では、架線凍結などでJRの在来線の一部列車に運休や遅れが生じた。武蔵野線の北朝霞駅(埼玉県朝霞市)などでは利用者が滞留し、一時入場規制が行われた。羽田空港では前日の欠航による機材繰りの影響で9便が欠航した。

     事故やけが人も多数に上り、東京消防庁によると都内では7日午前9時までに215人が転倒でけがを負い、搬送された。埼玉県では同日朝までに約80人、千葉県では117人が負傷した。神奈川県では7日午前6時までに車のスリップなどで22人が軽傷を負った。茨城県では同日午前8時半までに人身事故が29件起き、33人が軽傷を負った。

  • 宇宙からも関東の雪が一目瞭然 東京や千葉で積雪続く
    1/7(金) 10:03配信

    今日1月7日(金)の朝は、宇宙からみた気象衛星画像で、関東地方の積雪がくっきりと見えています。

    昨日6日(木)に降った雪が、首都圏の広範囲で今朝も残っているのがわかります。

    昼間に雪がとけるか注視
    東京都心では、今朝9時でも積雪深(積もった雪の厚み)が7cmとなっています。きのうの積雪深の最大だった10cmから、まだあまり減っていない状況です。このほか9時の積雪深は、茨城県のつくばで7cm、千葉や横浜で5cmとなっています。

    一方で、群馬県の前橋や、栃木県の宇都宮では積雪が観測されていません。この様子は衛星画像でも確認することが出来ます。大雪になったのは南関東が中心だったということを表しています。

    この積雪が夕方までに融けないと、今夜から明日にかけても路面凍結が続くおそれがあります。

    気象庁によるアメダスの積雪の観測点は東京都内には1地点しかなく、状況の把握が難しい観測要素です。ウェザーニュースでは気象衛星画像のほか、1万通を超えるユーザー投稿を分析して、路面凍結予報などに反映しています。

    ウェザーニュース

    自由に独りごと 宇宙からも関東の雪が一目瞭然 東京や千葉で積雪続く 1/7(金) 10:03配信  今日1月7日(金)の朝は、宇宙からみた気象衛星画像で、関東地方の積雪がくっきりと見えています。  昨日6日(木)に降った雪が、首都圏の広範囲で今朝も残っているのがわかります。  昼間に雪がとけるか注視 東京都心では、今朝9時でも積雪深(積もった雪の厚み)が7cmとなっています。きのうの積雪深の最大だった10cmから、まだあまり減っていない状況です。このほか9時の積雪深は、茨城県のつくばで7cm、千葉や横浜で5cmとなっています。  一方で、群馬県の前橋や、栃木県の宇都宮では積雪が観測されていません。この様子は衛星画像でも確認することが出来ます。大雪になったのは南関東が中心だったということを表しています。  この積雪が夕方までに融けないと、今夜から明日にかけても路面凍結が続くおそれがあります。  気象庁によるアメダスの積雪の観測点は東京都内には1地点しかなく、状況の把握が難しい観測要素です。ウェザーニュースでは気象衛星画像のほか、1万通を超えるユーザー投稿を分析して、路面凍結予報などに反映しています。  ウェザーニュース

  • 39才で医学部合格、53才で医師免許取得の女性「分数から学び直した」

    人生100年時代。50代や60代になっても、まだまだ学ぶことはできる。なかには、50代を超えてから難関試験に挑戦する人もいるのだ。いったいどんな方法で勉強し、高いハードルを超えたのだろうか。3児の母から53才で医師となった前島貴子さん(56才)にその極意を聞いた。

     39才で医学部に合格。53才で医師免許を取得し、現在、産婦人科の医局で働く専攻医の前島さんは、「医師になるまでの私は、決して成績優秀ではありませんでした」と語る。

    「高校1年生で両親が離婚しましたが、小・中学生の頃の私は精神的に“うつ状態”で、勉強もほとんどしませんでした。特に理科と数学は、中学校で習う基礎的なことがまったく理解できておらず、学校の成績も常に学年で下の方。唯一、英語は好きだったのと、上京したかったので、東京の短大の英文科に進学しました」(前島さん・以下同)

     卒業後は東京で一般企業に就職。25才で故郷の島根県に帰り、母親が経営する薬局を手伝いながら、お客さんと接するうちに、心身を病む人を救いたいと思うようになった。臨床心理士を目指して勉強を始めたが、その直後に父親が自ら命を絶ってしまう。

    「父を救えなかったことが悔しくて、自ら死を選ぶような人をなくしたい、患者を心身ともに支えたいという思いから、医学部受験を決意しました。ただ、医学部受験に必要な理数系の知識は中学生以下。まず、中学校で習う分数の計算問題からやり直しました」

     心機一転、実家の近くの学習塾に通い始める。

    「そこは大人も対象にしており、塾長さんが作った数学のプリントを徹底的に解くことを繰り返し、なんとか1年で中学の基礎はマスターしました。中学の基礎からやり直したことで、応用が利くようになりましたね」

     本格的に医学部受験を目指すべく34才で大手予備校に入り、そこで知り合った10才年下の男性と翌年に結婚。36才のときには長女を出産する。

    「主人は勉強が得意だったので、予備校に通いながら、彼からいろいろと教えてもらえたことも大きかったですね」

     その後、39才で長男を出産。同年、ついに医学部に合格。

    「でも、大学で進級することは想像以上に厳しく、何度か留年してしまいました。特に3番目の子(次男)を産んだ後は試験に失敗し続け、2年留年。結局、卒業するのに9年かかりました」

     在学中は、公園に子供を連れて行くときも家事をするときも、テキストは肌身離さず持ち歩き、目を通していた。

    「問題を暗記するまで繰り返し解きました。一冊丸ごと頭に入れることで“どんな問題が出ても大丈夫”という自信にもなりました」

     だが、勉強は受験で終わりではなかった。

    「特に医学部時代、頭に入れたことは必ず誰かに説明していました。たとえば『糖尿病はこんな症状があって、どういう治療がある』など、家族や友人に説明することで、頭の中が整理され、さらに頭の中に叩き込まれる。この繰り返しが、重要だと思います」

    【プロフィール】
    前島貴子さん/1965年3月、島根県出身。「目の前にいる患者をなんとか救いたい」という信念のもと、7浪の末、医学部に合格。53才で医師免許を取得。2021年から愛知県内の病院に勤務。家族は、塾を経営する夫(45才)と19才の長女、17才の長男、13才の次男。

    取材・文/廉屋友美乃

    ※女性セブン2021年6月17日号

  • 池袋周辺に「マンション乱立」滞納者まで…スラム化防ぐため、豊島区が下した「英断」の中身

    東京都豊島区が「狭小住戸集合住宅税条例(ワンルームマンション税)」を施行し、マンションの建設規制を図った事例を、作家の山岡淳一郎氏の『生きのびるマンション 〈二つの老い〉をこえて』(岩波新書)より一部を抜粋・編集して解説します。

    日本では1度決定した都市計画が安易な規制緩和で骨抜きにされてきました。容積率が緩められ、超高層があちこちに建つ。あるいは地域に負荷を強いるワンルームが集中してしまう。都市計画の歯止めがきかないのです。

    そうした日本にあって、マンション規制の先鞭をつけたのは東京都豊島区でした。豊島区は、全住宅の8割以上が分譲マンションを含む共同住宅です。世帯構成も非常に偏っており、全世帯の56パーセントが単身者なのです。しかも広さ30平米に満たない狭小の集合住宅が全住宅の約4割を占めています。

    豊島区では、池袋駅周辺にワンルームマンションが大量に建設されてきました。JRと私鉄が乗り入れる池袋駅は交通の便が良く、学生や独身会社員が集まります。彼らはワンルームに賃貸で入り、隣近所とのつき合いはなく、短期間そこで暮らしてどこかへ移ります。

    ワンルームは節税用の投資物件が主で、所有者はばらばらです。管理組合の活動は低調で、賃借人が退出したら管理費を滞納する所有者も少なくありません。少子化でワンルームの需要は減っていきます。

    家族世帯が居住したくても豊島区には良質な住宅が足りません。長い目でみるとワンルームはスラム化の火種でした。豊島区は英断を下します。

    「ワンルームマンション税」を施行…効果はあったのか
    2004年6月、「狭小住戸集合住宅税条例(ワンルームマンション税)」を施行したのです。狭小住宅を建てようとする建築主に対し、1戸50万円の税を課します。仮に30平米未満の住室10戸のマンションを建設すれば、建築主は500万円の税金を払わなくてはなりません。ワンルーム供給の入口に課税しました。

    それから9年後、スラム化を防ぐ「豊島区マンション管理推進条例」が公布されます。

    この条例によって、区内の管理組合は管理状況の届け出を義務づけられました。届けを出さない、もしくは届け出内容が規定に適合しない場合は、区が指導、要請・勧告し、マンション名を公表する罰則も定められました。

    自治体が、マンション管理にここまで踏み込んだのは全国で初めてでした。ワンルームマンション税の税収は年間3億円程度に上り、良質な住宅の整備につぎ込まれます。豊島区長の高野之夫氏は、特定非営利活動法人日本住宅管理組合協議会(NPO日住協)のインタビューを受け、ワンルーム課税の意図をこう語っています(2013年3月8日)。

    「ワンルームマンションは、投資目的で、景気のいい時、金利の低いときにつくられ、池袋を抱える豊島区は、地の利がいいとして狙われました。ワンルームマンションは、管理はお任せで、しかもできるだけ管理費を削る、入居者の半分以上は、住民登録もしない。このころから、この町に対する危機感が生まれてきました」

    高野区長は、マンション管理推進条例への思いをストレートに述べます。

    「修繕費もかけない、計画修繕もしない、修繕費積み立てもしないマンションが増えると、マンションはどんどん劣悪化して、建て替えもできなくなる。ほかのひとと縁もない状況、ただ寝に帰るだけという町では、いけないと思いました。(略)自分の投資したものを回収できればいいというのでは、住宅はどんどん劣化してゆく」

    「これから、マンションの人たちが、区の中でどうやってコミュニケーションをつくっていくのか、そういう意味で、しっかりしたマンションの管理ができて、また何十年後かにきちんと再生、建て替えられるマンションであってほしい」

    「町内会に入って、地域との縁をつくっていただいて、そうして30年以内に来るという首都直下型地震に備えるマンションの防災態勢をつくることも大事ですよ。そのことに積極的に参加してもらって、防災は町全体でやっていかないといけない。しっかりした管理組合、住民が行政とともに地域のコミュニティをつくってもらいたい」

    マンション住民の関心の的は管理推進条例の「罰則」で名前が公表されるかどうかです。

    「罰則」でマンションの名前を公表…本当にするの?
    高野区長は「不適格のお墨付きをもらったとなれば、それは価値がさがりますよ。これは、ずいぶん効くんじゃないですか」と言いつつも、「指導して協力を求めて、それでも従わないときしか、伝家の宝刀は抜きません。最後の最後ですよ。やるのは。良好な住環境をつくる、それがまさに、狙いですからね」と抑制気味です。

    同趣旨のマンション管理条例の制定は、墨田区、板橋区、千代田区へと広がり、東京都も「マンションの適正な管理の促進に向けた制度案」を2021年3月に条例化しました。

    「脱スラム化」へと管理組合、地域、自治体が問題意識を共有しつつあります。が、しかし……不動産、建設行政の根幹を握る国は、既存マンションの維持管理や流通の促進、建物を生かした「再生(リノベーション)」には消極的です。

    旧「建設省」を母体とする国交省は、相変わらず「建設」主体で政策を考えます。スラムと楽園を分けるのは、じつは根本の住宅政策、マンション政策なのです。国交省は前例主義で過去に囚われているようです。

    山岡 淳一郎

  • SNS「投げ銭で億万長者」も現実に ユーザーがはまる構造とは

     SNSで利用できる「投げ銭」機能が話題となっている。投げ銭とは、ライブ配信者に金銭もしくはそれに代わるものをオンラインで視聴者が提供することだ。YouTubeの投げ銭機能「スーパーチャット」、通称「スパチャ」の他、最近ではTikTokやInstagramなどのライブ配信でも利用できるようになり、Twitterでも機能追加されたと話題になった。なぜ投げ銭機能がこれほど人気となっており、視聴者は投げ銭をするのだろうか。ネット事情に詳しい成蹊大学客員教授の高橋暁子さんが、投げ銭機能が人気の理由と実態について解説する。
     * * *
    「好きな配信者を応援したい。投げ銭すると喜んでくれるし、お願いを聞いてリクエストに応えてもらったこともある」とその醍醐味を語るのは、どこにでもいそうな30代女性だ。その彼女から、「投げ銭のためにはランチ代を削ってもいい」と推しのためなら身を削るのも苦ではないと聞かされると、さすがに驚かされる。しかし、彼女のように生活費を削ってまで投げ銭するという話は珍しいことではない。

     SNSでの投げ銭と言われても、体験しないと分かりにくいだろう。未体験の人のためにYouTubeのスパチャを例に説明すると、ライブ配信中のYouTubeLIVEを見ると、コメント欄の横に「¥」など通貨のマークが表示される。そこがスパチャへの入り口だ。「¥」をタップすると「Super Chat」を選択できる画面になるので、投げ銭をしたい場合はそちらをさらにタップ。すると、100円から5万円くらいのあいだの金額を選ぶことができ、金額を確定させて決済すれば、LIVE配信者に向けた投げ銭完了だ。

     直接、お金を送るのではなく代替となるコインやギフトなどを購入する形をとるSNSもあるが、多くはライブ中のコメント欄から直接、視聴者が送れるようになっている。配信者に直接、送ることができるという実感を得られるのは、ファン活動「推し活」としてもっとも重要なことだろう。

     とはいえ投げ銭は、たいしたビジネスにならないのではと疑われてもいた。だがYouTubeの各種データを集計し公開しているPlayboardの集計によると、2020年の年間スーパーチャットランキングではVTuberの「桐生ココ」が1億5000万円集めて世界1位となった。1位だけでなく、10位までのうち7組が日本のVTuber、2組が日本のゲーム実況者を占めるなど、投げ銭機能で生活できるどころか大きくビジネス展開できる可能性が広がっていることがわかる。

     さらに、投げ銭機能を持つSNSはYouTubeだけではない。その他、TikTok LIVE、Instagramライブ、音声SNSとして大きな話題を集めたクラブハウスなどでも投げ銭機能が追加された。Twitterでも、お金を送受信できる「Tip Jar」機能が、事実上の投げ銭機能として搭載を発表されている。

    「推しを助けるのは自分」の気持ちで応援
     新型コロナウイルスが感染拡大したことで、舞台の上演中止や無観客試合などになり苦しむエンタメ業界やスポーツイベントなどの投げ銭活用も進んでいる。

     たとえばサッカーJリーグでも公式戦が中断された2020年は、浦和レッズがスポーツのニュースや動画を楽しむアプリ「Player!」を活用した例が話題になった。練習試合をYouTube Liveで生配信しながら、それに合わせてPlayer!上でOBなどが試合の解説を配信した初回では、なかには一人で10万円もの寄付するサポーターが現れた。

     新型コロナウイルスの影響で競技場や演芸場、ライブハウスやコンサートホールへ行くことができなくなった人たちがライブ配信を楽しみ、そのうち少なくない人が、投げ銭に感謝の気持ちをこめられることを体験している。ファンのアーティストのライブツアーがあれば必ず参加していたという40代女性は、それまでネット上でお金をやりとりするのは通販くらいだったというが、投げ銭は意味があることだったと語る。

    「生活費からわずかだけれど投げ銭をしました。コロナでしんどいと思うことも多いけれど、推しの存在が心の支えになっているし、またリアルでライブを見られるときを楽しみに日々をがんばれる。だから推しには、それまでがんばってもらわないと困るから応援した」

     別のあるVTuberに日々投げ銭する自らオタクを自認する20代男性は、「お金を払うことがアイデンティティになっているかも」と語る。「『俺の投げ銭でカメラが良くなったな』とか思えるのが嬉しい。自分が支援しているから活動できていると思っているし、特別扱いされているのが気持ちいい」。

    何をするわけでもない配信者に普通の人が投げ銭を繰り返す
     投げ銭機能を活用しているのは、プロスポーツ選手やステージに立つ人、Vtuberなど多数に見てもらうことを仕事とするたちばかりではない。2020年に緊急事態宣言が発令されたとき、営業休止となって困ったキャバクラ嬢たちが生配信で投げ銭を集める例も増えた。

    「投げ銭をすると名前を呼んでもらえるし、ランキング上位に入って存在を認めてもらえる。それに、額によってランキングが画面に表示されるから、つい投げ銭をしてしまうんですよ」

     とあるキャバクラ嬢の配信を必ず見ている40代会社員男性は、その醍醐味を楽しそうに明かしてくれた。あまり大声で「推し活」しています! とは言えないかもしれないが、投げ銭をしたくなる人が現れるのはわかる配信者だ。一方で、なぜ投げ銭が集まるのか分かりづらい配信もある。

     その配信者たちは一般人で、特に何をするわけでもなく、日常生活をただ見せているだけ、とりとめもないおしゃべりをするだけという人も多い。いわゆる「映える」ような工夫も少ない。それだけでも理由がわからないのに、そこへ投げ銭をする側も特に裕福というわけではなく、一般の大学生なども混じっている。そのような人たちは、なぜ投げ銭するのだろうか。

     そういった「普通の」配信者に投げ銭をした大学生にきっかけを聞くと「たまたまあるVTuberが配信しているのを視聴した。有名でもないし、それまで知らなかった。でも、入ったときにIDを呼んでくれた。それではまってしまって」と言う。

    「翌日も視聴したら、『今日も来てくれたんだ、嬉しい』と喜ばれた。それから毎日通っている」。大学もすべてオンライン授業となる中、画面越しとはいえ、貴重なリアルコミュニケーションができる場となっているそうだ。

     そして「見に来ている人たちもいい人たちばかりで、就活の相談をしたこともある。みんなが応援してくれて嬉しかった」と続けた。このように同じ配信者が好きな仲間ができたり、居場所となっている人もいるようだ。

    過剰な投げ銭や過激な配信が問題に
     苦境の業界の救世主的存在となりつつある投げ銭機能だが、一方で問題も起きている。投げ銭は支援者に支払うという意味合いが強いため、支援者側は課金額に応じた対価を求めることが多くなる。中には配信者に対して脅迫まがいのお願いをする支援者もいる他、配信者側も投げ銭によって言いなりになってしまう例があるため、行動の過激化も指摘されている。

     たとえばロシアでは、18歳少年を含む複数の男が女性に対して性暴力を働く様子をYouTubeで配信、投げ銭を集めて訴えられている。また同じく投げ銭が人気の中国では、高濃度のアルコールを一気飲みする動画を配信する配信者が次々現れ、なかには死亡事故へと繋がったこともあるなど問題視されている。

     投げ銭市場が1000億元(約1兆5000億円)超規模という試算もある中国では、金銭面でも社会問題となりつつある。たとえば、湖北省の9歳女児が10万元(約150万円)を投げ銭して保護者が返金を求めた例や、学費を使い込んでしまう例もあり、未成年や若者が配信に過剰に投げ銭につぎ込んでしまうのだ。こういった事例が起きないように、中国では運営企業に対して配信者や視聴者の実名管理を求める通知を出している。日本でも他人事ではないだろう。

     このように課題は多いが、投げ銭によって好きなクリエイターや業界を支援したり、交流することができるというのは、SNSの良さを生かした新機能なのは間違いない。新型コロナウイルスの感染拡大によって急拡大した面はあるが、それがなくとも遠からず定着したのではないだろうか。なにしろ、自分の善意が直接、反映される実感が得られるのだから。

  • 高騰ぶりに驚愕「300万円の投資が4000万円になった」
    まるでバブル景気、アフターコロナはどうなる?

    4月はじめの、やけに陽気のいい日だった。神戸市の御影は瀟洒な住宅地で、そこにある古い喫茶店でひさしぶりに友人とコーヒーを飲んでいるとき、ふいにビットコインの話がでた。「300万円の投資が4000万円になった」のだという。金額に気をとられがちだが、おどろくべきなのはその増え方にある。わずか1年間ほどで、元手が10倍以上に膨らんでいる。その異様な高騰ぶりは、投資というよりまさに投機的だ。

     第4波の声もあがっているコロナ禍にあって、日経平均株価も上昇を続けている。昨年4月に7都道府県に緊急事態宣言がでたころから、株式市場は強気相場に転じた。コロナ対策として市場にあふれでた「緩和マネー」が、株や仮想通貨の高騰を招いているのはたしかだろう。ここにきて経済誌はこぞって株特集を組み、書店の棚には株関連本のボリュームが増している。これまで縁のなかった株取引をはじめた、という知人もいる。

     そういう話を耳にするたび、「この道はいつか来た道」という思いがわきあがってくる。

    ■「この道はいつか来た道」なのか

     いまから30年あまり前のことだ。1980年代後半の日本はバブル景気にわいていた。円高による不況を乗り切るために、金融緩和措置がとられ、そのマネーがどっと市場に流れこんだのである。高級車にゴルフ会員権、不動産、絵画オークション、ブランド品などなど、人々の関心は投資や投機にむかった。

     証券会社に勤めはじめた友だちのボーナスを聞いて、「なんだよ、そのふざけた金額は!」と思ったのを覚えている。いま思えば入社2、3年目の平社員だというのに、年末のボーナス額は現在の世帯平均年収を大きく上回っていた。

     当時の私は20代で、たしかにカネ回りがいい時代だとは思っていたけれど、私自身がその恩恵にあずかったわけではない。むしろどこか居心地が悪くて、ヘンな時代だなぁという気分が強かった。2センチばかり地面から浮きあがって、フワフワしている感じだ。それがどうも落ち着かない。

     1986年12月の日経平均株価は、1万2000円台の後半くらいだった。それが3年後の1989年12月29日、年内最後の取引日の終値は3万8915円となり、史上最高値をつけた。しかし、その2年後にはバブルが崩壊し、やがて株価は7000円前後にまで下落していく。その株価がいま、ふたたび3万円を超えていこうとしている。ただし30年前といまが大きく異なるのは、「持てる者」と「持たざる者」の差が際立っていることである。

    ■生活はあのころより、はるかに厳しい

     あのころに感じていた時代の空気への違和感は、いまの若者にもあることだろう。いや、もっと厳しいものにちがいない。せっかく社会人になっても、奨学金返済に20年もかけなくてはならない、という話がごろごろしている。はたして生活していけるのか。その不安が若者たちのなかにある。

     ビットコインで「濡れ手に粟(あわ)」を体現した友人は、「まだしばらくは過剰気味なマネーの動きが継続する」と見ている。しかし、いつかは収縮する。また“ババ抜き”がはじまっているなぁ、という思いがひたひたと脳裏に迫ってくる。外は春の陽気だ。桜の花びらが舞っている。多くの人は、自分が最後までジョーカーをもつことになるとは思っていない。コロナ禍がすぎてあたりを見渡したとき、はたしてどんな風景が広がっているのか。

    (まいどなニュース/サンテレビ特約・大西 昭彦)

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